映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

ナイトミュージアム /エジプト王の秘密

2015-04-01 | 映画 な行
シリーズ3作目。
今回は「ダウントン・アビー」のマシューことダン・スティーブンスがランスロット卿で登場!
というので早速鑑賞してきました。
前作スミソニアンを舞台にした「ナイトニュージアム2」はこちら        

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        ナ イ ト ミ ュ ー ジ ア ム
                  エ ジ プ ト 王 の 秘密 

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 < ストーリー >
アメリカ自然史博物館で展示物たちに命を吹き込んできたエジプト王の石版に異常が起こり
博物館の仲間たちが動けなる危機にみまわれる。石板の謎を解く鍵が大英博物館にあると知った
ラリーたち一行はロンドンへと向かう。
石板を作ったエジプト王、アーサー王伝説の騎士ランスロットに出会い、ロンドンの街に飛び出す
ことに。石板の魔力をとりもどすことはできるのか?


          
           ちっちゃなカーボーイとオクタビアヌスのコンビは今回も活躍。
 
3作目ともなると、観客の大きな期待の応えるのも難しい。
残念ながら1作目の奇抜な発想のインパクトを超えることはできず。
18歳になった息子とラリーの自立ストーリーもいま一つ。
面白くないわけではないけれど、期待が大き過ぎたかも。

秀逸はエッシャーのだまし絵の中でのチェイス。
これは面白い!前作でも絵画や写真の中に出たり入ったりというシーンはありましたが
絵画から絵画を渡って時代と場所をトリップする映画をつくって欲しいなぁ。

ダン・スティーブンスが大真面目で演じるランスロット卿とアーサー王を演じるヒュー(どっちのヒューでしょうか?)の登場にビックリ!
自然史博物館のネアンデルタール人に大英博物館の女性警備員、
等々、新しいキャラもユニークで、笑わせます。
    
              
                    
一作目の警備員じいちゃん3人組がご健在(ミッキー・ルーニーは撮影後昨年93歳で永眠)だったのは
嬉しかったです。ディック・バン・ダイク(89歳!「メリー・ポピンズ」のバート)は軽妙な足取り健在。

ロビン・ウイリアムズ演じるセオドア・ルーズベルトがジョン・F・ケネディとフランクリン・ルーズベルトの
有名な名言を語っていたような。
 * Ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country.
    国が何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を成すことができるのかを問うて
    欲しい。
 * The only thing we have to fear is fear itself.
    私たちが恐れるべきものは恐れそのものだ。
ラリーの台詞の中に反捕鯨映画「コーブ」の名前が出ていたのにはちょっとショック。
これだけしか気が付かなかったけれど、台詞がちゃんと聞き取れたらもっと楽しめるんだろうなぁ~。

エジプト王の秘密・・・そんな大層な秘密、あったっけ?

昨年亡くなったミッキー・ルーニーとロビン・ウイリアムズのご冥福をお祈りします。




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 ***** 見た 映画 *****

 3月31日 「イン・ザ・ヒーロー」DVD 唐沢寿明、福士蒼太主演 

NO

2014-09-03 | 映画 な行
2012年のチリ映画です。1988年のチリ、ピノチェト独裁政権に「NO」と言おう!という
CMキャンペーン活動を描いています。
主演のガエル・ガルシア・ベルナルはメキシコの俳優さん。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」や「バベル」「ジュリエットからの手紙」などハリウッド映画にも出演する国際派の俳優さんです。

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         N  O

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 < ストーリー > 映画.comさんより
1988年、ピノチェト政権への国際的な風当たりが強まる中、ピノチェトの任期延長の是非を問う
国民投票の実施が決まった。任期延長に反対する「NO」陣営は、若き広告プロデューサーの
レネを採用してキャンペーンを展開するが……。


チリは遠い国。
独裁者ピノチェトの名前は耳にしたことがありますが、1973年の軍事クーデターや
その後1988年までの15年間にわたる政権がどんなものであったのか、知りませんでした
本作の舞台、1988年の国民投票は1989年3月で任期満了を迎えるピノチェトの任期を
8年延長するか否かを問うものだったそうです。ここで「NO」を言わなければもう8年!
続いたわけですね。結果、反対は56%、賛成が44%。
それでも居座ろうとしたピノチェトでしたが、海軍、空軍、警察軍の反発にあい、
翌年の大統領選で反ピノチェトが勝利し、1990年3月辞任に追い込まれたようです。

このくらいの経緯をちょっと調べてから見ればよかった。
前政権が東側で、ピノチェト政権はアメリカの支援でクーデターを起こし、日本とも友好関係に
あったとか。でも独裁で多くの人が殺されたり行方不明だったり、迫害を受けたと聞くと
なにがなんだか?
左派とか共産主義者がどちらの陣営なのか?冒頭、ちょっと飲み込めませんでした。

     
           レインボーカラーを使った「NO」キャンペーン。
主人公レネは一時期チリを離れ海外で広告手法を学んだ人のようです。
長年の恐怖政治によってチェンジなんて無理と皆が思っている中、一日15分のCMで徐々に
形勢が逆転していくところ、パクリもありの「NO」と「SI(YES)」のCM合戦、なかなか面白かったです。
「NO」を広めるためには、ピノチェト政権による悲惨な生活を喧伝するより、
音楽や映像で自由にものが言える社会は明るく楽しいってことを見せるべきと主張するレネ。
人々を啓蒙するには、オバマの「チェンジ」「Yes, we can!」キャンペーンのごとき
盛り上がりが必要なのですね。
独裁は流血なしでも倒すことができる。宣伝の力ってスゴイですね。
映像は剣より強し。
    子どもは元気か?と脅されたり。
  
