田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ダム・マネー ウォール街を狙え!(Dumb Money)

2024年02月29日 18時33分01秒 | 日記

Dumb Money – Movies on Google Play

ダム・マネー / TSP映画

Dumb Money' First Look: The GameStop Stock Frenzy Is Now a Movie | Vanity  Fair

 SNSを通じて団結した個人投資家たちが金融マーケットを席巻し社会現象を巻き起こした「ゲームストップ株騒動」の実話を映画化。ベン・メズリックのノンフィクション書籍を基に「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のクレイグ・ギレスピーが監督を務め、前代未聞の事件の内幕をユーモアたっぷりに描く。

コロナ禍の2020年、マサチューセッツ州の会社員キース・ギルは、全財産5万ドルをゲームストップ社の株に注ぎ込んでいた。アメリカ各地の実店舗でゲームソフトを販売する同社は時代遅れで倒産間近と囁かれていたが、キースは赤いハチマキにネコのTシャツ姿の「ローリング・キティ」という名で動画を配信し、同社の株が過小評価されているとネット掲示板で訴える。すると彼の主張に共感した大勢の個人投資家がゲームストップ株を買い始め、21年初頭に株価は大暴騰。同社を空売りして一儲けを狙っていた大富豪たちは大きな損失を被った。この事件は連日メディアを賑わせ、キースは一躍時の人となるが……。

「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のポール・ダノが主演を務め、ピート・デビッドソン、ビンセント・ドノフリオ、アメリカ・フェレーラ、セス・ローゲンが共演。(映画.comより)

 

 

<2024年2月4日 劇場鑑賞>

 自分は株をやらないので、このお話がどれほどすごいことなのかはわからないのですが、なんとなく、素人がその信条に乗っ取って行動したことが実を結ぶ、という展開は胸のすくものでした。主人公は長年株を見て来ているから、「これは間違っている」という鋭利な感覚が培われていたのでしょうね。私なんかは「そんなの、見込み違いだったらどうするのよ」とか思うわけですが、それこそ素人の感覚なんでしょうね。「だから失敗するんだよ」って(笑)。

 でもこの映画の良心的なところは、それほど極悪人が出て来なかったこと。半ばでイケメン二人が颯爽と登場して株の新興企業を立ち上げ、成功してゆくのですが、でもたぶんにそのカッコよさが利用されただけで、少し問い詰められるとあっさり白旗を挙げて不備を認めていたし、そんなに悪い人でもなさそうでした。ウォール街の人たちは少々痛い目に遭ってもお金あるだろうし。それ以上の背景がよく理解できない素人なので、楽しめてない部分もあるのかもしれませんが。このイケメン経営者の一人が「アベンジャーズ」バッキーでした。作品によって本当にイメージがガラッと変わる、芸達者な人ですね。「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」では冴えない男で、バッキーだと気づかないほどでした。「アベンジャーズ」では常に憂いのある表情、今回の映画はさわやかすぎるイケメンでした。

 

 

<ここからネタバレ>

 主人公(ポール・ダノ)に共鳴する仲間たちのおかげで、彼は成功するとともに一躍有名人に。その他、彼を支えた”普通の人たち”もいくらかの利益を得てハッピーエンドでした。しかし、その後彼はふいに姿を消し、今もその行方はわからない、という最後のテロップを見て、複雑な思いでした。彼が好んで姿を消したのならそれでいいのですが、その後どうしているのかなぁ、生活はできてるのかなぁ、とか老婆心が芽生えた私なのでした。

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ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人(Jeanne du Barry)

