田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

クーリエ 最高機密の運び屋(The Courier)

2021年09月28日 16時55分05秒 | 日記

Watch The Courier (2021) | Prime Video

クーリエ最高機密の運び屋のネタバレと感想!男気溢れる実話

クーリエ:最高機密の運び屋 || TOHOシネマズ

 ベネディクト・カンバーバッチが主演を務め、キューバ危機の舞台裏で繰り広げられた実話を基に、核戦争を回避するべく奔走する男たちの葛藤と決断をスリリングに描いたスパイサスペンス。1962年10月、アメリカとソ連の対立は頂点に達し、キューバ危機が勃発。英国人セールスマンのグレヴィル・ウィンは、スパイの経験など一切ないにも関わらず、CIAとMI6の依頼を受けてモスクワへと飛ぶ。そこで彼は、国に背いたGRU(ソ連軍参謀本部情報総局)の高官ペンコフスキーとの接触を重ね、機密情報を西側へと運び続けるが……。グレヴィル・ウィンをカンバーバッチ、ペンコフスキーを「名もなきアフリカの地で」のメラーブ・ニニッゼが演じる。「追想」など映画監督としても活躍する舞台演出家ドミニク・クックがメガホンをとった。(映画.comより)

 

 

 

<2021年9月23日 劇場鑑賞>

 とてもおもしろかったけど、「へぇ~~」って感じでした。実話を元にって書いてあるけど、まぁ映画だからフィクションも相当盛り込まれてるでしょうね。まったくの素人をこんな風に起用するなんてことが本当にあるのだろうか、とも思うし、キューバ危機の時はいろんなスパイも暗躍していただろうから、彼一人がどうっていう話ではないんだろうけど、バッチさん演じる冴えない皮肉なセールスマンが、キツネにつままれながらも言われたとおりに任務を遂行し、やがて生き生きしてゆく様は、本当に「脳内中坊(言葉合ってる?)」そのままでウケました。「俺だってできるんだ!」張り切る、張り切る。いくつになっても少年ですよね。

 でもまぁ、そもそも素人ですから、仲間たちと共にそのうち捕まります。ソ連の拷問なんて、映画だからあんまり強くは描かかれてないけど、相当エグかったんじゃないでしょうか。怖かったでしょうね。で、奥さんのところには、政府からそれらしい男がやってきて「ご主人の帰還については保証できない。生活の面倒はみるから」と伝えられます。素人を巻き込んだのですものね、家族の面倒をみるのは当然です。ここで「じゃ、いいじゃん。いるときよりいい生活ができるかもしれんし」と思ってしまった私は性格悪いです。ごめんなさい。

 あとは政治的な取引です。結果的には、キューバ危機を救えた、つまりソ連がキューバから引き揚げた、ということで、アメリカ合衆国とソ連が引き起こしたかもしれない第3次世界大戦を免れたのですね。日本にいると、あんまり現実感ないけど。でも楽しめました。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MINAMATA ミナマタ

2021年09月26日 16時47分15秒 | 日記

Tharindu Fernando 🐶🎶📚☕ 📷 on Twitter:

MINAMATAはひどいフェイク日本映画!あらすじとネタバレ

MINAMATA―ミナマタ―』浅野忠信本編映像 | MOVIE Collection [ムビコレ]

 1971年、ニューヨーク。アメリカを代表する写真家の一人と称えられたユージン・スミスは、今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。そんな時、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しむ人々を撮影してほしいと頼まれる。水銀に冒され歩くことも話すことも出来ない子供たち、激化する抗議運動、それを力で押さえつける工場側。そんな光景に驚きながらも冷静にシャッターを切り続けるユージンだったが、ある事がきっかけで自身も危険な反撃にあう。追い詰められたユージンは、水俣病と共に生きる人々にある提案をし、彼自身の人生と世界を変える写真を撮る──。(公式ホームページより)

 

 

 

<2021年9月23日 劇場鑑賞>

 ユージン・スミスという写真家を知りませんでした。水俣病については、子供の頃に4大公害病として小学校で習いましたし、図書室で写真を見ることもありました。チッソという会社が水銀を垂れ流したせいで、たくさんの人に被害が出たこと、水銀は体に有毒だから、その後(私が子供の頃に使っていた)水銀体温計は回収されたことや、銀色に光っていたことを記憶している「赤チン」なんかももう売られていないことも知っています。でも、彼を知らなかった。そして、見るだけで衝撃を受けた「入浴する智子と母」、この写真を知らなかった・・・。

