映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

パレードへようこそ  PRIDE

2016-02-09 | 映画 は行
サッチャー政権下、炭鉱閉鎖の抗議ストライキや閉鎖後を舞台にした映画といえば
「ブラス!」「フルモンティ」「リトル・ダンサー」などが思い出されます。
本作も炭鉱閉鎖に抗議する炭鉱労働者を支援しようと立ち上がる若きゲイ活動家とその仲間たちの
実話に基づくストーリー。
 
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        パ レ ー ド へ よ う こ そ PRIDE

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 < ストーリー >

1984年。炭坑閉鎖案に抗議して炭鉱労働者たちが英国各地でストライキに打って出た。
それを見たゲイのマークの呼びかけにゲイとレズビアンの仲間たちで募金活動を開始する。
ところが集めたお金を届ける段になって、同性愛者団体からの支援に抵抗を示す炭鉱側。
そんな中、ウェールズの炭坑がちょっとした勘違いから受け取りを快諾し、現地に寄付を
届けに赴く一行。当初、同性愛者たちに距離を置いていたマッチョな炭鉱労働者たちだったが…。

最近でこそLGBTという言葉が性的マイノリティを指す言葉としてやっと認知されるように
なってきましたが、エイズがよくわからない恐ろしい病として世界中で取りざたされ出した
80年代に、ゲイだとカミングアウトすることがどれほど大変で、偏見に満ちた白い目で
見られていたかは想像に難くない。
      
       右から3人目が発起人マーク。バケツに募金を入れてもらうのです。
善意から募金で集めたお金を寄付しようとしても団体の名前を告げるとことごとく断られる。
ちょっとした行き違いからウェールズの炭鉱が受け入れ、募金を届けに出向き炭鉱支援に
張り切る一行だったが…同性愛者たちの登場に戸惑い、混乱し、冷たい態度を取る炭鉱夫たち。
そんな中、窮状を救おうと手を差し伸べてくれた人たちに冷たい態度をとるのはおかしいと、
炭鉱夫の妻や母たち女性がマークたちを歓迎し交流を始める。
     
              
偏見と差別と戦う同性愛団体と、政府と戦う炭鉱夫たち。
共に戦うものとして、次第に影響を受け少しずつ歩み寄り「連帯」していく過程に胸があつくなります。
自分の生き方を貫くことの厳しい現実や、社会の偏見を描きつつ、滑稽でユーモアを忘れない
お勧めの英国ドラマです。

    
日本語タイトルの「パレードへようこそ」より原題の「PRIDE」の方がいいんじゃないかな?



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ブリッジ・オブ・スパイ

2016-02-02 | 映画 は行
家の屋根・外壁の塗り替えをお願いし、家の周りに足場が組まれ、洗濯物も干せない状態が
続いています。強風に雪で、思ったより長引いています。
加えて、ベランダの支えの木の腐食が判明 早く気が付いてよかったねって、
洗濯物と共に落下なんてことになったら大変ということで、ベランダをやり直すことになり、
今週もまだまだ落ち着かない日が続きます。

本作は2週間も前に見たのに…思い出しつつアップです。


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       ブ リ ッ ジ ・ オ ブ ・ ス パ イ

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 < ストーリー >
保険分野専門の弁護士ジェームズ・ドノバンだが、ソ連のスパイとしてFBIに逮捕された
ルドルフ・アベルの弁護を依頼され引き受けることに。敵国スパイを弁護することに、
周囲から激しい非難を浴び、家族の身にも危険が迫る。そんな中、ドノバンとアベルの間には
互いに理解と尊敬の念が芽生えてくる。死刑が確実と思われたアベルだったが、ドノバンの弁護
により懲役30年で裁判は終わる。5年後、ソ連を偵察飛行中のアメリカ人パイロットのフランシス
・ゲイリー・パワーズが、撃墜されソ連に捕らえられる。両国はアベルとパワーズの交換を画策し、
ドノバンはその交渉役を命じられ、秘密裏にベルリンへ赴く。捕虜の交換は実現するのか?

子供の頃(冷戦下)、テレビドラマや映画で、こういうスパイの交換シーンをよく見たように
思います。離れた場所から一歩一歩、緊張みなぎる中ゆっくり歩む二人。
片方が走り出して撃たれ交換失敗に終わったり、
別人のエージェントが捕虜を装い、捕虜になった味方を確保して駆け戻る
なんていうのもありました。

本作を見終わって、事実に基づいたストーリーであることに驚きを禁じえません。
東西立場は違えど、祖国のため、命を懸け、信ずる道を進むドノバンとアベル。
対峙する中、互いに相手を認め、尊敬の念を抱き、ある種の友情のようなものが芽生える。
     
        
敵国への憎悪感情から死刑を求め、弁護するドノバンに敵意をあらわにする市民。
身の危険を感じつつ、アデルの死刑を阻止するドノバン。
そして5年後、思わぬ(ドノバンは予想していた)状況で再会するふたり。
CIAでもない一個人に、国家が秘密裏にこれほど重要な役割を演じさせるってあるんですね。

それ以上に驚いたのが、空軍のパイロットへの指示。
第二次大戦中、日本では「あえて虜囚の辱めを受けることなかれ」と捕虜になるくらいなら死を選べと
指示し、特攻の行為は欧米の兵隊には理解できなかったというようなことを聞いていたのですが、
冷戦下ではアメリカでもパイロットに「機密保護のため、飛行機は爆破し、捕虜になる前には
死を選ぶように」と毒針を仕込んだコインを持たせていたと。
    
アルゴ」同様、結末はわかっているのだけれど、
ドノバンが交渉のため東ドイツで奔走するシーンはハラハラドキドキ。
ベルリン壁てこんな風に作ってたのか~とか、当時の東ドイツの状況、東ドイツとソ連の関係など
非常に見応えのある作品です。
        

捕虜の交換に成功すれば、それぞれ自国に帰ることができるんだけれど、
帰ってからといって安心というわけではなく、捕虜になっているうちに
  国家機密を漏らしたのではないか?
  寝返って二重スパイになるのではないか?
っと、どちらの捕虜も帰国後も厳しい状況に変わりはないってところが悲しい。
まぁ、国家の機密がかかっているわけだからわからないでもないが。
同胞に歓迎されるのかどうかと尋ねるドノバンにそっと答えるアベル。
アメリカ人パイロットも同じこと。何故死ななかった?と詰られるのは辛いね。

ドノバン氏は「13デイズ」で知られる1962年のキューバ危機でも活躍されたようで、
こんなすごい方がいらしたんだなぁ~、こういう方がいたことを埋もれさせてはいかんなぁっと
思った次第です。
 → 私が知らなかっただけで、ただのやり手弁護士じゃなかったようです。   

先日NHKで「新映像の世紀 冷戦~世界は秘密と嘘に覆われた~」を見ました。
私たちが生きてきたあの時代、国家間の交渉や駆け引き。ちょっとした判断ミスでとんでもない
ことが起こりかねない綱渡りのような危うい時代だったのだなぁとひしひしと感じました。

いや、今の時代も中東、EU、ロシア、イラン、中国、北朝鮮、シリアにIS、難民問題にテロ、サイバーアタック、不安定な経済、伝染病にAI等科学技術の進歩による社会の変化などなど、
冷戦時代よりもっと複雑で先行きの見えない混沌とした時代を生きているんだわぁ~。
5年後、10年後、一体どんな時代になってるの?