2024年02月27日 18時56分44秒 | 日記

ジョニデ出演の話題作「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」キャストのリアルな恋愛事情

ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 : 作品情報 - 映画.com

ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 – アップリンク吉祥寺

 18世紀フランスで59年間にわたり在位した国王ルイ15世の最後の公妾ジャンヌ・デュ・バリーの波乱に満ちた生涯を映画化。

貧しいお針子の私生児として生まれたジャンヌは、類まれな美貌と知性で貴族の男たちを虜にし、社交界で注目を集めるように。ついにベルサイユ宮殿に足を踏み入れた彼女は、国王ルイ15世とまたたく間に恋に落ちる。生きる活力を失っていた国王の希望の光となり、彼の公妾の座に就いたジャンヌ。しかし労働者階級の庶民が国王の愛人となるのはタブーであり、さらに堅苦しいマナーやルールを平然と無視するジャンヌは宮廷内で嫌われ者となってしまう。王太子妃マリー・アントワネットも、そんな彼女を疎ましく思っていた。

「パリ警視庁 未成年保護特別部隊」「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」の監督としても知られる俳優マイウェンが監督・脚本・主演を務め、ジョニー・デップがルイ15世を全編フランス語で演じた。シャネルによる衣装提供やベルサイユ宮殿での大規模撮影により、豪華絢爛なフランス宮廷を再現。(映画.comより)

 

 

<2024年2月4日 劇場鑑賞>

 ルイ15世がなんでジョニー・デップ?と思わないでもなかったですが(笑)、何事も結果往来。ジョニーは素晴らしい演技を見せていました。マイウェン、私は全然知らなかったのですが、素晴らしかったです。監督も自ら務めたとのこと。これから彼女の名を覚えておきます。

 ジャンヌ・デュ・バリーの名は、そういえばキルスティン・ダンストの「マリー・アントワネット」でも聞いたような気がします。チラッと出ていたような記憶です。でもあの映画は、あくまで主演はキルスティン・ダンストだったので、あんまり覚えていませんでした。なので、今回の映画は本当に勉強になりました。貧しい出でありながら、その美貌と頭の良さで才覚を表し、天性のものか環境から自然に備わったものなのか、多分に男好きのする性分を漂わせながら、あくまで「ついてきているのは男たちよ」と言わんばかりの自由な振る舞い。男中心社会での屈辱を味わいながらもへこたれず、最後まで型破りであり続けた女性。まったく、素晴らしいと言うほかありません。これは最近見たホアキンの「ナポレオン」でナポレオンを翻弄した妻よりも存在感があったように思いますね。どちらも史実なんでしょうけれど。フランスの歴史もの立て続けですね(笑)。それも、ハリウッドの人気男優主演で。どういう現象なんでしょう(笑)。

 私個人的には、自分も貧乏人の子だった、という背景も手伝ってか、地位のある女性たちの意地悪な仕打ちにほとほと呆れてしまいました。もちろん、高貴な生まれの女性たちはそれなりの主張や魅力があるのでしょうが、高い教養を受けているはずの女性たち、他人をないがしろにしてもいいと教えられてきたのですか?王のなさることは尊重するようにと教えられてこなかったのですか?いくら時代背景が異なるとはいえ、意地悪するだけでなく、大事にしていた義理の息子に決闘を申し込んで殺してしまう、それを悲しんで(王のそばで)泣いているジャンヌの泣きまねをして笑う、など、およそ大人とは思えない振る舞い。王が愛されている女性なのですから、せめて王の前では表面だけでも取り繕う、ということはなかったのですか。不思議ですね。

 しかし、彼女は本当に王を愛していましたし、王も彼女を愛していました。王が天然痘で亡くなる寸前でもまだ駆け寄って「愛しているわ」とささやいていました。王もある意味幸せだったのではないでしょうか。貴族たちは「最後のお別れはもう済みました」などと駆け寄ってきたジャンヌを阻止したのですが、皇太子が「通しなさい!」と一喝するのです。義理の息子や皇太子の彼女に対する態度からは、本当に彼女は男好きがしたのだな、と感じたわけですが、彼女もまた分け隔てなく、息子や使いとして連れられてきた黒人少年、その他みんなを愛したわけです。最後には皇太子に対しても「いつも優しく接してくださり、感謝します」と述べていました。公妾以上になるわけはなく、地位は変わらないのですから、そんなに彼女に目くじら立てることもないんじゃないかと思ったのは私だけでしょうか。貴族の女性たちも仕事を持つ時代ならよかったのかもしれません。ボランティアとか。やることないからそんなことにばかり目が行くのでは?

