映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

リスボンに誘われて Night train to Lisbon

2015-04-20 | 映画 ら行
次に訪れてみたい国・・・それは、ポルトガルです。
だからというわけではないですが「リスボン」に誘われてDVDを鑑賞しました。

世界で400万部を超すベストセラー小説「リスボンへの夜行列車」が原作で、
作者はパスカル・メルシエという哲学者だそうです。
主演がジェレミー・アイアンズ、舞台がリスボンということだけで見たのですが、
冒頭の思いがけない主人公の行動、
舞台がリスボンに移ってからは二つの時代が交錯しサスペンスタッチの展開に
街の佇まいも合い間って、ぐいぐい引き込まれました。
シャーロット・ランプリングにマルティナ・ゲデック、メラニー・ロラン、
クリストファー・リー、ブルーノ・ガンツにレナ・リオンっと
ヨーロッパの有名俳優が次々登場しうれしい驚きでした。


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        リ ス ボ ン に 誘 わ れ て

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 < ストーリー >
スイスの古典文献学教師ライムント・グレゴリウスは、離婚後単調な一人暮らしを送っていた。
ある朝登校途中、橋から飛び降りようとする女性を助ける。何も言わず去った彼女のコートに
入っていた一冊の本に魅かれ、列車に飛び乗り著者アマデウ・デ・プラドを求めリスボンを目指す。
そこでアマデウの家族や友人を訪ね歩き、軍事政権下レジスタンスとして活動する彼の素顔や
人生に触れ、謎に迫ることで、自らの人生と向き合うことになる。

     
                
雨の中真っ赤のコートを羽織った謎の女性を助けたことで、ラインムントの人生が動き出す。
コートのポケットに入っていた「言葉の金細工師」という一冊の本に綴られた言葉に魅了され
著者に会いに、衝動的にリスボン行きの夜行列車に飛び乗るラインムント。
    
      シャーロット・ランプリングはアマデウの妹      
                  
                ドラキュラ俳優クリストファー・リー(現在92歳!)はアマデウの通った学校の教師
著者アマデウの人生を辿るうち、1970年代独裁政権下で自由と理想を求め反政府運動に身を投じた
若者たちの愛と友情と革命に翻弄された青春の日々に触れ、アマデウの死の謎を解き明かすことに
のめり込んでいくラインムント。
ポルトガルにもこんな時代があったとは…知りませんでした。
 年老いたジョルジュを演じるブルーノ・ガンツ                               
      
         アマデウと親友ジョルジュはエステファニアを巡って恋敵となっってしまう。  
             
                              若き日のエステファニアを演じるメラニー・ロラン
40年の年月に埋もれた事実の断片を集め、当事者たちも知り得なかった真実にたどり着き、
ラインムント自身の第二の人生を歩み出す。
       
マルティナ・ゲデックは「マーサの幸せレシピ」や「善き人のためのソナタ」に主演したドイツの女優さん。

原作者が哲学者だけあって、ちょっと難しい、言葉を大事にした作品です。
原作本を読んでみたい!っと思うのですが、上下2巻。
いまはちょっと余裕がないので…時間ができたら是非読みたい。
非常に見応えのあるストーリーとリスボンの美しい街並みが見れる、お奨めの映画です。
スイスとポルトガルが舞台でドイツ人俳優も多いけれど、全編英語です。


現在と過去が交錯するストーリーで思い出すのは・・・
2002年グイネス・パルトロー、アーロン・エッカート主演の「抱擁 Possession」。
こちらも英国ブッカ―賞受賞の文学作品の映画化で、見応えある謎解きストーリーでした。
       
                    ジェニファー・イーリーとジェレミー・ノーサムは過去の恋人たち
こちらもお奨めです。







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ラブストーリーズ コナーの涙/エリナーの愛情 The Disappearance of Eleanor Rigby:him/her 

2015-02-25 | 映画 ら行


ある夫婦の別れ、葛藤から再生までを、男女それぞれの視点を1本の映画のなかで描くのではなく、
それぞれ独立した2本の映画で描くという斬新な作品です。
上のチラシは二枚を合わせると主人公のふたりがカウンターごしに向かい合っているシーンになっていてなかなかシャレています。
面白い取り組みなのに、残念ながら公開館が少ないです。
有楽町のヒューマントラストかぁ~っと思っていたら、燈台下暗し。
横浜は関内にあるシネマリンで上映中~!
古い映画館でずっと公開していなかったようなのでここも閉館か~?と思っていたら
すっかりきれいになって昨年12月にリニューアルオープンされていたのです。
あちこちで閉館のニュースを耳にする昨今、嬉しいことです。
ここで2作を連続鑑賞。キャンペーン中ということでシャンプーとリンスのセットを頂きました。
 

