RC-NET(レイプクライシス・ネットワーク) BLOG.

RC-NET STAFFによる、日常の些細な出来事から、お知らせまでいろいろなぶろぐ。

性暴力被害に関する社会の意識/システムの変換を。

2017-06-14 15:44:58 | スタッフ日記

ここ数年、強姦罪改正についてや、ワンストップセンターの設立という事が性暴力に関する話題の中で大きな問題として扱われてきました。

もちろん、それぞれに大切なことです。ただ、それだけが大切な問題ではありません。

今回、詩織さんというサバイバーが、自らの被害経験から現状の日本の性暴力相談に関する状況や警察・司法の劣悪な状況についての訴えをしました。そのことをきっかけに、沢山のことを考えました。

詩織さんを応援する、と多くの人が書いているのを見ながら(もちろん、応援するとうだけではなく、驚く様な侮辱的発言を見る事もありました)、現実的には私たちはそれらを見聞きし、体験してきて、その中でなんとか踏ん張って声をあげて来て、それでもこの社会はあまり変わらなくて、という状況を考えていました。

応援するっていうことはもちろんだけど、一緒に頑張ろうって言いたい。

立ち上がった多くのサバイバーの声を「聞かないことにする社会」に向き合うために。 

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私たちがワンストップセンターに対して抱いている懸念については昨年以下の記事に書きました。

私がワンストップセンター乱立に反対の理由。

ここで、私たちが主に性暴力被害について、社会的に「すぐ出来る」対応として求めたものがありますが、今日はその各項目について、より詳しく書こうと思います。

・既存の相談機関に於いて性暴力被害に関する相談体制を構築する

まず、警察や司法、被害者支援センター、人権相談等公的資金で運営されている機関の相談事業による二次的な加害が多すぎます。警察による被害届の受理に関する状況や事情聴取の方法、現場検証の方法にも依然として被害感情への理解が欠如した実施の現状があります。単に相談を受けるということについても、必要となる説明すらせずに断定的な物言いをしたり、出来るはずの同行や情報提供を省いたり、被害にあった人のことを一瞬でも考えれば決してするはずが無い様な相談の実態は多くの相談事例から枚挙に暇が有りません。

そうした中で、研修といえば「当事者を呼んで話しを聞いた」「性暴力についての研修を1〜2時間受けた」程度のことでOK、実質的により具体的な学びやスキルが必要である性暴力サバイバーへの対応について明確に研修を受けたという事例についてはほとんど聞いたことがありません。そもそも、各機関に於いて性暴力被害相談の体制に関わるマニュアルがない、という状態は異常です。

明確に対応をすべき場所で、自らのマニュアルも十分に無い状態で相談を受けるということは、怠慢という他ありません。

・医師会を通じて、性暴力被害に関わる証拠保全についての通達を出す

ワンストップセンターに行けばいいように、と国は言うかもしれません。しかし、各地のワンストップセンターは全ての国民にとってアクセスがいい場所にあるのでしょうか。医療機関との連携、と言っても、その連携した病院は、全ての被害者の身近にある病院でしょうか。そして、その病院の在処は、果たして誰が教えてくれるのでしょうか。

どの病院に行ったとしても、最低限の治療を受けることが出来、また性暴力についての想定をしていただける、結果としてその場で治療や証拠保全に関する対応が受けられるようにならなければいけません。これについては、国、医師会の通知、通達により多くの病院が対応をする可能性が出てくるのではないでしょうか?

