比例は民主36%、自民15% 共同通信、電話世論調査(共同通信)
共同通信社が18、19の両日、衆院選への有権者の関心度や政党支持の傾向を探るために実施した全国電話世論調査で、比例代表の投票先政党で民主党が36・2%に上り、15・6%だった自民党の2倍以上に達した。前回2005年衆院選の第1回トレンド調査では自民党が31・5%、民主党15・2%だったが、完全に逆転した形だ。ただ「まだ決めていない」の回答が34・7%あり、情勢が変化する可能性もある。
東国原も賛成する議員定数削減には自民党以上に乗り気だったりするなど、民主党は民主党で自民党以上にポピュリズムに近いものを感じさせるのですが、世論調査はこのような結果でした。まぁ、今さら自民党というのも有り得ない話、そこで「自民か民主か」という二択に持ち込まれれば民主党に支持が流れるのも致し方ないのでしょう。比例の投票先ですら民主のダブルスコアですが、これが小選挙区の票ともなればどれだけ差が付くのか、「まだ決めていない」との回答が3割以上あると言えども、結果はほぼ見えてきた気がします。
実績より「今後の期待」で投票76% 朝日新聞世論調査(朝日新聞)
衆院選で投票先を決めるときの判断材料について、朝日新聞社は郵送による世論調査を実施した。政党の「これまでの実績」と「これからの期待」では、「期待」を重視する人が76%と、「実績」の20%を圧倒した。投票した政党が政権を担当し、実績が期待外れだったとき、次の選挙では「別の政党に投票」が59%で、「同じ政党に投票」の24%を大きく上回った。
(中略)
投票する政党や候補者を決めるとき、一番重要な判断材料を5項目から選んでもらうと、「政党のこれからの期待度」を挙げた人が47%で最も多かった。他は「政党のかかげる公約」19%、「候補者本人」16%、「政党のこれまでの実績」12%、「党首」3%だった。公約や党首など特定の要素で判断するより、それらもふまえて総合的にみた「期待度」を重視する姿勢がうかがえる。
さて「民主党に投票する」と回答する人が自民党のそれを凌駕しているわけですが(朝日新聞調査ではなんと66:21だそうで)、そこで政党を選択する理由はと問われれば「政党のこれからの期待度」を挙げた人が47%に達したとのことです。一方で「政党のこれまでの実績」は僅かに12%だとか。たぶん、最近に限った傾向ではないでしょう。東京都知事選や東京都議会選からも明らかなように、「実績」は無視されます。それまで与党として積み上げてきた実績など、いざ選挙が始まればキレイに忘れ去られたではありませんか! うつくしい国の有権者は、その政党/議員が過去に何をやってきたかは問わない、恐るべき程の未来志向の持ち主なのでしょう。
「実績」で政党への支持が判断されるのであれば、自民党政権はとっくに見限られていなければならなかったはずです。しかし「実績」を問う有権者はせいぜい1割程度、そこで自民党は行き詰まりを感じるたびに「党首の交代」で対応してきたわけです。看板を掛け替えることで「何かやってくれそうだ」という「これからの期待」に訴える、これで延命に成功してきたのは皆様ご存知の通りです。自民党内部にはこの期に及んで内閣改造を訴える議員もいたわけですが、「選挙で勝つ」ためには、それが今なお最適の手段だと理解していたのでしょうね。
有権者の支持を繋ぎ止めておくためには、確固たる成果を挙げることよりも、より抽象的な「夢」を抱かせてやることの方が重要のようです。最も成功したのが小泉の「構造改革」という夢であることに異論はないでしょうけれど、安倍晋三の北朝鮮政策もまた、見方によっては成功だったのかも知れません。何の成果も挙げなかったけれど、それは支持者にとって大事なことではなかった、拉致被害者家族会などの支持団体が望んだのは「これからの期待」であり、「実績」を望んだのは蓮池氏だけだったのですから。
--自民党の混乱をどう見ているか。
多くの国民は「自民党にもう政権担当能力がない」と見ているだろう。いまのままでは、自民党は(政権党として)賞味期限が切れつつあるのだと思う。
--原因は何か。
