入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

   ’18年「春」 (52)

2018年04月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など




 午前8時の気温10℃、薄曇り。寒い。昨夜も上に泊まった。明け方は鳥の声が聞こえてきていたが、今はもうしない。
 4月がきょうで終わる。漫然として過ごした5か月を終えて、牧を開き、生活の主流が里から山に変わった。仕事は始まったばかりだが、そんな変化のせいもあってか、4月は長かったような気がする。花(=桜)を求めてあちらこちらと歩き、自然が再生するど真ん中を存分に味わえたと思う。これからここでもう一度、その花々が清楚可憐な姿を見せてくれようとしている。楽しみだ。

 連休の前半が終わり、3泊したT川夫妻や2泊したI君たち、昨日来たK君もここを引き上げる。連休はいつも静かだが、それでも昨年は「もう2,3組はいましたね」と、T川氏と話したばかりだ。昨日、食料を買いに富士見に下りた際は、たくさんの人の姿を登山口付近やヒルデエラ(大阿原)で目にしたが、連休だというのに不思議なくらいテイ沢へ行く人も、そこから来る人も見かけない。実はまだテイ沢はおろか、本家御所平や高座岩にも行ってない。先日、孫娘さんの運転で来た北原のお師匠も、高齢を押して峠、高座岩と歩いているというのに。
 ヒルデエラと言えば昨日その入り口に、富士見の自然と文化を守る会が「石堂越え」の道標を新しく設置してあるのを見掛けた。会の活動には頭が下がるが、しかしあれを目にしても、それが古道を表示しているのだと分かる人はあまりいないだろう。一度、石堂越えのあったと思われるテイ沢の右岸(上流より見て)を歩いてみたが、よくわからないまま課題として残っている。そのうち、また念入りに歩いてみるつもりでいるが、それに加えてこの古道については、小黒川の川床から半対峠までも古いビニールテープでなく、新しい布製の標識府に付け替えたいと思っている。そんな物が役に立つような人が来るかどうかは分からないが。

 きょうの北アルプス、穂高周辺に柔らかな朝日が当り、その美しさには思わず声を上げるほどだった。山桜も咲き出したし、牧場内で一番気に入っているあの木もそろそろだろう。

 FAXでも予約や問い合わせに対応できるようになりました。ご利用ください。今月末からの連休は今年も、さまざまな野鳥の美しい声に混ざり、閑古鳥の鳴き声もしてます。
 入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。



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   ’18年「春」 (51)

2018年04月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

       Photo by Ume氏

 牧を開いて早くも10日が過ぎた。日の経つのが早い、早過ぎる。大型連休に入ったが、好天にもかかわらず、いつもながら人の出は静かなもの。
 
 昨日の、もう来ないと思っていた予約客は、夕暮れが近付きつつあるころ到着した。ここに来れば、どんな感動が味わえるかを身に沁みて知って貰おうと、第1牧区へその夫婦を案内した。二人は澄み切った夕空に、赤い陽が西山に沈んでいく光景に声を上げ、中央アルプス、御嶽、乗鞍、そして北アルプスの眺めに感極まっていた。入笠牧場の実力の一端をお見せしただけだが、それで充分だったようだ。
 大型連休で日本中の観光地に人が溢れているはずなのに、ここはいつもと変わらない、まるで別世界のよう。ただしそれでも、牧場はその美しい景観を隠そうとしない、惜しまない。鳥の囀りも、これから咲き出す山桜も、日毎に牧草の緑の色を強める放牧地も、人が見ようと見まいと関係なく季節に合わせようとする。今は絶滅危惧種に指定されているのかも知らないが、そう、貞淑な妻のようだ。
 
 連休の後半になると、天気はあまり期待できそうもないというが、さてどうだろう。4,5日先の予報などおよそ当てにならない。まして山の天気など。そういえば、天気予報の悪口を言うと怒るあの人は、元気にしているのだろうか。

  FAXでも予約や問い合わせに対応できるようになりました。ご利用ください。今月末からの連休は今年も、さまざまな野鳥の美しい声に混ざり、閑古鳥の鳴き声もしてます。
 入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。



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   ’18年「春」 (50)

2018年04月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 大型連休がきょうから始まったというのに、ここらは非常に静かだ。幾件か問い合わせはあったが、テント場には2組のキャンパーが来ているだけ。予約はもう1組入っているが、この時間ではもう来ないだろう。
 昨日から来ているT川夫妻はきょう、法華道を種平小屋経由で赤坂口に下り、さらにそこから芝平を通り、今度は諏訪神社口からもうひとつの法華道を登り帰ってきたという。これはかなりの距離になるが、いい試みだ。こんなふうにして、入笠を楽しんでもらえたら何よりで、工夫次第で山歩きの範囲はどんどんと広がる。まだまだ独自の山の楽しみ方はある。この夫婦のような個性的な山歩きをする人たちは大歓迎だ。途中で、すでに開花したクリンソウを見付けた言われ、その写真を見せて貰うまで信じられなかったが間違いなく、大いに驚いた。露天風呂を沸かしておいたので、旦那さんは早速湯につかり、ご満悦のよう。