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      ラ  ブ  ス  ト  ー  リ  ー  ズ
           コ ナ ー の 涙 / エ リ ナ ー の 愛 情
             The disappearance of Eleanor Rigby him/her

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ニューヨークのイーストビレッジ。
幼い子供を亡くし悲しみの中にいるコナーとエリナー。
死亡原因が語られないまま(ひょっとすると字幕には出ないけれど台詞の中で語られているのか?)
ストーリーが進行するので、ふたりの気持ちのズレがどこからくるのか?男女の感性の違いなのか?
という点でちょっと疑問が残りました。
  
             
                コナーとエリナーを演じるのはジェームズ・マカヴォイとジェシカ・チャスティン
しかし、過去の幸せな時、子供を亡くした悲しみの中での直接のぶつかり合い、
家族・友人とのそれぞれの関わり、再生の過程が、当事者両人のそれぞれの視点から描かれ、
同じ出来事がこんなに違って見えるんだなぁっと考えさせられました。
共に悲しみを乗り越えようとする夫コナーと一人でもがくエリナー。
両方の映画を見て初めて状況が掴めるシーンもあり、この手法、なかなか面白いです。

チラシのコピーが、言い得て妙です。
  「その時、彼は/彼女は 何を見ていたのだろう?
     女にはわからない、男の切なさ
     男にはわからない、女の秘めた想い」
「女性は共感を求めているのに、男性は答えを見つけようとする」とはよく言われる真実ですね。

これで思い出したのがニコール・キッドマン主演の「ラビット・ホール」。
同じく幼い息子を亡くした夫婦の葛藤と再生を描くストーリーでしたが、死亡の経緯があっての
ふたりの葛藤と再生だったのでこちらの方が共感するところ大でした。

「コナーの涙」→「エリナーの愛情」の順番で見たのですが、この順番で見た方が良いと思います。
調べていて分かったことですが、本作は2部作ではなく3部作!えーーー?!
同じ「The Disappearance of Eleanor Rigby」のタイトルで「Him」「Her」に加えて
「Them」があるようです。「Them」も同じ時間軸で描かれているようで、第3者の視点で描かれているのかしら?
是非見てみたいです。

エリナーの妹役で登場するジェス・ワイクスラーは人気TVシリーズ「グッド・ワイフ」に調査員役で
登場した美人女優さんです。



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 ***** 見た 映画 *****

 2月22日 「ラブストーリーズ コナーの涙」@横浜シネマリン

        「ラブストーリーズ エリナーの愛情」@横浜シネマリン

 
 2月23日 「ビオレッタ」DVD フランス映画

6才のボクが、大人になるまで   BOYHOOD

2014-11-29 | 映画 ら行
タイトル通り、12年間という長い時間をかけて一つの家族を追うドキュメンタリーのような
ドラマです。同じキャストで、主人公メイソンとメイソンの姉を演じる役者たちが
徐々に成長していく姿を、近所で見守るおばちゃんのような感覚で鑑賞。
子どもから大人へ。この頃の12年間の成長ってスゴイですねぇ。
         
          左上が6才のボク。かわいい~。途中、髪型のせいであらら!?な時期も
          あったけれど、最終的に憂いを含んだイケメンに成長しました。


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            6才のボクが、大人になるまで。

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 < ストーリー >
テキサス州に住む6歳の少年メイソンは母と姉の3人暮らし。ある日、キャリアアップのために
大学に復学するという母の決断でヒューストンに転居する。離婚後アラスカに行っていた父と再会し
定期的に父との時間を過ごすことに。母が同じ年頃の娘と息子のいる大学教授と再婚し、
賑やかに暮すが、義父が酒を飲んで母や子供たちに暴力を振るうようになる。自分の子供二人を連れ
身一つで逃げ出すことに。大学で教えるようになった母は帰還兵の教え子と再再婚する。
12年という歳月の中、次第に大人になっていくメイソンは、写真家という将来の夢を見つけ、
大学入学を機に母親のもとを巣立つ。

      
子連れで再婚・離婚が珍しくないアメリカ。
メイソンの場合も、親の都合で振り回され、なかなか過酷な経験をすることに。
突然の転校、母の再婚相手の暴力、友人関係、将来への不安。
その時々の彼の表情、発する言葉、態度から、心の機微が伝わってきます。

子どもって結構冷静に大人たちの動向を見ていて、
新しい環境に適応しようと、もがき、悩みながら、自分の進むべき道を見出してゆく。
親も大変だけれど、子供も大変よね。

ミュージシャンを目指したりアラスカに行ったりとフラフラしていた父だけれど、
ずっと子どもたちと関わり続け、さり気なくも的確なアドバイスをするのがとてもいい。
就職し、再婚して新たな子が生まれるなど、父もしっかり成長し、いいおやじになってました。
      