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 ***** 見た 映画 *****

 1月10日 「ブリッジ・オブ・スパイ」@TOHOシネマズ川崎

 1月12日 「CAKE ケーキ ~悲しみが通り過ぎるまで~」DVD ジェニファー・アニストン主演

       「WISH I WAS HERE 僕らのいる場所」DVD


フレンチアルプスで起きたこと

2016-01-21 | 映画 は行
映画館で予告編を見て興味を持った本作。
DVDがリリースされたので鑑賞しました。
2014年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞です。

フレンチアルプスで何が起きたって?
気になりますよねぇ~。なんとも意味深なタイトルです。
夫婦の危機、いや、家族の危機。
ビバルディの「四季 ~冬~」の第一楽章がバックに流れ、緊張が高まります



* 「冬」だと思っていたのですが、もっと激しい「夏」第3楽章でした
白銀のフレンチアルプスで起こったことだけれど、音楽は「夏」。
雷鳴轟き、稲妻が走る



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         フ レ ン チ ア ル プ ス で 起 き た こ と

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 < ストーリー >
ビジネスマンのトマスは妻のエバ、娘のヴェラと息子のハリーと共に、フレンチアルプスに
5日間のスキー旅行にやってきた。二日目、テラスで昼食をとっていた最中、目の前で雪崩が発生。
目前まで雪が迫り、慌てる人たち。エマは必至で子供たちを守りトマスに助けを求めたが・・・。
      

原題は「forcemajeure」:不可抗力、とも「Turist」:旅行者ともなっていますが、
この日本語タイトルは観客の興味を引くなかなかにくいた題名です。


* 以下、ネタバレがありますので、ご注意ください。




雪煙で視界が白一色に包まれる中、悲鳴が響き、トマスを呼ぶエバの声。
徐々に視界が開け人影が浮かび上がるなか明らかになるある事実。
危機が迫った時、トマスは携帯電話を手に家族を残しひとり逃げ出したのでした。
真っ白になった画面に徐々に人影が浮かびあがり、元の席に着き食事を再開する面々。
あか~ん!
一家の大黒柱たる父・夫が、自分ひとり逃走。
「しまった~」と思ったであろうが、何もなかったように戻ってくるトマス。
見捨てられたとショックを受け、言葉を失うエバ。
言い争いはないけれど、両親の微妙な変化を悟り「離婚しないよね?」と問う子供たち。
気まずいなぁ~。
フィリップ・マーロウみたいに「男はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている
資格はない」なんてことは言わないけれど、女の立場から言えば、やっぱり危機に直面したときには、
妻や子を守って欲しいなぁ~。
でも監督さんのインタビューを読むと、データ的に逃げ出す男は多いとか。そしてこういうことが起こると
夫婦は離婚に至ることが多いそうです。
特にトマスのその後の態度はいかがなものか。
友人を招いて雪崩の話題になった時「逃げたよね」と問い詰めるエバに、君にはそう映ったかもしれないが、僕の認識は違うって…。なんやそれ?!です。
うそ泣きはするは、弱い自分が自分でも嫌いだとかなんとか。なんとも情けないトマス。
しかしながら、バカンスを中止することなく気まずい雰囲気の中、留まり続ける一家。

そして新たな事件が起こります。一家4人で荒れる天気のなか最後のスキーへ。
リフトを降りると吹雪で視界悪し。
日本なら確実に「天候不順につき滑走禁止」になりそうな状況です。
そこで皆からはぐれるエバ。子供を残しエバを探しに行き、連れ帰るトマス。
あれは、偶然の出来事なのか?
はたまた「家族」の団結のため、父の名誉挽回のために仕組んだ子供たちへのアピールなのか?
妻同様、「お父さんはぼくたちを置いて逃げた」という思いは子供の心にしっかりと
刻まれているはずですものね。

そして最後のバスのシーン。
あれは一体何を語っているのか?

ミスト」以来久々に、見終わってから「あんなことが自分の身に起こったらどうする?」とか、
「あのシーンどう思う?」「最後のシーンの意図するところは?」などなど、
意見を交わしてみたいと思う映画でした。

トマスの取った行動は原題が示す「不可抗力」なの?

PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~

2015-11-04 | 映画 は行
気になっていた「PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~を早速見てきました。
字幕版をとるか?3D吹き替えにするか?
悩みましたが、ファンタジーの本作なら3Dの方が良いか?っと3D吹き替え版をチョイス。
何故3D字幕版が全くないのか?
どうして日本語吹き替え版には日本人アーティストのいかにもJ-POPの主題歌が無理やり挿入されるのか?
前回「インサイド・ヘッド」では本編の前にドリカムの曲を聞かされることに。ライリ~ライリ~。
ドリカム…好きなんですが、この映画にはちょっと…ね。
そして本作では本編終了後、松田聖子さんの歌声が!えっ、なんで唐突にこの曲?
終わった後に、オリジナルのエンディングテーマ曲にもどりました。
あの1曲だけ完全に場違いな感じじゃありませんか?

本作の監督はジョー・ライト。「つぐない」「プライドと偏見」「アンナ・カレーニナっと
評価の高い作品を送り出した方、かなり期待して見に行ったのですが…。

  
                          

         P A N ~ネバーランド、夢のはじまり

                            


 < ストーリー >
ロンドンの児童養護施設の前、「愛している」とペンダントと手紙を残し涙ながらに去った母。
残された赤ん坊のピーターは12年後、第二次大戦最中、母が残した手紙を見つける。
ある日、空から子供体を誘拐する一団が現れ、ピーターもさらわ、冷酷な海賊・黒ひげが君臨する
異世界ネバーランドにたどり着く。魔法の粉を掘り出す鉱山で働かされるが、そこで若かりしフック船長
と出会い、女戦士タイガー・リリーと共に黒ひげに立ち向かう。
        
「ピーター・パンの誕生秘話が明らかに」とか「ピーター・パンの前日譚を描いた奇想天外ファンタジー」、
「ピーターの出生の秘密とは?」などなど、ピーター・パンに繋がる話かと思ったら…
これ、全くの別物です。

ピーターという男の子がネバーランドへと言ったら「あの、バリー原作のピーター・パン」と
誰しも思ってしまいます。
1992年公開の「フック」でロビン・ウイリアムスが演じた「大人になってしまったピーター・パン」くらいの
奇想天外な設定なら面白がれるんだけれど…。
その上、ピーターパンの宿敵のはずのフック船長が若くハンサムでピーターを助ける役って!?
いっそのこと、フック船長の前日譚「実はハンサムでいい奴だったんだぜ」とか、タイガーリリーとの
恋愛秘話を描いて「余は如何にしてピーターパンの宿敵にになりしか」って話の方が
よかったんじゃない?
設定や道具立てはピーター・パンだけれど、別物の少年冒険活劇と思ってご覧になってくださいね。
        
映像は凄い!です。3Dで見て良かった~っと思いました。
ネバーランドの顛末やピーターの母の回顧シーンの映像は目を見張りました。

そして、奇抜な衣装とメイクで黒ひげを演じているのは…ヒュー・ジャックマンだったのねーーー!
冒頭のチラシ、左上のスキンヘッドがヒューですよ!
インタビューの受け答えからいい人なんだなぁ~オーラが溢れているジャックマン。
悪役って初めて…かな?
ところが…途中から朝ドラ「あさが来た」に出演中の玉木宏と似てるなぁ~っと関係ないことを思ってしまいました。
悪役の顔が似ているということじゃなくて、お二人の骨格・パーツの配置が似ているように思います。
      

