田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ビューティフル・デイ(You Were Never Really Here)

2018年09月30日 17時29分50秒 | 日記

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 「ザ・マスター」「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」などの実力派俳優ホアキン・フェニックスと「少年は残酷な弓を射る」のリン・ラムジー監督がタッグを組み、第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞をダブル受賞したクライムスリラー。トラウマを抱え、暴力を恐れない元軍人のジョー。年老いた母と暮らす彼は、行方不明の少女たちを捜し出す報酬で生計を立てていた。そんな彼のもとに、政治家の娘ニーナを捜してほしいとの依頼が舞い込む。しかし見つけ出したニーナは、怯える様子もなく人形のように感情を失っていた。やがてニーナはジョーの目の前で再びさらわれてしまい……。ラムジー監督の前作「少年は残酷な弓を射る」も担当した「レディオヘッド」のジョニー・グリーンウッドが、今作でも引き続き音楽を手がけた。(映画.comより)




  見たいと思っていたのに見逃してしまった映画。よかった~田舎に降りてきてくれて。

 これほどのハードボイルドな世界観、女性監督だったなんて!「少年は残酷な弓を射る」は、まだ女性監督かな、と思いました。しかし、これは・・・。ホアキンのトラウマに満ちた寡黙な演技とも相まって、なんともハードな作品でした。逆に、渋すぎて極力説明を排してあるため、話が理解しづらくもあります。見終えた後は「結局なんだったのか」と思い、ずいぶん考えました。

 子供のころに、父親から壮絶な虐待を受けたホアキン。ひょっとすると義父だったのかもしれません。ともかく、その男は、まだ体が小さくて逆らえない子供に、一生のトラウマを背負わせたのです。そのため、屈強な男となり闇稼業に生きていても、悪夢から逃れることができません。その反動のように母親を大事にし(母親が特に父親からかばってくれたという描写はありません。子供のころの母親の描写が一切なく、これも少し妙な感じがしますね)、溺愛するホアキン。母はすでに認知が入っているようです。

 そんな中、請け負った仕事をいつものように淡々とこなしたはずが、あり得ない展開につながり「なにが起きているのか、理解できない!」と叫ぶことになります。まったくその通りです。見ている私も混乱しました。で、元来は少女を救い出すだけだったはずが、あやしげな事件に首を突っ込むハメになるのです。救ったはずの少女の無表情さに、ただならぬものと、どこかしら自分と共通する感情を見出しながら。

 それでなくてもわかりづらいお話、ネタバレせずに感想を書こうとすると本当に難しい。ただ、受け取り方はいろいろだと思います。私は虚無、つまりすべてなかったのではないか、夢か幻だったのではないか、とも思いました。しかし本当のところはわかりません。ただ、ホアキンの演技が素晴らしかったことは確かです。そうそう、少し前に見た「ファントム・スレッド」とどこか似た感じを受けるな、と思っていたら音楽が同じ人でした。

 

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万引き家族

2018年09月28日 16時39分16秒 | 日記

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 「三度目の殺人」「海街diary」の是枝裕和監督が、家族ぐるみで軽犯罪を重ねる一家の姿を通して、人と人とのつながりを描いたヒューマンドラマ。2018年・第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、日本映画としては1997年の「うなぎ」以来21年ぶりとなる、最高賞のパルムドールを受賞した。東京の下町。高層マンションの谷間に取り残されたように建つ古い平屋に、家主である初枝の年金を目当てに、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀が暮らしていた。彼らは初枝の年金では足りない生活費を万引きで稼ぐという、社会の底辺にいるような一家だったが、いつも笑いが絶えない日々を送っている。そんなある冬の日、近所の団地の廊下で震えていた幼い女の子を見かねた治が家に連れ帰り、信代が娘として育てることに。そして、ある事件をきっかけに仲の良かった家族はバラバラになっていき、それぞれが抱える秘密や願いが明らかになっていく。息子とともに万引きを繰り返す父親・治にリリー・フランキー、初枝役に樹木希林と是枝組常連のキャストに加え、信江役の安藤サクラ、信江の妹・亜紀役の松岡茉優らが是枝作品に初参加した。(映画.comより)






  久しぶりに見ました、邦画。wowowでもいいか、と思っていたのに、なぜか見る機会を得てしまった。縁かな(笑)。今や世界が注目する是枝監督。「誰も知らない」は衝撃だったけど、一番好きなのはペ・ドゥナの「空気人形」。まぁあんまり数も見てないんだけどね。

 さて、カンヌ映画祭でもパルムドールを獲得したこの映画。でも見る前から「ずるい」と思ってました。クセ者役者のリリー・フランキーに安藤サクラ、樹木希林でしょ、そんなの見る前から”凡作じゃない”ってわかるじゃないですか。これだけの役者を揃えれば、誰が撮っても名作になるんじゃないか、と思うほどのラインナップ。ずるいですよね(笑)。

 物語は紹介にある通り、貧乏だけど人間味にあふれた疑似家族のお話です。でも、人って、人間味とか情だけでは生活してゆけません。それで、幼い子供とグルになって万引きを繰り返しているわけです。でもね、やっぱり犯罪は犯罪。一生そういうことをして生きて行けるはずはないのです。どこかで躓きます。で、子供やまだ若い人は更生の機会を与えられるわけですね。学校へも行かせてもらえない子供が必死に生きる姿を見て「誰も知らない」を想起しました。この監督はどんな育ち方をしたのだろう、と思ったり。

 リリー・フランキーと安藤サクラの過去もさらっと描かれますが、「へぇ~」って感じです。樹木希林さん演じるばあちゃんも、かなりしたたかで、年寄りだからとなめていると驚きます。リリーが助けた少女が、そこそこ裕福(?)なおうちでこっそり虐待を受けてたりと、(助け合ってる貧乏家族の描写も含め)わりとありがちというか紋切り型の描写が多かったように思うので、まぁパルムドール受賞と騒いだ割には想像の域を出なかったかな、とも思いました。「誰も知らない」と被る描写も多かったからかもしれません。いや、そう思う私が浅いのかもしれませんが。

樹木さんが亡くなったので、また上映されてますね。「あん」も。この映画で描かれるほどのしたたかさがあったら、「悪人」の樹木さんは悪徳業者に騙されずに済んだかもしれません。是枝監督に関係ないですけど(笑)。

安藤さん、ハスッパな役をやってたけれど、きれいだった!若いって素晴らしいねぇ。(変なシメですみません)


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