入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「初夏」 (2)

2019年05月31日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 季節の移ろいが早い。写真を撮り溜めしておいても、すぐに使えなくなってしまう。ヤマナシの花はもう牧場内でも咲き始めたし、コナシも早いのは赤味を帯びた蕾が目に付くようになった。クリンソウ、レンゲツツジもその後を追うようにして、各所で艶やかさを競うようになる。森や林、そして草原は、1年のうちで一番の盛り時を迎え、その万緑の中でも今はカエデ、白樺の葉の緑が特にみずみずしく見えて目立つ。
 今朝も上には7時半に着いた。気温は10度と低く、最近その変化が激しい。きょうから3泊の予定で海老名出丸夫妻がやって来るし、また撮影の下見も入っている。
 
 週末は少しづつ予約も入るが、どうもこちら側のその受け方に問題があったような気がする。一番確実なのはこの独り言のコメント欄、もしくは小屋の留守電に伝言を残してもらえれば、こちらから必ず返事をするようにしている。その際、電話番号を残してもらうわけだが、早過ぎて聞き取れないことがままある。留守電を再生する際には必ずメモの用意しているので、できればゆっくり2度言ってもらえたら助かるのだが。また、種々の内容の問い合わせにも、農協の組合員課では対応しきれないこともあるので、その場合はこちらに連絡が来て、牧場側から対応するということに決めてある。しかし、それが徹底しない憾みがある。
 原則予約制にしているのは、できるだけ余裕のある、快適な屋外生活を楽しんでもらいたいと思うからで(テントの設営場所をあらかじめこちらで検討している)、予約がなければお断りするというわけではない。ただし、優先権は予約者になると承知おかれたい。

 Kさん、通信ありがとうございました。Kさんとは、珍しい苗字のKさんですか。でしたら、あんなことに懲りず、また是非出掛けてきてください。待ってます。

 撮影の下見は9時半ごろになると今、下から連絡が入った。CMだろうか。映画よりもCMの方が大ごとになるようで、また、守秘義務という縛りもある。権兵衛山に霧が降りてきた。最低雲高が今くらいのうちに、何としても来てもらいたい。

 営業案内 「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」およびその(2)です。下線部をクリックしてご覧の上、どうぞご利用ください。






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     ’19年「初夏」 (1)

2019年05月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


『大阿原淡霧』
「ここは入笠牧場より標高100mほど高い分、1週間遅れくら
いでコナシが咲き始める。朝まで雨が降っていた雨は上がり
テイ沢から霧が湧き始めたのでドローンを上げる。一足先に
咲き始めたヤマナシと、赤い蕾の目立つコナシまで霧が覆う
のを期待したが、この時をピークに消えていってしまった。」
:2018年6月7日撮影 Photo by Ume氏(題名と文章も)

 テイ沢へはよく行くが、その源になる「ヒルデエラ(大阿原)」へはあまり行かない。しかし、もう半世紀以上も前だが、初めて1泊2日の入笠に来て、薄っすらと記憶にあるのは何故かこの湿原だけで、当然通ったはずのテイ沢も、入笠の山頂の記憶も全くない。いつの間にかこの湿原は「大阿原湿原」などというおかしな名前で定着し、国土地理院の地図にもそう記されている。
 伊那側の芝平の住人は、古くからこの湿原を「ヒルデエラ」と呼んでいたとは北原のお師匠から教えられたが、「阿原」が湿原の意味だとはその前から知っていた。「デエラ」は「平」が訛ったのだろうと思うが、「ヒル」は7年に一度大量発生するあの「キシャヤツデ」なのか、本当のヒルから来ているのか、そこらへんのことは師も分からないらしい。が、この名前の方が余程いいとこの独り言ではもっぱら、地元の人たちの間で親しまれた古い呼び名を使っている。

 それにしてもきょうの好天と、新緑、真っ青な空に刷毛で描いたような薄い筋状の雲、そしてまだ残雪の目立つ中ア、御嶽、乗鞍、北アルプスと、ただただ感動的だとしか言えない。下手な言葉など添えたら、この時季の清新な天然の姿が汚れてしまいそうなほどだ。それくらい、素晴らしかった。6月まで二日残すだけだが、たまらず題名をきょうから「初夏」にした。今鳴いているカッコーも「そうしろ」と言っているように聞こえてくる。いや、この万緑の中で、たまには露天風呂の爽快感を味わえと、そそのかしているようにも聞こえたりして、クク。
 この絶景を間近にできる機会を考えて撮影会を企画したが、残念ながらあまり反響はなかった。もったいない、とは思うが、それなら今のままにしておいた方がいいだろうと、考えを変えた。ただ、取り消しもあったが、参加者ゼロというわけではない。上級者もいる。

 赤羽さん、了解しました。また、言っていることも、分かりました。伝わりました。

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     ’18年「春」 (78)

2019年05月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 山室川の第2堰堤の少し手前、鹿は白樺の木の横からこっちをじっと見ていた。すぐ逃げるだろうと思ったが、そうしなかった。いい絵になりそうだったので急いで携帯を取り出し、窓越しに1枚撮った。それでもじっとこっちを見たまま、逃げようとしない。ブレーキを外し、少し車を下げ、窓を開けてまた1枚撮った。鹿は依然としてこっちを窺っているだけで、次の行動に移ろうともしない。用が済んだこちらが先に、その場を去った。
 まだ1歳かそこらで、この鹿の場合は恐怖心よりも好奇心の方が勝っていたのに違いない。たまにだが、こういう鹿がいる。iPhoneの望遠の限界で撮ったが、実際に目にした感じは鹿も、白樺の林も、もっと童話的な情景だったと言い訳しておこう。そうでなかったなら、珍しくも何でもない鹿のために、わざわざ車を停めたりはしなかったはずだ、とも。

