ウィル・スミスが主演・製作を務め、世界最強のテニスプレイヤーと称されるビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を世界チャンピオンに育てあげたテニス未経験の父親の実話を基に描いたドラマ。リチャード・ウィリアムズは優勝したテニスプレイヤーが4万ドルの小切手を受け取る姿をテレビで見て、自分の子どもをテニスプレイヤーに育てることを決意する。テニスの経験がない彼は独学でテニスの教育法を研究して78ページにも及ぶ計画書を作成し、常識破りの計画を実行に移す。ギャングがはびこるカリフォルニア州コンプトンの公営テニスコートで、周囲からの批判や数々の問題に立ち向かいながら奮闘する父のもと、姉妹はその才能を開花させていく。2022年・第94回アカデミー賞では作品賞、主演男優賞(ウィル・スミス)、助演女優賞(アーンジャニュー・エリス)ほか計6部門にノミネートされた。(映画.comより)
<2022年2月27日 劇場鑑賞>
自分は運動音痴なので、あんまりスポーツのことを知りません。なので、ウィリアムズ姉妹のことも、セリーナの名前を聞いたことがあるくらいで、よく知りませんでした。すごいですね、現実にこんなことがあったなんて!
ウィル・スミス演じるお父さんは、テニス界に活躍している女性が少ないことに目を付け、女の子が生まれたらテニスをさせるべく、生まれる前から勉強を始めます。自分にテニスの経験はありません。しかし、ビデオを見て分析したり、有名選手の攻め方を研究したり、ともかく「マネーボール」のジョナ・ヒルよろしく、徹底的に強くなる(成功する)方法を研究しています。そして、すごいですねぇ、5人もの娘に恵まれるのです。もちろん、お金に余裕のある環境ではありません。奥様は看護師として、ウィルは警備会社でと、二人で必死に働いています。でも、経験もないのにこれだけのことができてしまうということは、きっと頭がいいんですね、パパは。娘たちもきわめて優秀。長女は学校では常に一番、卒業時も総代でした。他の二人のことは描かれていませんでしたが、きっと優秀なんでしょうね。そして、映画の主演を張る二人、ヴィーナスとセリーナは、もちろん、皆さんがご存知の通りの活躍です。素晴らしすぎます。
もちろん、黒人さんたちが多く住む地域での生活、練習の日々でしたから、ごろつきたちにひどい目に遭わされたり、父親の目の前で長女をナンパしたり侮辱する奴がいたりと、ちょっと我々には信じがたい光景も描写されるのですが、それでも、子供たちを信じ続けたパパ・ウィルは強かったのです。理屈っぽ過ぎて、コーチの指導にまで口をはさむのはどうかとは思いましたが(笑)。個人的には、同じウィルの「幸せのちから」とちょっと重なる部分があるかな、とも思いました。
信念さえあれば、こんなこと(生まれる前からの計画とか)も可能なんだな、と凡人の私は素直に感心したのでした。