今日はカイワレ大根を食べました。民主党代表選は鳩山か岡田かというかなり絶望的なメンツですが、私が心密かに「カイワレおじさん」と呼んでいるところの菅直人はここのところ影が薄いですね。別に菅だって特に期待できるタイプでもないですけれど。
それはさておき、カイワレ大根はかなり久しぶりでした。そもそも、あまり売られてないですし。かのO-157騒動でカイワレ業者が軒並み廃業を余儀なくされた結果とも聞きます。O-157ヴィルスの最大の被害者は、感染者というよりカイワレ業者だったわけです。今回の「豚」インフルエンザこと新型インフルエンザ騒動でも、煽りを受けてメキシコ料理店は閑古鳥が鳴いているとか。日本においては僅かばかりの感染者よりも、メキシコ関係者や養豚業者の受ける被害を心配した方がよさそうです。そっちの方が遥かに重大でしょうから。
新型インフル 学校や市に中傷殺到 隔離・停留きょう解除(産経新聞)
■「帰ってくるな」「謝れ」
新型インフルエンザで、国内初の感染が確認された高校生ら4人に対する「隔離」と、周囲にいた人たち48人の「停留」措置が、15日夕から次々と解かれる。これまでの厳しい行動制限がなくなり、日常生活が可能になる。だが、生徒らの高校がある大阪府寝屋川市などには、誤解にもとづく誹謗や中傷が殺到。関係者らは、いわれのない偏見などを危惧している。
隔離の4人と停留の48人のうち32人が、短期留学の関係者。寝屋川市によると、生徒らが帰国した8日以降、52件の電話が全国から寄せられた。府や学校にも計100件超の電話が寄せられ、多くが行政や生徒らを批判する内容だったという。
「成田から帰ってくるな」「どうしてあんな学校がカナダ留学にいくのか」といった理不尽な電話や、「なぜマスクをしなかったのか」「早く帰国させるべきだった」といった留学中の行動にも批判が寄せられた。「謝れ」「賠償しろ」「バカヤロー」といった罵声を一方的に浴びせるものや、生徒や教員を個人的に中傷する内容の電話もかかっているという。
これはまた非道い話です。当初は「認識が甘い」と煽るようなことを言っていた橋下ですら厚労省に「安心に関するメッセージを発してほしい」と要請し、舛添でさえ「二次感染の恐れは一切ない。地域社会で、これまで通りに迎えていただきたい。正しい情報に基づき、冷静に対応を」と記者会見で声明を出す中、その支持者たる国民は自らの意思で暴徒化しようとしているようです。関東大震災の時もこんな感じだったのでしょうか。
この場合に限れば舛添は間違ったことは言っていませんが、ちょっと対応しきれていないようにも見えます。この場合、暴徒化した国民を突き動かしているのは「二次感染の恐れ」ではないですから。感染の拡大を恐れてパニックになっているのなら、その誤解を解くのが王道でしょうけれど、もっと違った動機で誹謗中傷に走っているとしたら、必要な対応ももっと違ったものになるでしょう。
ここで掲載された内容を見るだけでも、二次感染を懸念しての「批判」などでないことは誰の目にも明らかです。そこにあるのは純粋な悪意であり、バッシングの標的を見つけて驚喜しているわけです。一方的な誹謗中傷が許されるであろう空気を嗅ぎ取って、そのチャンスを逃すまいと飛びついた人々が喚いているのです。二次感染のおそれなど口実に過ぎません。イラク人質事件の時と何も変わらない、インフルエンザなどとは比較にならないほど深刻な日本の病理を体現しているとも言えますが、こちらは新型インフルエンザとは違って1週間やそこらで治るものではなさそうです。
同じWHOの発表でも、新聞社によって見出しが大きく異なります。ロイターと朝日の見出しだけを載せましたが、驚く無かれ、伝えているのはどちらも同じ医務官のコメントです。取材対象は同一なのに、強調するポイントが全く違うわけです。たぶん、ロイターの方が世界の感覚に近いのだと思います。一方で日本メディアの論調は概ね朝日と似たようなものですが、危機を強調している、防備を要求しているわけであり、それが日本の多数派の論調なのでしょう。
比較対象が悪すぎて今日は舛添すらまともに見えてしまうのですが、その舛添にしたところで危機を煽るような態度を何度となく取ってきた、それが歓迎されてきたわけです。挙国一致で、新型インフルエンザという「深刻な脅威」を相手に「さらなる警戒を!」とサバイバルごっこを楽しんできたのかも知れません。ところが新型インフルエンザに「期待通りの」反応をしない人もいるわけです。特に過剰反応するでもなく、感染してもあっさり回復して平然と戻ってくる、サバイバルごっこに没頭してきた人からすれば、いかにも興醒め、「ぶちこわしにされた!」と腹立たしい事態なのでしょう。もっと深刻な危機、非常事態を期待していた人からすれば今回の感染者一行は受け容れがたい、それが誹謗中傷に繋がっているような気がします。そう言えば先軍主義者なども、脅威の不在を指摘されることを最も嫌がりますしね。
いやこの人たちが言う通りに学生の皆さんを「国外追放」に処したら、それで満足なのか?