党の組織も運営も、拡大する予算をみんなでぶんどり合戦をしていた高度成長時代のやり方を今も続けているからだ。もはや一定の国家水準に達したのだから、今は未来に向けてどんな方向に進むのかという道を作る時で、政治的な指導力が必要だ。トップの考えや価値観を反映させる組織にしないといけない。そう考えると、麻生首相はかわいそうに思える。日本型の議院内閣制と自民党が作り上げたいまの仕組みでは、政治的な指導力を発揮しろと言われても無理だろう。
--政治指導力を発揮する仕組みが必要だと。
政治が役所を動かし切れていない。直轄公共事業の負担金問題でも、ほとんどの国会議員が「この制度は廃止だ」と言っているのに国土交通省は「ゼロ回答」だった。その点、民主党が言うように、内閣と与党が一体になって官僚を指導する英国型の議院内閣制の手法で政権運営するという視点は絶対に必要になる。
心情的には自民党に名残惜しさを感じているであろう橋下ですが、昨今は民主党寄りの態度を見せているフシもあります。機を見るに敏な彼のこと、やはり勝ち組に尻尾を振っておきたいのでしょうか。それもあるでしょうけれど、元より方向性としては自民よりも民主の方が近かったのかも知れません。「抵抗勢力」という言葉はもう使われなくなりましたが、何らかの形で「敵」を設定し、その悪い「敵」と戦うことで正義のヒーローたらんとする手法は健在です。それが橋下の場合は府の職員であり、霞ヶ関の省庁であったわけですが、鳩山民主の場合は「官僚」が敵役/悪役です(自民党の場合は「日教組」辺りが現在の主たる仮想敵なのでしょうけれど、党内の意思統一も不十分、功を奏しているとは……)。方向性も同じなら、敵視する対象も大半が重なるだけに、鳩山民主と橋下は相性が良さそうです。
先の参議院選、都議会選と同じ事が次の衆議院選でも繰り返されるなら、つまり民主党に票が集中するのなら、自民党が敗退すると同時に、共産党などの左派政党もまた議席を減らすことでしょう。共産党が民主党のブレーキ役になれる可能性は残念ながら低いと思います。どんなに頑張っても、議席の数が足りなければ不可能なことも多いですから。そうなるとブレーキ役を担えそうなのは「抵抗勢力」なのですが、いかがなものでしょう。小泉時代に無惨な敗北を喫し、「カイカク」という名の破壊を許した官僚組織ですが、何とか踏ん張って行政の暴走を抑えてくれないですかね(現在の壊滅的状況を作り出したのが、鳩山の主張するような「官僚支配」なのか、それとも官僚や政治家を敵に見立てた行政の暴走の結果なのかはちゃんと考えるべき……もっとも「実績」はどうでもいいのでしょう)。
もう一つ期待したい「抵抗勢力」は司法/裁判所です。ただ、これもブレーキ役として機能してきたとは言い難く、(国/地方含む)行政が憲法に反する権力を行使したときでも「憲法判断には踏み込まない」「行政には介入しない」と、三権分立の放棄を高らかに宣言してきた機関です。衆議院選の陰に隠れて忘れられがちですが、最高裁判事の信任投票も同時に行われますので、違憲か合憲か判断を避ける判事、行政を追認するだけの判事にはしっかり「×」をつけていきましょう。罷免に繋げられるほどの票は集まらないでしょうけれど、せめてもの抗議として。
東国原と橋下が異なるのは、反論できない立場や多数からの批判が入ると、橋下は途端に野心を隠して大人しく振る舞い、「言を左右して信頼できない」、と言われるより、「慎重な態度」などと言われるようにケロっと言動を翻すところが、非常に危険です。自民党や東をめぐる騒動でも、結局一人、評価を高めたような印象を多くの人に与えています。胡散臭い、と言っている人ももちろんいるのですが…。
彼がブレーキ役を気取って、新自由主義的な政策を推進したり、弱者切り捨てを是とするような施策を推し進めたりすることを、世論が嬉々として受け入れるようなことがあったら恐ろしい事態です。こういうとき、「人気者」への批判ではメディアはてんで役に立ちませんので。
結局、小泉元首相的なものが求められているのは4年前と何も変わらないのかなと思います。自民党の守旧派(笑)と官僚が「抵抗勢力」として扱われるのも同じです。ただ、小泉的な「カイカク者」が自民党ではなく民主党にいると思われた。それだけなのかもしれません。