 この写真、インパクトが強すぎて一時封印されていたことも映画で知りました。なるほど、家族の気持ちを考えればそれも納得です。でも、映画の冒頭、かすかに智子さんと母親のシーンが映るのですが、もうそこだけで私は衝撃を受けました。甘いかもしれませんが「しまった。これは、最後まで見れないかもしれない」と、一瞬で思ってしまったのです。子供たちが大好きなぶん、子供が被害者になるシーンに耐えられません。世の中はそんなに甘いものではないとわかっていますが、やっぱり見たくない。だから、「ジョニー・デップの映画を見よう」と軽く出かけてきた自分を反省したのでした。

 しかし、そこからは、キャリアに行き詰まり世捨て人のようになったカメラマンのジョニーの話が続き、水俣の町にやってきた後も町の人々との交流が描かれたりするので、普通の映画のように鑑賞できました。そして、一番のラスト、とてもとても効果的な方法で、冒頭の入浴シーン(入浴シーンであることは、ここでわかるようになっている)が挿入されるのです。そうか、これだったのか、と体が震える思いでした。なんということでしょう。同じ人間でありながら、こんなことが・・・。

 日本人でありながら、何も知らなかった自分に愕然としました。そして、最後のクレジットには、世界中の公害や人的災害が次々に映し出され、どれだけ時が流れても、変わらぬ人間の業が描かれます。でも自分も、そういう発展の元での暮らしを享受している。何とも言えない無力感と後味の悪さを感じた映画でした。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

英国総督 最後の家(Viceroy's House)

2021年09月22日 14時35分07秒 | 日記

Viceroy's House (2017) Poster #1 - Trailer Addict

Viceroy's House' Movie Review: Hope Divides a People and an Unexpected  Romance

Viceroy's House | Movie fanart | fanart.tv

 1947年、独立前夜のインドを舞台に、激動する歴史に翻弄された人々の姿を描いたヒューマンドラマ。最後のイギリス統治者として、インドのデリーにある総督の家にやってきたルイス・マウントバッテン。宮殿のように豪華な総督の邸宅では、ヒンズー教、イスラム教、シーク教などさまざな宗派の教徒たち500人が使用人として階下で働き、ルイスと家族が暮らす2階では、政治のエリートたちが、独立後に統一インドを望む多数派と、分離してパキスタンを建国したいムスリムたちとに分かれ、連日連夜の論議を続けていた。そんな日々の中、使用人のインド人青年ジートと令嬢秘書のアーリアが、宗派の違いを超えて惹かれあうのだが……。インドにルーツを持ち、祖父母が分離独立の大きな影響を受けたというグリンダ・チャーダ監督がメガホンをとり、総督ルイス・マウントバッテンを「パディントン」のヒュー・ボネビル、ルイスの妻でインドへの愛情を示すエドウィナ役を「X-ファイル」のジリアン・アンダーソンが演じた。(映画.comより)

 

 

 

<2020年5月5日 録画鑑賞>

 永らく世界に君臨した大英帝国といえども、二度の大戦の疲弊と、あらゆる国の独立という時代の流れに逆らうことはできません。インドが独立するにあたって、その権利移行に6か月を見込み、新しい総督が派遣されてきます。しかし、彼自身(と奥様)がいい人で仕事熱心でも、そして誰に対しても分け隔てのない人であっても、当地の人々に意見の相違があっては、コトがスムーズに運びません。すべての国民と共に「統一インド」を築きたい派と、独立したいイスラム派がお互いに譲らず、連日連夜の白熱論議なのです。誰が悪いわけではありません。宗教や主義が違うだけです。しかし、抗争が激化。統一インドの樹立を目指していた総督も一度本国に帰り、伺いを立てることに。結局インドとパキスタンに分かれて独立することになり、現在に至るわけですが、そこに、使用人の恋愛と宗教の壁、過激派によるテロなどで一般市民が苦しむ姿を重ねて描きます。

 BBC filmでした。思ったより短かった。インドについてあんまり詳しくなかったので、今まで隣国パキスタンとよくもめてるな、と思っても、日本でも中国や韓国と常にもめてるし、そんなものかと思っていました。元々一つのものが分かれたと知った時も、まぁ朝鮮半島やドイツの例もあるし、これまたそんなものかと思ってました。アホですみません。