        反対派キャンペーンチームメンバー。      ピノチェト 

80年代の雰囲気を出すためか、クリアなデジタル画像ではなく当時の報道映像もあって
古い映画かと思っちゃいました。




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 ***** 見た 映画 *****

 9月2日 「地中海式 人生のレシピ」DVD 女性シェフ・ソフィアと彼女を支えた二人の男の物語。
                      スペイン映画 

 9月3日 「NO」@ヒューマントラストシネマ有楽町

       「クィーン・オブ・ベルサイユ」@ヒューマントラストシネマ渋谷

日本の悲劇

2013-09-08 | 映画 な行
登場人物、たった4人。
女性二人はほんの数シーンのみで、ほとんどが仲代達也と北村一輝のお二人。
音楽も全く流れず、ふたりの台詞…息子の叫び・怒鳴り・懇願する声と沈黙のみ。
沈黙の中、扉を開けたり、砂利を踏む音などの生活音が生々しい。
映像は9割がた白黒。
母が存命で、子供が生まれ息子の家庭がうまくいっていた幸せな頃のみがカラーの映像です。
ドラマは生活の中心であるダイニングキッチン、父が籠った部屋の前の廊下のみで繰り広げられ
まるで舞台劇のようです。


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           日  本  の  悲  劇

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 < ストーリー >
余命3ヶ月と宣告された父親不二男は、勝手に退院し自室を封鎖し食事も水も摂ることをやめる。
そんな父親の行動に混乱し、怒り、悲しみ、困惑し、ドア越しに呼び掛ける息子義男。
義男はリストラから鬱になり、妻と子に去られ、父親の年金を頼りに実家で無為の日々を過ごしていた。
そんな息子の身を案じ、死を選んだ父親の真意とは……。

       
                     

非常に重いストーリーですが、これが高度経済成長とバブルそしてバブル崩壊の果てに起こっている
今の日本社会のほころび・閉塞感なのだなと実感しました。
若者の就職率低下・非正規雇用問題、失業率の上昇、うつ病、引きこもり、介護、
年金問題、大震災による喪失感などなど。
それらすべての問題を体現し、成す術のない息子の義男。
余命3か月と知り、何とか息子を助けてやりたいと思う父。精一杯の愛なんだねぇ。
ひっそりと死ぬことで、自分の年金を残してやろうとする。
年金で食いつないで、その間に職を探せと妻の位牌の前に座り即身仏になることを選ぶ。

 
             

いつもはその日本人離れした彫りの深いお顔立ちに鋭い眼光の北村一輝さんが、
扉をたたいて「そんなことは止めてくれ!」と子供の如く泣きじゃくる。
そして義男は・・・。

上記の問題以外に、
日本の家族が抱える問題や人間関係が稀薄になってしまった日本社会の問題を描く作品で、
重く考えさせられるました。




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 ***** 見た 映画・ドラマ *****

 9月 6日 「ビッグ・フィッシュ」DVD 

        「川の底からこんにちは」DVD 満島ひかり主演 

        「コバート・アフェア シーズン3 ①②」DVD

 9月 7日 「コバート・アフェア シーズン3 ③④」DVD

ニューイヤーズ・イブ

2012-06-14 | 映画 な行
こんな季節に「ニューイヤーズ・イブ」 ですみません。
DVDでいいかなぁ~なんてのんびりしていたら…半年も経ってしまいました。

  
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       ニ ュ ー イ ヤ ー ズ ・ イ ブ NEW YEAR'S EVE  

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以前「ホリディ」を見た時にも思いましたが、
やはり年末、雪が降るシーンをオフシーズンに見たらあきません。
6月に見ても、あの年末特有の忙しないけど新年を迎えるワクワク感にはなれませんもん 
本作はちゃんと12月23日から公開だったのに、行かなかった私の責任です。はい。

「ラブ・アクチュアリー」や「バレンタインズデー」同様のオールスターキャストによる
悲喜交々の恋愛群像劇。
あんな方もこんな方も、ベテランから若手まで主役級の俳優さんたちが次々登場します。
ニューヨークのブルームバーグ市長が本人役で登場するのはご愛嬌。
TV番組「アメリカン・アイドル」の司会のライアン・シークレストも本人役。
この方エンターテインメント情報「E!」のレポーターもなさっていました。


                   

別れたカップル、
娘との関係に悩む母、
戦場にいる夫と妻、
疎遠になった娘と死期の迫った父、
昨年の大みそかに1年後会う約束をした男女 などなど、
一年の終わりに失ってしまった絆を取り戻そうとする人たちと、
袖擦りあった新たな出会いを大切に、新しい一年を迎えようとする人たち。
それぞれの恋愛ドラマが微妙に絡み合って最後にハッピーエンディング~という
お決まりのパターンではありますが、なかなか楽し~い!
 
そして、苦し紛れにしたヒラリー・スワンクのスピーチや
    パーティーでのジョシュ・デュアメルのスピーチがとってもいい
アメリカ映画はこういうとこ、うまいねぇ。

新しい年を前向きな気持ちで迎えられるあったか~いお話だけど、
でももう半年過ぎちゃったよーー


ええ話やったね~と言いたいところですが・・・
最後の最後、爽やかイケメンのジョシュ・デュアメルの相手があの人って
これはちょっとありえへんなぁ~  ありえへん!
本作の登場している女優さんなら、
ジェシカ・ビール(妊婦役)とかキャサリン・ハイグル(「家族始めました」で共演)に
して欲しかったなぁ。

今年の大晦日にもう一回見るといいかもね?