タイガー・リリーを演じるルーニー・マーラも奇抜なメイクと衣装です。
アメリカではネイティブ・アメリカンの役を何故白人女優が演じるのか?っと批判を浴びたようです。 
  



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ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声  BOYCHOIR

2015-09-18 | 映画 は行
日経夕刊の映画レビューの評価が高かったので、「キングスマン」を見る予定を延ばして
本作を鑑賞。ダスティン・ホフマン演じる厳格な指導者と団員の師弟ストーリーという
情報だけで見たのですが・・・。

途中からデジャブ。なんだか見たことあるような展開?
子供の頃ウィーン少年合唱団を舞台にした映画をテレビ放映で何本か見ました。
ネイビーブルーのセーラー服姿で整列して歌う少年たち。そう、天使の歌声~。
ググってみて、そうだ1962年製作の「青きドナウ」でした。
今回「青きドナウ」の原題が「Almost Angels」(ほぼ天使って!?)で
ヨーロッパ映画ではなく、ディズニー映画だったことを知りました。

・ソプラノパートのソロの座を巡る団員同士の熾烈な競争、
・嫉妬から起こる事件、
・そしてボーイソプラノの宿命である声変わり
これらの展開がデジャブ~です。

1957年製作のドイツ映画「野ばら」も見たような気がします。
でも、少年合唱団や少年少女合唱団は耳にしますが、少女合唱団って…あまり聞かないですね。
なんで?


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         ボ ー イ ・ ソ プ ラ ノ ただひとつの歌声
                      BOYCHOIR

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 < ストーリー >
乱暴でトラブルばかり起こす問題児のステット。女性校長は彼の歌声の美しさに、合唱団の
入団テストを受けさせようとするが逃げ出すsてっと。ある日母が事故で亡くなり、家庭のある
父親はお金で全寮制の少年合唱団の学校にステットを入学させる。美声の持ち主ではあるが、
楽譜が読めず途方に暮れるが、カービルの厳しい指導の下、次第に力をつけ存在感を増してゆく。
歌うことに喜びを感じるようになる。合唱団一のソプラノ、デヴォンとソロパートを競い合う
ようになったステットだが…。

複雑な家庭環境で育った孤独な少年ステット。
母を亡くし行き場男失った彼にとって、とりあえずの居場所となる合唱団。
自分の居場所があると感じられることは、基本のき。
才能があってもそれを見出すことができるか?
才能を活かし、延ばしてくれる指導者に出会えるかどうか?
本人が心からその道に進みたいと思えるかどうか?
厳しくも愛を持って見守るカーヴェル(ダスティン・ホフマン)ら大人たちに見守られ
歌いたい→ソロの座を勝ち取りたいと思うようになっていくステット。

しか~し、ボーイ・ソプラノは少年が大人へと成長するわずか数年の間だけの輝ける声。
日々の研鑽と激しい競争の果てに待ち受けるのは変声期。なんと残酷な…。
一夜にして転機を迎え、退団に追いこまれる団員たち。
限られた短い期間だからこそ、輝きを増すのかも?
        

  
    父親役はジョシュ・ルーカス…息子の存在を家族に隠し、お金で解決しようとする。
エンディングでの彼の行動は、ハッピーエンドを好むアメリカ映画らしい展開ですんなりってところに
違和感を覚えました。父親との絡みは無い方が、スタット成長という主題が際立ったかも。

ホフマン演じるカーヴェルは多くを語ることはないけれど、大切なのは「生き方」だという
メッセージが耳に残りました。

主演のギャレット・ウェアリング。時折女の子?と思えるほどかわいいお顔立ち。
ちょっとジーナ・デイビスに似ています。
  
米ドラマ「glee」で車椅子で歌っていたアーティ役のケビン・マクヘイルは若き指導者。
足が悪いわけではなかったんだねぇ。
彼の才能を見出すテキサスの学校長を演じるのは「愛と青春の旅立ち」のデボラ・ウィンガー。
(ポスターの右下写真)「デボラ・ウィンガーを探して」以来、お久しぶりの登場です。
合唱団の校長を演じるのは、貫録のキャシー・ベイツ。(ポスター左下写真)

エンディング曲はジョシュ・グローバン。美しい声だ~
この曲「The Mistery of your Gift」も素敵です。





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 ***** 見た 映画 *****

 9月16日 「ボーイ・ソプラノ ただひとつの声」@TOHOシネマズららぽーと横浜

        「ヴィンセントが教えてくれたこと St.Vincent」@TOHOシネマズららぽーと横浜

フランシス・ハ  Frances Ha

2015-05-28 | 映画 は行
何とも不思議なタイトル。「ハ」ってなに?「ハ」って?
映画の最後の最後で「ははぁ~ん」っとその理由が明らかに。

2012年の舞台はニューヨークの映画ですが白黒です。
白黒の画像からフランスヌーベルバーグ映画のような雰囲気を醸しだしていて、
軽快な音楽の中、軽やかに駆け抜けるフランシスがとてもキュートです。
            
             フランシスを演じるのは脚本も担当しているグレダ・カーヴィグ。
  
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         フ ラ ン シ ス ・ ハ 

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 < ストーリー >
@ニューヨーク。大学時代の大親友ソフィーと共同生活をしているフランシスは27歳。
モダンダンスカンパニーの研究生。同居を迫る彼氏にソフィーを裏切れないと彼氏との別れを
選んだのに、ソフィーはあっさりキャリアのためだと同居を解消。一人では家賃が払えないと
3人でシェアしたり、クリスマスに実家のサクラメントへ帰省したり、友人宅に転がりこんだり
衝動的にパリへ弾丸旅行に出たり。友人たちが身の振り方を固める中、プロのダンサーになるのは
難しいとスタッフの職を紹介され焦り、もがくフランシス。果たして彼女の未来は?

  

           
                    大親友ソフィーとフランシス
主人公フランシスは27歳。
何とも中途半端なお年頃。
周りの友人たちが結婚やキャリアを見据える中、いつまでも夢ばかり追ってもいられない。
将来を考えると、焦りを感じるフランシス。
今風の言葉で言うなら「こじらせ女子」かな。

恋人と別れ、大親友とのルームシェアも解消。
団員になるのは難しいとダンスカンパニーの事務の仕事を紹介されガックリ、落ち込む。
顔で笑って、心で泣いて。落ち込んでる場合じゃないよ。
親に泣きつくこともできず、家賃も払えず友人宅に転がり込む。

      
焦り、もがき、壁にぶつかりながら突破口を見つけようと奔走する姿に、誰しも当時の自分の姿を投影するんじゃないですか?
不器用ながら、軽やかに、奔走するフランシスの姿は、見ていて微笑ましいです。
アラサ―・フランシスは苦悩の日々を乗り越えてどんな道を選ぶのか?