 この映画では、マリー・アントワネット(要は皇太子のお嫁さんね)も最初は彼女のことを「きれいな人ね」くらいに思っていたのに、周りの女性たちに「あの女は悪魔よ」「疫病神よ」などと入れ知恵されて洗脳され、冷たくするという風に描かれてました。本当のところはわかりませんが。

 ともかく、少し(たいぶ?)疲れましたが、楽しめる映画でした。見ごたえがありましたね。もう終わっちゃいましたが、おすすめです。

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マクベス(2015)(Macbeth)

2024年02月23日 18時25分09秒 | 日記

マクベス(2015) - Unseasonable Shore

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 「ハムレット」「オセロー」「リア王」と並ぶ、シェイクスピアの4大悲劇のひとつとして知られる「マクベス」を映画化。中世スコットランドを舞台に、勇敢で有能だが、欲望と野心にとらわれた将軍マクベスが、野心家の妻とともに歩んだ激動の生涯を描き、2015年・第68回コンペティション部門に出品された。「SHAME シェイム」「それでも夜は明ける」のマイケル・ファスベンダーがタイトルロールを演じ、マクベスの妻に「エディット・ピアフ 愛の讃歌」のマリオン・コティヤールが扮する。監督は、初長編作「スノータウン」がカンヌ国際映画祭映画祭批評家週間で特別審査委員賞を受賞するなど、各国の映画祭で注目されたオーストリア出身のジャスティン・ガーゼル。(映画.comより)

 

 

<2024年1月28日 録画鑑賞>

 録画してずっと置いてしまってた映画、やっと見ました。シェイクスピアは、ケネス・ブラナーの監督作をはじめ、いくつか映画を見たのですが、マクベスは初めてです。しかしまぁ・・・半ば呆れてしまいました。これがシェイクスピアの4大悲劇の一つですか。こんなの、悲劇でも何でもないでしょう。マクベスがあまりに幼稚だっただけ。私の掘り下げが浅いだけかもしれないけれど、戦士として優れた成果を残したマクベスに、治世者としての才能があまりに欠けていただけじゃないですか?誰ともわからない女たちの予言を信じたにしても、その残酷さはあんまりです。そこが悲劇なのかもしれないけれど。

 強いはず、人望があったはずの戦士が、王としてトップに立った途端、自分以外の人間がすべて自らの地位を脅かす存在に見える。そして怖さのあまり、とにかく難癖をつけてことごとく放逐してしまう。あろうことか、逃げようとした仲間の妻子(しかも子供たちはまだ幼い)をひっ捕まえた上に火炙りにしてしまう。これを見てビビらない人がいるでしょうか。狭量すぎる。最後には、王になるべく夫を焚きつけていた妻までもが、絶望のあまりに自死してしまいます。もうこうなると、立て直しはできないですね。マクベスは、人生がどこで手の付けられないものになったのか、考える力ももはやないでしょう。

 物語は、ひょっとして王になる前の方が長いのかもしれません。王になった後だけの作品を見たから理解できなかったのかもしれません。でも、正直怖いだけのお話でした。原作を読むべきですね、私。

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哀れなるものたち(Poor Things)

2024年02月22日 18時08分08秒 | 日記

Poor Things (2023) - IMDb

新作】映画「哀れなるものたち」(原題:Poor Things)、エマ・ストーン主演。2024年1月26日公開。 - fpdの映画スクラップ貼

How to Watch 'Poor Things' — Where Is 'Poor Things' Streaming?

