先に書いた #MeToo を諦めないという記事に続き、WeToo Japanが公開した動画についてを書いてみます。
ここに動画は張り付けません。なぜなら、その動画を見て私自身がとても精神的に不安定になったからです。つらくなったからです。
特に、“LGBTはSOGIハラというのを受けていて”という趣の、松中権さんの発言については涙が出てきました。
WeTooになったから、サバイバーを出さないでもいいことになったんだよね。LGBTは別枠で、LGBTという人たちも、SOGIハラがあるからMeToo応援してるんだよね。
SOGIとは、性的指向/性自認の英語の頭文字をとったもので、SOGIESC(性的指向、性自認、性表現、性的特徴)の一部、要は、LGBTのみならず、あらゆる人間の性の構成要素をしめしたもので、そうした各個人の性についてのハラスメントを指す言葉がSOGIハラなわけだけど、例えば性暴力というのを考えた時に、それがSOGI(誰が好きか、自分の性別を何と思っているか)への暴力だと言うことが出来ますか?私は、違うと思う。
例えば、SOGIを理由とした性暴力が起きた、というケースを考えてみましょう。
「レズビアン/ゲイだと言っているけど、男/女を知らないからそんなこと言ってるんだ」とレイプされたとしましょう。
「トランスとか言ってるけど、お前が女/男だと思い知らせてやる」と、レイプされたとしましょう。
これを「矯正レイプ」という言葉で示すことを、WHOを始めとした国際機関は反対し、「嫌悪を理由としたレイプ」というようにすべきだという発信を最近はしています。
もちろん「SOGIを理由とした」は検討はずれで、「嫌悪を理由とした」です。また、レイプを始めとする性暴力をハラスメントと言い換える必要性はありません。
LGBTはSOGIハラを受けているのではなく、ここで正しく言うのであれば、「LGBTも、性暴力被害にあっています」です。
LGBTIを取り巻く性暴力被害については、より慎重に考え発信する必要があります。
なぜなら、サバイバーたちが声をあげにくい、という土台を変えて行きたいということであるならば、まず、「より声をあげにくい人たちは誰か」を考えなければならないからです。
男性、LGBTたちが安心して性被害について相談出来る場所はどこだ?
警察に行って、男性、LGBTは差別されない?
陰茎主義の刑法は、果たしてインターセックスの性器やトランスジェンダーの性器をどう「ジャッジ」する?
ペニバンやバイブ、手指での被害は、いつまでレイプとは言われないままなの?
その人の性生活を裁判で取り扱うことは、いつまで許される?
まだまだ沢山の問題があります。これは全て、「SOGIハラ」に回収されるのですか?