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 ***** 見た 映画 *****

 6月13日 「永遠の僕たち」DVD 

       「100000年後の安全」DVD


ニューヨーク、アイ・ラブ・ユー

2010-09-14 | 映画 な行
誰もが憧れる街、ニューヨ~ク。
11人の監督がニューヨークを舞台に、さまざまな人生を切り取って描くモザイクのような映画です。
チラシには「ラブ・アンサンブル・ムービー」と書いてありますね。
微妙に絡む11の話、それぞれに主役・準主役級の役者さんが大勢出演しています。

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       NEW YORK, I LOVE YOU

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この映画の予告編によると、「人は一生のうちで約3万人の人に出会う」そうな。
家族(親子・兄弟・夫婦)・友人・恋人・隣人・同僚・先輩・後輩などなど。
現在の世界人口はまもなく69億人に達しようとしています。
1年に1億4千万人が産まれ6千万人が亡くなり、1分に152人1日で22万人1年で
8千万人増えているそうです
その中で出会うのは3万人、会う確率は単純に計算して23万分の1ですか?
その出会いから生まれる恋はー奇跡
 出会いは偶然?必然?
 恋は奇跡?それとも運命?
」と予告は続きます。

そないに大層な~。でもまぁ、一期一会、出会いは大切にいたしましょう。

本作はニューヨークで起こる様々な出会いを切り取ったコラージュのような映画です。
チラシはビッグアップルNYをかたどったコラージュになっており、
「NY I YOU」とタイトルが隠れてます。上手いな~。
街の上空からひとりの人にぐっとフォーカスして、そのひとときを動画に撮ったって感じ。
その後彼らがどうなったか?・・・それはご想像にお任せしますっとばかりに、ちょこっとだけ
夫々のエピソードは関連があるような、ないような。

そんな中、気になったエピソードが二つ。
一つは、最後の老夫婦のエピソード。

  94歳で現役ってすごい!イーライ・ウォラック(右)
長年連れ添った夫婦が、言いたいことを言い合いながら、さり気なくお互いに相手を思いやる仕草が・・・
こういう爺ちゃん婆ちゃんいいねぇ~。

もう一つは、元オペラ歌手を演じるジュリー・クリスティーと足の悪いホテルのボーイを
演じるシャイア・ラブーフのエピソード。
あれは何十年もの時を経たオペラ歌手の回想なのか?白日夢なのか?
不思議な雰囲気を醸し出していました。

現在69歳のジュリー・クリスティーは老いて尚、お美しい。
「トロイ」や「ネバーランド」で復活、「アゥエイ・フロム・ハー」で主演し、
ゴールデングローブ賞など多くの賞を獲得。
          
女優さんが若いときに美しいのは当たり前ですが、年を重ね皺が増えても気品を湛えた美しさ、
あこがれです。




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 ***** 見た 映画 *****

 9月12日 「海角7号 君想う、国境の南」DVD

 9月13日 「17歳の肖像」DVD

       「アンナと過ごした4日間」DVD 

ナイン  NINE

2010-04-15 | 映画 な行
予告編やTVCMで見た迫力の「イタリアーノ!」と豪華女優陣に惹かれ見て来ました。
まぁまぁ、アカデミー賞受賞者が6人も出演!なんと贅沢な出演者ですこと。

                   

         ナイン    NINE

                    

イタリア人監督フェディリコ・フェリーニの1963年の映画「81/2(はっかにぶんのいち)」。
タイトルだけは知っていましたが見たことはありません。
本作は「81/2」をもとに、ブロードウェイでミュージカル舞台劇にしたものを映画化したものです。
昔から「81/2 はっかにぶんいいち」って変なタイトル~と気にはなっておりましたが
今回調べてみました。

フェリーニが81/2とつけたのは、
その作品の前に6本の長編と2本の短編、そしてもう一本共同監督作品があったからだそうです。
そして「81/2」をもとに、1982年から800回近く上演されトニー賞獲得したブロードウェイの
舞台「ナイン」の題名は、81/2に音楽を加え、その分として1/2を加えて9ということのようです。

 < ストーリー >
1964年映画監督グイドは、新作「イタリア」の制作に行き詰まり、スタッフ・リリーのすすめで
海沿いのホテルで休暇をとることにした。そこに妻ルイザを呼び寄せたが、突然愛人カルラが押しかけ
挙句の果てにカルラは自殺未遂を起こす。そんなグイドに愛想を尽かし、ルイザはグイドのもとを去る。
グイドは撮影を中止し、二年後・・・。
 
  
   登場する女優陣は左から
    主演女優(ニコール・キッドマン)、9歳の監督の記憶に残る娼婦(ファーギー)
    奔放な愛人(ペネロペ・クルス)そしてマエストロと呼ばれる監督グイド(ダニエル・デイ=ルイス)

    献身的な妻(マリオン・コティヤール)、衣装デザイナー(ジュディ・デンチ)
    雑誌記者(ケイト・ハドソン)、母親(ソフィア・ローレン) 
          


自分でアイデアを出し作品を仕上げる創造的な仕事って、想像するだに壮絶なる「生みの苦しみ」を
伴うものなのでしょうね。
かのフェリーニも、本作のグイド同様、全く脚本ができていないのに記者会見だ何だと追い詰められ
にっちもさっちも・・・ええぃ!と開き直ってそんな自分の姿を描いたのが81/2だったのでしょうか?