・レイプキット使用等、証拠保全に関わる資金を全国一律で助成する

性暴力に関する証拠保全に関しては、被害にあったことを訴える当事者が負担すべきものではありませんし、各医院が負担すべきものでもありません。これらを全国各地の医療機関に配置する為の予算についてを国で捻出すべきです。

ハコ物を作りそう知識の無い相談員を量産することにお金を使い続けることよりも、具体的な施作に予算を使って下さい。 

・民間の“多様な”性暴力被害に関する支援事業に助成する

性暴力被害にあうという状況も、その人たちの属性もそれぞれです。都市部に住む人、地方に住む人、日本語を使う人、日本語を使わない人、大人、子ども、女性、男性、トランスジェンダー、精神疾患や知的障害、また身体障害を持っている人、本当に様々ですし、また、そのそれぞれの人たちに対して、提供するべき情報は変わる可能性があります。

こうした事柄について、より特化して専門性を持った相談支援の実践を行えるのは民間の方が大きな可能性を持っています。また、そうしたそれぞれの属性、様々な状況について、今後より広く調査研究を推進していく必要があります。

これらについて、国から助成があるべきです。 

・各都道府県での被害者支援事業を一括で取りまとめせず、国内全域にまたがり各都道府県での支援に関わるマップ作成を行い、サバイバーに対してどのような支援があるのか選択肢を示す

○○県なら○○へ、というような、一括でのワンストップ機能には限界があります。例えば、被害直後ならどこなのか、ある程度時間が経ってからの相談はどこなのか、カウンセリングなら、自助グループはどこにあるのか、サバイバーには多くの選択肢が必要です。サバイバーの人生は点ではなく、連続性のあるものだからです。

医療・法律等で困る事もあるでしょう、また、就労や就学で困ることも、親族・パートナー・友人関係等で悩みを抱えることもあります。電話相談をしたら「うちはそういうことは聞かない」と電話を切られたということもあります。ここは何の相談を聞けて、どういった情報提供が出来て、どういう人が対象なのかを明確にした全国的なリストは絶対的に必要なものです。


 

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性暴力サバイバーの支援活動をご支援下さい。

寄付をする;活動資金のサポートをお願いします

会員になる;団体会員(1万円)維持会員(5千円)賛助会員(3千円)

郵便振替 00980-8-194971 レイプクライシス・ネットワーク

ゆうちょ普通預金 14190-82780161 レイプクライシス・ネットワーク

※会員希望の方、寄付をお考えの方は、会員限定ウェブラジオ等の配信をさせていただきますので必ず入会について rc-net@goo.jp までメールアドレスをお知らせください。

 

<オススメ書籍>

新版 トラウマの心理学 心の傷と向きあう方法
小西 聖子
NHK出版
STAND―立ち上がる選択
大藪 順子
いのちのことば社
生きる勇気と癒す力―性暴力の時代を生きる女性のためのガイドブック
原美奈子,二見れい子
三一書房
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110年ぶりの強姦罪改正。今、私たちが思う事。

2017-03-16 19:16:49 | スタッフ日記

強姦罪改正についてのロビィングをしてます、と言っても、一体どう言うことを話してるの??と疑問に思われている方もいるかと思い、先月民進党のヒアリングで話したことを大体ですがここに記載してみます。ご興味ある方はぜひ読んでみて下さい。

 

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社会・司法が内包する性暴力への偏見・差別

当会としては2009年から相談支援事業を始めまして、その中で出会った多くの当事者、そして今はこの世の中に、様々な偏見や無理解から生きることが出来なくなってしまった当事者、仲間のことを思い浮かべながら話をしたいと思っています。 

私たちが活動してきた中でもそうですし、世界的に考えても、性暴力という者は年齢や性別や性自認、自分がなんの性別であると認識しているか、だとか、性指向、誰を好きになるかというようなこと、また職業や生活環境、容姿等問わず起きるということについてはみなさんご存知のことだと思います。だけれども、そうした発生している性暴力のうちで司法的評価を受けるものというのはごく一部になっています。それは、ある意味ではスティグマや偏見、二次被害と言うものを増長させる社会や司法の問題でもあります。

性暴力を潜伏化させてきた社会や司法の問題であると考えた時に、強姦罪というのは性的自由ないし性的自己決定権を個人法益として守るということが言われていますが、現在この“守る”ということが出来ていないからこそ、今改正が必要だということだと思っています。こうした中で、メディア等で厳罰化ということが凄く言われているんですけれども、本来的には厳罰というよりは、適正に性暴力被害についてを判断していただきたいと私たちは強く、思っています。

