田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女(過春天 The Crossing)

2020年11月30日 22時45分32秒 | 日記

過春天The Crossing (2018) 完整版本【HD.1080P】~免費下載- watch.youtv.site

影痴俱樂部] 過春天The Crossing (2018 中國) | 香港。台北。上海

過春天The Crossing (2018) 完整版本【HD.1080P】~免費下載- watch.youtv.site

 香港と中国・深センという隣接する2つの地域を行き来し、それぞれにアイデンティティを持つ少女を主人公に、香港と中国大陸の越境問題や経済、社会情勢、現地の青少年の裏事情など、さまざまな実情をリアルに重ねながら、青春のみずみずしさを描いた中国映画。香港人の父と中国人の母を持つ16歳の高校生ペイは、深センから香港へ越境通学している。母は家で友達と麻雀に興じてばかりで、父は香港で別の家族を持ち、国境付近でトラック運転手をしている。孤独なペイにとって一番楽しいのは、学校で親友ジョーと過ごす時間だった。2人は日本の北海道へ旅行に行くことを夢見て小遣い稼ぎしているが、ある日、船上パーティでハオという青年に出会う。クールなハオにジョーが好意を抱くなか、ペイはハオからスマートフォンを香港から深センへ持ち出す密輸の仕事を持ち掛けられる。ペイは旅費欲しさに、その裏仕事を引き受けてしまうが……。2019年・第14回大阪アジアン映画祭では「過ぎた春」のタイトルでコンペティション部門で上映され、監督のバイ・シュエが「来るべき才能賞」を受賞した。(映画.comより)

 

 

 

 映画は少し前に作られただろうに、香港(と中国)が舞台なだけにタイムリーな公開となりましたね。主人公の少女ペイは、両親が離婚し母親と中国に住むも、母の出産が香港だった上、父親は香港に住んでいるため籍もあり、普段から越境するわけです。で、貧乏な彼女にはなぜか裕福な友人がいて、この友人もそれなりに問題は抱えているわけですが、ともかく彼女と行動を共にするためにはお金が必要なわけです。無理してバイトしてもなかなか追いつかない。そんな時、友人についていった船上パーティで、ある男の子たちと知り合います。若いのに一見裕福そうに見える彼らは、やはり道ならぬものに手を出しています。つい巻き込まれて、最新携帯の密輸に手を染めるペイ。(学生なので)普段から学生服ですいすい越境しているペイは、格好の運び屋。男の子たちも、彼女に倣って学生服で通ったり。最初は楽しく働いて大金を稼ぎます。

 しかし、こんなことが長く続くことはありません。危ない目にも遭い、恋にも落ち、逆らってはいけない人を学ぶことにもなるのです。感情に流されてはいけないことも。

 生活が苦しい両親の日常も、さりげなく描かれていてリアルでした。母親が、結局男に金を持って行かれるところは見ていて辛かったです。女一人だと、結局危ない橋を渡ったって(多分そう)、こういうことになる・・・。救いは、男が「子供は殴らない」と、最低限の常識を持っていてくれたこと。ちょうど帰ってきたペイが突っかかって来ても「君とは争えない」とさっと退場します。母親も「いいのよ、大した額ではないのだから。あなたはいいのよ」と娘をかばったところがせめてもの救い。ついでに言うと、父親もいい人な感じでした。

 本当に、いろんなことがありますねぇ、人生って。ペイは機転の利く子。これからは前向きに人生が展開することを願います。何を持って「前向き」と言うかは難しいかもしれませんが。

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THE CAVE サッカー少年救出までの18日間(原題:นางนอน(ナンノン)英題:The Cave)

2020年11月27日 16時23分38秒 | 日記

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 2018年、豪雨のため洞窟に取り残されたタイのサッカーチームの少年たちが奇跡的に助け出され、全世界でニュースになった救出劇を映画化。タイ・チェンライの洞窟に立ち寄った少年サッカーチームの12人とコーチが、豪雨による浸水で洞窟の奥深くに取り残された。彼らが洞窟の入口から4キロも離れた地点でようやく発見されたのは遭難から9日後のことだった。しかし、救出に向かうための洞窟内は数カ所が完全に水没し、穴の大きさも人がやっと1人通れる程度の狭さで、救出作業は困難を極める状況だった。やがて少年たちの命に危機が迫る状況の中、世界中から集まったケイブ・ダイバー(洞窟潜水士)たちによる救出劇が始まるが……。監督はタイ・バンコク出身のイギリス人監督トム・ウォーラー。(映画.comより)

