Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ヤホに表現の可能性を

2017-12-20 | マスメディア批評
承前)ミュンヘン行の準備は大体整った。燃料も128セントだから受け入れられる価格だ。66Lで85ユーロであるから標準的な価格である。買い物帰りに入れたので、少々の雪道でも満タンで往復は出来るだろう。あとは購入する食料品を入れるアイスボックスを忘れないようにするだけである。

粘度が上がっていてエンジンオイル注意が出ているオイルを少しだけ入れておいた。200CCで効果があるかどうかは分からないが、帰宅まで注意表示が出なければそれはそれで気持ちがよい。少しだけ粘度が下がるだけでも走りやすい気持ちになるだろうか。燃費がよくなってくれると嬉しい。

FAZにプッチーニ三部作の批評が載っていた。それほど専門的でもないが、少なくとも以前のおばさんからすると、演奏者が読んだ時にそれが何かを語るかもしれない。演奏者とは何も音楽監督キリル・ペトレンコを特に意味しないが、全体のアンサムブルとして何らかの成果と聴衆のその受け止め方をそこに読み取れるのではなかろうか。

通常ならば少なくとも以前は公演前には敢えて目を通さなかったのだが、生中継を聞いていれば音楽的な成果は十二分に分かり、生で聞いて確認することはあまりない。ただしこうした音楽劇場作品は実際に体験してみないとその音楽劇場的な意味合いは実感できないものである。勿論演出自体はいくら写真を見ていても分かる訳でもないが、それに関してはこうした批評などを読めばある程度は想像がつく。それならば態々出かけて何を体験するのか?

批評では、アムステルダムのオフで活躍するロッテデベール女史は、コンヴィチニーの弟子らしいが、音楽劇場演出には批判的ということで、今回の演出もそうした新機軸とか何とかで批評されていない。その慎ましさはキリル・ペトレンコの音楽実践にも通じるということになる。面白いのは、この文章がペトレンコを取り巻く業界事情を暗喩して始めているところだ。

つまりペトレンコの様な芸術の徳は嘗ての話しで、今はコンクールなどに代表されるこれ見よがしの芸を飾り窓に入れて、更にアヴァンギャルドとして売るというのが新世界だというのである。それに比較するまでもなく、この音楽監督は美学的露出なんて言うことには全く興味がないようで、ミュンヘンのプッチーニ三部作においても、世界中がこれは新機軸だとか格別だとか喝采するようなことは殆ど強調しないとなる。

この前半の業界におけるその在り方は別にして、後半の芸術的なそれに関しての今回の公演でのコメントは、少なくとも体験するまでは敢えて反論も保留しておきたいと思う。そして、その具体例として「外套」における永遠に続く12拍子の印象を、もはやそこではセーヌ川の街はずれの騒々しい環境ではなくて、そこにまるで母親の胎内の羊水に浮かぶ胎児の遊泳の子守歌をイメージしている ― これはあまりに舞台に捉われた印象ではないかと思うが。要するに作品の本質に迫ろうとしているのだが、音楽的に導かれた結論ではない。

しかし音楽実践面に関しては、「歌手たちはペトレンコ指揮で歌えるのは幸福」であってと、音楽的核心の「修道女アンゲリカ」のエルモネーラ・ヤホに表現の可能性を慈しむかのような保護を与えたのはペトレンコ指揮の管弦楽団で、「メッツァ・ヴォ―ツェで歌い通して、最後に修道女のその安然の姿に火山の噴火を表現できたその効果はあまりに巨大だった」という。要するに管弦楽が音を潜めて演奏し得たということだ。

その他の二つほどの記事をリツイートしておいたら、ヤホ女史が見つけてくれて、今度は私の引用付きのものをリツイートしてくれた。フォローワーになるのは生で聞いてからと思っていたが流石にこれは外せなくなった。フォローする12人目のツイッターとなった。彼女の7010人目のフォロワーになったが、あまり反応が無いのは軒並み有名人をリストアップしている人だけの人が多いのかもしれない。昨日はオフの日に楽譜勉強のツイートが出ていたが、これは公演中に次の仕事となるとイメージが悪いと思ったのか消去したようだ。オフの日に気分転換に次の準備をしているのが興味深かったが、それを敢えてリツイートするのは避けていたのだった。(続く



参照:
身震いするほどの武者震い 2017-09-27 | 音
心地よいだけでは駄目だ 2016-03-18 | 雑感

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