          イーサン・ホークの父親

タイトル通り、息子がメインなので父と息子の絆にフォーカスしていますが、
女性の立場からは、母とお姉ちゃんの関係も描いて欲しかったです。
やっぱり監督さんが男性だから已む無しかな。



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 ***** 見た 映画・ドラマ *****
 
 11月20日~25日 「キャシーのBig C いま私にできること シーズン3」 ひかりTV 
             「キャシーのBig C シーズン4 Big C here after」 ひかりTV 完結しました。
             シーズン1、2はこちらにアップしています。
            シーズン3はちょっと迷走しましたが、シーズン4は涙なしには見れませんでした。

レッド・ファミリー

2014-10-27 | 映画 ら行
映画館で予告編を見て気になっていた本作。
予告編の雰囲気では北朝鮮の工作員をパロッたコメディーかな?と思っていたのですが…。


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       レ ッ ド ・ フ ァ ミ リ ー

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 < ストーリー >
目上を敬う若夫婦にかわいい娘、優しい舅と仲睦まじい理想的な一家。
実は密命を遂行する為韓国に潜入している北朝鮮の工作員による偽装家族だった。
一方その隣人は、喧嘩ばかりしている夫婦に同級生からかつあげされている息子と姑の
四人家族。隣人一家と関わるうちに、北に残してきた家族を想い次第に変わってゆく
工作員たち。父親役の工作員の妻を助けようと行った工作で失態を犯し、
予想外の命令を下され追い詰められた4人は…。

前半は予想通り、北の工作員偽装家族の滑稽さに笑い、
夫婦喧嘩が絶えず、口汚く罵りあう騒がしい隣りの家族に閉口
ところが、中盤から様子ががらり変わっていきます。
  
     家に入った途端、厳しい上下関係が。
         
              夫婦喧嘩の絶えない隣りの一家
何かと関わってくる隣人家族を資本主義に毒された堕落した連中と見下していたが、家族を人質に
取られ、理不尽な命令に従う中で自分たちのやっていることに疑問を持ち始める面々。
脱北家族殺害命令で幼い子供まで殺すように命じられ、心揺れる母親役リーダー。
いつの日か報われると信じ長年家族と離れ、多くの人を殺害し、癌を患う舅役工作員。
国に残してきた妻を、父を恋しく思う父親役と娘役の工作員。
彼らを監視する工作員たちも、豊かな物質文明に馴れ、離れた家族へ思いを馳せる。

そして思いもよらぬ事態に、混乱し、失策し、窮地に陥る4人。
言いたいことを言い合う隣りの家族と関わるなか、次第に本物の家族のように
お互いを思いやるようになっていくが、非情な命令に引き裂かれる。
最後は壮絶で、涙がこぼれました。
家族を問う映画でした。


韓国には北からの工作員が潜伏し、本作に描かれているようなことが本当に起こっているのかどうか
私にはわかりません。
マンション群や近代的なビルが立ち並び、多くの外国人観光客が訪れる明洞や
若者でにぎわう江南などを見ていると、日本と変わらないなぁという気がしました。
しかし、未だ北とは終戦に至らず停戦中という韓国は大きなものを背負っているんだなぁと感じました。

同じく、北の工作員の悲哀を描いたカン・ドンウォン、ソン・ガンホ主演の「義兄弟」はこちら




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 ***** 見た 映画 *****

 10月22日 「レッド・ファミリー」@109シネマズMM横浜

         「アバウト・タイム」@横浜ブルク13

         「ミリオンダラー・アーム」@横浜ブルク13  

レイルウエイ 運命の旅路  The Railway Man

2014-05-16 | 映画 ら行
昨年末の安倍総理の靖国参拝を受け、今年の初めに駐英中国大使と駐英日本大使が相次いで
デイリー・テレグラフ紙に寄稿した論説でエリック・ローマックスと永瀬隆両氏の存在、
本作が4月に公開されることを知り、その流れで往年の「戦場にかける橋」を見ました。
   詳しいことはこちらです → エリック・ローマックスと永瀬隆

公開が始ったことは知っていたのですが横浜地区では「横浜ブルク13」のみ。
主演のコリン・ファレルも真田広之さんも、随分前からとても好きな役者さんです。
主人公エリックが日本軍の捕虜となり拷問を加えられたことでPTSDを患い、苦しみの中
憲兵隊通訳永瀬と対峙し和解するという重いテーマがどのように描かれているのか、
ちょっと胸がざわつき、見るのを先延ばしにしてしまいました。
公開終了前にと、断捨離の手を休め、重い腰を上げ見てきました。


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          レイルウェイ 運命の旅路 
                The Railway Man