最期にタイトルの「ハ」の意味が分かった時、フランシスにエールを贈りたくなりました。




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 ***** 見た 映画 *****

 5月25日 「フランシス・ハ」DVD

 5月27日 「恋するふたりの文学講座  LIBERAL ARTS」DVD



ベイマックス  BIG HERO 6

2015-05-24 | 映画 は行
昨年末、私の誕生日公開!と知り、随分前からまだかまだかと楽しみにしていたのに…、
なんだかんだとタイミングが合わずとうとう上映終了~
DVD発売は思ったより早かったですね。そして…やっと鑑賞
映画館で観なくてよかったです。
2か所で滂沱の涙
DVDを止め、ティッシュを抱えて泣きました。

「ベイマックス、私はもう大丈夫よ。思いっきり泣いてスッキリしたから」っと言いたいです。
あのぷっくりお腹に身体をあずけてハグして欲しいなぁ~。
一家に一体、ベイマックスがいるといいな。


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        ベ イ マ ッ ク ス BIG HERO 6

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 < ストーリー >
@サンフランソウキョウ。兄タダシと伯母のもとで暮らすヒロは14歳。
自作のロボットで違法のロボット対戦に出場し賞金を稼いでいる。
そんなヒロを心配し、兄タダシは自分の通う大学の研究室に連れて行き、キャラハン教授を紹介する。
大学の最先端技術研究にすっかり魅せられたヒロは入学を決意し、新たに開発したマイクロボットで
プレゼンし入学を許可される。ところが火事がおこり、教授を助けようとしたタダシは帰らぬ人となる。
目の前で兄タダシを失ったヒロは茫然自失。そこにタダシが開発したケアロボットのベイマックスが
現れる。兄の死の裏に悪の存在を知ったヒロは真相を暴こうとベイマックス、兄の友人たちと共に
立ち上がる。火事の黒幕は?その意図とは?

本作の原題は「BIG HERO 6」。ん?
本作はディズニーのオリジナルだとばかり思っていたのですが、マーべルコミックスで1997年に登場
していたストーリーだったのですね。マーベルは2009年に買収されディズニー傘下に入ってましたわ。
でも…あまりにキャラが違う。
マーベルはスパイダーマンやX-MEN、ハルクにアイアンマンと独特のアメコミキャラ。
一方のディズニーはミッキーを筆頭にカワイイキャラ系+おとぎ話系。
元々の「BIG HERO 6」は「ファンタスティック4」の日本人版か日本の戦隊物みたいな感じ。
「原爆投下で被害を受けた日本は核兵器を廃絶し、その代わりに自国を守る手段として超能力者6人を
集め、BIG HERO 6を結成した」ってな話のようです。
超能力者6人で日本の防衛を担当してくれるならうれしい限りです。
      
     マーベルの「BIG HERO 6」。 え~!この緑のハルクみたいなのがベイマックス!?
ベイマックス、ケアロボットじゃなくって完全にファイターやないですか!
マシュマロみたいにふわふわ、プニュプニュ。ディズニー化されたの心優しいベイマックスがいいね
    
予告編から、本作は兄を亡くした失意のヒロの心を癒すケアロボットのストーリーっと思ったら
さに非ず。そこはやっぱりマーベルの系譜、プニュプニュの身体に鎧のようなスーツを装着し、
後半はヒロが率いる戦隊の一員として悪と戦うんです。イェイ!

    メタボな体型
               
                   「まんじゅう」に「わらび餅」の垂れ幕が…。

でもベイマックスは、やはり心優しいケアロボット…。
復讐に燃えるヒロに兄タダシがケアロボットを作った真意を見せるベイマックス。
タダシは正しい。  このシーン、泣けるのよ。
今日たまたまBSで放映していた「スーパーマン3」を見ました。
自分の心に芽生えた怒りの感情をコントロールできず、黒いスーツになるスパイダーマン。
自らの邪悪な心に気付き、我に返る。これって、本作のヒロと同じ。
ヒロにはベイマックスのほかにハニーレモンやワサビたち4人の仲間が、
スパイダーマンにはメイおばさん、MJと、これまた一時は邪悪な心に支配されるも正気を取り戻し
助けに来るハリーがいた。
ベイマックスとスパイダーマン3、どちらも描いているのは「赦しと自己犠牲」。
最後にヒロをピーターを救う為、ベイマックスとハリーが…
ストーリー、そっくりじゃない。
ベイマックスもスパイダーマン同様元々はマーベルだからね。
ベイマックスの「わたしはいつも一緒です」の台詞でヒロとともに私も2度目の号泣。
すっかり泣き所を突かれました。
    
       ベイマックスに、こんな風にムギュギュっとハグされたい。

そしてエンドテーマ曲はAIちゃんの歌う「story」。
2005年の曲なのに、本作のために作られたようにピッタリ!です。
ひとりじゃぁ~ なぁいから~ 






  今さらですが、EXlLEのATSUSHIさん、めっちゃいい声なのねぇ~!

アメリカンヒーローのコスチュームは「赤と青」。
スーパーマンもスパイダーマンも、そしてベイマックスのスーツも。
これは星条旗の色だから? 民主党は青で共和党は赤。
ダ・ビンチの「最後の晩餐」のキリストの衣装も赤と青。
日本のキャラだけれど、スーパーマリオも赤と青。
あっ、床屋のぐるぐるも赤と青だぁ。
「赤と青」どういう意味があるのかな?





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陽だまりハウスでマラソンを  Sein letztes Rennen

2015-04-27 | 映画 は行
久々のドイツ映画です。
タイトルとポスターから、ほんわか、ほのぼの系の映画かと思ってたいたのですが…。
70歳を超えたおじいちゃん、実はメルボルンオリンピックで金メダルを獲得し
敗戦後疲弊したドイツ国民に希望を与えた伝説のマラソンランナーという設定です。
まるで日本の「フジヤマのトビウオ」古橋廣之進さんのような方です。
ひょっとして実話に基づくストーリー?と思いググってみましたが、メルボルンオリンピック
のマラソンで金メダルを獲得したのはフランスの方でした。
いくら鉄の心臓の持ち主でも、70歳越えでフルマラソン走破は厳しいでしょうっと思いましたが…
何と!今年の東京マラソンの男性最高齢完走者は90歳!女性最高齢完走者は80歳!
ありえない話ではありませんでした。
失礼いたしました。


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      陽 だ ま り ハ ウ ス で マ ラ ソ ン を
  
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 < ストーリー >
最愛の妻マーゴの病気をきっかけに夫婦で老人ホームに入居したパウル。
彼はメルボルンオリンピックで金メダルを獲得した不屈の伝説ランナー。
健康なパウルはホームの「老人向け」プログラムにに退屈し、規則で縛られた運営方針にも
我慢がならない。ある日ベルリンマラソンに出場する為、練習を始める。
昔のように妻と二人三脚で練習を進めるパウルに、雰囲気を壊すなと怒りを露わにする
入居者と施設職員。一方、パウルを応援し元気を取り戻す入居者も現れる。
ところが妻マーゴが倒れ帰らぬ人に。果たしてパウルは出場できるのか?