 「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再びタッグを組み、スコットランドの作家アラスター・グレイの同名ゴシック小説を映画化。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金獅子賞を受賞し、第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、脚色賞ほか計11部門にノミネートされた。

不幸な若い女性ベラは自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、放蕩者の弁護士ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。大人の体を持ちながら新生児の目線で世界を見つめるベラは時代の偏見から解放され、平等や自由を知り、驚くべき成長を遂げていく。

プロデューサーも務めるストーンが純粋無垢で自由奔放な主人公ベラを熱演し、天才外科医ゴッドウィンをウィレム・デフォー、弁護士ダンカンをマーク・ラファロが演じる。「女王陛下のお気に入り」「クルエラ」のトニー・マクナマラが脚本を担当。(映画.comより)

 

 

<2024年1月28日 劇場鑑賞>

 この映画の監督、あんまり覚えてなかったけれど、実は「女王陛下・・・」だけではなくて「ロブスター」も見てました。もっと言うと、まったく知らずに「聖なる鹿殺し」も先日見ました。なぜかリバイバル上映されていたのですが、今から思えば「哀れなるものたち」が公開されたから上映されていたのかもしれません。

 結論から言えば、とてもおもしろかったのです。凡人な私は、監督の世界観の中で完結している不条理劇などは苦手で、理解できないことも多いのですが、この作品はそもそもありえない設定でありながら、なぜか楽しめました。

 主人公のベラは冒頭で自殺します。投身自殺です。しかし「ゴッド」と呼ばれる天才科学者が彼女を救います。妊娠していた彼女の、お腹の中の赤ちゃんの脳を彼女の遺体に移植し、蘇生させるのです。よって「見かけは大人の女性、頭は赤ちゃん」の女性が誕生します。話に関係ないのですが、体が大人ですから、生理などはどう処理するのか心配していたのですが、そういうシーンは一度もない上、ありとあらゆる男とセックスしても妊娠していなかったようなので、ゴッドが蘇生させるときに子宮を取ってしまったのかもしれません。そんなことも考えました。この映画、R18ですし。

 彼女は美人なので男にモテるのですが、知的吸収が早いとはいえ、基本は赤ちゃんですから、自由奔放、社会生活は成り立たないレベルです。でも、そんな彼女に男たちは振り回され続けるのですね。誰一人として彼女を放り出す人はいないのです。不思議ですね。若い美人だからこそ許されるのでしょうが、わきまえのある賢い女性より、手の焼ける幼い女性が男の本能をくすぐるってことですね。

 ゴッドは、優秀な博士なのですが、父親が優秀過ぎる研究者だった故、実験台にされ続け、体自体がいびつになっています。たとえば胃酸が作れないから食事は何かと連結して行い、食後は大きなバルーン状のげっぷをする、とか。事程左様に、いちいち変なのですが、みんな素知らぬ顔をして物語は進んでゆきます。

 元々はベラも博士の被検体。なので、研究の助手だったマックスとベラは結婚します。でも、外の世界を見て見たかったベラは、あっさりと他の男と駆け落ち。これがマーク・ラファロです。裕福な彼は、最初こそベラを豪華客船でもてなしたりしますが、奔放な彼女に振り回されるうちに彼女の虜になり、彼女に捨てられても、金銭に行き詰まっても、執拗に彼女にまとわりつきます。みっともないですね。

 後半には、彼女の過去が徐々に明らかになります。誰と結婚してたか、とか。それが案外家父長的な男だったり。でも、ネタバレになるので書けませんが、ラストは大団円。そう来るか~と思いました。感心しました。監督、やっぱりタダモノではないですね。自分はそのあとに「聖なる鹿殺し」を見たので、同じ監督と知った時は驚きでした。何も知らずに同じ監督の映画を続けて見たということは、縁があるのかもしれません。これからも注目していきたいと思います。

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ファースト・カウ(First Cow)