まぁ、ミュージカルなので、見所はやはり豪華出演者の歌と踊りでしょうか。
皆さん芸達者で、ご自分で歌って踊って、ジュディ・デンチが歌うなんて・・・以外でした。
ペネロペ・・・お色気ムンムン。あのダンスは、ちょっとやりすぎじゃぁないでしょうか?
マリオン・コティアールはアカデミー賞受賞のピアフ役実証済みだし、ケイト・ハドソンもお上手なので驚きでした。

ダニエル・デイ・ルイスは・・・この役はやっぱり母性本能をくすぐるイタリア男にやってもらいたい。
でもマストロヤンニ以来イタリア男優で思いつく人がいませ~ん。

当初、スペイン俳優ハビエル・バルデムだったそうですが、ラテン系だけれど濃過ぎー。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズはキッドマン演じる主演女優役の話があったとか。
このお二人が出演していたら、もっと危ない感じになったでしょうね。

ケイト・ハドソンの「Cinema Italiano」とファーギーの「Be Italian」の2曲が頭の中で流れてます

それでは、イタリア人っぽく、「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!
                    「食べて、歌って、愛して!」

最初の方にクラウディア・カルディナーレに似た方がちょこっとでていませんでした?

  
 3月半ばから新宿K's chinemaで「祝フェリーニ生誕90年!」開催していたのですね。
 やっぱりイタリア男といえばマストロヤンニ?
 個人的にはロッサノ・ブラツィ(「旅情」や「南太平洋」に出演)が好き


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 ***** 見た 映画 *****

 4月13日 「シャッター・アイランド」@TOHOシネマズ スカラ座

      「キャタピラー」@有楽町  寺島しのぶさんがベルリン映画祭で主演女優賞獲得した作品  

ナイトミュージアム2

2009-08-21 | 映画 な行
最近「夜の動物園ツアー」とか「夜の水族館ツアー」とかの企画が人気を博しているようですが、
これってワクワクしますよねぇ~。
昼間の喧騒と違って、静けさの中で夜には何か驚くようなことが起こっているんじゃないだろうか?
動物園や水族館、そして博物館ってそんな想像の翼が広がるミステリアスな場所です。

一時期、夜の学校を舞台にしたお子様向けホラー「学校の怪談」シリーズが流行ったけれど、
夜の博物館を舞台にというアイデアは、大人も十分、いや展示物についての知識があるだけに
大人こそ楽しめるんじゃぁないでしょうか。


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          ナ イ ト ミ ュ ー ジ ア ム 2 
  NIGHT AT THE MUSEUM BATTLE OF THE SMITHSONIAN

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< ストーリー >
あれから2年。自然史博物館は改装のため休館となり、お払い箱になった展示物たちは
ワシントンD.Cのスミソニアン博物館の地下保管庫に保管されることになる。
ところが残されるはずだったエジプトの魔法の石版を猿のデクスターがスミソニアンに持ち込んだため
夜になると魔法の力でスミソニアンの展示物までが動きだし、
自然史博物館のファラオ・アクメンラーの兄であるカームンラーが、他の展示物を率いて
世界征服に動き出す。
発明品で、自分の会社を立ち上げた元警備員ラリー(ベン・スティラー)の元に
助けを求めて展示物のミニチュアカウボーイから電話が入る。
果たしてラリーは石版を取り戻し、スミソニアンの平安を取り戻すことができるのか?

   
         今回のラインナップはこんな感じ。
左からイワン雷帝にカスター将軍。テディー、イアハートにリンカーン、ファラオにナポレオン。

いつか、是非とも行ってみたいスミソニアン博物館。
1848年英国人の科学者ジェームズ・スミソンが「知識の向上と普及」にアメリカに寄付した
遺産を基金としてつくられたが、御本人はアメリカに行ったことが無く、
遺骨となってアメリカに渡り、本部ビルに安置され拝観できるそうです。
収集物は1億4200万点って、全部見るのに一体何年かかるのよ?


暗闇で光る懐中電灯や鍵の発明で、一躍TVショッピングに出演、会社社長になったラリー。
いきなりTVショッピングにジョージ・フォアマンが出演しているのを見て思い出しました。
モハメド・アリに負けた20年後、45歳で27歳チャンピオンを倒しの奇蹟のカムバックを果たした彼は、
卓上グリルの広告塔となり実際にTVショッピングにも出演、グリルといえばフォアマンというほど
大ヒットを飛ばしたそうです。伝説の人に意外な一面あり。

前作に登場した展示物は今回も登場。
プラス、新たなキャラが蘇り、新旧入り乱れて夜のスミソニアンは大騒ぎ。
次は一体どんな歴史上の人物が、絵画が、彫刻が、動物が動き出すのか?とワクワク。
それぞれのイメージを茶化したキャラ付けに爆笑です。
シューコーシューコー息の荒いお馴染みキャラやセサミのあのキャラも

「あっ、前から気になっていた『デスパレイトな妻たち』のオープニングの絵だ!」これって・・
グラント・ウッドの「アメリカンゴシック」っていうんですね。
素朴な農夫夫婦が鍬を手にした絵です。

「あっ、LIFEの表紙を飾った対日戦勝記念日の『キッス』だぁ」って、現在80歳を越える
この看護婦さんが登場したニュースだか情報番組だかをテレビで見たばかりだったんです。
何で見たのか、終戦記念日の何かだったのか、内容を忘れてしまった・・・。
ここでエンディングに繋がるちょっとした小ネタあり。直ぐに席を立たないでね。

ダメダメ父さんが息子との絆を取り戻すという前作のストーリーの方が筋立てがしっかりしており、
本作は「幸せとは?」とルーズベルトに気を持たせられたわりに結論はいま一つ。
壊れたガラスはどうなるの?なんてどうでもいいことが気になったりして・・・。
まぁ、難いこと言わんとお祭り騒ぎを楽しみましょう!


しかし、エジプトが登場する映画って多いですねぇ。
前回の「G.I.ジョー」の秘密基地もエジプトの砂漠の地下、「ハムナプトラ」は勿論のこと
「ジャンパー」や「最高の人生の見つけ方」などなど。
エジプトって洋の東西を問わず、好奇心とロマンを掻き立てられるのよね~。
今週、横浜開港150周年で開催中の「海のエジプト展」にやっと行ってきましたが盛況でした。
  
              記念のお土産はガチャポンで¥300なり。海洋堂のフィギアはスゴイ!

