21グラム (2003年 映画)

2024-05-23 00:00:18 | 映画・演劇・Video
『21グラム』の監督、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの作品は、いくつか見ている。『バベル』と『バードマン』。いずれも一筋縄ではいかない。本作は、生きるか死ぬかのようなテーマで、いささか重く暗い。

しかも、何組かの男女の物語が絡まっているのだが、時間軸が逆転していたりするので、なかなか難しい。時間軸が正しければ、理解しやすいが、原因なのか結果なのかが判然としない。

それに主演が誰なのかも決めかねる。心臓病で余命いくばくもないのに煙草を辞められない大学教授と体外受精して子をうもうとしている妻(しかし薬物中毒)、夫と二人の娘と暮らしていた女性、前科者だがキリスト教の加護を信じている男とその妻子。

この三つの家族が実はつながっている。

キーワードは、心臓移植、交通事故、ピストル。すべてが不幸に向かって進んでいく。並みの不幸の場合、怒りの矛先は悪役に向けられるのだが、本作では悪役はいない。なので、怒りをぶつける先も見当たらない。文句のない不幸映画だ。真のテーマは多分違うだろうが。

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