奨励会ノンスルー棋士

2022-12-03 00:00:27 | しょうぎ
小山玲央アマが棋士編入試験に挑んでいる。前回挑んだ里見女流の場合、女流棋戦が年間50局もあるのに、合格したらどうするのだろうと思っていたのだが小山アマの職業は将棋講師というなら、プロになるのに支障はない。将棋講師をアルバイトにしても講師料は5倍は固い。注目は、彼は奨励会に所属したことがないこと。報道によれば、もしプロになると現制度になって初めてということだそうだ。

ということは、現制度になる前にはいたということを意味していて、その人物のことはわかっていても名前を出したくないということなのだろうと、考えてみた。自信はあまりないが、「花村元司氏」ではないだろうか。もと真剣師。真剣道場経営者。プロを虐めすぎて木村義雄名人が若手棋士との試験対局を提案し、4勝2敗で合格。昭和19年。終戦の前年だった。



ということで、『東海の鬼 花村元司伝(鈴木啓志著)』を借りてきて読んでみる。なにしろA級16年ということで超一流にして、鬼のような手を大量に指している。1985年67歳で現役のまま病魔に倒れたのだが、絶局と言える一局でも鬼手が出ている。先手の高橋道雄九段に対して△1七銀打! 先手が棒銀で銀交換に成功したと思われた後に逆用。この後、入玉模様の熱戦になり終局は236手で花村九段の勝ち。



絶局の定義は難しいが、棋士最後の一局が白星というのはルール上、極めてめずらしい。早世された棋士を中心に(存命の棋士も)調べてみたが、最後の一局が白星であるのを確認したのは、花村九段の他、村山聖九段と中原16世名人ということなのだが、少し関係があった。


さて、11月19日出題作の解答。








今週の出題。



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