この人たちもインフルにかかったら、どうするの?
こういう人たちに効くワクチンってのは今の日本にはなかなかなさそうだ…。
すみません、最初の一行、訳の分からない書き込みで。しかし、この記事見たときの感想はまさにこの状態しか思いつきませんでした。
普通に声かけるなら「大丈夫か?」
そして自分らの取る行動は「自分たちでできることで防御する」。
政治には万全を期していただきたい。
こんでいいでしょ。
泣けるで…この『人情味』の薄さに。
(関係ないですが)他のチームの関係者にも「その状態(極度の肥満)おかしいぞ」と心配してくれる人持った私は幸せなんでしょうか。つくづく考えさせられます。
拙文長文すみません、おじゃましました。
まさに日本の病理ですよね。インフルエンザよりもずっと深刻な。インフルエンザ対策というのはもはや口実に過ぎなくて、そのインフルエンザ対策を掲げて排除の理論を振りかざしている、救いようがありませんよ……
>伊東勉さん
絶句してしまいますよね。他人の心配をしないまでも、関心がないなら放っておけばいい、それなのにわざわざ、見ず知らずの他人を誹謗中傷して回るとは、その悪意には呆れるほかありません。下手すりゃ肥満ですら「迷惑だ!」と無関係な人からまで非難されそうなノリですよ。
勤務先が新聞沙汰の不祥事を起こし、抗議の電話の応対をしたことが何度かあります。身から出た錆ではありますが、中には悪意の感じられるものもありました。一時間も罵倒され続けると結構こたえます。
しばらく前に、駅員や救急隊員などに対する暴力が問題になりましたが、背景にある心理は同じようなものでしょうか。
相手が反撃できる立場にない、自分は匿名であるということから、相手を傷つけることを躊躇しなくなるというのは困ったものです。
ところで報道の偏りは笑ってしまいました。どちらが良いというかどちらの情報も網羅した公正な報道てないんですかね。
直接の関係者/被害者であるならまだ理解できないこともないですが、今回のように全くの第三者であるケースも多いように思いますね。相手に負い目があることを嗅ぎ取って、相手が反撃できないであろうことを見越して責め立ててくる等々。こうした行為を恥じるようであって欲しいところですが、やっている当人は自信満々、「正義」のつもりでいることも多いようで手に負えません。
>まにさん
被害の深刻さからすればインフルエンザの感染そのものは取るに足らない、季節性インフルエンザの場合と同程度で良さそうなものですが、感染そのものではなく社会への影響は全く別のようです。水際対策云々よりも集団ヒステリーへの対策が必要でしょうね。
この"ウィルス"は二次感染力も強そうで怖い・・
高校生達も、まさかこんなことになるとは予測できなかったでしょうね。日本社会の冷たさを、こんな形で思い知らされるとは何とも不憫です。トラウマにならなきゃいいのですが。
>GXさん
たぶん、ウィルス云々はもはや口実に過ぎないのでしょう。むしろこういう事例を旗印にして、より一層の排外に走りたいのかも知れません。海外在住の日本人を退去させて国境を塞ぐ……とは行かないまでも、非常事態宣言でも出して住民の生活を制限したい、制限を受けず、自由に行動する人々を抑えつけたい、そういう動機がありそうな気がします。
(引用はじめ)
新型インフル情報をネットで発信し続けてきた元小樽市保健所長の外岡立人氏は「もともと水際で阻止しきれるものではなく、3月、4月のうちに日本に入っていたと考えるのが普通。それなりに感染者もいたが、既に治っている、という状況だろう」と分析。
(引用終わり)
だそうですが…
犯人さがししてるヤシって、どんだけ~?