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 < ストーリー >
鉄道好きのエリックは、電車で運命的な出会いをした女性パトリシアと結婚し幸せな生活を送っていたが
過酷な戦争体験の後遺症に苦しめられていた。
50年前、英国の通信兵として従軍したエリックは、シンガポール陥落後捕虜となり、タイとビルマを結ぶ
泰緬鉄道建設のために強制労働に就いていた。そこで秘かにラジオを作りBBC放送を聞いていたことで
スパイの嫌疑をかけられ拷問を受けたのだった。
夫の姿に心を痛めるパトリシア。戦友から拷問に立ち会っていた通訳永瀬が戦争体験を伝える為、
今もタイにいることを聞き、意を決してタイへと向かい…。

実話に基づくストーリーです。
原題は「The Railway Man」。このまま訳したら「鉄道員」で健さんの「ぽっぽや」に
なっちゃうから「レイルウェイ」にしたのかな?

戦争は「生きるか死ぬか?やるかやられるか?」の特殊な状況だから…ね。
国が勝っても負けても、人生を狂わされるという意味ではどちらの側にいてもみんなが被害者と
いえるでしょう。極限状態の中で行われたことを正義の名のもとで裁くことができるのか。

戦争がなければ、鉄道好きの利発な好青年であったろうエリック。
鉄道好きとメカに詳しかったこと、正義感が強かったことが災いし、過酷な拷問を受け
その傷を一生引きずることになる。

一方の永瀬隆も英語が堪能で一本気な青年だ。
拷問の場に立ち会ったことで、彼もまた人生の方向を変え、一生罪の意識を抱えて人生を
おくることになる。

何とも不幸で悲しいこと。
戦争を体験した世代は辛く苦しい思いを抱えておられる方が大勢いらっしゃったのだろうと
改めて思い知らされます。

冒頭のパトリシアとの出会いが素敵で、中年のロマンス映画かと思ってしまうほど。
彼女との出会いが、戦後の人生で唯一輝いていたというのは、悲しいけれどホッとします。

パトリシアの後押しを得て、タイに渡り永瀬と対峙。
戦後長らく抱えて来た、怒り・苦しみをぶつけ、なじるエリック。
しかし暴力に訴えることは思い留まる。
一方の永瀬も、この日のために生きてきたとエリックの怒りを受けとめる。
最後の一線を超えることがなかったのは、ふたりが共に品行方正な人だから。
そして互いの人格を認めることができたから。
憎しみは何も生まない。
再会後、ふたりは親交を深めたそうです。なかなかできることじゃないです。
戦争の辛く苦しい体験・トラウマを越えて和解に至ったお二人、支えた奥様の姿に
強く心打たれました。

主演の三人(コリン・ファース、真田広之、ニコール・キッドマン)は言うに及ばず、
ふたりの若い時を演じたジェレミー・アーヴィン、石田淡朗、
戦友を演じたステラン・スカルスガルドら、みなさん素晴らしいです。
        
尺八を使って和のテイストを取り入れた音楽が画面の緊張を醸し出していました。

この映画を通して、このお二人のストーリーが多くの人が知るところとなったのは良いことだと思います。



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 ***** 見た 映画 *****

 5月14日 「レイルウェイ 運命の旅路」 @横浜ブルク13

        「WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~」@109シネマズ横浜MM

LIFE!   The Secret Life of Walter Mitty

2014-03-03 | 映画 ら行
3月19日から公開の本作、久々に試写会に当選し六本木の試写室で見てきました。

ネットや携帯電話の普及に伴い、私たちの生活は驚くほど変わってしまいました。
そんな時代の流れの中で、新しく台頭する産業がある一方、衰退していく産業があって、
なんだかちょっと寂しさを感じます。
1998年公開の「ユーブ・ガット・メール」では大型ブックチェーンストアの台頭で、
古くから地域の人たちに親しまれた街の小さな児童書書店が廃業に追い込まれる話でした。
それからほんの10年ほどで、アマゾンなどネット書店の台頭で、規模の大小にかかわらず街の書店が
急激に減りました。私が住む地域でも次々と本屋さんが閉店、隣町にあった頼みの大型書店までもが
閉店し、クリーニングの取次店や家電量販店、果てはパチンコ屋さんに変わってしまいました。
そして今や電子ブックの時代となり、紙の本の存続が危ぶまれます。

携帯電話のカメラ機能が高くなり、旅行に行くにもデジカメを持たなくなってしまいました。
かつて大判の写真雑誌LIFEといえば時代を活写するシンボルのような雑誌だったのに…。
1936年創刊後、テレビに押され1972年に一時休刊、78年からは月刊誌となり休刊、復刊を繰り返し
2007年4月号を最後に休刊。いまはGoogleでアーカイブ検索ができるようです。


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          L I F E !  
                    The Secret Life of Walter Mitty