 イギリスから主権をインドに戻す時がこれほど大変だったとは。ガンジー師も生きておられたのに、皆が仲良くという理想通りには行かなかったこと、宗教が元でこれほどの大虐殺が起きていたこと、本当に知りませんでした。そして、その原因こそが、ルワンダのツチ族とフツ族のように、白人たちによってお互いに仕向けられたものだったこと。いくら元々仲の良い隣人であり、かつ白人が仕組んだものだとわかっていても、一度分かれた宗教が元に戻ることはない。せめて争わずに共存するべきだったろうけど、一度憎み合うともう元には戻らない。人間の性(さが)が悲しすぎます。皆がガンジー師のように理性と知性のある人ならよかったのだろうけど。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

教授のおかしな妄想殺人(Irrational Man)

2021年09月21日 16時19分32秒 | 日記

新作が今年のカンヌのオープニングに選ばれた巨匠ウディ・アレン。昨年、発表の”Irrational Man”は邦題を『教授のおかしな妄想殺人』に決定し6月公開決定!  - シネフィル - 映画とカルチャーWebマガジン

Irrational Man - Trailer | SBS On Demand

Image gallery for Irrational Man - FilmAffinity

 ウッディ・アレン監督がホアキン・フェニックスを主演に迎え、人生の不条理を独自の哲学で描いたコメディドラマ。アメリカ東部の大学に赴任してきた哲学科の教授エイブは、人生の意味を見失い、孤独で無気力な暗闇に陥っていた。ある日、迷惑な悪徳判事の噂を耳にしたエイブは、その判事を自らの手で殺害するという完全犯罪を夢想し、次第にその計画に夢中になっていく。新たな目的を見い出したことで、エイブの人生は再び輝き出すのだが……。アレン監督と初タッグとなるフェニックスが主人公エイブを演じ、アレン監督の前作「マジック・イン・ムーンライト」でもヒロインを演じたエマ・ストーンが、殺人妄想が渦巻くエイブに、そうとは知らずに恋心を抱く教え子ジルに扮した。(映画.comより)

 

 

 

<2020年5月4日 録画鑑賞>

 ホアキンがウディ・アレンの映画に?と、意外な感じがしました。まぁ彼のミューズも変遷していて、前作・今作のエマ・ストーンも(当時)予想外だったから、ここでホアキンに驚くこともないんだろうけど。

 今回ホアキンは、人生に倦んだ哲学者。有名で本も出してるわりには、もう人生どうでもよくて皮肉ばっかり言ってる。エマ・ストーンに誘われて学生のパーティに行った時も、「ロシアンルーレットって何?」「弾を一個だけ入れて運試しするんだよ」「え~~怖~い」な~んて盛り上がっている学生を尻目に(ふざけて銃を出して騒いでた学生たちもアホだと思うけど)本当にやって見せて、学生たちを本気でビビらせる。死んでもいいものね、なんでもできますよね。でもね、そういう時は死なないのです(笑)。

 そんな厭世的なところが新鮮なのか、女にはモテモテ。特に若いエマは夢中です。この辺「ミッドナイト・イン・パリ」の主人公みたいでした。監督、こういう「自称知的」の女性をたくさん見てきたのではないでしょうか(笑)。

 で、あるきっかけで(私には考えられないきっかけだが)ホアキンは、殺人それも完全犯罪の殺人を思いつき、有頂天になります。あろうことか、生きる意味を見出してしまうのです。私、ここで一つ疑問が湧きました。こういう思想で40数年生きてきたんですよね?今まで一度も試みたこと、なかったのでしょうか。こんなに簡単に殺人を思いつき、こんなに安易に正当化できるのであれば、今までとっくにやってるんじゃないかと。まぁ人生の価値観は変遷するものですし、今回は若くて美しい彼女とカフェにいて”倦んで”いなかった、というのかもしれませんが。

 もちろん素人ですから、そうそう完全犯罪なんてあり得ない。そのうち行き詰まります。捜査するほうもプロですし、エマだって、そのうち「おかしい」と思い始めますし。

 しかし、私個人の意見で見方に偏りがあって申し訳ないのですが、監督が言いたかったのは「美人で無知な女子大生は、結局男に愛され守られて、何もなかったような顔で生きてゆけるのよ~♪」ということではなかったでしょうか。自分が一番の要だったことにも気づかず、一番しぶとくね。「グレイト・ギャツビー」ですね(笑)。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レミニセンス(Reminiscence)

