映画を観に行くって孤独な試みだなあと、出町座のスクリーンを前に、腕組みしたり、思い思いに映画が始まるのを待ってるお客さんの姿を見て思う。でも、映画にどっぷり浸って、映画館を出る時、映画の中の登場人物のありようや風景が心に深く刻まれ、ささやかな出会いができたような気がして、さみしさがまぎれる。
出町座で『ROMA/ローマ』を観終わって外に出ると、ちょうど、商店街を、「御霊祭り」(ごりょうまつり)の . . . 本文を読む
遠くに行きたい。どこか知らないところに旅に出たい。と思いながら、大阪にいますが、まじめに早く起きれたので、京都の出町座で、再見したい映画が2本とも上映されるということで、行ってきました。
1本目は『幸福なラザロ』。最後の、バッハのコラールが流れるところは、もう涙があふれてたまりません。終わって、セカンドハウスで、遅いランチを食べてから、鴨川の川べりで、休憩しました。川のせせらぎの音、とんびがやた . . . 本文を読む
何日も前に観たのに、この映画のいろんなシーンがとても印象深く、愛おしく思い出されるのは、なぜだろう。GWの最終日に、和歌山の温泉に行った時も、ぼーっと、この映画のことを思い出していた。
冒頭のショットから、地面のタイルのような感じのところを映していて、クレジットが流れる間、ずっと固定カメラ。ブラシでこすって、掃除をしては、水が泡とともに流れてくる。ここはお手洗いかなあ、なんて思ったりしてると、水 . . . 本文を読む
ラザロが笑った。ラザロがほほ笑んだ。ラザロが黙った。ラザロがつっ立っている。ラザロの頬を涙がつたう。
この映画を観て、ふと臨床心理学者の河合隼雄さんのことを思い出した。 河合さんなら、どう感じるだろう。
映画は、現実とは違っていて、とても神秘的なことが起こる。 現実ではありえないこと。でも、心の中では、こんなことがよく起きているような気がします。 ラザロは、自分を主張しない。 いつも自分のこ . . . 本文を読む
『夏をゆく人々』のアリーチェ・ロルヴァケル監督の最新作。これは見逃せないと、シネ・リーブル梅田へ。想像を超えたすごい作品だった。
20世紀後半。イタリアの山間の小さな村。青年ラザロは村人たちと大勢で、同じ家で暮らし、小作人として、侯爵夫人の煙草畑で働いていた。人があまりによすぎて、村人からは、いいようにこきつかわれている。何か頼み事があると、皆が、すぐ「ラザロ」と呼んでは、彼に仕事をさせる。ラザ . . . 本文を読む
ラザロに出会うことができて、よかった。
それは、ただ「幸福感」という言葉では、語りきれないほどに、深く重い感慨だ。
ちょうどこの映画で使われていた音楽を聴いたときの気持ち。
印象的なのは、なんといっても、教会のシーン。涙なしでは観れなかった。教会でオルガンを弾いている人も、少しラザロに風貌が似ていた気がする。
それから、ラザロが、タンクレディと一緒に、岩だらけで、荒涼とした、用水路のような . . . 本文を読む
初めて、一人で、ピアノ練習室を借りてみた。友達に一番安いところと教えてもらったのは、本町。部屋の広さやピアノを指定しなければ、1時間500円と格安。
行ってみると、案外と子どもも大勢来ていた。ギターや楽器が所せましと置いてあって、アップライトピアノの部屋へ。鍵盤をおそるおそる叩いてみると、大きな音が出てびっくりした。ピアノって、こんなに大きな音だったんだと思った。多分、正月に弾いた実家のピアノは . . . 本文を読む
W最終日、雨予報のはずが、お天気になり、友達の温泉旅に触発されて、せめて一つくらい温泉へ行こうと家を出た。
JR熊取駅で降りて、和歌山バスに乗ろうとしたが、ロータリーを一人でぐるり一周しても、バス停は、どれも南海バスばかり。バスの発車時刻が迫っていて、バスは1時間に1本しかないし、焦る。ふと、駅の出口の一番近くに止まっているバスの表示を見ると、「粉河駅」行きとあり、目的のバスとわかる。バス停は、 . . . 本文を読む
GW最終日、晴れたので、ふらりと和歌山の温泉にひとりで出かけてみた。
1つ目の温泉については、また書くとして、2つ目の温泉での出来事。
花山温泉といって、和歌山駅からバスで10~15分、さらに歩いて10分以上。
源泉は冷泉で、26度。かなり冷たい。42度位にあたためた大浴槽があるので、そちらに入ってからでないと、とても入れない。交互に入るのが、身体にいいそうだ。
しかも、冷泉は、のぼせない . . . 本文を読む
GW、5月2日の晴天のもと、大学時代の友達に誘われて、比良山系の武奈ヶ岳へ行ってきました。
去年の夏に、台風が関西を襲い、あちこちの山林に被害があってから、山に行くのを控えていたのですが、ぼちぼちと再開です。
毎年GWに、堂満岳とか比良山系のどこかに登りに行っているのですが、あちこちに、わずかですが、雪が残っていて、八雲が原の湿地帯では、雪溶け水が流れ、せせらぎは、心地よい音をたてて流れていま . . . 本文を読む
5月4日、5日と、高槻ジャズストリート、茨木音楽祭と続けて、DEPARTURESさんのライブを観に行き、Keikoさんの表情豊かな歌声と、とっちーさんのロマンチックなピアノ(アコースティック!)を堪能してきました。
4日の会場は、オシャレなバー「Bar amitie」。globeの「DEPARTURES」で始まり、「Kimono Beat」に胸キュン、「CAN YOU CELEBRATE?」 . . . 本文を読む
映画に行くつもりが、結局、家から出ないまま、今日という日が終わりました。あらためて、小川洋子さんの「ことり」という小説について書かれたエッセイ記事を読み直して、1年前に自分が書いた感想を再読し、足りないところも含めて、まとめ直してみました。 言葉が話せないけれど、小鳥のさえずりは理解できるお兄さんと生きた、「小鳥の小父さん」が主人公のおはなしです。 小父さんは、建物の管理人という地味な仕事をと . . . 本文を読む