非国民通信

ノーモア・コイズミ

金持ちの、金持ちによる、金持ちのための・・・

2007-07-08 22:18:49 | ニュース

 とりあえず今日は、下に引用した記事に一通り目を通してください。

日本の「富裕層」、147万人に…金融資産100万ドル超(読売新聞)

 100万ドル(約1億2300万円)以上の金融資産を持つ日本国内の「富裕層」が、昨年1年間で5・1%増加し、147万人となったことが、米証券大手のメリルリンチなどが実施した調査でわかった。

 増加率は、前年(4・7%)を上回った。富裕層は企業経営者が多いとみられ、同社は「戦後最大の景気拡大が続き、ビジネス環境が好転したことが要因ではないか」と分析している。

06年度税収は50兆円割れ 消費税論議に影響も(共同通信)

 2006年度の国の一般会計税収が、昨年12月の補正予算で財務省が見積もった50兆4680億円を1兆円程度下回り、49兆円台前半にとどまる見通しになったことが20日、明らかになった。所得税と法人税の税収が、補正予算を策定した昨年末時点の見込みほどには伸びなかったためで、今秋からの消費税率引き上げ論議にも影響を与えそうだ。

サラリーが6か月続けて減少、残業代は58か月連続で増加(読売新聞)

 厚生労働省が2日発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、今年5月の全国の勤労者の現金給与総額は、前年同月比0・6%減の27万4091円と6か月連続で減少した。

 景気の回復が指摘される一方、賃金には反映されず減少が続いている構図が浮き彫りになった。

 現金給与総額の内訳の一つで、基本給にあたる「所定内給与」は、前年同月比で0・1%減の24万8995円と13か月連続で減少していた。一方、残業代にあたる「所定外給与」は、同1・1%増の1万9323円と58か月連続で増加していた。

 こうして並べてみると、日本の経済政策がどういう方向を向いているのかがはっきりしてきます。より豊かになる人々がいる一方で、より貧しくなる人々がいる、庶民の生活を犠牲にした金持ちの優遇、愛国心云々を語りながら国家財政まで危うくする企業への大減税、あらゆる面で最悪の経済政策です。

 最初に引用した記事では「ビジネス環境が好転したことが要因ではないか」と書かれていますが、具体的にはどういうことでしょう? 企業への減税、富裕層への減税、諸々の規制緩和によって労働法制が雇用側有利に作り替えられてきたこと、この辺を指摘しておかないわけにはいきません。

 そして2番目の記事では「消費税率引き上げ論議にも影響を与えそうだ」と。なぜ税収の不足を補うのに消費税でなければならないのでしょうか? 高所得者を対象とした累進課税、及び法人税を高度経済成長期やバブル期の水準まで戻してもよさそうなものですが、なぜか累進課税と法人税の引き上げは全く検討されないまま、逆進性の高い消費税の引き上げだけが俎上に載せられている有様です。

 最近では、定率減税が廃止されましたね。恒久的減税との触れ込みで導入された減税でしたが、それもあっけなく反故に。僅かながらも庶民が恩恵を受けられる希少な減税でしたが、これが廃止されました。一方で、5年間の暫定税率として導入された証券優遇税制はどうでしょうか? これは証券取引によって得た収入に対する課税を収入に関わりなく一律に10%まで引き下げるもので、金融資産家への課税を半減させるものであるわけですが、既に延長が決定されています。庶民には減税を廃止、資産家には減税を延長、これがいったい誰のための政治なのか、もはや言うまでもありませんね。

 

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5 コメント

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Unknown (  )
2007-07-09 00:32:16
>累進課税と法人税の引き上げは全く検討されないま
>ま、逆進性の高い消費税の引き上げだけが俎上に載
>せられている有様です

全くもって同意です。
税金は消費税のみではないのに増税と言えば何故まっさきに消費税が候補にあがるのでしょうか。
一般の方々は、消費税増税の議論があがっても「仕方ないか」で済ましている方が多いと思います。逆進性というものをよく理解した上で消費税増税に納得しているのなら良いのですが、税についてよく理解が及んでいない方まで「仕方ない」で済ましてしまうのは民主主義の脅威なのではないかと思うのです。
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安倍「ちゃん」にとって (京成パンダ)
2007-07-09 08:03:27
庶民は「岸信介ごっこ」をやるための道具に過ぎないんでしょうね。閣僚が「仲良しクラブ」じゃ、政策がどこぞの将軍みたいになりますわな。あんなクソ内閣をのさばらせてしまったのは、ロクに選挙にも行かない無責任な国民の責任でもあります。これも自分たちのまいた種、安倍政権に引導を渡すという形で責任を取りましょう。

このブログでも話題になる労働環境もそうです。劣悪な労働条件を生み出しているのは我々、労働者側が何も行動を起こさなかったことにも原因があるのではないでしょうか?会社なんてものは我々がいなければ機能しないのです。もっと自分のしている仕事に自信を持つべきではないでしょうか?
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Unknown (非国民通信管理人)
2007-07-09 23:07:30
>  さん

 そうなんです。増税は仕方がないにしても、なぜそれが消費税でなければならないのか、苦しい財政事情を理由に増税の必要を訴えておきながら、なぜ法人税は引き下げるのか、その辺りに憤りを感じるのですが、なかなかその辺りの事情を頭に入れないままに消費税増税を受け容れてしまいそうな人が少なくないのが頭の痛いところです。

>京成パンダさん

 小泉内閣、安倍内閣で豊かになった人よりも貧しくなった人の方が遙かに多いわけですからね。何も個人で大それたことをやる必要はない、貧しくなった人の方が多数派なのだから、一人一人が声を上げればそれが巨大な力になるような気もするのですが・・・どうにも現状追認派が多いようで、これではいけませんね。
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Unknown (Green Monster)
2007-07-20 00:16:01
非国民通信管理人さん、はじめまして。

富の留まっている所の課税率を目一杯下げているので(あるいは更に下げようとしているので)、とりあえず手っ取り早い消費税で、ということなのでしょうか。いまだに消費税率を上げた分の税収増を想定した論に寄って立っているのがそもそも噴飯ものですよね。上げた分だけ消費者の購買力が下がるというのを無視している。

輸出比率の高い企業は影響が少ないと踏んでいるのでしょうが、そのような企業ばかりではありません。トヨタでさえ全くの無傷では済まないと思うんですが。
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Unknown (非国民通信管理人)
2007-07-20 23:08:32
>Green Monsterさん

 はじめまして。よろしくお願いいたします。

 ご指摘の通り、企業側の主張だけに拠った判断といいますか、法人税を下げれば財界が活性化して景気回復、法人税を上げれば(戻せば)景気停滞と語る一方で、消費税増税による景気の停滞は考慮しない、消費税減税(廃止)で内需の拡大による景気回復の可能性は考えない、非常に一面的な見方に基づいた経済政策です。

 ちなみに消費税には「仕入れ税額控除」という制度がありまして、実はトヨタやキャノンなどの輸出企業は、≪国から受け取る「仕入れ税額控除」≫が≪国に納入する消費税額≫を大幅に上回っており、消費税により「黒字」が発生しています。2005年度のトヨタの場合、この消費税の「黒字」が2291億円と試算されていまして、これが消費税倍増などとなろうものならこの「黒字」も倍増、トヨタのような輸出企業にとって消費税増税は確実な収益源の確保に繋がるのです。手前味噌になりますが、下のリンク先などをご覧頂ければ幸いです。

ニラ茶でわかる消費税のからくり
http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/e/b1262d6748d72903da7ef6e356318f24
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