 

社会・司法が問う“被害者の落ち度”の暴力性

 

そしてこの、スティグマ、偏見、二次被害ということについてなのですが、それこそ、性暴力被害を語る上で“強姦神話”“レイプ神話”といものは皆さん聞いた事があると思うのですが、筆頭とされるものは「強姦されるのは被害者にも問題があるんじゃないか」というような社会的な認識、誤解偏見というものであったりとか、ここに示したものについては、多くの被害者が感じ、また社会が感じているものでもあります。社会が感じていることは被害者に向けられています。被害者自身がこのことを内包して、持っているからこそより辛い状態になってしまい、加害者もこれを知っているからこそ、被害者を貶める為にこの言説を使います。そこで問題になって来るのは、この社会的な言説というものを司法も持っているということです。この暴行脅迫要件について。

例えば、家の鍵をかけ忘れたからといって、強盗があったという事実は変わらないと思います。相手を殊更に怒らせたからといって殺人があったという事実に変わりは無いと思うでしょう。喧嘩にわざわざ介入していったとしても、暴行があれば暴行であるということ。しかし、強姦罪に限っては、服装や容姿が派手、水商売をしているだとか、あるいは、歩いた時間や場所が悪いとか、“抗拒不能な程の暴力があったか”だとか。事柄があったか、という事よりも、被害者の落ち度というものがもの凄く査定されてしまう。それが重要とされてしまう。ただし、本来的には合意形成の有無の証明というのは行為者に科せられるべきものだと思っています。強姦罪が本来的に性的自由や権利というものを尊重するというのであれば、罪の適正化を図るという事。そして、例えば、司法、警察、医療機関であるとか、様々な機関において、この適正な法律の施行というものを推進していくということが必要です。

 

性的自由・自己決定権を尊重する本来望まれる社会・司法とは

 

そして、性暴力を許さない、ということを明確にしていくというのは、性行為というものを尊重するということでもあります。性行為には合意と尊重というものが必ず必要です。但し、そのことを明確にしなければ性暴力というものは起きてします。合意と尊重がないものは性暴力である。この両方は両輪であるものです。合意無きものは非合意であり、合意の有無は明確な事項、それこそ殺人があった、強盗があったという事柄と同じ様に、強姦について考えなければいけないと思っています。

この、行為の有無と言うもの以外に、暴力の有無は証明されないし、それが出来ないと結局は無用な二次被害を広めてしまう。結局、法律の中から、社会にはびこっているような偏見というものを排除しなければ、この合意と尊重というものは守られないし、“法律の中立性”という、当たり前にあるべきものが守られないということが、大きな問題になります。

 

性を標的とした暴力だという認識

 

そもそも、性暴力というものは“性交”の延長線上にあるんでしょうか。私たちはずっと、活動をしている中で、多くの被害者がこのことに苦しんでいたと感じています。レイプというのはセックスではなく、性を標的とした暴力であるということを考えていただきたいです。1991年に角田由紀子さんが性の法律学の中でこう述べてらっしゃいます。「性交は二人の人間の自発的意志によって行われるということから考えれば、暴力を伴う性交はそれ自体性交であるということの否定だ」ということ。これは尤もだと思うんです。強制性交等罪という言葉を今回、改正して名称として使うという事が言われていますが、強制性交というものは、なんでしょうか。性交が強制であるという時点で性交で無いにも関わらず、強制性交などという言葉を使うということは、全くもって私たちとしては、認められない。それが、社会の認識を更に歪め、より暴力の本質というのを見せる事を遠ざけてしまうことになるのではないでしょうか。

 