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本作はジェームズ・サーバーという方の短編小説で、1947年ダニー・ケイ主演で「虹を掴む男」という
タイトルで映画化されています。


 < ストーリー >
雑誌LIFEの写真管理部に16年席を置くウォルター・ミッティは地味で単調、平凡な日々を送っていた。
時々現実逃避の突飛な空想ばかりしている。ある日、LIFEがオンライン版に切り替わることになり、
大幅人員削減が始まる。最終号の編集に取り掛かる中、表紙を飾る写真がないことに気づくウォルター。
大事な写真を求めてカメラマンのショーンを探す波乱万丈の旅に出る決心をする。

   
                  ウォルター空想中~。後ろには新しい経営陣が・・・。

チラシに「STOP DREAMING START LIVING  空想するのを止めて、一歩踏み出せ」のコピーが
ありました。
若かりし頃、モヒカン刈りにし、スケートボードの大会で優勝、海外へ旅に出ようと準備をしていた時、
父の急死で家族を支えるために夢をあきらめたウォルター。
真面目に働き、変わりばえのない日々の繰り返しの中で、同じ会社で働くシェリルに恋心を抱くも
空想するばかりで、出会い系ネットe-ハーモニー経由でコンタクトを取ろうとするが上手くいかない。
廃刊騒動のなか、最終号向けにカメラマンから送られてきた表紙用のネガを求め、
グリーンランドからアイスランド、アフガニスタンへと命がけの旅を通して、
写真のネガの如くモノクロだった彼の人生がカラフルになり、忘れていた情熱を取り戻す。
この旅が奇想天外で、面白くってワクワクします。
   
「LIFE」のモットーは、
“To see the world, things dangerous to come to, to see behind walls, draw closer, to find each other,
  and to feel. That is the purpose of life.”なのですって。
「危険なことがあるかもしれないが、世界を見よ。近くによって、隠れている物に目を向けよ。出会うこと、感じること。 それこそが人生の目的だ」みたいな意味でしょうか? 素敵なモットーやないですか。
“quintessence of life”…「人生の真髄」なんて言葉も出てきます。
ちょっとクサい? いえいえ、あちこちギャグが効いていて、押しつけがましくなく笑いながら人生について考えさせられます。
そして見終わった後、何か新しいことに挑戦しようかなぁ~なんて気持ちにさせてくれる映画です。


オープニングやエンドロール、現実シーンに入り込む空想のCGシーン、凝ってます
アイスランドやアジアの山岳地の大自然の映像が何とも美しいです。
伝説のカメラマンを演じるのはショーン・ペン。
         
やっとカメラマンに出会えたシーンで、カメラを構えて待ち続けた動物の写真を撮ろうとしないカメラマンに
理由を聞くウォルター。ここでのショーンの台詞がいいんだわぁ~。(映画を見てチェックしてください)

ベン・スティラーの映画、やっぱり好きだわぁ~。




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ラッシュ/プライドと友情  RUSH

2014-02-03 | 映画 ら行
昨年末から映画館の予告編で、TVで盛んにCMしているロン・ハワード監督作品。
飛行機の中で鑑賞。
旅行の帰路、小さなモニターで見たので、レースの迫力は感じられず、旅の疲れで時々ウトウトしてしまって…何度か巻き戻してみたので、しっかりと内容を理解できたのか?ちょっと不安です


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       ラ ッ シ ュ / プ ラ イ ド と 友 情 

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 < ストーリー >
1976年F1世界選手権を舞台に、天才肌のレーサー、ジェームス・ハントと、冷静な頭脳派ニキ・ラウダの
火花散るレース争いと、事故、ふたりの友情を描いたヒューマンドラマ。

レースって危険だなぁ~、命を懸けてそんなに早く走らんでも…と、全く興味がなかったのですが、
叔父は車好き・レース好きで鈴鹿に見に行ったりしていたので、ひょっとしたらこの二人のバトルに
詳しかったかも知れません。


       ジェームズ・ハント            二キ・ラウダ
    --------------------------------
          英国人                    オーストリア人  
        天才肌・感情的・自由奔放           頭脳派・理性的・ストイック
       遊び好きのプレイボーイ             地味・家庭的 
   同じ性能のマシンに乗ったら絶対負けない!    マシンの性能も実力のうち。メカニックと協力
       マクラーレン                     フェラーリ  
           
                写真はそれぞれご本人(wikiより)
        
