パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

女刑事「凍える牙」

2013-08-11 | book
乃南アサの1996年直木賞作品『凍(こご)える牙』を読む。いわゆる女刑事「音道(おとみち)貴子」シリーズの第1作。
警視庁第3機動隊立川分駐所の刑事、白バイも乗りこなすライダーの音道貴子は、職場結婚の末に離婚したバツ一の32歳。新年早々、東京都内で起きた放火殺人事件の捜査本部詰めとなる。男性職場で生きる貴子。パートナーの刑事、滝沢との確執。したたかに男性職場で生きるには。

牙という題名から、狼犬が、ある意味主人公でもある。元刑事が娘の復習のため立ち上がる。次々と起こる獣による殺人。一方、元刑事を亡き者にしようとする犯人。疾風という狼犬が犯人を追い詰める。クライマックスは、バイクに乗り、疾風を追う貴子。見守る滝沢。舞台は東京から千葉の工業地帯へ。行き詰る攻防。離婚を経験し、独身3姉妹や両親の事情など、気丈な貴子が見せる気弱な一瞬。

いわゆる女性が描くハードボイルド。2006年まで続くシリーズ。続編も楽しみだ。女性心理を巧みに描く乃南アサの真骨頂だ。さすがに20年近く前の話なので、ポケベルが登場するのも一興。

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