 

 

 

 

 こんな小作品が、よくぞ田舎に降りて来てくれました。見れてよかった!この事件のことは、当時大きなニュースにもなりましたし、知っている人も多いでしょう。でも、こうやって現地の人が、ダイバーなど本人たちにも出演してもらって綿密に作り上げた映画を見ると、本当に知らないことも多かったんだなぁと反省させられます。

 救助隊員に一名の犠牲が出たことは、当時も大きく報じられました。無知な私は「現地の、経験少ないダイバーの勇み足だったんだろう」くらいに思っていました。ところが実際は、元特殊部隊員の男性だったのですね。これほどのプロが途中で気を失うって、どれほど過酷だったのだろうと冒頭からおののきました。アホな私は「なんでもっとさっさと助け出せないのだろう」などと少し思っていたわけですが、大変申し訳ない。これほど難しいとは。

 そもそもこの洞窟は立ち入り禁止でした。それが何らかの理由でコーチ共々子供たちが侵入し、予期せぬ大雨によって浸水。外に出られなくなってしまいました。外に止めてある自転車などで、ここに子供たちがいるとわかってすぐに普通のポンプなどで排水するも焼け石に水。地理に詳しい教授などの尽力で、業者が業務用大型ポンプを持ち込むころには、役人や警察・レスキュー隊、お坊さんまでが入り乱れて集まっていて、「ここに入るには役所へ行って許可を取ってこい」とたらい回しされる始末。第一歩からなかなか行き詰っています。このポンプが装着されてやっと大量の水が排出できたのは数日経ってから。しかし、水かさが減っても子供たちがいる場所まではかなりあり、所々に顔を出した空間に酸素ボンベを置きながら、また潜って奥へ進む、また空間で顔を出す、という具合に、所々でしか顔を出せない上、子供たちがいるのは”9番目の空間”なのです。まず各空間に酸素ボンベと交代のダイバーを配置しながら、徐々に奥へと進めます。しかしながら、子供たちを助けるためには、いくら呼吸装置をつけると言っても、彼らももぐったり上がったりさせなければなりません。しかもかなりの距離を。これでは、いつパニックを起こすかわからない。そこで、救助の時には鎮静剤を筋肉注射し、いったん眠らせることになりました。が、ドクターは潜れません。ダイバーが注射するしかない上、距離があるため途中で目覚めてしまう。現場の判断でダイバーが追加注射しなければならないわけです。決まった一回量はきちんとシリンジに入れられているとはいえ、これはかなりのプレッシャーです。でも、やるしかありません。手に汗握る展開でした。

 当時、ニュースを見ていたので、子供たち全員が助かることはわかっています。それでも、”今に誰かが力尽きるのではないか”とか、”鎮静剤が過量になって誰かの心臓が一時止まるのではないか”とか、終始ハラハラし通しでした。心臓に悪い。結果を知らなければ、見ていられなかったかもしれません。世の中はきれいごとばかりではないとは言え、よくぞ全員助かってくれました。

 ところで、この映画で初めて「洞窟ダイバー」という職種があることを知りました。また、子供たちを一人ずつ救出していくときに、ダイバーが「コーチ、誰から行く」と尋ねたら「〇(名前)と〇。一番遠くから来ている」と答えます。すると、辛い状況にもかかわらず子供たち、うんうんとうなずいて賛同するのです。なんて健気な。涙が出ました。

 大量の水を排水したことで下流の水田は水浸し。でも、農家さんたちは「補助金はいらない。子供たちの救出に使って」と申し出ます。また、ある神話に基づく女神を祀る洞窟だったため、由来のある僧侶が出て来てお祈りをしたり、女性たちが舞を奉納したり。お国柄を感じました。たくさんの人が集まっているからって、宝くじを売っている輩もいましたけどね(笑)。

 私は性善説の持ち主なのですが、今回の映画はそれを確信させられるものでありました。犠牲者が一人出たのはとても残念でしたが、彼が勇敢だったことは後々まで語り継がれることでしょう。また、世界中から集まった有志の人たち(ダイバーなど)の勇気には脱帽と共に感謝です。偉大な有志たちに乾杯!