         演じているのは、クリス・ヘムズワース と ダニエル・ブリュール                                  
何とも対照的なふたり。
映画はドキュメンタリーのように、レース界に入る時から二人を辿り、ふたりの性格、私生活、
レースへの姿勢を丁寧に描きます。
そして1976年、F1でデッドヒートを繰り広げるふたり。
二キがポイントリードの中、コースコンディションの悪さから事故を危惧し中止を呼びかける二キに、
焦るハントは他のレーサーに決行を呼びかけ、レースは成立。
案の定、大事故が起こり二キが火だるまとなり大火傷を負う。
責任を感じるハントに、わずか42日の集中治療で奇跡の復活を果たす二キ!
謝るハントに「テレビで君の勝利を見て生きる闘志が沸いた。僕をここに戻したのも君だ」と言う二キ。
ええ台詞やねぇ~
ライバルだけれども、お互い相手の実力を認め相い、切磋琢磨する姿にジ~ン。

3点差で迎えた最終決戦の地は…なんと!富士スピードウェイだったのねー!そして豪雨
だったそうです。
果たしてこの年優勝したのは?
    
        どうしてもマイティー・ソーに見えてしまうクリス・ヘムズワース
               
                    包帯が痛々しい二キ。42日で復帰って…驚異的です。

私が全くレースの知識がないからなのか?
小さいモニター鑑賞でレースの迫力を感じられなかったからなのか?
ロン・ハワード監督で、同様に事実を描いた「アポロ13」のような滂沱の涙+感動~はありませんでした。
レースの緊迫感はやっぱり大きなスクリーンじゃないと…ね。


ハントの妻スージー・ミラーがハントと別れ話が進む中、エリザベス・テーラーの夫リチャード・バートンとの
不倫がマスコミを賑わし、離婚後バートンと結婚したということにビックリ!

二キの妻を演じたアレクサンドラ・マリア・ララが美しい。ルーマニア人でドイツで活躍。
     
愛を読む人」や「フェアウェル さらば哀しみのスパイ」などに出演していたそうです。

TVのCMで二人をKinki Kidsの堂本剛・光一両君が吹き替えを担当すると知りました。
飛行機内で本作は日本語で見たのですが、あの声は剛君と光一君だったのー?
全く気が付きませんでした。

因みに、
ハントは1979年レースから引退。引退後、解説者として活躍するも45歳の若さで心臓発作により急逝。
二キは1978年ラウダ航空設立。同じく1979年レースを引退するも、81年現役復帰、84年には3度目の
優勝をかざり、85年引退。解説他、現在もいろいろご活躍のようです。

 

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リアリティー 

2013-10-02 | 映画 ら行
タイトルの「リアリティー」は視聴者参加の「リアリティーTV」のことです。
素人の男女が共同生活する模様を映す番組でアメリカや英国で人気があるとは知っていましたが
イタリアでも人気なんですね。
日本でも「あいのり」なんて男女7人の若者の恋愛旅行番組が人気を博していましたっけ。

最近、イタリアらしい陽気で最後に胸にジ~ンとくる映画を何本か見たので、
本作も最後にジ~ンを期待してDVDをレンタルしたのですが・・・
途中から雲行きがあやしくなって、その展開にビックリ。
いやぁ~、人間の心はかくも脆いものなのか~!?っと、暫し茫然。
その展開にグイグイ引き込まれました。

本作は、昨年のカンヌ国際映画祭の審査員特別グランプリ受賞作品なのでした。

 
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               リ  ア  リ  テ  ィ  ー

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 < ストーリー >
ナポリで魚屋を営むルチャーノは妻と子供3人の陽気ナポリっ子だ。
ある日、家族にせがまれリアリティ番組「ビッグ・ブラザー」のオーディションに挑戦する。
1次選考を通過し、ローマでの2次オーディションに手応えを感じ、合格を信じて疑わない
ルチャーノは、ひたすら合格の報を待ち、ローマから来たという人や、身ぎれいな人を
番組が派遣した身上調査員だと信じ、ありもしない特典稼ぎの為に自宅の家具などを施し始める。
応援していた家族らも、次第に彼の異変を心配し、目を醒まさせようとするが・・・。

      
芸達者でいつも親族を楽しませる余興に興じるルチャーノ。
魚屋を切り盛りするかたわら、妻が営業する料理ロボット?(カエルみたい)を知り合いに買わせ
返品して営業成績をあげさせる詐欺まがいなことで副収入を得る陽気で計算高い男。
家族に強く薦められ、大して興味のなかった番組オーディションの1次審査に合格したばっかりに
人生があらぬ方向に転がり出す。

家族とルチャーノの番組への入れ込み具合が次第に逆転。
不合格だったんだとすっかり醒めてゆく家族とは反対に、
成功を信じるあまり夢と現実の区別がつかず偏執狂ぽくなっていくルチャーノの姿が
滑稽を通り越して、空恐ろしい。
陽気で気のいいごく普通の男が、ちょっとしたことがきっかけでのめり込み、
何を見ても「きっとそうに決まっている」と自分の都合のいいように解釈し暴走する。
怖いわぁ~。
ストーカーになったり、怪しげな新興宗教に入信するっていうのは、
こういうプロセスを辿るんだろうなぁ~。

善行を行えばとか、教会に連れて行って目を醒まさせようというあたりが、
カトリックの国イタリアっぽい。
主演のアニエッロ・アレーナの演技に、私も引き込まれました

それにしても主人公の家族、皆さん太いわぁ~!