 一昨日は1万数千歩ほど歩いた。そしたら昨日は、身体があまり動きたくないという。たったそれくらいで音を上げていたら、老人に追いつかれるぞと叱って、大沢山の第3牧区へ行った。老人に追いつかれたくはなくても、もう追いつかれているかも知れないとも思ったが、帰る時にはそれでも満ち足りた思いが、その日の1万歩からも生まれた。それを、冥利と言ってもいい。

 やはり昨日のことだが、昼少し前、小屋に戻っていたら一人の女性が、同じくらいの年齢の男性を伴い訪ねてくれた。ところが、相手のことを勘違いをした。先方もそれを感じたかも知れない。「前回は姪を連れて」と言われて、段々と思い出したが、遅かった。申し訳ないことをしてしまった。

 今朝も4時起き。きょうの独り言は下で済ませてきた。霧が深い。気温10度。

 かんとさん、ご名答。それから例の件、本人にしっかりと言っておいた。明日はまたUme氏の傑作、ご期待を。

 6月初旬に予定している撮影会の詳細については5月16日、No.66のブログをご覧ください。写生、探鳥も大歓迎です。
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     ’19年「春」 (77)

2019年05月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 『絶景の朝』
「前日の雨は上がり現地に4時半に着いたら5℃まで下がった。
日の出時間を過ぎ明るさが増すと共に、初の沢から霧が上がり
始めコナシの斜面にかかり始めた。ドローンを上げ、流れる霧
との組み合わせを考えながら100カット近く撮影した。」
:2018年6月1日撮影   Photo by Ume氏(題名と文章も)

 森はさらに緑の攻勢を強めたようだ。いつものように今朝も山室川の清流に沿って谷の中を上ってきたが、生い茂る周囲の林や森の緑には圧迫感さえ感じたほどで、ヤマナシの白い花が山桜に代わってその印象を幾分か和らげてくれていた。ただこの花には、山桜のような「そっと咲いている」といった控え目で、清楚な感じはしない。奔放に徒長する枝にも似て花も豪勢に咲くが、短命である。
 良く言えば「佳人薄命」と言うのか、第1堰堤の早咲きのヤマナシの花は、すでに花吹雪となって舞っていた。





 この牧場で一番遅くまで咲いている山桜と、一番早いヤマナシ。さっき降り出した雨で、今年はここの山桜の花もこれが見納めになるだろう。
 小降りの雨の中、大沢山へ電牧の障害となるクマササを刈りに行ってきた。晴れもいいが、きょうのようなしめやかに降る雨は霧を誘い、幽玄とでも言いたくなるような森の雰囲気に包まれて、ことのほか良かった。
 
 きょうのPHはUme氏入魂の1枚ということで、添え書きも届いた。コナシの花も見事だが、山頂に伸びる道路が効いている。撮影場所を言い当てることができる人は、まずいないだろう。

 6月初旬に予定している撮影会の詳細については5月16日、No.66のブログをご覧ください。写生、探鳥も大歓迎です。
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     ’19年「春」 (76)

2019年05月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 一昨日、Ume氏とカッコーの声がするようになったと話した。そう思っていたら、ここにきてヤマナシの白い花も咲き出した。この花が咲けば、追いかけるようにコナシの花も咲く。昨日ときょうの暑さで森全体が初夏の装いを急ぐかのようで、白樺に一歩先を譲ったダケカンバも、ついに芽吹き始めた。
 そうしたなか、うっかりして見落としてしまった物もあった。タラの芽である。忘れていたわけではなく、気にはしていた。貴婦人の丘を過ぎてから右に大きく曲がるが、その道路の右手に、何本かのタラの芽の木があって、それを指標木の一つにしていた。ところが目敏い誰かが、いつの間にか採ってしまったらしく、そんなこととは知らずにまだまだと安気に構えていた。
 それを昨日、久しぶりに上ってきたTDS君によって気付かされた。毎年二人で採ったタラの芽の一部を、共通の友人である東京のFMZ君に送っていたのに、今年はそれができなくなってしまった。採取の時季が過ぎていた。



 欧州のなだらかな森林で行われている伐採の方法を、この急峻な日本の山岳でも、そのまま取り入れていると聞く。搬出用の道を作るため急な山肌を無残にも重機で削り、伐採と並行して多量の木材がそこをキャタピラー付きの搬出機で運び出され、それで終わりである。切り株がまだ土留めの効果を持っているうちはいいが、それほど長くはない。仮に植林が行われたとしても、土砂の崩落を止めるほど育つまでには時間がかかり、古い切り株もとっくにその役目を終えてしまっている。
 山のことなど何も分からない人たちが、経済性という視点からだけで森林法の改正案を審議している。あの人たちはしかし、改正法が施行されても、その結果を知ることもなければ、責任を求められることもない。お互い様だが、もうこの世にはいないのだから。

 6月初旬に予定している撮影会の詳細については5月16日、No.66のブログをご覧ください。写生、探鳥も大歓迎です。
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