そして、強姦の要件は適当か、妥当か、ということですが、もちろん、この110年間変わらなかったものについて、例えば母体保護的な観点から見ていた強姦罪というものは罪の実情に即していないということはもちろんのことです。そして、今回の改正議論の中で私は凄く不思議だったのですが、強姦というのは、“精神的負荷に関する罪”なんでしょうか?何故、強姦を成立させるためには陰茎の存在が必要なのか。そして、陰茎と手指、器具の精神的負荷の差というのはどこに見るのでしょうか。審議会において、陰茎の挿入と手指等の挿入に関して精神的負担の差があるということが何度も言われていたと思います。だけれども、例えば同じ様に殴られた人がいたとしても、その人それぞれの感じ方は違います。一生残るようなトラウマ症状を抱える方もいらっしゃるかもしれないし、「あぁ、殴られちゃった。ちょっと痛かったな」で終わる人もいるかもしれない。だけれども、法律ではここに差異を付けるのでしょうか。それを考えた時に、“精神的差異”というものほど、中立性というものを保てないものはないと思うんです。強姦罪をちゃんと事柄として判断するということを考えなくてはいけない。

法は何を規定し、そして何を規定することが不可能なのか

 (資料省略)

そして、この法律は、人は性別を超越するということを考えているでしょうか。私たちは、性的侵襲行為というものを強姦罪にすることが必要だと思っています。例えばですが、性交可能なエピテーゼと言われる医療用具、これは見た目にも、触った感触としてもかなり正確に作られているものですが、器具です。そしてペニスバンド、装着可能なディルドのようなもの。バイブや双頭バイブ、いろいろありますけれども、例えば、“精神的負担”というものを考えるのであれば、これが性器というものだということがどこまで、どこに関係があるんでしょうか。例えば被害者が目隠しをされていたとして、「あれはディルドでした」「あれはエピテーゼでした」と言われた時に、誰が証明出来るのでしょうか。挿入をされる「侵襲性」というものに、事柄の重きを置かなければ、こうした判断がつかないもの、というのが出てきます。それこそ強姦罪というのは今、性器主義に基づいて成り立っていると思います。だけれども、性的身体侵襲性や、加害者の意図というものが考えられていません。また、こうした器具等に関してだけでなく、性器というものを規定するということというのはなかなか難しいことです。男性的/女性的な特徴が混在した性別が曖昧な外性器というものもあります。インターセックス、性分化疾患というような形で、性器というのも本当に多様なんです。そのことについてや、SRS/性別適合手術において性器を形成したということについても考えなければなりません。これも審議会で話されましたが、個別判断だということが言われています。でも、性器の個別判断というのは、どこまで妥当に全国統一で出来るのでしょうか。それを法律で規定する事も無いというのは大丈夫なんだろうかと思います。また、性器だけでなく、例えばビール瓶であったりだとか拳銃であったりだとか束になった割り箸であったりとか、様々な形で性暴力は行われます。これを戦時性暴力というと現状の日本では考えにくいと思うかもしれない、だけれども、リンチと考えると、こういうこともあるというのは多少なり想像出来るかなと思います。

性暴力サバイバーにとって生きやすい社会を

 

また、被害者支援法についてですけれども、そもそも日本ではレイプシールド法すらありません。また今回の改正でもこのことについて考えられていません。性被害の認定をするということに、事柄ではなく被害者の背景であるとか、性経験、生活ということを、何故採用するのか。そんなものは必要ないじゃないかということ。そう言った事柄について差別をされているという現状についてまず考えないといけないと思うんです。被害者支援というのは、相談を聞くということだけではなく、ちゃんと具体的に、法律の中で、施策の中で、明確に被害者を守ると言う態度をとっていかなければいけません。そういう意味では、相談支援体制と言っても、一般社会の中で、警察でどうなんだ、医療機関でどうなんだろう。学校、小学校中学校高校でどうなんだろう。職場でどうなんだろう。性暴力被害にあったからということで、退学や退職をしていたり、生活が出来なくなっている人がいる。その人達を守る、社会のシステムがありません。それが、例えばワンストップセンターですが、もちろん無いよりはあった方がいいかもしれません。あった方がいいにしても、相談機関では出来ないことが必要なんです。それこそ、各学校、各地域社会に、どんどん通知なりを出してちゃんと対応をしていく。相談を受けられる人が地元にいる、その場所にいるということが絶対に必要です。性暴力被害というのは多くの社会的な容認の中で悪化をしています。当事者自身の問題であると同時に、当事者が相談をすればいいということではなく、社会が変わらなければいけない。その、一番先に法律がなければいけません。