上野でやっている「トリノ・エジプト展」にも行きたい!


魔法の石版の謎を解くアインシュタイン博士。スミソニアンのお土産人形なのかな?

勝気な初の女性飛行家アメリア・イアハートを演じるエイミー・アダムズは
「魔法にかけられて」のお姫様といいファンタジーキャラを演じたらピッタリやねぇ。




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 ***** 見た 映画 *****

 8月19日 「ナイトミュージアム2」@TOHOシネマズ海老名


野良犬

2009-01-05 | 映画 な行
  明けましておめでとうございます
      本年もどうぞよろしくお願いいたします 

 お正月って外出する気にならず、家での~んびり 
勢いテレビに向かうことになるけれど・・・何でこんなにつまんない番組ばかり 

ケーブルTVのミステリーチャンネルでいかにもホラーっぽいタイトル「古城の亡霊 The Terror 1963」を鑑賞。
のっけから目茶目茶チープ、崖の上に建つ古城は明らかに絵です。45年前の映画だしな~
でも、人生初のホラー、長くトラウマとなったロバート・ワイズ監督の名作「たたり」も1963年製作やよ。
数年前DVDを発見し見てみたけれど、今見てもなかなかでした。

因みに、現在公開中キアヌ・リーブス主演の「地球が静止する日 The Day the Earth Stood Still」は
1951年ワイズ監督作品のリメークなんですね。どちらも未見ですが・・・。

「古城の亡霊」つまんなそうだからチャンネルを変えようかと思ったその時登場したのは・・・
えぇー!!!なんと26歳のジャック・ニコルソンなんです!
いやぁ~、なんとも・・・、主役だけれど、名優・怪優にもこんな時代もあったのね~。
年明け早々、面白いもの、見~ちゃった


で、第1回は全くニコルソンとは関係なく、年末に鑑賞した久しぶりの黒澤作品です。
この映画も、いいねぇ~!


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      野  良  犬  1949

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< ストーリー >
猛暑のある日、村上刑事(三船敏郎)は射撃訓練後、
帰途のバス中でポケットの拳銃コルトをすられてしまう。
事の重大さに必死になって探し回る中、別件で動くベテラン佐藤刑事(志村喬)と合流し、
女スリを糸口に拳銃の闇ブローカー本多を逮捕する。
そんな中、村上の拳銃による強盗傷害、殺人事件が起こる。
犯人遊佐(木村功)は逃亡。
聞き込みから、幼馴染みの踊り子・並木ハルミと連絡していたことが判明。
しかし犯人の居所を突き止めた佐藤刑事までが凶弾に倒れ、
村上は独りで遊佐を追い詰め、対決の時を迎える。残った弾は3発・・・

             


昨年NHKが「黒澤監督没後10周年」で全作品オンエア!をやっていたので
ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

これまた志村喬と三船敏郎の共演作品。

いやぁ~、息詰まるサスペンス!!!
戦後直ぐの東京の街を、すられたコルト銃を探して歩き回るシーン。
もしも自分の銃が犯罪に使われて誰かを殺めることになったら・・・
三船のギラギラした目のアップが、銃を探し回る姿、人の流れ、足の運びにオーバーラップして、
彼の焦りが伝わり、緊張感がみなぎる。
夏のジリジリした暑さが、さらに緊張感に追い討ちをかける。
タオルで汗をぬぐい、扇風機が回る。


落ち込む村上に先輩刑事が言う。
「不運は人間をたたき上げるか押しつぶすか。心の持ち方一つでチャンスになる」

犯人を野球場(後楽園?)で捜すシーンは圧巻。
野球場やサッカー場、ボクシング会場など、人が沢山集まる場所で容疑者や狙撃犯がこの中に・・・
なんて「スネークアイズ」などハリウッド映画にもよく見かけるのですが、本作がオリジナル?!

ジャイアンツVSホークスの本当の試合をロケしたのでしょうか?
元阪神ファンの私には往年の巨人選手はわかりませんが・・・
背番号~16、川上哲治氏現役当時のお姿が。(この方はわかります)

それにしても観客50000人の中から犯人に繋がる人物をを探す・・・って無理じゃな~ぃ?
どうするよ?
緊張の中、観客は熱狂し、スポーツニュースのような映像の試合は続く。
ここでウグイス嬢の「さあ皆さん、ラッキーセブンでございます~」の声。
なぁ~に?阪神ファンみたいに風船飛ばすの??

いえいえ、当時7回には、ウグイス嬢の掛け声で観客全員で背伸びしてたんですね
今は・・・しないですよね?
この声をヒントに容疑者をおびき出すこんな手があったか・・・


犯人を追い詰めていく中で出会う人々の生活や風俗、聞き込みでまわる町並みなど、
戦後復興の勢いと混乱が、当時の空気が感じられます。

新たな時代に順応し歩み出している者、戦争を引きずって世をすねる者。
主人公の刑事村上と犯人の遊佐がこの二者を体現している。
共に戦争から復員する途中、汽車の中で全財産の入ったリュックを盗まれた過去がある。
人生の岐路で、善の道を選ぶか、悪の道を選ぶのか?
「不運は人間をたたき上げるか押しつぶすか。心の持ち方一つでチャンスになる」
どちらに転ぶかは本人次第という監督のメッセージ。


最後の最後まで犯人の顔はわからない。
名前・靴・泥の付いたズボンなど、体の一部が見えるだけ。
姿が見えないからこそ恐怖と緊張が高まる。
これって・・・スピルバーグの「激突」は本作のパクリ、いえオマージュだったのね。

