京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の小寒」

2018-01-05 09:45:29 | 時計修理

1月5日金曜日。明日から3連休の人が多いようです。
城南宮では大工さんたちの仕事始めの儀式の日。
小寒は「寒の入り」の日。年賀状は寒中見舞いに変わります。

3日、無事に仲間内の演奏会を終えた。
学生時代京都で送っていたのでお正月の京都旅行は家族へは演奏会はちょうど都合のいい言い訳にもなる。
ところが今回は早々に引き上げた。
クラシックの演奏会と言っても身内だけの練習会のようなもの。それでも汗びっしょりになる。
そのまま打ち上げに行くと気持ちが悪い。ホテルへ戻ってシャワーを浴びてから向かいましょう。と勧めるが私が止めるのもかかわらず銭湯に行った。

戻ってきたら機嫌が悪い。
「京都で自転車と銭湯のマナーは国内ワーストクラスやね~!」
ホテルをキャンセルしてそそくさと最終近くの新幹線に乗って帰る。東京へ戻って仕切り直しでサウナに入ったという。
京都は銭湯文化と観光PRしています。これは止めてほしい。実際に銭湯に入っていない人が街おこしのついでに騒いでいるだけなのだ。
銭湯文化があるのは上京区、北区の一部地区だけ。ノコノコ入るとびっくりします。
京都御所から北の地域では家(うち)風呂がある京町家はすくない。私が住んでいた西陣の家でも風呂は昭和に入ってから入れたもの。
その要因は京都御所に汚水を流さないこと、火災を出さないことの二点。
特に京の小寒から始まる北山おろしの強風で火災が起きたら京の町はひとたまりもないのです。
そこで上京区を中心に北の一部地域だけで銭湯文化が発達しました。
京都で学生生活を送ると下宿は上京区、北区、左京区になる。銭湯文化が発達した地域です。当然アッパークラスから庶民まで受け入れる文化が出きます。
私の仲間たちも誰でも受け入れてくれる和やかな銭湯文化になじんでいましたので想い出が懐かしくて入ったのでしょう。

ところが下京区、南区では内風呂は当たり前。
銭湯に入る人は丁稚さんなど庶民階級です。マナーは比較的に悪くなる。
まず入ると場所取りから始まる。
石鹸または歯ブラシなどを洗い場において場所を確保します。かかり湯の装置はないのでそのまま湯船に入るのにはびっくりでした。
独特のしきたりがある。
友人たちが入ったら目の前にモンモンを入れた人達からにらまれる。こちらはスッポンポンなので逃げられない。
マナーの悪い自転車なら避ければいいが間違って入った銭湯は裸のままなのでそそくさと10分くらいで退散した。10分の恐怖と410円は悔しくもったいない。

このように地元の銭湯を利用する人たちには観光客など迷惑なのです。狭い場所に余計な人数が入ると時分がはいれない。迷惑なのだ。また入れ墨の入浴は法的に問題ない。
これは施設の規定判断だけなので入れ墨さんOK!なのだ。
普通の観光で気分よく楽しみたい人は上京区、北区の限られた地域を利用しましょう。

私も下京区に引っ越した際に地元の銭湯に一度行ったきり。
それまでの有名な船岡山温泉、北図書館の北にある銭湯、同志社新町校舎北の御三軒湯などなどの楽しみはあきらめた。
パン屋さんと銭湯は徒歩圏内だけの範囲で利用するのが京都ルール。バスに乗って通うわけにはいかないのです。

ちなみに国内で一番マナーのいい地区は岩手の盛岡・夕顔瀬橋のたもとにあった銭湯でした。
村から城下町に入る前に橋を渡って銭湯に入って身を清める。聖域のような場所の位置付け。
お金を払って入るとまずかかり湯、身体を洗った後にもまだ湯舟には入らない。
外は零下の世界凍え切っているはずなのに先に風呂に入っている人たちに声をかけた後にそっと入っていく。「冷えもんですのでこらえてください。」と風呂のお湯が冷めることまで気にする。
感動ものでした。
東北、北陸、九州など温泉地がある地域は総じてマナーはいい。そんな土地から京都へ来るとビックリしますよ~!

時計の修理と銭湯はよく考えて利用しましょう。
今日は小寒。
零下になると時計の電圧がさがります。時計が遅れだしたら故障と思わず一度電池交換をやってみましょう。




コメント
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