「幸せなひとりぼっち」の原作者フレドリック・バックマンによる小説「ブリット=マリーはここにいた」を映画化したスウェーデン発のヒューマンドラマ。結婚して40年になる専業主婦ブリット=マリーは、仕事で忙しい夫のために毎日食事を作り、家の中を奇麗に整えておくことが自分の役割だと信じ続けてきた。そんなある日、ひょんなことから夫の長年の愛人の存在を知った彼女は、これまでの生活を変えるべくスーツケースひとつで家を出る。しかし働いた経験などほとんどない63歳の彼女にまともな職は見つからず、ようやくありついたのは、小さな田舎町ボリのユースセンターの管理人兼、地域の子どもたちのサッカーチームのコーチという仕事だった。主演は「愛の風景」のペルニラ・アウグスト。「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」などの女優ツバ・ノボトニーが監督を務めた。(映画.comより)
こんな北欧のおばちゃん映画が田舎でも公開!うれしい。おもしろかった!もちろん、ちょっとご都合主義かな、と思われる展開もあります。でも、映画ですから、楽しめなくっちゃ。
ご主人、甲斐性があったのですねぇ、主人公のブリット=マリーは40年もの間、専業主婦。でも家事はいつも完璧で、おうちはきちっと片付いています。これ、大事です。家事だからと言って侮ってはいけません。物事を効率よく、系統立てて管理できる人は、向き不向きはあるにしろ、何事も管理できるのです。逆に、時間はたっぷりあるのにだらしない人は、万事だらしなかったりします。ブリット=マリーが家を出て職安へ行った時も、受付の女性が「40年働いたことがない?」などと訝しげに彼女を見ていましたが、そういうことを正直に申告できることも大事です。個人的には心配せずに見ていました(笑)。
で、得た仕事は地方の(子供)弱小サッカーチームの監督。よくある貧困地区のようです。初めて地区の公民館(サッカー練習場の前にある)に着いた時の荒れようは、どう!ブリット=マリー、まずは片付け・掃除・洗濯からです。彼女に子供はなかったのですが、子供のことは嫌いではなかったようで、身の回りのことを整えさせることから始まって、自分なりにサッカーのことも勉強し、できる人には協力を仰ぎ、次第に子供たちとうまくやるようになります。そして、いつもぶすっとしていた彼女ですが、その原因が次第に明らかにされます。
つらい生い立ちだったのですね。周りの人に悪気はなくとも、やはり人って、その存在意義を認めてもらわないと生きているのがしんどくなります。そして、これは映画でもよく描かれることなのですが、生きている人間は死んだ人間には勝てない。これは誰のせいでもないのだけれど、大人としてはよく認識して生きてゆかないといけないな、と思っています。
映画ですから、それなりにハッピーエンドです。出来過ぎた展開もあるはあるのですが、いろいろと考えさせられる映画でした。