議論を継続し、より有用な法改正を望む

強姦罪というものが、適正化した形で、改正されることを望みます。性暴力被害者を孤立させない法制度と、孤立させない社会システムを構築する施策について。人権として性暴力サバイバーを守る法律をつくってください。また、この改正を私たちは心の底から望んでいました。110年ぶりの改正を、どうか成し遂げて下さい。だけれどもこのように、今回の改正については議論がたりません。足らないということは、ちゃんと見直し要件を付けていただきたい。改正をして、その上で、より当事者や、支援者、様々な社会の人たちの声を聞く中で、付帯決議として3年見直し要件をつけて、よりグレードアップしていただきたい。いま、これで終わらせないでいただきたいということを考えています。よろしくお願いします。

 

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強姦罪改正について、2日分のTweetまとめ

2017-02-19 09:55:34 | スタッフ日記
Twitterに強姦罪についてのあれこれを沢山書いたのでブログにもまとめておきます。

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強姦罪改正議論は大詰め。世論はそう盛り上がっていないけれども。110年ぶりの改正、ということを考えてみてほしい。110年前の法律と、なぜ、そう変更点のない改正なんだろうな。

強姦罪が、強制性交等罪に変更されるという話だ。
日本はレイプに性交という定義付けをする国になる。私たちはレイプはセックスではないということをずっと言ってきた。暴力だと。でも、法律が言ってしまう。最悪なこと。なんとかやめてほしい。

レイプに手指器具挿入が入らないのもやはりおかしい。
目隠しをして挿入されたら?無感覚症状あったら?相手がいう「性器が器具か」のみで罪名が変わり量刑も変わると?
ふざけるな、と言いたい。

なぜ、こんな単純なことを話すのに、こうも理解が広がらないのだろう。
昔は法律は専門家が作るものだと思っていた。法律は素人が作るのだと今は思う。

レイプに性交概念など持ち出したら、それこそ110年前、女性を家の財産と捉え、財産の損失についての罪である強姦罪と、大差なさすぎる。

あくまでも性的侵害であり、性の健康を阻害する暴力としてレイプはあるのであって、セックスをこじらせたわけじゃない。
性とは何か、性器とは、セックスとは、今回法律を作るにあたり性に関する専門家はいなかったし、議論もなかった。
このままでいいとは思えない。

やはり、強制性交等罪、という名称は、ない。

もちろん、強姦罪、という名称に問題があるのは分かってる。
性犯罪の保護法益は、個人法益としての性的自由ないし性的自己決定権であると言われる。
この点の本来的な意味合いについて再考いただきたい。

じゃあ何がいいんだ、とよく聞かれますが、
性的暴行罪、もしくは性的侵害罪、そして性的侵襲罪、
いくらでも、被害者にスティグマを負わせない名称はあるでしょう。

(「等」が入るのは、膣挿入のみだったものを肛門や口への挿入も加える形で改正するためです。ここでいう「強制性交等」の定義は、膣・口・肛門に陰茎を挿入される・させられる行為のみを指します。等としないと、他の法律での性交の定義との齟齬がでるので、法的には記載する必要があるのでしょう。)

あくまでも、この法律の主体になるのは改正案の中でも「陰茎の有無」です。
日本の性暴力はどこまで行っても、性器主義から抜け出せないのでしょうか。

この、挿入の主体についての意見を出している団体は多くはありません。ロビイング等をしても「そういう意見は聞いてない」等と議員さんたちも言います。この性器第一主義に疑いすら持たない状態こそが、日本のジェンダーバランスの悪さ、そして性差による差別偏見を生み出してはいないでしょうか。