2021年09月20日 13時12分12秒 | 日記

Reminiscence to release in India on THIS date; Hugh Jackman says 'film  explores idea of memory and nostalgia' | PINKVILLA

Reminiscence review – a sci-fi noir you may want to forget | Science  fiction and fantasy films | The Guardian

Reminiscence' stars Hugh Jackman, Rebecca Ferguson on their mind-bending  new Hollywood movie | Hollywood – Gulf News

 ヒュー・ジャックマンが記憶に潜入するエージェントに扮したSFサスペンス大作。「インターステラー」「ダークナイト」などクリストファー・ノーラン作品で脚本を担当してきた、クリストファー・ノーランの弟ジョナサン・ノーランが製作を手がけ、ジョナサンの妻でテレビシリーズ「ウエストワールド」のクリエイターとして知られるリサ・ジョイがメガホンをとった。多くの都市が水没して水に覆われた世界。記憶に潜入し、その記憶を時空間映像として再現する「記憶潜入(レミニセンス)エージェント」のニックに、検察からある仕事が舞い込む。それは、瀕死の状態で発見された新興勢力のギャング組織の男の記憶に潜入し、組織の正体と目的をつかむというものだった。男の記憶から映し出された、事件の鍵を握るメイという名の女性を追うことになったニックは、次々とレミニセンスを繰り返していく。しかし、膨大な記憶と映像に翻弄され、やがて予測もしなかった陰謀に巻き込まれていく。「グレイテスト・ショーマン」でもジャックマンと共演したレベッカ・ファーガソン、「ウエストワールド」のタンディ・ニュートンらが脇を固める。(映画.comより)

 

 

 

<2021年9月18日 劇場鑑賞>

 記憶をたどるためにヒュー様が水に入る予告を見て「マイノリティ・リポート」を想起した人は多いはず。正確には、あれは記憶をたどるのではなくて、予知能力だったけれど、やっぱり”記憶は水に宿る”のかなぁ、なんて思ったりしました。

 しかしながら、ヒュー様とタンディ・ニュートン、近未来の技術(記憶を映像ごと鮮やかに蘇らせることができる)を擁しながら、個人的には凡作だったと思います。話のコアは、メロメロのラブロマンス。いくらヒュー様がハンサムだからって、酸いも甘いもわかっている年齢で、あんな恋の落ち方はないわ。記憶を蘇らせるといっても、それが仕事なんだからプロのはず。ちょっときれいな女性が来たからって、あれでは三日に一回くらい恋に落ちてしまってるんじゃないでしょうか(笑)。女性の年齢が若すぎないところはgoodだったと思うけど、ふとももまでスリットの入った魅惑のぴったりドレスの女性が時間外に来て、特別に見てあげたところでイヤリングを忘れて帰るって・・・。あのさ~。

 もちろん、多少話はヒネってあります。結局どういうことなんだ、というサスペンス調には仕上がってるし、どこまでが本当の記憶で、どこから騙されているのか、謎解き要素だってあります。でも、コアはメロドラマです。私個人は、いくつになっても恋するべきだと思っているし、恋に年齢は関係ないと思いたい。でも、恋する姿が浅すぎる。

 ちょっと驚いたところでは、アジアのスター、ダニエル・ウーが出てました。若い頃、彼の映画も随分見ました。「美少年の恋」とか、宮沢りえと共演してるのとか。でも、一番鮮烈に記憶しているのは「新宿インシデント」ですね。あれは主演のジャッキー・チェンや竹中直人も名演でしたが、ダニエルもすごくよかったです。鬼気迫る演技もよかったですが、まだおとなしい頃の「すみません」と(お風呂屋で)流暢に言った日本語が忘れられません。

 そうそう、人と一緒にピアノが水中に落ちてゆくシーンがあって「ピアノレッスン」みたいでした。タンディ・ニュートンも、デビット・シューリスと共演した映画でピアノを2階からワイヤーで降ろすシーンがあったなぁ、とかいろいろ想起した映画ではありました。でも、あんなに簡単に過去の懐かしい映像に帰れたら、自分だったら取り憑かれてしまうというか、そこにばかりすがってしまうようになるのではないか、とかいろいろ考えると怖いと思いました。今のままでいいです(笑)。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする