非国民通信

ノーモア・コイズミ

危険に晒されているのは子供ではなく・・・

2007-05-10 22:39:35 | ニュース

大阪府警察安まちメール

犯罪発生詳細

情報種別: 子供被害情報

件名: 子供に対する声かけ事案

発生日時: 05月09日 18:00

発生場所: 寝屋川市 香里新町28番 付近路上 (地図) 

発信: 寝屋川警察署

発生状況: 小学生低学年の女子が、見知らぬ男から「こんなところで、うろうろしてたらあかんで。」と声をかけられるという事案が発生しました。

犯人: 40歳位のヒゲを生やした男1名。

告知内容: 身の危険を感じた時は、直ぐに助けを求めましょう。

 

 う~んと、これは犯罪なのでしょうか? 大阪府警が犯罪として取り上げているからには、制度上は犯罪なのでしょうけれど、しかし何の犯罪なのでしょうか?

 なにぶんにも私は地元の人間ではありませんから、「犯罪」発生場所がどのような地域であるかはわかりません。全くの安全な場所かもしれませんし、人気のない場所だったのかもしれません。発生時刻である18:00はまだ明るい時間帯ですが、保守的な大人から見れば、子供は家に帰っていなければならない時間なのかもしれません。

 治安が悪化しているとの錯覚が広まるにつれて、住民の警戒感は高まり続けています。そんな中で、自警団まがいの活動をする人々も増えているわけで、子供に対する監視の目が広まりつつあります。そして子供達にとっては監視の目に過ぎないかもしれませんが、この自警団の目的は犯罪から子供達を「守る」ことにあるわけで、当然その活動の過程では夕方過ぎに外を出歩いている子供に対する声かけも含まれます。「こんなところで、うろうろしてたらあかんで。」と。

 子供の側からすれば全くの余計なお世話でしかありませんが、かといって咎められるようなことでもありません。治安悪化という錯覚に怯えてのこととはいえ、子供達に注意を呼びかけるのは悪意あってのこととは言えませんし、別に有害と言うほどでもありません。お節介な干渉ではありますが、子供に「気をつけろ」と呼びかけるのはどこでも見られる光景です。昨今ではこれが組織だって行われる、子供を「守る」と称した自警団まがいの組織が子供達に警戒を呼びかけている訳ですが・・・

 ところがどういう訳か、子供達に警戒を呼びかけた事例が犯罪の枠で取り上げられました。どうして? 結局、これが監視社会の行き着く果てなのでしょうか。警察が職務質問をするのは治安維持その他のための適切な行為と、一応は位置づけられるわけですが、民間人がこれを真似れば相当な問題行為になります。同様に「自警団」が子供達に警戒を呼びかければ、それは治安維持のための住民の努力として扱われますが、この「自警団」の枠からはずれた人間が同様の行為を行った場合、それは逆に治安を乱す行為として扱われるということです。

 もし子供達に警戒を呼びかける行為そのものが危険視されているのなら、全国各地で子供達を守ると称して監視を続けている「自警団」は、指定暴力団と同様に警察からマークされていなければなりません。もちろん、そうはなっていないどころか、それは半ば推奨すらされているわけであり、子供達に警戒を呼びかける行為が危険視されているわけではないのは明白です。ではどうして? 40歳位のヒゲを生やした男1名であることが、その存在そのものが危険視されたのでしょうか?

 40歳ぐらいの、普通の身なりの、男女数名が子供達を監視し、警戒を呼びかける行為は危険視されていません。それがどうしてか、普通とは違った外見をして、そして個人的に行動した場合、その時は犯罪者予備軍として扱われるわけです。人と違っていること、組織ではなく個人の意思で動くこと、こういうことが集団の秩序、「公」に対する危険因子として排除されようとしている、そんな世相が現れているのではないでしょうか。

 

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6 コメント

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Unknown (悪たれボリス)
2007-05-10 23:11:40
これはほんとに訳のわからない記事ですね。

どうせえっちゅーねん!

ってなかんじです><

返信する
Unknown (非国民通信管理人)
2007-05-11 00:03:43
>悪たれボリス

 人を見た目で判断してはいけない、とは言われるものの、ちょっと普通から外れれば犯罪者予備軍扱いなんでしょうかね・・・世知辛いものです。
返信する
Unknown (aroma)
2007-05-11 02:04:19
大学助教授が子供に声をかけただけで逮捕されて提訴されて休職まで余儀なくされた事例(現在は無罪放免となり復職)。
http://didmytime.exblog.jp/4988044
返信する
怪しい人? (青の雑記帳)
2007-05-11 21:54:22
私の知人でウォーキングを欠かさない女性がいますが、ひどい花粉症なので、春先にはマスクにメガネ、つばひろの帽子に雨合羽といういでたちで歩いていたら、たまたま前を歩いていた学校帰りの小学生の女の子二人が振り向いたかと思うと顔色を変えて駆け出してしまったそうです。たしかに私が見ても、ちょっと怪しい服装だったのですが、(w 常々、怪しい人には気をつけるようにと、学校で言い聞かされているせいもあるのでしょう。

私も自営業なので、近所の子供たちが帰るときには気をつけているつもりなのですが、いつか家の前で下校する子供たちの列を見ていたら、一緒に歩いている付き添いの女性(PTAの役員?)に険しい顔で睨みつけられてしまったことがあり、それ以来、外から見えるところで見守るのは、なんとなくやめてしまっています。

事件が起これば取り返しがつかない、という意識からなのでしょうが、あまり警戒しすぎて地域の人たちとの信頼関係にひびが入ってしまっても、かえって安全にはマイナスでしょうね。

返信する
Unknown (非国民通信管理人)
2007-05-11 23:36:36
>aromaさん

 そちらのリンク先も酷い話ですね。私は見た目の印象がよくない方なので、気をつけた方が良いかも・・・

>青の雑記帳さん

 実は私も酷い花粉症で、マスクや帽子は欠かせませんし、眼鏡は元から、冬場ならコート着用なので、不審者としてマークされかねません。一時期は店員をやっていまして、もちろんシフト勤務ですから平日が休日になる、だから平日の昼間に買い物に行ったりもするわけですが、なおさら不審者扱いされていたかもしれません。

 結局、自分とは異なる他者に対してどんどん疑いの目を向けるようになっているのでしょうか。
返信する
Unknown (mina)
2008-06-02 10:27:53
拝啓
日本人って虎の衣を借りる狐が好きだから
かしこ
返信する

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