犯人との遭遇はやはり雨。それも雷雨 監督、雨が好きやね~。
銃には弾が7発入っており、残り何発?とカウントダウン。

クライマックスは一転、
早朝ののどかな駅舎と、7・8人の中から顔のわからない犯人を特定する村上の心の揺れと緊張。
犯人との対決時に流れる民家のピアノの音、一面に咲き乱れる花。
この緊張と緩和、非常と日常のコントラスト。
その後日常に戻った時には、子供が歌う「ちょうちょ」がの~んびり流れる。
難しいことはわかりませんが、この演出上手いなぁ。

志村喬氏はホントにすごい役者さんです。
毎回違うタイプの役を、「本当にこういう方じゃないの」と思ってしまうほどのはまり様。
今回はベテラン刑事。
自分さえへまをしなかったら…犯罪は起こらなかったかもしれない。
被害者・加害者両方に責任を感じ落ち込む村上に
「コルトが無ければブローニングでやったさ」
「いらんことを考えずに次にくるものを防ぐことだ。
一度目は習慣にあらずというが、2度目となれば話は違う。野良犬が狂犬になる」という説得は、
厳しいながらも優しさが。
かと思うと、結構シャレもおっしゃる人間味あふれる上司です。

三船敏郎氏はハンサム
こんなにカッコイイ方だとは存じませんでした。

   
  これは「醜聞 スキャンダル」     弁護士の志村喬氏、画家の三船敏郎氏

今回も
黒澤監督、志村喬氏、三船敏郎氏にノックアウトされました


* おまけ *

 ・下町のおばちゃん役のイメージが強かった千石規子さんがお若くてキュートでした。
 ・犯人遊佐役は・・・「七人の侍」のお一人で唯一ロマンスが・・・。犯人役は以外でした。




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 *** 今週 見た 映画 ***

 1月 1日 「ヴェニスの商人」 ケーブルTV アル・パチーノ、ジョセフ・ファインズ主演

 1月 2日 「ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア」 ケーブルTV   ドイツ映画
          「最高の人生の見つけ方」のオリジナルともいうべき余命わずかな若者の物語

 1月 3日 「古城の亡霊 The Terror」ケーブルTVジャック・ニコルソン主演 
 
        「醜聞 スキャンダル」DVD 黒澤監督、三船敏郎・志村喬主演

ノーカントリー

2008-04-04 | 映画 な行
アカデミー賞をはじめ、様々な賞を獲得したこの作品。
見に行かなくっちゃ~と思いつつ、
バイオレンスと殺し屋さんを強調した前宣伝と、
公開当初旅行していたこともあって行きそびれておりました。

!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?

ノーカントリー  NO COUNTRY FOR OLD MEN   2008

?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!

      

見渡す限り乾燥した荒野、
荒涼たるテキサス、
これほどまでに音楽がないと、
風の流れる音さえこれから始まるドラマを予感させる効果音になる。
全く音楽のない映画って初めてだと思うけれど、まるで現場にいるかのような臨場感がある。


時代は1980年代、
アメリカ経済は戦後最悪、高インフレと高失業、
レーガン政権は行政サービスや社会保障を民間に開放しできるだけ削減、効率を優先させる「小さな政府」の立場を取り、国家によるサービスの縮小と、大幅な規制緩和、市場原理主義の重視を行なった。
堤未果著「ルポ 貧困大国アメリカ」を読んだが、この頃から現在に至る格差の増大が始まったらしい。

ベトナム戦争を境にアメリカは変わった。
絵に描いたような現実味のないホームドラマや明るく甘い恋愛映画が影をひそめ、
麻薬・暴力・性が露骨に描かれ、言葉も汚くなっていく。
社会構造、家族形態、犯罪さえも複雑で残忍なものへと変わっていく。


     
モスはベトナム帰還兵、かなりサバイバルに慣れている。
ハンティング中、麻薬取引に失敗した密輸取引業者同士の銃撃が終わった後の壮絶な場面に遭遇。
普通なら恐ろしくなって、即警察に通報するでしょうに・・・
金がないってことは逃げた奴がいる→血痕から手負いと判断→炎天下木陰にいるはず
という推理で逃げた男を発見、200万ドルの入ったスーツケースを持ち逃げする。
この人、ただ者じゃ~ありません。
普通のおっちゃんにこんなことは出来ません。

届け出たら1割もらえたかも・・・アメリカにそんな制度はあるのかいな?
欲張らないでせめて10万ドル位にしておいたら良かったのに・・・
現場で水をくれと言っていた瀕死の男に、仏心を起こして水を運んでやったのが2つ目の失敗。
もし行かなければまんまとお金を手に入れられたかも。
発信機ったって、ある程度近寄らないと作動しないやつですもんね。

そんな彼の選択で、彼を取り巻く人々の人生が変わっていく。

「一つの発見が人生を変えることもあり、たった一つの失敗が人生をだめにすることもある。」

密輸組織が追跡に使うわんこの犬種は「ドゴ・アルヘンティーノ」でしょうか。
すんごい面構えで、「鉄砲いらずの猟犬」の異名をとる猪狩りなんかに使われるアルゼンチンの犬種のようです。


     
行く先々で出会う人々を無表情・無感情に殺す、殺し屋シガー。
今までどんな人生を送ってきたのかなどの情報は何もない。
彼の腕を疑い、別の殺し屋を雇った依頼主をも殺すって、一体何に突き動かされて殺人を犯すのか?
お金の為という訳でもなく、淡々と自分のルールに従って、モスを追い詰める。
武器も家畜を殺すのに使う特殊なもの。
これを見て、この武器を使う人なんていないでしょうね?怖っ!
時としてコイントスで人の命をもてあそぶ。

「人生一寸先は闇、何が起こるかわからない。」などと言われます。
彼の存在はそんな人間の存在としてのはかなさを思い知らせる死神のようなものかも。

この方結構律儀です。撃たれた血だらけのズボンを脱ぐのに、ビニールシート敷いたりなんかして・・・
殺し屋するにゃ、医学知識や技術も必要なんですね。自分で縫合してました。
病院行ったら足が付くものね。厳しい~。

そんな彼も、交差点で赤信号で突っ込んできた車にぶつかられ交通事故に遭う。
今まで真面目に生きてきた人にさえも、突然理由もなく悪夢のような出来事を起こしてきた加害者シガーでさえ、そんな悪夢の被害者になりうる。

誰にだってとんでもないことは起こりうるもんだ。
この傷(骨が飛び出してるって)も自分で何とかするのかいな?


