映画の感想をざっくばらんに、パラパラ読めるよう綴っています。最近は映画だけでなく音楽などなど、心に印象に残ったことも。
パラパラ映画手帖
No189「あおげば尊し」市川準監督
2006-02-25 / 映画
~「人」、「命」をみつめる無言のまなざしの深さ~
映画のラスト。「仰げば尊し」の歌を聞きながら、一緒に歌いたくなった。
小学校のときの大好きな先生に会いたいと思った。
中学校の卒業式でこの歌を歌わされた時、まるで意味がわからなかった。
とりあえず教えられるままに歌った。
でも、今は、この歌のすばらしさがわかる。
心をこめて、誰かに向けて歌いたいと思う。
あこがれた先生、先輩・・。
その人との出会いに、その人に教えてもらった全てに感謝をこめて、
この歌を歌いたいと思う。
人は、人に教えられ、いろんなことを受け継いで、生きていく。
その尊さ。暖かみ・・。
思い出すだけで涙がこみあげてくる作品。 . . . 本文を読む
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No188「博士の愛した数式」小泉堯史監督
2006-02-21 / 映画
~他者に受け継がれるこころ~
昨日になってしまいましたが、
2月20日は、この作品に登場する家政婦(深津絵里)さんの誕生日です。
博士(寺尾聡)は、この誕生日の220という数字と
博士の時計に刻まれた数字284とが、
友愛数(220の約数の和は284。284の約数の和は220。)だと語ります。
博士の優しい説明を聞いていると、
数字が身近で優しくおもしろいものにみえてきます。
原作にある美しい言葉の数々が、
役者たちの体をろ過して、話し言葉となって、心に流れこんできます。
映画が終わってすぐには気づかなかったけれど、
映画館を出て、家に帰り、一人になったときに、はじめて
感動が静かに心の中にひろがってくる気がしました。
とてもおだやかで、多くを語らない、それだけに味わい深い作品です。 . . . 本文を読む
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No187「花つみ日記」石田民三監督1939年~おおさかシネマフェスティバル報告その2~
2006-02-07 / 映画
大阪宗右衛門町を舞台に、15歳の高峰秀子主演で撮られた本作。
50年ぶりに上映されるとあって、2月4日(土)、会場には、お年寄りの姿がめだった。
花街の置屋の娘(高峰秀子)と東京からの転校生(清水美佐子)との友情物語。
宝塚少女歌劇のスター、葦原邦子が、生徒たちがあこがれる教師役で出演し、
劇中で美しい歌声を披露。
上映後、評論家の川本三郎氏と上倉庸敬大阪大学教授とのトークが行われた。
川本氏は、映画評について、テーマを大所高所から論じるよりも、
どこで映されたのか、といった細部が大事で、
小さな記憶を積み重ねていくのが大切とコメントされた。 . . . 本文を読む
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No186「るにん」奥田瑛二監督~おおさかシネマフェスティバル報告その1~
2006-02-06 / 映画
~ラスト15分の思わぬ展開、迫力に息を呑んだ 恐るべき松坂慶子の女優魂~
2月3日から5日まで、第1回おおさかシネマフェスティバルが鶴見区民センターで行われた。
最終日の5日には、
主演男優賞の藤竜也さん、新人監督賞の李闘士男さん、脚本賞の渡辺あやさんのほか、
新作「るにん」の公開間近(大阪では3月4日から)の奥田瑛二監督らが駆けつけた。
渡辺あやさんは、
「シナリオを書く時は、物語がどこかにすでにあって、探しにいく感じで書く」そうだ。
すらりとして、おとなしそうにみえるが、周りに影響されることなく、わが道をいく感じ。
もう少しお話を聞きたかった。 . . . 本文を読む
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No183「男たちの大和/YAMATO」佐藤純彌監督
2006-02-03 / 映画
~生き残った意味を見つけるまで~
一台の空軍の援護もなく、沖縄へ向かう途中、米軍の猛攻撃を受ける大和。
渡哲也演じる司令長官の「一億玉砕の象徴」という言葉がよみがえる
映画は、この最後の戦闘シーンを、延々とうつしだす。
目を覆いたくなるほど、悲惨な光景の連続。
主砲も副砲も、人間の手で一つ一つ砲弾を運んで、込める作業を伴うもので、
機銃も、弾倉をこめて、角度を調整して、撃つ、と
リアルな描写が続く。すごい迫力だ。
中村獅童と反町隆史の演技にも熱がこもる。
しかし、作品全体としてみた時、どうも何かが足りないような気がした。
違和感のようなもの。 . . . 本文を読む
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