パウロを演じるディーター・ハラーフォルデンさんはドイツの国民的俳優さんだそうです。
撮影のために9キロ減量し、マラソンにも初挑戦!いや初挑戦とは思えない走りっぷりでした。
表情豊かで、チャーミングな役者さんです。
  

施設スタッフの入居者への対応や入居者の家族との問題は、ドイツでも日本でも同じようです。
人手不足で、ルールに縛られ、パウルのような和を乱す入居者には風あたりが強い。
彼のように元気な入居者には子供だましの作業で時間を潰すような毎日は耐え難い。
入居者の子供たちは自分の生活で手一杯。厳しい現実です。
そんな中、黙々とマラソンの練習に励むパウルとマーゴ。
入居者たちは興味津々。刺激を受け生き生きしだす。
     
パウルにとって長年連れ添い、マラソンのタイムキーパーや体調管理をしてくれるマーゴは
最愛のパートナー。パウルがマラソンを再開すると、病気を押してストップウォッチを手に
「ペースを守って!」とサポートする。ふたりの関係は「風と海」。ラブラブですわ
      
       二人ともいい笑顔だ~!こんなじいちゃんとばあちゃん、理想です。

マーゴ逝き、憔悴するパウル。
ここからのストーリーは予想通りなんだけれど、それでも思わず手に汗握ってパウルを応援
分かっているんだけれど、ゴールにたとり着いたパウルを見て涙・涙・涙が~

主人公パウルは「止まってしまったら、負けだ」と必ず立ち上がり走り続けた伝説のランナー。
年をとっても、あきらめず、ゴールを目指しては要り続ける。
彼の姿に高齢者ホームの入居者たち、スタジアムの観衆、そして見ている私たちまで勇気づけられました。

           
             幾つになっても、生きがいって大事だわぁ。



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 ***** 見た 映画 *****

 4月23日 「女神は二度微笑む」@横浜ジャック&ベティ インドサスペンス映画

       「君が生きた証」@横浜ジャック&ベティ ウィリアム・メイシ―初監督作

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) Birdman or The Unexpected Virtue of Ignorance

2015-04-18 | 映画 は行
本年度アカデミー賞最多9部門ノミネート。
作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞の4部門で受賞
主演のマイケル・キートンはゴールデングローブ主演男優賞受賞です
前評判もよく、かなり期待して見てきたのですが・・・
非常にユニークで不思議な映画でした。


   ********************************

       バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡
           Birdman or The Unexpected Virture of Ignorance

  ********************************* 


 < ストーリー >
かつてヒーロー映画「バードマン」で人気を博した俳優リーガン・トムソン。
起死回生、再起をかけて、自ら脚本・脚色・主演でブロードウェイの舞台に挑もうとした矢先、
共演者が怪我をして降板。代役に迎えた実力派俳優マイク・シャイナーはトラブルメーカーだ。
資金繰りが苦しい中、トラブル続きでリーガンは、次第に精神的に追い詰められていく。
果たして無事に舞台を務めることができるのか?辛口批評家から高評価を得ることができるのか?

ざっくり言うと、かつての栄光を引きずりどん底にいる男が再起をかけて奮闘する物語。
見応えはある。
ドラムを基調にした音楽も、独特のムードを盛り上げるのに効果的。
劇場の舞台裏、狭い通路や楽屋を長回しで撮る映像は迫力がある。
現実と主人公リーガンの妄想(心の声)が交錯し、かつてのヒーロー「バードマン」が登場し、
ネガティブな言葉をリーガンに吹き込む。
空想の中でリーガンはスーパーヒーローパワーで空を飛ぶ。
リーガンをはじめは登場人物はみんな崖っぷちでキレっキレ。
付き人をやっているリーガンの娘サムも薬中リハビリ中でかなりヤバい。
   
    エマ・ストーンってこんなに目が大きかった?!こぼれそうで怖かった。 
唯一感情を抑え舞台の成功を願って奔走するプロデューサーを演じるのが、いつもキレ役の
ザック・ガリフィアナキスというのが笑える。
       
         マイケル・キートン ナオミ・ワッツ ザック・ガリフィアナキス       
崖っぷちリーガンは楽屋で暴れ、代役マイクも演技はスゴイが自分勝手でリーガンを
利用して目立とうと目論む男。
    
         代役を演じるのはエドワード・ノートン(右) 
新聞の批評家から「あんたは俳優ではなく単なる有名人」と面と向かってこき下ろされ
挙句に初日で酷評して打ち切りよと冷たくあしらわれるリーガン。
つまり…映画に出る人は俳優ではなく有名なだけってこと?厳しいね。

テンパるリーガンを演じるマイケル・キートンは元バットマンで、
対抗するエドワード・ノートンは元超人ハルク。
ふたりの演技はアカデミーノミネート(受賞していたとしても)納得の迫力でした。
二人ともパンツ一丁姿をスクリーンに曝して頑張ったのに…受賞ならずは残念。
昔からノートンのファンなのですが、上手いのに今一つ主演作品に恵まれないなぁ。

ブロードウェイの舞台裏を赤裸々に描く本作。
どの俳優も鬼気迫る演技で圧倒されます。
初日の舞台で何が起こるかは予想範囲内で終了かと思ったら…
予想外の展開によくわからない結末。
サムの表情から悲劇ではなさそうだけれど、あれってどう解釈すればいいの?

私の中ではマイケル・キートンは1989年の「バッドマン」より
1983年の「ミスター・マム Mr.Mom」と1986年の「ガン・ホー Gung Ho」です。 
     
「ガン・ホー」はロン・ハワード監督作でアメリカに進出した日本の自動車企業を舞台に日米摩擦を
描く喜劇でかなり誤解された日本像でしたが最後はめでたしの喜劇で、日本から山村聡さんが出演
されていました。



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 ***** 見た 映画 *****

 4月15日 「バードマン」@TOHOシネマズ海老名

  4月16日 「陽だまりハウスでマラソンを」@ヒューマントラスト有楽町 ドイツ映画

フットノート  Footnote

2015-03-18 | 映画 は行
2011年カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞
2012年アカデミー外国語映画賞にノミネートされたイスラエル映画です。
この時アカデミー賞を受賞したのがイラン映画の「別離」です。
イスラエルイランというと、政治の世界と被ってしまいますが、映画の世界ではイランに軍配。
二本を見比べると、やはり「別離」の受賞はうなずけます。

題名の「フットノート」とは本などの脚注です。

    *******************

        フ ッ ト ノ ー ト  Footnote

    *******************

 < ストーリー >
エリエゼルとウリエルは親子で共にヘブライ宗教学の聖典タルムードを研究する教授だ。
父エリエゼルは長年の地道な研究が結実する寸前、同僚のグロスマンに出し抜かれ
賞に見放されていた。一方息子ウリエルは学生からの人気も高く、学界でも高く評価され
ている。ある日父のもとに長年落選し続けていたイスラエル賞受賞の知らせが届く。
息子も父の受賞を喜んでいたが、実は息子に授与されるはずの知らせが間違って父に届いて
しまったのだった。マスコミも先走って誤報の報道を行う中、選考委員会は息子を呼んで
事の顛末を説明し、父に伝える様依頼する。父の落胆を思うととても伝えられないと、
身を引いてそのまま父の受賞を懇願する息子に、選考委員長グロスマンが交換条件を
突きつけ・・・。

      
          父親役の役者さん(右)がコント55号の坂上二郎さんに似ている。
父と息子が同じ分野で研究者になるって…どうなんでしょう?
父の功績が大きすぎると息子へのプレッシャーは大きいだろうと思われますが、
今一つ成果をあげられなかった父を凌ぎ、息子が成功を手にしたら父は嬉しいんでは
なかろうか?と思うのですが…本作の父の思いは複雑なようです。
研究手法も性格も全く異なる二人。
とてつもなく膨大な資料を一つ一つ丁寧に調べ上げ、部屋も机周りもきちんと整理し、
日々の生活も十年一日の如く同じ行動を続ける頑固一徹で寡黙な父。
資料整理は苦手。スカッシュで汗を流し、人当たりも良く如才ない息子。

父の業績が認められないのは、同僚のグロスマンが嫉妬から、長年の研究を潰したうえ
学会の重鎮として彼が認められることを阻止し続けているからです。
それを知る息子は、何とか父が認められないかと気を揉んでいる。
「象牙の塔」は嫉妬渦巻く恐ろしい伏魔殿です。
悔しさ、憤りを抱えたまま、何も語らず細々と研究を続ける父。