2024年02月19日 18時17分37秒 | 日記

First Cow (2019) - IMDb 

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First Cow (2019) | MUBI

「オールド・ジョイ」「ウェンディ&ルーシー」などの作品で知られ、アメリカのインディペンデント映画界で高く評価されるケリー・ライカート監督が、西部開拓時代のアメリカで成功を夢みる2人の男の友情を、アメリカの原風景を切り取った美しい映像と心地よい音楽にのせて描いたヒューマンドラマ。

西部開拓時代のオレゴン州。アメリカンドリームを求めて未開の地へ移住した料理人クッキーと中国人移民キング・ルーは意気投合し、ある大胆な計画を思いつく。それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルクを盗み、ドーナツをつくって一獲千金を狙うというビジネスだった。

クッキー役に「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のジョン・マガロ。これまでライカート監督作の脚本を多く手がけてきたジョナサン・レイモンドが2004年に発表した小説「The Half-Life」を原作に、ライカート監督と原作者レイモンドが脚本を手がけた。2020年・第70回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。(映画.comより)

 

 

<2024年1月27日 劇場鑑賞>

 西部開拓時代ってよく映画になってますけど、本当にたくさんの人々が「一攫千金」「でっかい夢」「成功」を追い求めて押し寄せたのですね。なにが根拠かわかりませんが、あらゆる人々がそんな野望を抱ける時代って、ある意味すごいことだと思います。この映画の主人公クッキーも、とても気弱でおとなしいのに、やっぱり夢見てフロンティアに来ています。で、結局当時お金になったビーバーの毛皮を取る屈強な男たちのグループに、料理人兼使いっぱしりとして雇われていて、小柄でおとなしいためいつもバカにされています。こんな仕事を得るためにフロンティアに?差し当たっての仕事なんだろうけれど。

 そんなある日、同じように虐げられている中国人移民キング・ルーに出会います。行き倒れていた彼を救助し面倒をみたクッキーは、ルーに信頼され、一度は離れたものの再会した彼らは無二の親友となります。そして一緒に住み、クッキーの料理の腕とルーの商才を生かし、村で唯一の牛(仲買商の持ち物)からこっそり乳を盗んでドーナツを作って売るようになります。これが本当においしかったからバカ売れ。仲買商の目にも止まるようになってしまいます。仲買人を演じるのはトビー・ジョーンズ!彼は「ロンドンを思い出す」と言ってドーナツを気に入り、次のお菓子も注文します。

 お金を貯めていた彼らの「もうちょっとで目標の金額に達するところだった」という言い分もわかりますが、元々人の牛の乳を盗んで作られているお菓子。このへんでやめてさっさと逃げるべきでした。でも、彼らは渋ったのです。その結果、追われる身となるのです。屈強な用心棒たちから、そうそう逃げきれるわけはありません。こちらは料理人と普通の中国人なのですから。

 主人公の二人は、本当にお互いを思いやるいい友人で、多分それ以上のことはなかったと思うのですが、狭い掘っ立て小屋でかいがいしく一緒に住むさまは、ちょっと複雑で妙なかわいらしさと危なっかしさがあったようにも思います。みんながギラギラしていた西部開拓時代に、こんなほんわかブラザーズ(?)も、いたんだよってことでしょうか。でも、ドーナツは本当においしそうだったな。

 

 

<ここからネタバレ>

 冒頭、犬と一緒に船でやってきた女性が、仲良く並んだふたつの白骨死体を見つけるシーンがあるのですが(その後、映画は西部開拓時代に一気に遡る)、ラストでそれは逃げ切れなかった彼らだとわかります。しかし、劇中、まだ生きてる彼らが、犬と一緒に船に乗った女性を遠目に眺めるシーンがあって、?と思いました。時はかなりずれているはずでは?それとも、白骨になるのにそれほど時間はかからず、その後同じ女性が発見するってことなのかな。そこだけがよくわかりませんでした。

<ネタバレ終わり>

 

 

 この映画が”ブロマンス系”として話題になってないのが不思議です。「ゲゲゲの鬼太郎」はその筋としてあれほど若い女性に人気なのに。上映館が少ないからかなぁ。

 

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