ベネディクト・カンバーバッチが主演を務め、キューバ危機の舞台裏で繰り広げられた実話を基に、核戦争を回避するべく奔走する男たちの葛藤と決断をスリリングに描いたスパイサスペンス。1962年10月、アメリカとソ連の対立は頂点に達し、キューバ危機が勃発。英国人セールスマンのグレヴィル・ウィンは、スパイの経験など一切ないにも関わらず、CIAとMI6の依頼を受けてモスクワへと飛ぶ。そこで彼は、国に背いたGRU(ソ連軍参謀本部情報総局)の高官ペンコフスキーとの接触を重ね、機密情報を西側へと運び続けるが……。グレヴィル・ウィンをカンバーバッチ、ペンコフスキーを「名もなきアフリカの地で」のメラーブ・ニニッゼが演じる。「追想」など映画監督としても活躍する舞台演出家ドミニク・クックがメガホンをとった。(映画.comより)
<2021年9月23日 劇場鑑賞>
とてもおもしろかったけど、「へぇ~~」って感じでした。実話を元にって書いてあるけど、まぁ映画だからフィクションも相当盛り込まれてるでしょうね。まったくの素人をこんな風に起用するなんてことが本当にあるのだろうか、とも思うし、キューバ危機の時はいろんなスパイも暗躍していただろうから、彼一人がどうっていう話ではないんだろうけど、バッチさん演じる冴えない皮肉なセールスマンが、キツネにつままれながらも言われたとおりに任務を遂行し、やがて生き生きしてゆく様は、本当に「脳内中坊(言葉合ってる?)」そのままでウケました。「俺だってできるんだ!」張り切る、張り切る。いくつになっても少年ですよね。
でもまぁ、そもそも素人ですから、仲間たちと共にそのうち捕まります。ソ連の拷問なんて、映画だからあんまり強くは描かかれてないけど、相当エグかったんじゃないでしょうか。怖かったでしょうね。で、奥さんのところには、政府からそれらしい男がやってきて「ご主人の帰還については保証できない。生活の面倒はみるから」と伝えられます。素人を巻き込んだのですものね、家族の面倒をみるのは当然です。ここで「じゃ、いいじゃん。いるときよりいい生活ができるかもしれんし」と思ってしまった私は性格悪いです。ごめんなさい。
あとは政治的な取引です。結果的には、キューバ危機を救えた、つまりソ連がキューバから引き揚げた、ということで、アメリカ合衆国とソ連が引き起こしたかもしれない第3次世界大戦を免れたのですね。日本にいると、あんまり現実感ないけど。でも楽しめました。