性暴力は、必ずしも性器のみによって起こるものではありません。しかし、審議の中では性器であることが「より精神的ダメージを与えるもの」とされました。精神的ダメージ、ということはあくまでも主観的なものです。精神的にダメージを受けたか否かで、犯罪の量刑が変わるのはおかしいことです。

性暴力サバイバーの全てがレイプをされて死にたくなったり魂が殺されたような感情になったり自傷行為を繰り返すわけではありません。しかし、起きたことは、起きたことです。精神的なことがらを法律で規定することが出来るでしょうか。そんなことは、してはいけないことです。

性暴力被害の暗数は全体の9割程と言われています。事実、こうした活動をしていると「私も/僕も被害にあったことがあるんだよね」という話を日々聞きます。相談、という形ではなく。
人生において、生活に大きな支障はきたさなくても、そこには被害があり、当事者は被害であったと理解しています。
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青森県警の要望書受け取り拒否に関する経緯等

2016-12-26 16:11:55 | スタッフ日記

RC-NETでは、青森県警が性犯罪予防として出しているリーフレットの内容をきっかけに、
今日、青森県警本部に対し性犯罪予防啓発に関する要望書提出に伺いました。

リーフレットの内容は以下でご確認いただけます。
http://blog.goo.ne.jp/rc-net/e/3fb28c104d615ea336df8042e176e5c5

青森県警だけの話ではなく、全国においてよくあること、ではありますが、
性犯罪予防に関して、警察での予防は「被害にあうかもしれない人を限定的に断定し、
行動の制限をすること」を呼びかけるものがほとんどです。
被害にあわないために○○しろ、というだけで、具体的な情報が一切無いという形では、
被害者への二次加害にも繋がり、現実的な予防行動に繋がらないという思いから、
より有益な予防啓発のために要望書を作成しました。

要望の提出に至る経緯として、事前に電話で3回に渡り担当部局の方とお話しもさせていただいていましたが、
当日、現地でいきなり担当部局の室長から「要望書は受け取らない」と言われました。
「そんな話は聞いていない」「話をきけというから聞くだけだ」と、今までの話がなんだったのか…ア然とするしか無い状況でした。
メディアも3社同行していましたが、全て締め出され、
こうなると第三者のいない密室での話は嫌なので、すべて録音をさせていただきたいと言ってもすべて断られ、
要望書も受け取り拒否、そして、被害予防に関わる警察用意識調査アンケートも用意していきましたが、
それについても無言で押し返されるということになりました。

例えば、県議会を通して、また議員さんなどからお力添えをいただいて、ということも考えましたが、
まずは市民として、市民の意見をちゃんと聞き入れてくれる警察であってほしいという思いから、
今回の要望書提出を警察本部との話し合いの中で出させていただくことになりましたが、
過程として、要望書の受け取り拒否ということが起きた、ということをみなさんとシェアできたらと思いこの記事を書いています。

今回の要望に関しては、もちろん、青森にいる当事者の思いを聞いたり、
各地のサバイバーたちの声を、想いを詰め込んでかかせていただいたものです。

国に意見を、ということも大事ですが、国から、地元警察の意識変革まではとても道のりが遠いと感じています。
これからも、地元から地元に声を届けることはやめるつもりはありません。

今回、対応くださった部局は犯罪被害についての予防をすると同時に、
被害者の相談も聞いているところでした。
あまりの高圧的な態度と無理解に、ここに被害者を連れて行くことについて、改めて「恐ろしい」と思った次第です。

参考までに、今回提出予定であった要望書の内容を、以下に貼ります。

ここには書ききれませんが、本当に沢山の、性被害に関する無理解をぶつけられ、
こうした二次加害的言動を日々、サバイバーたちは受けているのだなということを改めて感じました。
性被害について、適切に対応し、当事者の声が社会に届くまでの道のりに暗澹たる思いでいます。

青森でこんなことがありました、ということで、
情報の一つにしていただければと思います。

希望は失わず、されど怒りを殺さずに、と心新たにしました。


RC-NET代表 岡田実穂

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性暴力被害者の人権を守る視点での社会的予防を実践してください
レイプクライシス・ネットワーク