ショーにでてくるカウボーイのような出で立ちのウッディー・ハレルソンは何だったのでしょう。
あれだけって?友情出演ってやつ?
それより、あれだけ派手にドンパチやって、近隣住人は出てこないのかしら?
怖くてカーテンの陰に隠れてるって?



保安官ベルは「昔はこんなひどい事件は起こらなかった。全く理解できない。」と嘆く。
いつの時代も、人は年をとると「昔はよかった」と懐かしむ。
年をとったという証拠かも?

     

ゴッドファーザーのビトとマイケルの違いのように、時代の変化で犯罪も変わった。
義理と人情の厚かったビトの時代、
麻薬取引が資金源になり仁義も何も無くなるマイケルの時代。


一見、モスとシガーの逃走・追跡バイオレンス劇のようで、
実は時代の変化と、簡単に変わってしまう人生の脆弱さをテーマにした映画なんじゃないでしょうか。
そんな時代の変化と人々の人生を見続け、何とかモスを救おうとする保安官ベル。
救えなかったという彼の無力感が、テキサスの荒涼とした風景と重なる。


「人間ってのは、奪われたものを取り戻そうとしてさらに失う。結局は出血を止めるしかない。」という
保安官ベルの叔父の言葉が深い。

パンフレットの隅っこに、タイトル「NO COUNTRY FOR OLD MEN」の意味を発見!
アイルランドの詩人イェイツの詩の引用で、
老いや死が避けられない現実であるということを意味しているそうです。
こういう解説がないと、詩全般に疎い私は理解に苦しみます。

原作は、ピューリッツァ賞受賞作家コーマック・マッカーシー。
含蓄のあるタイトルをお付けになります。


 
助演男優賞のハビエル・バルデムを始めて見たのはBS放送での「海を飛ぶ夢」。
不気味なオカッパ頭と言われてますが、懐かしのマッシュルームカットでは?
呼び方で随分イメージが変わりますね。

ジョス・ブローリンって始めて見たけれど、ジェームス・ブローリンの子供か?
クラーク・ゲーブルファンの私には、
「ゲーブルとロンバート」でゲーブルを演じてた人(似てない~と不満)として記憶に残っておりました。
バーバラ・ストライサンドと結婚したと知りびっくりしたのですが、そのブローリンの子供ですね。
お父さんの方がハンサム~。
ダイアン・レインの夫ですって~、またまたビックリ、


*****  今週 見た 映画  *****

4月1日  マイ・ブルーベリー・ナイツ

4月2日  ノーカントリー 






ナショナルトレジャー  リンカーン暗殺者の日記

2008-01-04 | 映画 な行
   明けましておめでとうございます
        今年もよろしくお願いいたします。

今年初めてのブログは、昨年末大掃除をサボって見に行った「ナショナルトレジャー リンカーン暗殺者の日記」です。

      

言わずと知れたニコラス・ケイジ主演の続編。
それにしても最近の映画はファンタジーと謎解きの多いこと。
昨年に引き続き、今年もファンタジー映画が目白押しに控えております。
ちょっと食傷気味。

CG技術の進歩によって、もう何だって映像化出来ちゃうぞ!ってわけで、
こういうジャンルの作品が多いのでしょうか?
そこそこ興行成績もあがるってことかしら?

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ナショナルトレジャー リンカーン暗殺者の日記
 NATIONAL TREASURE   BOOK OF SECRETS

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ナショナルトレジャーって日本語で言えば、「国宝」。
こんなに次から次へと、埋没していた国の宝を見つけ出してくれるなんて、何という愛国者なんでしょ。
日本なら、さしずめ「徳川埋蔵金」とか旧日本軍の財宝てなことになるのでしょうか。
事実30年の歴史を誇る「日本トレジャーハンティングクラブ」で、頑張っておられる方もいらっしゃるようです。
「映画みたいに簡単に見つけられたらかなんなぁ」という声が聞こえるようです。

「謎解き」と「宝探し」の嫌いな人はいないでしょう。
そこにはワクワクする冒険とロマンがあるから。
一攫千金、もしくはファンタジー同様、一種の現実逃避でしょうか。

かく言う私は、若かりし頃「インディアナ・ジョーンズ」シリーズに魅せられ、あまりの面白さに一作目の「失われたアーク」をぶっ通しで2回半見てしまったという過去があります。
当時は座席指定の入れ替え制じゃなかったから、そんなことも可能でした。
なにせ宝探しに、大冒険プラス大掛かりな仕掛けで若いハリソン・フォードとくりゃあ、軍配はインディーにあがります。ニコラス・ケイジじゃ分が悪い。

最近の謎解きでは、かの「ダビンチ・コード」で、トム・ハンクスの髪型と今回のニコラス・ケイジの髪型がよく似ているのは何故なのか?
前方後退気味でもみあげが短いのは、はっきり言っておかしいぞ。
          