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 ***** 見た 映画 *****

 10月1日 「鍵泥棒のメソッド」 DVD 堺雅人、香川照之、広末涼子主演

        「アウトロー」 DVD トム・クルーズ主演 ロバート・デュバル共演




ローン・レンジャー  THE LONE RANGER

2013-08-09 | 映画 ら行
先週末から公開が始まった本作。
火曜日の夜、ネットで席を予約した時は余裕だったのに、翌日映画館に到着した時には
既に満席になってました。やっぱり人気あるんだねぇ~。

もうすっかり白塗りの変なおじさんが定着してしまっているジョニー。
初めて予告を見た時・・・やっぱり今回も白塗りか~
ジョニー、いったいどこに向かってんの~?っとちょっと心配になったけれど、
ここ数作の不思議キャラの中では一番面白く楽しめました。
あまり期待してなかったからかも?


   ***************************

           ロ ー ン ・ レ ン ジ ャ ー

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 < ストーリー >
少年時代、白人に騙され復讐に燃える悪霊ハンターのトントは、不思議な白馬の導きと
自身の聖なる力によって、瀕死の検事ジョン・リードを甦らせる。レンジャー部隊の兄ダンを
何者かに殺されたジョンは、犯人を探すためにトントと手を組むが、法に基づく正義の執行を
求めるジョンと、手段を選ばないトント。マスクをつけ謎のヒーロー「ローン・レンジャー」
となったジョンは、不思議な白馬シルバーとトントに助けられながら悪に立ち向かう。

  実際に埋まってさそりが顔を這ったとか。
冒頭は「ナイトミュージアム」かと思っちゃいました。
1933年サン・フランシスコの見世物小屋に来た少年が、展示されたインディアン(年老いたトント)
から昔話を聞くという設定です。
トントの話に「それはおかしい」「ローン・レンジャーは銀行強盗なんてしな~い!」など
突っ込みを入れるこの男の子がかわいい~。
…ってことは、100年ほどの間に、すでにレンジャーは伝説化しているということか?

映画館は満席だったし、私は面白~い!と思ったのですが、
巷の評判はそれほどでもなさそうですね。ブロガーさんたちの評価は今一つ。
どうもアメリカ本国でも興行成績は芳しくなかったようです。
最期の列車を使ったアクションシーンなんか、うけそうだけれどなぁ・・・。
         
スケール感はさて置き、全体的にどこかで見た感はありました。
だって・・・本作はもともとリメイクなんだし、
西部劇といえば・・・カウボーイにインディアン、酒場の女に騎兵隊、
極悪非道なアウトローに裏切り者、善人ぶった街の権力者が実体は黒幕。
そして乾燥した広大な大地に列車のレールが西へ西へと建設中。
インディアンを装った白人の悪党が開拓者を襲い、正義の名のもとにインディアンの集落が騎兵隊に
蹂躙される・・・な~んてストーリーが相場と決まっているやないですか。
そんなお約束の中で、そうそう目新しい革新的なストーリーは無理じゃない?

1970年公開の西部劇「ソルジャーブルー」は衝撃的でした
「インディアン=悪者」というそれまでの西部劇のお約束をぶち破り、以降勧善懲悪の娯楽映画として
ノー天気に西部劇を楽しむことができなくなり人気が落ちていったように思います。
(「ダンス・ウィズ・ウルブス 1990」はヒットしましたね)

本作は、従来の西部劇のお約束を踏襲しつつ(インディアンは悪者として描かれていません)、
列車アクションはスケールアップ 
とぼけたジョニデ・トントも浮かず(復讐を胸に秘めているし)、
無法地帯で「法」を信じ戦うナイーブなハマー・レンジャーとの相性もいい感じ
悪党どもはマカロニウエスタンぽかったですね。
不思議な白馬シルバーも笑いを誘います。
            
とんでもなく暑い夏休み、家族みんなで楽しんでスカッと暑さをぶっ飛ばす
娯楽アクションコメディーとしては最高です。だってディズニー映画なんだもん。

レンジャーの登場シーンのテーマ曲はやっぱりロッシーニ作曲「ウィリアム・テル序曲」。
この曲を聞くと気持ちが高揚しますわ
「ハイヨー、シルバー」なんて往年の名セリフシーンも入ってます。
   
