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No1510『真夜中の虹』〜希望を求めて〜

アキ・カウリスマキ監督の1988年作品。

暗い階段で、下から男が二人登ってくる。
上のところに男たちが集まっている。
ボタンを押すと、地下で爆発音。
ぞろぞろと男たちが建物から出て行く。

ロングショットとなり、
次々と人を大勢乗せた車が出て行く。
最後に門を閉めると
「廃坑 立ち入り禁止」と書かれていて
鉱山の閉鎖とわかる。

炭鉱夫だったカスリネンは
父の遺産のオープンカーで、南に向かう。

女性と出会い、
家にいくと、少年がいて、
少年がピストルのおもちゃ?で、彼を起こす。

このピストルが、後半、何度も出てくる展開になるとは、、

「over the rainbow」の歌がエンドロールで流れて
英語の歌詞と、全然違っていて、びっくりした。
こんな大胆に変えてもいいのだというほどの斬新さ。

閉山でもらったお金を
暴漢に奪われたカスリネンが
駅でその暴漢の青年を偶然見つけ、追いかけて
捕まえようとしただけなのに、
喧嘩を仕掛けた側と誤解され逮捕されて
刑務所に入れられてしまう。

不運の連続で、
その中でも、出会った女性が、救い。

2年にも満たない刑期だから、
刑務所でまじめに務めたほうが
早いのに、とこちらの心配もよそに
カスリネンは、脱獄して、女性と結婚し、海外に逃亡をしようと、資金集めに銀行強盗までしでかす。

監督は、暴力シーンは、ほとんど省いていて、殴ろうとする姿はあっても、殴るショットはなく、倒れている。

強盗のシーンも省略。
銀行に入っていく姿だけ見せて、
あとは、銀行の外観を見せたまま、待つ。
あわてて銀行から出てくるカスリネン。袋を忘れたかで紙幣を持ちきれずに何枚も落としたりして、とぼけたところが、笑を生む。

最後、カスリネンと女性と子どもと、3人がメキシコに逃れようと乗り込もうとする船の名前がアリエル号。原題はアリエル。

邦題の付け方はとてもうまいと思う。

3人が追いかけているのは、希望だ。普通では成功するわけがない脱獄も銀行強盗も、上手くいっている。

少年の素直な感じが素敵で、このまま幸せになってほしいと思う。

 

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