第一作を観て、始めて「フリーメイソン」という言葉を知りました。
一体どれだけの人がこの言葉を御存知だったでしょう。
アメリカ建国にまつわる独立宣言書や1ドル札、リバティーベルにウォール街のトリニティーチャーチ(三位一体教会)に隠された謎。
財宝を見つけるストーリー自体は面白かったけれど、「メイソンって何?」と新たな迷宮へ。
この映画を楽しむにはやはり「メイソン」とは何ぞや、ということを明らかにせねばなりません。

広辞苑によると「アメリカ・ヨーロッパを中心にして世界中に組織を持つ慈善・親睦団体」とあります。
一般的には「秘密結社」というよからぬ胡散臭いイメージがあるようだが、
吉村正和氏の「フリーメイソン」によると、起源は様々(ソロモン王の神殿建設って紀元前10世紀?)で元は石工の組合みたいなものから、18世紀以降、ヨーロッパで「道徳的な完成を持って人間の完成とする」といった進歩的な考えに基づく団体で、王侯貴族も入会し、「自由」「平等」「博愛」「慈善」「救済」といった理想を掲げ、アメリカ独立運動、フランス革命、そして明治維新にも影響を与え、今日まで続いているのだという。

加治将一氏の「石の扉」という本によると、
長崎の観光地グラバー邸のグラバーさんもフリーメイソンで、坂本竜馬をこっそりイギリスへ送ったのではないか?な~んて話もある。でなきゃ、四国のポッと出のおにいちゃんが商社、日本初の株式会社といわれる「亀山社中」とか、「船中八策」なんて思いつくかな?という話だ。

伊藤博文や井上馨ら長州ファイブ(昨年映画になりました)や薩摩藩の森有礼ら十五名をイギリスに手引きしたジャーディン・マセソン商会はグラバー商会の親会社。
「この国をどげんかせんといかん」と言ったかどうか、
とにかく若い力が幕府を倒し明治新政府の原動力となった、「国危うして君子現る」と歴史で習ったのに・・・
日本の夜明はフリーメイソンの力があったからと知り、がっくりショックを受けました。知らない方が幸せなこともある・・・。

で、やっと映画「ナショナル・トレジャー」です。

一作目は、「アメリカ建国史ツアー」へようこそ。
建国の父たるジョージ・ワシントンにベンジャミン・フランクリン、独立宣言書に署名した多くがフリーメイソンだったことから創られたストーリーで、
歴史とフィクションを絡ませ、楽しませてもらいました。

ハービー・カイテル演じるFBI捜査官もフリーメイソンであることを、指輪のデザイン(コンパスと直角定規のシンボル)でさりげな~く暗示。
          


アメリカの国璽(読めない…「こくじ」で、国家を表す印章で、条約批准等公式文書に使用ですって)も見ようによっては、メイソンのシンボルが散りばめられているともとれる。
ところで日本の国璽ってどんなデザインなんでしょう。興味あります。ご存知の方はご一報を。
       

今回の続編も前作同様、事実とフィクションをうまくミックスしているんだけれど、いま一つのりきれないのは、
宝を発見したことで、御先祖様の汚名を返上したことになるっていうところが、納得できないからなのか(わかってないのは私だけじゃないよね?)。
それとも、宝を発見してめでたしめでたし、という安直な二匹目のドジョウ狙いに冷めてしまったのか。
執拗に追っかけてくる宝探しのライバルが、急に物分りよく発見者の名誉と引き換えにあっさり犠牲になってくれたからか。
う~ん、不満が残ります。

日本語の副題は「リンカーン暗殺の日記」、でも原題のbookって、暗殺日記じゃなくて大統領だけが見れるという歴代大統領の秘密の記録でしょう。

 
「クイーン」でアカデミー主演女優賞を獲得したヘレン・ミレンや
渋いシリアス俳優エド・ハリスを配して重みを加え、子供だましのディズニー映画にならないように配慮したのはわかるけど、
バッキンガム宮殿にある女王の部屋やアメリカ大統領執務室にこっそり忍びこんだり、
大統領を誘拐って、奇想天外にもほどがある。
国家安全保障はどうなってんのよ?

しか~し、謎解きの鍵となる二台の机レゾルートデスクにまつわる話は事実で、
本当にビクトリア女王が十九代アメリカ大統領ヘイズに進呈し、ケネディーが大統領執務室に入れたけれど、ニクソンは使わなかったらしい。
な~んて、アメリカ人にとっては常識なのかしらん?

イギリスでのカーチェイスは「ボーンアルティメイタム」を少し意識したかも?

大統領を演じるのは「13デイズ」でケネディーを演じたブルース・グリーンウッド。
大統領の登場ってブッシュのそっくりさんでも出るのかと思っちゃった。

大統領が「本の47ページを読め」って謎の言葉を残したけれど、
次回作の伏線でしょうか?
ってことは「ケネディー暗殺の謎」かしら?

    

アンジェリーナ・ジョリーの実のパパ、ジョン・ボイド演じる父親とヘレン・ミレン演じる母親との関係が、ニコラス・ケイジ演じる主人公とダイアン・クルーガー演じる恋人チェイス博士との関係とそっくりなのはlike father like sonってことかしら。
ってことは二人の関係は前途多難、波乱含みね。

大統領と絡むあたりから、愛国心あふれる会話になるのは、アメリカ映画のお決まりで、ちょっと引きます。


それにしても、何で「お祭り男、新庄剛」を宣伝マンに起用したのでしょう?
マイナス要因の方が大きいと思うんだけどなぁ・・・いらぬ先入観を生みそうです。

まぁ、何にせよ「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジェリー・ブラッカイマーお得意の娯楽映画でした。


*****   今週見た映画   *****

 1月2日  TV  「102」 
 1月3日  DVD 「長州ファイブ」