そんな中、降って湧いた受賞の知らせ!
良かった~と思う間もなく、誤報であることが明らかに。
何も知らない父は平静を装いつつ、喜びをかみしめ、取材記者に学会の在り方を批判し
あろうことか息子の研究についても「価値がない」と一刀両断。

一方、誤報で本当の受賞者は君だと知らされたうえ、事実を父に伝えるよう要請される息子。
選考委員長グロスマンのとんでもない条件に心乱れる中、父に研究を非難され、荒れて
妻や息子に八つ当たりする。
いやぁ、何とも酷な人間ドラマです。
この難局をどうなるの~?っとハラハラしていたら、
流石、父はデーター分析のプロでした。
そして・・・つまり・・・。
高潔なのは父か息子か?人間の本質を問う滑稽で見応えのあるドラマでした。


 * 父が秘かに会っていた上品な白髪の女性は一体何者だったのか?気になる。

      


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 ***** 見た 映画・ドラマ *****

 3月15~16日 「グレイズアナトミー シーズン10 vol.1-4

 3月17日 「フットノート」DVD イスラエル映画

 3月18日 「イミテーション・ゲーム」@TOHOシネマズ海老名




フライト・ゲーム  Non-Stop

2015-03-10 | 映画 は行
飛行機内での犯罪映画はかなりたくさん作られています。
「エアーポート」シリーズ、「乱気流/タービュランス」「フライトプラン」に「パッセンジャー」
などなど、ざっと思いつくだけでも結構あります。
閉鎖空間内での犯人との行き詰まる駆け引き、パイロットの不在、燃料不足、爆発物、
墜落の危機などなど、まさに「宙ぶらりん」の「サスペンス」の材料に満ちてます。
もうかなりのそろそろネタ切れじゃないの~と思っていましたが、
犯人が最後までわからず、主人公がハイジャック犯と誤解されるという展開に、
最後までハラハラどきどき。原題どおり「Non-Stop」でした。

リーアム・ニーソン演じる航空保安官。鉄道公安官は知っていましたが、飛行機にも乗客に紛れて
機内の細部に目を光らせる保安官が乗っておられるとは知りませんでした。
日本の飛行機にも乗っていらっしゃるのかな?


        ***********************

            フ ラ イ ト ・ ゲ ー ム
                       Non-Stop

        ***********************   

 < ストーリー >
ニューヨーク発ロンドン行きの旅客機。航空保安官のビルの携帯に不審なメールが届く。
20分以内に指定口座に1億5000万ドルを入金しなければ乗客を殺すという内容だ。
CAナンシーの協力を得て犯人の特定に奔走するが、乗客のネット投稿で
地上ではビルがハイジャック犯だと報道される。状況が呑み込めずパニック寸前の乗客。
そんな中メール通りに機内で乗客が命を落とし、追い詰められるビル。
犯人は誰なのか?


   アカデミー主演女優賞獲得のジュリアン・ムーアもミステリアスな行動を。            
    
       犯人はこの中の誰なのか? CAを演じるのは「ダウントンアビー」のメアリー
         
              見るからに怪しそうな面々。実は・・・。

飛行機に乗っている時は機内モードにして通信はダメだと思っていたのですが…
離着陸時のみ電源を切って、安定飛行に入ったら通信してもいいんでしょうか?
昨年機内でのスマホ解禁なんてニュースがありましたが、どうもドア解放時や地上走行中の
ようですね。でも機内モードにした上で、無線通信Wi-Fiを使える飛行機もあるらしいです。
何だかよくわかりません。まぁ、私の場合は機内の映画を見るか、食べるか寝るかしか
選択肢がないので問題はなさそうですが。

映画の中では飛行中に通信でメールもできるし、機内映像をYoutubeにアップもできてしまう。
いまや隔離された閉鎖空間とはいえ、地上と密接に繋がり、思いもよらない事態も起こってしまう。
まぁ、戦場から国内にいる家族と電話で会話できる時代だから…ね。(「アメリカン・スナイパー」)

犯人とのチャットがそのまま吹き出しのようにスクリーンに映し出され、
他の乗客は何が起こっているのかが知らされないまま、
派手に動き回る主人公に乗客は不信感を抱き、彼こそがハイジャック犯と誤解され、
地上のニュース報道ですっかり過去が暴かれる。
ネット時代のエアサスペンスはテンポが早いです。
主人公が航空保安官という日本に馴染のない職業だったので冒頭戸惑い、
最後の犯人の動機が今一つ分かり難かったという難点もあったのですが、
胸が熱くなるエピソードもあり、手に汗握るなかなか面白い娯楽作品でした

主演のリーアム・ニーソンは62歳。
アクションで馴らしたSやA、F、W(イニシャルトークです)が束になって出演する中、
50代半ばから俄然ハードなアクション映画でピンで主演をはる中高年の星です。
まだまだ意気軒昂。これからも頼りになるヒーロー期待してます。

NHKで放映中「ダウントンアビー」で伯爵令嬢メアリーを演じているミッシェル・ドッカリ―が
気丈なCAで登場!で嬉しい。クールビューティーです。
  
     ダウントンでの衣装が素敵です。                 
全く本作とは関係ないのですが…「ダウントンアビー」繋がりで。
メアリーの夫マシュー役のダン・スティーブンスも映画に出演して欲しい~と思っていたら…
何と!近々公開の「ナイトミュージアム」最新版で大英博物館のランスロット卿でメジャーデビュー
今から待ち遠しいです。
 
お二人とも今後の活躍が楽しみです。




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 ***** 見た 映画 *****

 3月8日 「華氏451℃」DVD

 3月9日 「フライト・ゲーム」DVD

フォックスキャッチャー

2015-02-19 | 映画 は行
何を隠そう(以前から公言していますが)、私はスティーヴ・カレルのファンです。
と言っても、日本での知名度は低いので「だれ?」っとお思いの方も多いでしょう。

     ダンディでしょ?ポスターの中央が同一人物とは思えない。
「ブルース・オールマイティ」スピンオフの「エバン・オールマイティ」「40歳の童貞男」
「リトル・ミス・サンシャイン」「ラブ・アゲイン」ゲット・スマート」など、
出演作はほぼコメディ。それも真面目に演じているところが面白いというちょっとユニークな
俳優さんです。
そんな彼が、見た目も変え、病的な主人公を寡黙に、不気味に演じ、アカデミー主演男優賞に
ノミネートされています。コメディ俳優さんが悪役を演じると、意外にはまります。
「マルサの女」の伊東四郎さんしかり、「ストーカー」「インソムニア」のロビン・ウイリアムズしかり。
両氏の悪役は非常に怖かったです。コメディとのギャップに恐ろしさが増す気がします。

1997年、デュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンが起こした殺人事件とその背景を描く、実話に基づく
ストーリー。最近実話に基づくストーリーって多くないですか?
ビッグ・アイズ」もそうだったし、今年のアカデミー賞にノミネートされている「アメリカン・スナイパー」
「イミテーション・ゲーム」「博士と彼女のセオリー」「SELMA」もそう。
「事実は小説よりも奇なり」かな?