 きょうの写真も第1堰堤の上空からの空撮。Ume氏によれば、正確な花の名前は分からないらしいが、花は八重で、小さない豆桜のしだれだという。色は濃い桃色で、割合に珍しいとのこと。この素晴らしい場所に、しかし招かざる客の一団が来ていることがある。遠くからそうっと眺めるだけにしておいてもらえないだろうか。
 今夜は上に泊まろうかどうしようかと思案中。

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   ’18年「春」 (49)

2018年04月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 今朝も鳥の声を聞きながら、ゆっくりと上がってきた。お目当てさんにも会えたし、たくさんのその他の皆さんの美声も楽しもむことができた。
 ケヤキ、ナラ、クヌギ、ブナ、小豆坂トンネルを抜けて荊口方面に向かう山室川の対岸の天然林が、今それぞれの特徴ある若葉の色調を競うように見せてくれている。そしてその複雑な色合いに山桜が、実に所を得て咲いているのがまたいい。登るにつれて木々の葉が次第に色彩を失っていくのも毎年のことながらこの時季の特徴で、それが最もはっきりしているのが落葉松だろう。きょうのUme氏の空撮写真の場が第1堰堤で、その1キロも行かない上流に第2堰堤があるのだが、そこから眺める新緑は、権兵衛山の落葉松の葉が幼年とすれば、青年の段階と言ってもいいくらいだ。できればあのくらいで色止めしてほしいのだが、そうもいかない都合が自然にもある。
 鳥の姿や囀りに注意していると、木々の間から二つのアルプスが見えてくる。まだしっかりと残雪をまとい、薄青い空に鋭い峰々を浮かばせている。ほんの一瞬のことだが、遠い時間の自分に還って、それらの姿を眺めていることに気付いたりする。上高地、徳沢、横尾、さらに屛風岩・・・、涸沢の圏谷を埋める残雪上に咲くテントの花、目に浮かぶ。
 きょうはこの辺り、北門の近くでも、山桜の開花が確認できた。



 Ume氏の空撮写真とほぼ同じ場所で撮った写真がこんな感じで、ここのしだれ桜は本当に見事、素晴らしい。Ume氏の空撮写真は明日、明後日も、ご期待ください。それにしても、貴重な素晴らしい写真、本当に痛み入ります。感謝してます。
 SN子さん、予約受けました。お待ちしてます。

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   ’18年「春」 (48)

2018年04月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 また、いかにもこの時季らしい爽やかな天気が戻ってきた。北門を過ぎて少し行った日当たりの良い場所の山桜が、ようやく咲き出した。大型連休のころには見ごろとなるに違いない。そう思いながらも念のため、毎年楽しみに待っている雷電様の近くにある2本の古木もどうかと見に行ってみたら、こっちの方はやはりまだだった。
 この時季いろいろな木々が花を咲かせるが、何と言ってもやはり山桜に一番心が魅かれる。花の大きさ、その咲き方、その色、そして全体から受ける控え目で清楚な雰囲気、それと比べたらソメイヨシノなど化粧の・・・、この頃下手なことを書くとどんなことになるか予想もできないから止めよう。



 最近「君の名は」と、いくら尋ねても頑として名前を教えてくれないへそ曲りがりがいる。せめて声だけでもと思うも、聞かせてくれず、すぐに姿が見えなくなってまう。家を少し早めに出て、鳥の本と愛用のカールツアイスを座席の横に置き、きょうもそのへそ曲りの姿を追いかけたが、いまだに分からない。オオダオ(芝平峠)の近くに来ると、よく目にする野鳥だ。それでいて、それほど熱烈に名前を知りたいかと問われれば、かならずしもそうではない。自然に、何かのきっかけで知り合いになれればいいなあ、というくらいか。
 ほぼ毎朝のようにNHKFMを聞きながら来る。ラジオから流れる美しい音楽を聞けば、一応は何という曲だろうと思う。すでに耳にした曲ならなおさらその思いは強まる。鳥も同じで、こんな澄んだきれいな声で、こういう鳴き方をする鳥は一体どういう姿をした、何という名前の鳥だろうと自然に興味が湧いてくる。去年もそうだったが、そのうち木々の葉が生い茂るようになると、野鳥の姿はなかなか見られなくなるが、何とか今年はそうなっても、気持ちが醒めないようにしていたいと思っている。

 若Oさん、そういう晩年をどうぞ実現してください。それほど難しいとは思いません。似たような生活をしている人は結構、この辺りの里にはいます。

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