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行き止まりの世界に生まれて(Minding the Gap)

2020年11月25日 14時41分11秒 | 日記

The Gap We're Minding - pedagogy : faith : literacy

Bing Liu on his coming-of-age documentary, 'Minding the Gap' | KCRW

REVIEW: “Minding the Gap” | Keith & the Movies

 閉塞感に満ちた小さな町で必死にもがく若者3人の12年間を描き、第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた作品。かつて栄えていた産業が衰退し、アメリカの繁栄から取り残された「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」に位置するイリノイ州ロックフォード。キアー、ザック、ビンの3人は、それぞれ貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードに熱中していく。スケート仲間は彼らにとって唯一の居場所であり、もうひとつの家族だった。そんな彼らも成長するにつれ様々な現実に直面し、少しずつ道を違えていく。低賃金の仕事を始めたキアー、父親になったザック、そして映画監督になったビン。幼い頃からスケートビデオを撮りためてきたビンのカメラは、明るく見える3人の悲惨な過去や葛藤、思わぬ一面を浮かび上がらせていく。そんな彼らの姿を通して、親子、男女、貧困、人種といった様々な分断を見つめ、アメリカの知られざる現実を映し出す。(映画.comより)

 

 

 

 少し前に見た「mid90's」にそっくりな映画。かの映画は俳優ジョナ・ヒルの自伝的映画だし、今作は実際にアジア系の男性が撮影している12年に渡るドキュメンタリー。「シンクロ・ダンディズ」と「シンク・オア・スイム」みたいに同じ題材で違う国が同じような映画を作った、ってことでもないだろうに、同時期に日本に来たんですね。

 「mid90's」もよくできていたけれど、今作はドキュメンタリーならではの現実感が感じられました。それは少し前のフランス映画「レ・ミゼラブル」にも似た閉塞感。格差社会の中で、もがくように生きる彼らは、スケートボードに青春を見出し、仲間と共に楽しめる時間を持てたとしても、それだけで人生は送れない。生活はしなきゃならない。ままならないまま仕事を探し、うまくいかず、愛する人と家庭を持ったとしても、またまた男も女も心がすさむ。親にDVを受けてきたというけれど、親だってきっと受けてきたんだろうと感じさせる環境。社会の根深さを感じます。

 それでも、人は生きるか死ぬかしかないのです。生きている以上、生きてゆくしかないのです。表現が変でごめんなさいね。言わんとすることがわかってもらえるでしょうか。でも、彼らはまだ若い。運動神経もすぐれているし、五体だって満足だ。あるものを数えて、前を向くしかないのです。自分を含め、みんなそうなんだろうけれど。

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ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ(The Last Black Man in San Francisco)

2020年11月23日 15時22分39秒 | 日記

THE LAST BLACK MAN IN SAN FRANCISCO - PosterSpy

A24映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』あらすじネタバレと感想。タルボットとフェイルズからの地元へのラブストーリー

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』日本オリジナルアートポスター3点が解禁! | Fan's Voice〈ファンズボイス〉

 サンフランシスコを舞台に、都市開発により取り残されてしまった人たちのリアルな姿を描いたドラマ。主人公を実名で演じた主演のジミー・フェイルズが10代の頃に体験した自伝的物語で、フェイルズの幼なじみでもあるジョー・タルボット監督が長編初メガホンをとり映画化。サンダンス映画祭の監督賞、審査員特別賞を受賞した。IT関連企業とベンチャー企業の発展により、多くの富裕層が暮らす街となったサンフランシスコ。この街で生まれ育ったジミーは、祖父が建て、家族との思い出が詰まったビクトリアン様式の美しい家を愛していた。しかし、地区の景観とともに観光名所にもなっていたその家を現在の家主が手放すことになり、家は売りに出されてしまう。ジミーは再びこの家を手に入れるために奔走し、そんなジミーの切実な思いを友人であるモントは静かに支えていた。(映画.comより)

 

 

 

 

 長い映画でした。とても静かで見応えのある映画でしたが、お話が私的なので、あんまりついてゆけませんでした。主人公のジミーは生まれ育ったサンフランシスコに暮らすのですが、幼い頃家族と住んでいたビクトリアン様式の美しい家を諦めることができません。時代と共に再開発・発展したこの区域は、地価も上がり、今では裕福な人々が暮らす地域です。ジミーの家族はとっくに所有権を失っているのですが、毎日眺めては無断で壁を塗り直したり、庭を手入れしたり。家主のご主人は大目に見てくれていますが、奥さんは気味悪がってます。当たり前です(笑)。

