1
何をして遊ぼう。誰と遊ぼう。何処で遊ぼう。
2
遊ぶ。とにかく、遊ぶ。
3
働かないで、遊ぶ。人のためにならないで遊ぶ。お金のためではなくて遊ぶ。褒められるためでもなく敬われるためにでもなく。何かのためにするのではなく、ただ遊ぶ。
4
遊んでいれば忘れられる。悲しみが忘れられる。苦しみが忘れられる。忘れようと努力をしないで忘れられる。これならいい。
5
悲しみも忘れられるが、その対極のよろこびも忘れられる。AもBもCも忘れられるとそこには天空虚空が広がって来る。広々として来る。そこがいい。
6
天空虚空には力がある。力が漲っている。なんにもないのではなくて、むしろなんでもある。あろうとしてもいない。そこがまたいい。
7
そこで遊ぶ。雲と遊ぶ。雲のブランコをして遊ぶ。ゆうらゆうら時を揺らして遊ぶ。日が暮れたら、銀河を揺らして遊ぶ。
8
遊んでいるのは誰? 遊んでいるのはさぶろう。さぶろうの精と神とエモーション。
9
どれもかるがろとしている。気のボールのようにやわらかくしている。光になってふっくらあたたまっている。
10
おおい。おおい。おおい。呼んでいる声がするのでこれにこたえる。声が誰の声なのかわからないが、誘われてみる。ススキの野原の先には櫨紅葉の丘。しばらく耳を澄ます。「兄さん、僕だよ」と聞こえて来た。