10年以上前、蓮實重彦さんと山根貞男さんの交換書簡を綴った
「誰が映画を畏れているか」で、
「サンライズ」('27年、F・W・ムルナウ監督、サイレント)の
列車のシーンについての記述で盛り上がっているのを読み、
いつか観たいと思っていた。
今日、やっと観ることができ、驚いた。
ゴダールのようなわけのわからない作品と思っていたが、全然違う。
笑いあり、涙もあり、
表情豊かな脇役たちの妙味にあふれ、 . . . 本文を読む
歩くことは祈ること。
自分が、自我が、どんどん小さくなって、
他人や、自然や、自分の周りのことが、みえてくる。
世界がひろがっていく。
自分しか見えてなくて、せせこましい気持ちになっていたのが、
どこか解放され、救われたような気持ちになった。
フランスからスペイン北西部サン・ジャックへの巡礼の旅を一緒にすれば
遺産を相続させる、と風変わりな遺言を残して逝った母。
三人の子どもは、誰も神を信じてい . . . 本文を読む
有名な戦車(チャリオット)競争シーンには、圧倒された。
4頭立ての馬がひっぱる二輪車に戦士が一人乗り、
競技場を何周も回る。
要は競馬なのだが、
追い抜き、追い抜かれたりだけでなく、
相手の車輪を攻撃して、穴を開けて、転倒させたり、
怖いくらいの迫力。
一体、どうやって撮ったのか、不思議なくらい。
カメラもすごいが、馬もすごい。
2台の戦車が並べば、計8頭の馬が横一列で、猛スピードで駆ける。
この . . . 本文を読む
とうとうシネフェスタがなくなってしまった。
大切な場所を奪われたような淋しい気持ち。
さよなら映画祭は、500円という低料金と
かつての名作の一挙上映とあって、
ぜひともスクリーンで観ようと大勢の観客が詰めかけていた。
最終日の3月31日には、場内で記念の写真を撮っていた人もちらほら。
私も、ずっと観たかった映画を
何本もスクリーンで観ることができた。
「明日に向かって撃て!」1969年。
セ . . . 本文を読む