春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなくたたむ名こそ惜しけれ
《感想》
春の夜、後冷泉天皇中宮の御所。
殿上人や女房たちが夜通し話に興じる。
疲れた周防内侍が「枕がほしいわ!」と言う。
すると御簾の下から藤原忠家が、「これをどうぞ」と腕をさし入れた。
冗談である。
そのとき、周防内侍が詠んだ歌。
春の夜、ロマンチックな夢のようなあなたの手枕だけど、それを使ったらつまらない浮き名がたつだけなので、残念ですがお断りします。
なかなか手厳しいが、ユーモアある返答。
厚かましい中年男の忠家も、素直に退散する。
男女の他愛ない戯れ。
一座はどっと笑う。
楽しい歌。
At night in spring, a man lays his arm as a pillow to me.
It is romantic like a dream.
However, I politely refuse it because a notorious rumor about a love affair will perhaps rise and make me in danger.
《感想》
春の夜、後冷泉天皇中宮の御所。
殿上人や女房たちが夜通し話に興じる。
疲れた周防内侍が「枕がほしいわ!」と言う。
すると御簾の下から藤原忠家が、「これをどうぞ」と腕をさし入れた。
冗談である。
そのとき、周防内侍が詠んだ歌。
春の夜、ロマンチックな夢のようなあなたの手枕だけど、それを使ったらつまらない浮き名がたつだけなので、残念ですがお断りします。
なかなか手厳しいが、ユーモアある返答。
厚かましい中年男の忠家も、素直に退散する。
男女の他愛ない戯れ。
一座はどっと笑う。
楽しい歌。
At night in spring, a man lays his arm as a pillow to me.
It is romantic like a dream.
However, I politely refuse it because a notorious rumor about a love affair will perhaps rise and make me in danger.