Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

蝶々さんのMorningCall

2018-02-26 | 
目が覚めて小用に立った。ベット脇のタブレットのインジケートラムプが青く光っている。特別のアプリが点けっぱなしになっていたかなとか思ったが、テュイッターだと気が付いた。ベットに戻ってみると、ヤホ女史が先日出したものをリテュイートして呉れていた。今までの様子から気が付いてハートマーク位はとも思っていたが、メトからのWDRでの中継のお知らせで、既に誰かが出しているだろうとも考えていたので引用までは考えていなかった。

こうしたやり方はコミュニケーションテクニック上もとても効果のあるやり方なのだが、マネージャーがやる以上に、ご本人の歌姫としての生甲斐として、自分の歌の影響に人一倍関心を持っているという執着を感じさせる。新派か藤山寛美かは知らないが、兎に角「トスカ」ではないが「泣かせるのために生き」の感がある。そしてこうした中継があると普段は出せないほどの声を出すことも12月の「アンジェリカ」でもその二回の中継と一回の実演で経験済みである。そうしたとても合理的な精神が無いことには、あのような役を歌い演じあげることなど尋常には不可能だ。

特に今回はメトロポリタンからの「蝶々さん」ということで、エルモネーラ・ヤホはどうも2010年の飛び入りした日本公演では途中放棄もあったようであまり評判が良くないために、余計に反応にも関心があるかもしれない。「椿姫」を「大物」歌手に代わったということでそもそもリリックな声の小柄な彼女にはその前提がとても厳しかったのに違いない。プッチーニがやはり十八番なのだろう。そしてプッチーニの芸術を考えると彼女のアプロ―チが一つの解決策であるということも間違いないのである。そもそも冷やかし気味にメトロポリタンからの放送を聞いてみようと思ったのだが、こうなると真面目に聞かなくてはいけないような気持になってきた。

先日のライプチッヒでの就任演奏会の評が新聞に出ている。結論からすると私が放送の音声上の問題かどうか結論を出せなかったことを断定している。つまり、彼の得意とする音響母体の腸をつかみ出して、そのコントラバスからの下の下から積み合されてその上に管楽器が乗る楽団の伝統的特産を引き出す一方、彼の掃く新しい箒はあまりにも細く、メンデルスゾーンの力強く生き生きとした面を犠牲にした嫌いがあると指摘している。まさしくラディオで聞いた通りである。更に、前任者のシャイーが最初から演説をぶって、最後にはあのような終わり方になったことを考えると同じようにはならないだろうとしている。良かれ悪しかれ、それほど大きな期待をしても仕方ないネルソンズ時代となることは既に述べた通りだ。それでも町中にNELSONSと赤色で書かれたプラカードが目を引くようで、協力関係が揺るぎないものになれば積極的にアンサムブルに係ってくるかもしれないが、本人の言う様に二年ぐらい様子を見てということだろう。

カーネギーホールからの中継を調べていたら先日ヴィーナーフィルハーモニカーが演奏したものがオンデマンドで残っていた。少し聞いて、ベネゼイラ出身の指揮者の程度が知れた。もともとアインザッツのしっかりしない座付き管弦楽団だが、それがブラームスを言い加減に弾くものだから場末のサーカスのジンタのようになってボロボロである。あのような演奏をさせてぬけぬけとしているような指揮者は少なくともまともな市場では全く相手にされない。二流どころか三流指揮者である。初めてまともに聞いたが、話題性だけで名前が知れたようだが、我々の耳を汚すような音楽はあまり聞こえないところでやって欲しい。あれではヴィーナーフィルハーモニカ―はドサ周りの楽団にますます成り下がっていくだろう。だから前楽団長が解任された訳だ。伝統の恥さらし、極まる。

こうした中継の録音などが、嘗ての完成された制作録音など以上に、SNSを使った双方向のインターアクティヴなコミュニケーションを使って、会場での所謂ライヴとはまた違う方法でとても重要な表現方法になってきたことは否定できない。そうした新たな可能性は、たとえどんなに進歩史観が否定されようが事実であり、逆戻り出来ない歴史なのである。それぐらいのことは一流芸術家ならば皆百も承知なのである。



参照:
ヤホに表現の可能性を 2017-12-20 | マスメディア批評
天才も実践から学ぶ 2017-12-28 | 音
旅先でよく働きそう 2018-02-25 | 生活

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