     ************************

           フ ォ ッ ク ス キ ャ ッ チ ャ ー

     ************************

 < ストーリー >
マークはLAオリンピックの金メダリストでありながら、練習もままならない苦しい生活を送っている。
ある日デュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンから次期ソウルオリンピックで金メダル獲得を目指した
レスリングチーム「フォックスキャッチャー」に好条件で勧誘される。同じく金メダリストの兄デイヴ
からの自立を願うマークは申し出を受けデュポンの屋敷に移り住む。次第にデュポンのペースに巻き
込まれペースを乱すマイク。そんな中、デュポンに熱望され兄デイヴもチームに参加するのだが…。
           

ほんの18年ほど前の事件ですが、こんなことがあったとは全く知りませんでした。
オリンピックで金メダルを獲得しても生活は安定せず、練習環境は厳しいのですね。
日本では「人類最強の女性」連勝を続ける吉田沙保里さんのお蔭でレスリングはメジャーな
スポーツですが、やはりアマチュアスポーツの世界は厳しいのでしょうね。
伊調姉妹の如く兄弟で金メダリストのシュルツ兄弟ですが、兄に頭が上がらない弟マーク。
兄の庇護から抜け出して頼ったところが、マザコンで心に闇を抱えたジョン・デュポンとは。
   
    マークを演じるのはチャニング・テイタム。兄デイブを演じるマーク・ラファロ。
            
                    マークとコーチとなったデュポン。

本作のキャッチフレーズは「なぜ大富豪の御曹司は、オリンピックの金メダリストを殺したのか?」。
その答えを求めてジョンの奇行やコンプレックス、性格をマークとデイブとの関わりの中で描きだします。
     
         こういう人に銃器を持たしたら危険です!   
名家に生まれ経済的に恵まれた環境ではあったけれど、母のコントロールに縛られ、自尊心を
持てなかったジョン。鳥類学者で、切手蒐集家、慈善事業にスポーツ支援と様々な活動をするも
すべてお金があったればこそ。
本作によると、彼は皆から慕われ頼られる真の指導者・リーダーになりたかったのでしょう。
そして、彼の理想を体現するマークの兄デイブに激しい嫉妬を抱いた結果の悲しい悲劇だったようです。
狂気の人間に、罪のない人が命を奪われるのはなんとも…。
取り巻きの人たちは彼の異常な行動に気が付いていなかったのか?
なにせ莫大な財産を持っているから…なにも言えなかったんでしょうかねぇ?

本作では音楽が少ないのですが、劇中流れた曲の日本語字幕「名声が人を狂気に駆り立てる」みたいな
歌詞が本作にピッタリだなぁと、エンドロールで確認したらデビット・ボーイの「フェイム Fame」
という曲だったようです。

スティーブ・カレルは果たしてアカデミー主演男優賞をとれるのか?
アカデミーは女優賞に関しては特殊メイクが好きだけどね。
他のノミネート作品を見ていないから何とも・・・下馬評ではマイケル・キートンが有力のようですね。



 
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 ***** 見た 映画 *****

2月18日 「フォックスキャッチャ―」@横浜ブルク13

映画ビッグ・アイズと、本「良心をもたない人たち」

2015-01-29 | 映画 は行
実話に基づくティム・バートン監督の作品です。
「ビッグ・アイズ」と呼ばれた大きな目と悲しげな表情の少女の絵。
1960年代この絵を巡ってアメリカでこんな事件が起こったことを知らなかったし、
昨年から映画館に貼られたポスターから本作がこんなストーリーだったは想いもよりませんでした。


世間を騒がせた実在のキーン夫妻の間に起こったゴーストペインター事件を描いたドラマです。 
                       

            ********************

                 ビ ッ グ ・ ア イ ズ

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 < ストーリー >
子連れのマーガレットは家を飛び出しサンフランシスコへ。街で似顔絵を描き、大きな目の子どもの絵を
売って暮らしを立てていた。ある日ウォルター・キーンという風景画家と出会い、再婚する。
たまたま売れたマーガレットの絵を、自分が描いた紹介したウォルター。「ビッグ・アイズ」シリーズを
有名人に売り込み、瞬く間に人気を博しウォルターも美術界の寵児として脚光を浴びる事になる。
不信感を抱きながらもウォルターに言いくるめられゴーストとして描き続けるマーガレット。
尊大で傲慢なウォルターの態度はエスカレートし、娘と自分を守るため、マーガレットは真実を公表するが…。

    
マーガレットを巧みに繰り、口先三寸で世間を欺き時に攻撃的になるウォルターの態度が、
最近読み終わったばかりのマーサ・スタウト著「良心をもたない人たち」という本に書かれている人たちに
酷似していることに驚きました。
マーサ・スタウト氏は臨床心理学者で、長年の臨床経験から「良心をもたない人たち」から被害を被る人たちのセラピーを行ってきた方です。
本の原題は「The sociopath next door the ruthless versus the rest of us」。
「隣に住む社会病質者 良心のない人と闘うには」といった意味です。
背表紙の解説に、
  平然と嘘をつき、涙で同情を誘い、都合が悪くなると逆ギレをするー本来人間に備わるはずの
  良心をもたないがゆえに、他者への思いやりが絶対的に欠落し、手段を選ばずに自分の欲望を
  満たそうとする人たちがいる。

これって…ウォルターそのものじゃぁないですか!?
こういう人たちは相手に自分が悪いのではないか?思いやりがないのでは?と思わせるのに巧みなのです。
     
       マーガレットを巧みに操り、声をあげさせないウォルター。

昨年、日本を騒がせたS氏や大泣き会見のN氏など、世の中にはどうしてこんな嘘をつくのか?
騙しおおせると思っているのか?と不思議に思われるような行動をするする人、虚言癖のある人、
他人を傷つけ平然としている人などに出くわすことがあります。
この本ではそういった人たちを『良心をもたない人たち』とよんでいます。
そして「アメリカ人の25人に一人、4%とされる『良心をもたない』人たちの実態を明かし、
そういった人たちの被害者にならないための見分け方と対処法を教える」という内容でした。
本では「サイコパス」と訳されていますが、特異な猟奇的な犯罪を犯す人たちを指しているのではなく、
ごく普通に私たちの側にいて、多くの人がそれと知らず迷惑を被っているのだというのです。
ウォルターは犯罪者として逮捕されることもなく終生自分が描いたと主張していたようです。
本によると、幸いにもアジアの国々、特に日本と中国ではこういう人の割合は非常に低く、
台湾の調査では0.03~0.14%。西洋社会の平均4%と比べ極めて低いそうです。
個人主義の西洋に対し、元々そういう素養があったとしても社会の中に他者に対する義務を個人に
認識させる機能(絆のようなもの)が働いているから押さえられるのではないかと推察しています。
いくつかの症例を示し「良心をもたない人たち」を分析し、人間を考察する非常に興味深い本でした。
こういう人に出くわしたら、速やかに離れるのが最善の方法だという事でした。
この本の中に、症例としてウォルター・キーンを入れて欲しかったなぁ。

バートン監督はどうしてこの映画を作ったのか?
監督自身がマーガレットの描く「ビッグ・アイズ」のファンだったこと、一連の事件によってこの絵の評価が
低いことから、世間にことの真相を明らかにしたかったということのようです。

詐欺師ウォルターに翻弄されたポップアート界ではありましたが、ポスターやカードにして廉価に販売
するという彼のアートビジネスが斬新で、今では広く行われているという点だけは評価できるといえるでしょうね。

主演のふたり、特にウォルターを演じたクリストフ・ウォルツは「良心をもたない人」そのもので
アカデミー助演男優賞2度受賞の実力は流石です
マーガレットを演じたエイミー・アダムスは本作でゴールデングローブ最優秀主演女優賞獲得です。

 
        
マーサ・スタウト著「良心をもたない人たち」   現在のマーガレット・キーンさん87歳
                                  お元気そうでよかったです。