少なくとも「権力を獲得する」という意味での政治力は高そうですね。下手をすればキャスティングボードを手にするのは国会で議席を持つ政党ではなく大阪府知事である、なんてことにもなりそうです。
>いるか缶さん
与党として嫌々ながらも構造改革の結果に向き合わざるを得ない、カイカク路線を修正せざるを得ない自民党と、「自民党と官僚をぶっ壊せ」と叫ぶことの出来る民主党ですから。おそらく後者の方がカイカクの夢を見せるには有利なのでしょう。
叩かれる「抵抗勢力」の耐久力にも限界があると思うので、その限界を超えたら、一気に酷い有様に陥る危険性もあると思うのですが・・・。
何だかんだ言っても、日本は国際比でかなり少ない数の公務員や公共団体の職員で、それなりに効率的に組織を回している訳ですから、彼らが壊れてしまったら取り返しがつきません。
人員に余裕がある体制なら、代替要員の確保もできますが、只でさえ必要以下の人数しかいない訳ですから。
怖いのは、民主政権になって、国家公務員の人件費の20%カット、給料の大幅引き下げとか、そういうのが普通に有りそうなことですね。
ぎりぎりの所で保たれていた少数精鋭の現場の士気が崩壊したらどうなるのか、考えるだけでゾっとします。
民主党批判者の本音は旧社会党嫌いなだけなのかもしれません。
「在日特権を増やそうとしている」とか「利権政治を温存させる」というのは建前にしか聞こえません。
私にとって、前者は「やるやる詐欺」で、後者は「絶対に何かの形で残る」と思っていますから。
そういう人々は、大連立という名の手打ちをしたら、言ったことに反省とかをしないでしょう。
民主党の街頭演説には足繁く通うことを考えています。候補者と直接話すことはできなくても、「あれこれ言われていることに危機感を持って欲しい。」と伝えることはできるでしょうから。
実際「抵抗勢力」と呼ばれた議員が放逐された自民党は、ごらんの有様ですからね。嫌われ者を相手を人気取りのために排除していけばどうなるか、先例はいくらでもありそうな気がするのですが、完全に崩壊して取り返しが付かなくなるまで誤りに気付かない……むしろ、誤りを誰かまた別の嫌われ者のせいにするのかも知れません(あるいは「カイカクが足りないからだ!」と)。
>ヒイロさん
結局は英雄願望なのか、「上から」の目線に反発しないどころか喝采を送ってしまうようです。そして民主党には右からの妄想じみた批判も左からの批判もあるわけですが、まぁどうなのでしょうか、ネット上の世論など取るに足らないものと無視するのも一つの手ではありますけれど。
しかし、私たちからすれば「民主党の極右構成員をどうする?」というのがむしろ心配であるわけで、何かずれているなあ、と思った次第です。
アジア蔑視、対米追随は民主党にも引き継がれるのか、頭痛の種です。
「年金たまご」と称してマルチ商法を展開していた団体が山岡賢次のシンパらしいのですが、週刊誌記事で確認するべきことですか。「入居しているビルに民主党のポスターが貼られていたから間違いない」と言う人がいますが、「頭がお花畑」と言われても、珍妙な論理にしか思えないのです。ビルの所有者が民主党支持なら理解できますが。
地元でも、平気で色々な政党のポスターを貼っている店がありますから。しかも、公明、民主、共産、幸福実現党という香ばしさ前回という組み合わせなものです。
身内のネトウヨとは今日もバトルです。政治ネタはハイハイ、と聞き流して自分なりに民主党批判とか外交とかを考えて行こうと思います。
あちらにも「言論の自由」はありますので。
自分達の妄想や脳内設定と戦うのがウヨの真骨頂ですから。彼らの頭の中での民主党はさぞや立派なサヨクなのでしょうけれど、しかるに現実は…… 正直、右派が思い描くような民主党が現実のものであってくれればと思うくらいです。
>ヒイロさん
ソマリア沖派兵の件ですね、あの辺も機会があれば取り上げようと思うのですが、何より「右(自民党)に譲渡すれば現実路線と呼ばれる」のが嫌ですね。メディアも民主党の「現実路線」を好意的に取り上げるとなれば、まぁ明日はどちらに向かうやら。