性暴力被害は全て「加害者が加害をした」ということから始まります。
しかし、社会は性暴力被 害にあったということを被害者の言動に理由付けをしがちであり、
その理由の一つに、日本社会で 「当たり前」とされている性暴力被害に関する予防啓発手法があると私たちは考えています。
予防啓発の多くが性暴力被害に「あう可能性がある人」を限定的に断定し、その行動を制限し、
常に警戒することを促すものです。間違った「予防」は効果を出すことも出来ず、性暴力の偏った イメージを社会に流布し、
被害にあってしまった人が被害についての訴えを起こすことを躊躇さ せ、泣き寝入りを強いる理由にもなります。
この度、⻘森県警による性犯罪予防に対し以上を踏まえ下記の要望をさせていただきます。

1、 被害があるのは「加害者が加害をしたから」。被害者は悪く無いとまず常に伝えて下さい

一般に予防行動として示されるレイプ神話を含む例をもって加害者は被害者に自責の念を押し付ける言動を脅しとして使うことがあります。
被害者に「自分が悪い」と思わせるこ とは、性被害の可視化を阻害し、予防どころか加害者の行動を後押ししてしまいます。

2、 性暴力に関する社会の意識改革を軸とした予防を推進して下さい

性暴力に関するリスクをゼロにすることは不可能ですが、リスクを減らすことは出来ます。
性暴力被害にあった多くの人が被害時にバイスタンダー・傍観者がいた報告をしていること から、社会の認識の変化が求められています。
傍観者だった人々が緊急時の積極的な介入方 法を身につけること、
それぞれのコミュニティ(国、自治体、町内、学校、職場等)で具体的な予防指針を立てることは性暴力被害未然防止に繋がると考えられています。

3、 性暴力に対し警察が厳しく取り締まるという姿勢を予防の中で示して下さい

被害者への呼びかけと同時に、「加害者が加害をする」のを予防してください。
性犯罪が いかに悪質であるか、また警察がそれに厳正に対処するという姿勢を示すことは加害のハードルを上げるだけではなく、被害者へのエンパワーにも繋がります。

4、 予防啓発に関わる事業の際は、必ず被害者支援情報を伝えて下さい

被害者はどこにでもいます。予防という名目だからと被害者支援と別だと考えず、性被害 についての語りには必ず支援情報を入れてください。
被害は単発のものとは限りません。被 害を相談することは、継続した被害を予防することに繋がります。

2016 年 12 月 26 日

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青森県警の性犯罪予防パンフレットにびっくりしています。

2016-12-15 22:33:52 | スタッフ日記







これは、RC-NETの事務局を置く自治体にある大学に掲示されていた性犯罪関連の警察作成パンフレットです。

あまりに酷いので驚きました。


「一度受けた心の傷は、決して消えることはありません」
て、誰に聞いて言ってるのでしょうか?
サバイバーの回復や、サバイバーが、そうして生き抜いていることは、全否定ですか?
被害にあうということは、一生治らない傷を抱えて生きていくことですか?

性犯罪から身を守る掟として、
「自分の身は自分で守る」
と、被害者に責任を押し付けるのですか?

盗撮被害にあわないために、
「商品選びに集中してしまうと、後ろや横にいる不審者に気づかず…」
と、商品選びに集中することすら許されないのですか??

そして、
「被害に合わないために」という複数のパンフレットは、
全て被害の理由づけが被害者の行動になすりつけられています。

加害をやめろ、と。
なぜそんな簡単なことが言えないのでしょうか。

被害にあってる人、被害にあいそうなひとがいたら助けてあげてと。
なぜそんな簡単なことが言えないのでしょうか。

被害にあったことは、あなたの責任ではないと。
なぜそんな簡単なことが言えないのでしょうか。


これは青森だけの問題ではありません。
みなさんのお住いの自治体ではどうですか?

10年前も今も、内容が変わらない予防啓発。
もういい加減にしてほしいです。
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