空模様がすっきりしない一週間が過ぎていよいよ9月、秋の渡りが本格的に始まる。 鳥と鳥友たちに次々と出会う。
鳥情報を教えてくれるのがありがたい。一通り回っていると今日の様子がほぼ分かる。 いちばん多く集まっていたのは、愛の森のコムクドリ。
出会った大将に写真を見せてもらう。♂♀計6羽いるとの事。ムクノキの中にムクドリと混じって実を採餌しているらしい。 なかなかすっきり姿が見えない。
さかなやさんからは、元射撃場でツツドリとホトトギスの観察情報と写真。 他に夏鳥はセンダイムシクイが、市民の森と沖縄復帰の森。 エゾムシクイが市民の森で1羽、伸びた草の中を行動していた。
オオルリは、♂若が音楽堂西側上、♀が天守閣東側配水池。 キビタキは♀型が音楽堂西側上とみどりのリズム。 エゾビタキがミライザ裏。 ミライザ裏ではイソヒヨドリの♀も1羽。
沖縄復帰の森で古くからの先輩鳥友に出会う。ちょっと立ち話。87歳になったと言うが、まだまだ元気で鳥見を楽しんでおられる。 90までと話しておられたが、あの矍鑠(かくしゃく)とした姿に100までも大丈夫。
話の中で、やはり歩くことが大切だと。そして上質なたんぱくを取ることなど、食べるものにも気を使って、歳を取っても筋肉をつけることが必要と。
そんな話の中で、大酒のみで運動など大嫌いで酔っぱらっているだけなのに90歳を超えて元気な奴もいる。 これは遺伝としか・・・と。 別れた後梅林方向に歩きながら、俺の中にもそんなDNA入ってないかなぁーと勝手な想像。
実は亡くなった母から昔聞かされた話が頭に残っている。 母の実家高知での事。祖父は90歳くらいで大酒飲み。赤ら顔で頭はつるつる、毎日朝から酔って笑顔で大声で話す、陽気で楽しい大柄のじいさんだったらしい。
終戦間際に焼夷弾のかけらの直撃を受けて亡くなった。 葬儀の時に突然、喪服の楚々とした女性が現れて 「長い間お世話になっていました」 奥さんの家族も誰も知らなかった。
母から聞いたのは中学生のころだった。いま思えばどんな男だったか詳しく聞いておきたかった。正直ちょっとあこがれている。
一昨日 滋賀県野鳥の会から 「かいつぶり 第45号」 が届いた。 その都度お礼の連絡はしていないが、近隣の野鳥や自然保護団体から機関誌などを送っていただくことに心から感謝している。
届いたのをぱらぱらとめくって、興味に引かれたのから読み始める。 今回は滋賀県ガンカモ類生息。今年1月の調査結果だ。
ざーっと見てオオバンに目が止まる。時期的にやや早いがやはり気になる。大阪城公園で爆発的にオオバンが増加したことが頭の中にある。
これによると滋賀県でピークは2016年で8万4869羽。それが毎年減少し今年1月の調査結果は1万8752羽。 今年もしばらくすると大阪城公園にやってくるだろう。どうなるか興味津々。
ちなみに大阪城公園のピークは2017年で一日最多は260羽。その後減少の傾向は滋賀県と変わらない。
◆◆イソヒヨドリ (1992.10.2 豊国神社裏)
ほとんど鳥がさえずらないこの時期に突然美しいさえずりが耳に入ってきた。とっさに鳥種が思い浮かばず、頭の中でページを繰っていると、ツグミ大の鳥が樹林の間から飛び出し石垣の上にとまった。
望遠レンズのピントを合わせると、うろこ状の模様が目に入り下尾筒の赤褐色が逆光に光る。 イソヒヨドリと口に出したのは娘と同時だった。数枚のシャッターを切る間もなく、堀の下へ飛び降りた。 体を乗り出してのぞくと、石垣から伸びた木にとまってすぐに飛び去った。 青藍色のうろこ状の模様や、下腹部から下尾筒の赤褐色などから♂の若鳥と思われる。
鳥友のN氏がイソヒヨドリのさえずりは、人間でもふらっとしてしまうほど魅力的で、引き込まれてしまうと話したことを思い出した。 ほんの数秒間の美しい声が耳に残り、飛び去った方を見つめながら呆然としている自分に気づいた。数秒間の出来事は現実だったのだろうか。