                                   

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 ***** 見た 映画 *****

 1月25日 「マッキ―」DVD インド映画

 1月26日 「おじいちゃんの里帰り」DVD ドイツ・トルコ映画

 1月28日 「ジャッジ 裁かれる判事」@横浜ブルク13

       「ビッグ・アイズ」@横浜ブルク13

ブエノスアイレス恋愛事情

2014-10-06 | 映画 は行
アルゼンチン映画です。
アルゼンチンの映画といって思い出すのは衝撃のサスペンス「瞳の奥の秘密」。
一方、本作は孤独な男女ふたりが出会うまでを描いています。
チラシのコピーは、
  「建築とアートの街をめぐる ひとりぼっちな2人の出会いの物語」。


       ************************

           ブ エ ノ ス ア イ レ ス 恋 愛 事 情

       ************************   


 < ストーリー >
新旧様々な建築物が混沌と立ち並ぶ大都会ブエノスアイレス。
フリーのウェブデザイナーであるマルティンは、アメリカ人の恋人に捨てられ、彼女が残した犬と
引きこもりの生活を送っている。何人かの女性と出会うが、上手く行かない。
向かいのマンションに住むマリアナは建築家だが今はショウウィンドーの装飾の仕事をしている。
彼女は4年つき合った恋人と別れたばかり。彼女も新たな恋に踏み出そうとするが上手くいかない。
同じ街に住む2人は街中で何度かすれ違っているが互いに気が付かない。
たまたまネットでチャットをするが、突然街が停電し、ろうそくを買いに行った店で顔を合わせ
初めて互いを意識するが何も話さず。翌朝、窓から街を見下ろしたマリアナは縞模様のTシャツ姿の
マルティンを見つけてダッシュ。そしてふたりは…。

冒頭、4分にわたって建物と人間社会について話すマルティン。
ブエノスアイレスの建築物は面白い。
凝った装飾の古い豪華な建物から、新しい幾何学的・無機質な建物まで。
いろんなビルがびっしりと無秩序に立っている。
靴箱と呼ばれる窓のない集合住宅に住む二人。
マリアナはエレベーター恐怖症。8階の部屋まで階段を使っている。
マルティンは外出恐怖症。狭い部屋に引きこもっている。
     
       マリアナ…美人です!           マルティン 
共に別れを経験し、元カノ元カレを引きずり、新しい出会いに臆病になっている。
好みや趣味などとても相性がいい二人なのに、なかなか出会えずすれ違ってばかり。
都会の中で孤独に暮す二人の出会いをスタイリッシュに描くかわいいストーリーです。

アニメの画面が実写になったり、実写がスケッチ風の絵になったり、
日本でも一世を風靡した「ウォーリーを探せ」の本が重要な小道具として使われ、
ウィンドーの装飾や二人の部屋にあるグッズなど、センスが光ります。
音楽の使い方も小粋です。

ふたりとも。文字通り壁をぶち抜いて、心の壁にも穴をあけ出会いに一歩近づきます。
マリアナは「ウォーリー」を見つけることができるのか?
いつ、どんな形で出会うのか?っとワクワクしながら結末へ。
そうきたか~

マルティンのパソコンの壁紙がアトム(アストロボーイ)で、後半アトムのフィギアも出てきます。
マリアナの部屋に日本語で「じゃが玉ストッカー」と書かれたケース?があったり
招き猫、こけしも飾られています。
監督さんは日本びいき?




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 ***** 見た 映画 *****

 10月4日 「ブエノスアイレス恋愛事情」 DVD

プロミスト・ランド

2014-08-29 | 映画 は行
ロビン・ウイリアム氏の追悼で放映されていた「グッド・ウィル・ハンティング」を見ました。
マット・デイモンが若く初々しかったです。
本作は「グッド・ウィル・・・」と同じく監督はガス・ヴァン・サント。
脚本と製作はマット・デイモンと、本作でマットのライバルを演じているジョン・クラシンスキー。
       
    キャップを被っているのがジョン・クラシンスキー。エミリー・ブラントの旦那様。
本作は公開館が少なくて…有楽町のTOHOシネマズシャンテまで行って鑑賞。
公開館が少ないからか、平日にもかかわらずほぼ満席。中高年の男性が多かったように思います。
マット・デイモン主演だし、もうちょっと公開館を増やしてもいいんじゃないのかな~。


       ******************

            プ ロ ミ ス ト ・ ラ ン ド
                   PROMISED LAND

       ******************


 < ストーリー >
大手エネルギー会社のやり手営業マンのスティーブの仕事は、良質のシェールガスが埋蔵されている
田舎町の住民を説得し、安値で採掘権を買い取ること。シェールの波に乗って大金を手に入れよう、
乗り遅れると後悔するぞと住民たちを煽る。数日で片が付くと目論んでいたが、説明会で老教師に
環境破壊につながるのでは?と指摘される。その上、環境団体を名乗る男が現れ、強力な反対運動
を展開する。一気に劣勢に立ったスティーブだったが・・・。
       
            高校の体育館での住民説明会           
 
シェールガスやオイルサンドという言葉をよく耳にするようになったのは4、5年前からでしょうか?
前々からその存在はわかっていたけれど生産効率が悪く手を付けられなかったとか。
技術の進歩によって生産量が飛躍的に増加し、アメリカはシェール革命に沸き、
世界のエネルギー地図を書きかえることになりました。
実際のところ、埋蔵量は中国が世界一らしいですが、掘削技術を持っているのはアメリカということで
アメリカはかなり強気でしたが、水道の水が燃えるとか、地震が頻繁に起こるようになったなど、
マイナス面もクローズアップされるようになりました。
本作は2012年製作ということで、いち早くシェールに警鐘を鳴らす社会派ドラマです。

人工的に地盤に亀裂を作り、数キロにわたる横穴を掘ってガスを抜き取るって、
環境を破壊することになりそうってことは想像に難くありません。

先祖代々の土地を守り、農業を続け、貧しい生活に耐えるか?
危険なシェールで一発逆転、リッチになるか?
この問題は、当事者だけの問題ではなくて、電気を使った便利な生活に馴れ親しんだ
私たちエンドユーザーにも選択を迫っています。
経済発展のために原発を再稼働するか?
原発の危険を考え不便な生活に耐えるか?はたまた高い電気代を払うのか?

   
環境問題で思い出す映画は「エリン・ブロコビッチ」。同じくジュリア・ロバーツ主演の
「ペリカン文書」も環境問題に絡んだサスペンスだったと思います。
最近DVDで見た「ザ・イースト」も大企業の悪事を暴く環境テロリストを描いていました。
利益追求のためにはそこに住む住民や環境はどうでもいいという大企業が描かれますが、
本作ではもう一歩、え~っ、企業の戦略って…そこまでやるんか~っと驚かされました。

「ここの水は飲まない!」という企業側の女性の発言に、「エリン…」でもそんな
台詞があったなぁ~、恐ろしいなぁ~っと思った次第です。
スティーブの揺れる心を後押しするレモネード売りの少女の無垢な台詞がじわ~っと響きます。

反対派の高校の化学の先生を演じているハル・ホルブルックさん。
御年を召したわねぇ~と思ったら今年で御年89才! お元気です。

     
      アメリカの田舎ではフランネルのシャツが定番というのに納得!




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 ***** 見た 映画 *****

 8月27日 「パルフィー! 人生に唄えば」@TOHOシネマズ川崎

        「プロミスト・ランド」@TOHOシネマズシャンテ