 そんな折、祖母の死亡をきっかけに財産分与でもめた家主の家族は、一時退去するのです。誰もいなくなった家に勝手に侵入して大喜びするジミーと友人モント。すっかり住む気でいます。しかし、やはり高価な物件。どれだけ必死に不動産屋に掛け合っても相手にされません。勝手に運び込んだ家具類を放り出され、途方に暮れるジミーたち。普段行くところがないときは、モントの祖父(ダニー・グローバー!)の家に転がり込んでいる二人です。

 こんな二人の姿をずっと映している映画なんです。その国や地区の文化って、また違うのかもしれませんが、人のものになっている以上、勝手に手入れするのはやっぱり気味が悪いだろうし、誰もいなくなったからって、無断で鍵を壊して侵入するって、もはや犯罪だと思うのです。なんでこんなに嬉々として家具を運んでいるのか理解できないし、じゃぁ取り戻すために必死のパッチで働いているかと言うと、そうでもない。仕事はあるみたいだけれど(ジミーは看護師かヘルパー、モントは脚本を書いている)、割と毎日家を眺めながらゆっくり過ごしています。映画自体は景色もきれいだし、音楽も素敵。登場人物も穏やかで、いつも周りにたむろしているゴロツキたちにも一理あり、みたいな描き方は、個人的には好き。でもなぁ・・・。イマイチ小市民な私には共感できなかったかな。私に余裕がないだけかもしれんけど。

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フェアウェル(The Farewell)

2020年11月22日 14時56分38秒 | 日記

映画『フェアウェル』10月2日(金)公開/本編映像<お墓参り編> - YouTube 映画「フェアウェル(别告诉她)」: monad

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 中国で生まれアメリカで育ったルル・ワン監督が自身の体験に基づき描いた物語で、祖国を離れて海外で暮らしていた親戚一同が、余命わずかな祖母のために帰郷し、それぞれが祖母のためを思い、時にぶつかり、励まし合うながら過ごす日々を描いたハートウォーミングドラマ。ニューヨークに暮らすビリーは、中国にいる祖母が末期がんで余命数週間と知らされる。この事態に、アメリカや日本など世界各国で暮らしていた家族が帰郷し、親戚一同が久しぶりに顔をそろえる。アメリカ育ちのビリーは、大好きなおばあちゃんが残り少ない人生を後悔なく過ごせるよう、病状を本人に打ち明けるべきだと主張するが、中国に住む大叔母がビリーの意見に反対する。中国では助からない病は本人に告げないという伝統があり、ほかの親戚も大叔母に賛同。ビリーと意見が分かれてしまうが……。「オーシャンズ8」「クレイジー・リッチ!」のオークワフィナが祖母思いの孫娘ビリーを演じる。(映画.comより)

 

 

 

 こんな珍しい映画が田舎に降りてくるのですね。果たしてコロナ禍がなくても降りてくる予定だったのかどうか。でも、主演のオークワフィナは最近売れっ子なので、案外降りてくるの予定だったのかもしれませんね。

 さて、お話は「最愛のおばあちゃんが末期のガンだった。本人には言わずに最後まで寄り添おう」というものです。お国柄、本人に言わないのが普通みたいで、アメリカ育ちのオークワフィナには納得できません。「知ってれば、そのつもりで悔いなきよう過ごせるのに」という考えは、私も賛成します。でも、古くから厳然と存在するその地の文化はどうしようもありませんね。おばあちゃんの家族は、おばあちゃんを喜ばせるために、孫の結婚式をでっちあげます。親戚一同が集まるには自然ないいわけだけれど、おばあちゃん、頭はしっかりしているし、中国のお話だからやっぱり年長者が偉いんですね。結婚式の準備の段階から、やれ料理が気に入らないの、嫁の気が利かないのと、絡む絡む(笑)。大変です。わりと裕福なご家庭なんでしょうね、おうちも大きいし、披露宴も盛大です。しかし、これだけ盛大な披露宴を開いて、親族一同全員が知ってるわけでもないのに、かなりの数の人が勘違いしたまま「彼は結婚してる」と思われているのをどうやって訂正するんでしょうね。よくわかりません。ここで、なぜか嫁が日本人なんです。なんなのでしょうねぇ。

 劇中「病は気から」とばかりに「短いと思い込んでいると本当に寿命はそこまでになる」みたいなセリフが出て来るのですが、そんなものなのかもしれません。私の周りでも、すごく年輩(例えば80代半ばとか)だと、本当にガン細胞が消えてしまった、なんて人、複数いらっしゃいますからね、気を強く持つのがいいのかもしれません。

 今回の映画で、細かいところも含め、同じアジアでも、国によって文化がかなり違うことを実感させられました。勉強になりました。

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