  昔のローンレンジャーとトント…トントが普通のおっちゃんです。
 
映画の最後で「トントってスペイン語でどういう意味か知っているか?」という台詞があったので
気になって調べてみたら・・・「間抜け」でした



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 ***** 見た 映画・ドラマ *****

 8月7日「ローン・レンジャー」@TOHOシネマズ海老名

 8月7日~9日 アメリカTVドラマ「アーミー・ワイフ ARMY WIVES シーズン1 全13話」ひかりTV 

ローマでアモーレ

2013-07-02 | 映画 ら行
前回の「グランド・マスター」を見た後、引き続き本作を鑑賞しました。
ウッディ・アレン監督はニューヨークからヨーロッパに作品の舞台を移し、
ロンドンからバルセロナ、パリ、そして本作はローマです。
それぞれの街の雰囲気がストーリーの中に色濃く活かされていて、
まるで観光しているような感じがうれしいです。
そしてイタリアはやっぱり陽気だぁ~!
アモーレ(愛して)!カンターレ(歌って)!マンジャーレ(食べて)! 


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         ロ ー マ で ア モ ー レ
                     TO ROME WITH LOVE

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 < ストーリー >
ローマを舞台に4つのエピソードが同時進行です。
・イタリア人と婚約した娘のもとを引退したオペラ演出家(アレン)と精神科医の妻がローマを
 訪れる。娘の婚約者ミケランジェロの父の歌手としての才能に目をつけ、オペラ界への
 復帰を画策するが・・・。

・恋人と同棲中の建築家の卵ジャック。恋人の友人が転がり込み次第に魅かれていくジャック。
 そんなジャックに忠告する建築家?亡霊?ジョン(アレック・ボールドウィン)。

・平凡な男(ロベルト・ベニーニ)がある日突然有名人としてレポーターに追いかけられ、
 TV出演し街中の注目を浴びることに。戸惑っていた男は次第にそんな環境に馴れるが・・・。

・田舎からローマに出てきた新婚カップル。妻は街で迷子になり、夫は部屋を間違って来た
 コールガール(ぺネロぺ・クルス)に振り回され・・・。


 
どのエピソードも素直に笑えるユーモアに溢れ、それぞれ独立した1本の映画になりそうな内容です。
そして主演クラスの俳優さんが登場します。
個人的には、平凡な男が突然有名人として追いかけられ戸惑いつつも、騒動が終わって
元の生活に戻った時に、ホッとしつつも騒がれなくなったことに不満を持つ姿や、
恋人の友人(エレン・ペイジ)に次第に魅かれてゆく男性(ジェシー・アイゼンバーグはやっぱり早口)
のストーリーが、人間の心理をついていて面白かったです。

本作に登場するイタリア人俳優さんたちも、イタリア映画で主役クラス。
ミケランジェロ演じるフラヴィオ・パレンティは「ミラノ、愛に生きる」に出演。
美形だわぁ~と思って見ていたら・・・あれ、博多華丸さんに似てる~。

道に迷った新婚の妻のエピソードでちょこっと登場する泥棒役のリッカルド・スカマルチョは
「あしたのパスタはアルデンテ」「昼下がり、ローマの恋」にも出演。

ウディ・アレンが登場するエピソードで葬儀屋を生業とする娘の婚約者の父の声が素晴らしい!
って思ったら。それもそのはず、何と!本物のオペラ歌手さんだそうです。
舞台にシャワーをセットし裸で洗いながら歌うって役どころをお引き受けになったわね~。
そして演目が「道化師」って!美声にうっとりしつつ、大いに笑わせていただきました




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リンカーン

2013-05-18 | 映画 ら行
楽しみにしていたスピルバーグ監督による「リンカーン」。
早く見たいと思いながら、連休中にも時間が取れず、休み明けにようやく鑑賞。
早くいかないと終わっちゃうんじゃない?と危惧しつつ、
公開から随分経っていたので席は空いているんじゃないかな~?と映画館に足を運びましたが、
意外にもほぼ満席だったのでした。

アメリカの歴史ってざっくりしか知らなくて…本作に登場する人物について知識があれば
もっと楽しめただろうなと残念です。
アメリカ人は自国の歴史のハイライト、最も人気の高い大統領のストーリーってことで
予備知識はバッチリでしょうから、評価は高いでしょうね。



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         リ ン カ ー ン

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 < ストーリー >
リンカーンが大統領に再選された1865年、南北戦争は4年目に突入した。
奴隷制度を葬り去る合衆国憲法修正第13条を下院議会で批准させるまでは戦いを終わらせないという
強い決意を持つリンカーン。憲法修正には議席の3分の2の票が必要であるが20票足りない。
そこで票を獲得するための議会工作に乗り出すリンカーン。
果たして20票を集め、修正第13条を可決することができるのか?

          

声をかくす人」「リンカーン/秘密の書」とリンカーンや南北戦争がらみの映画が続いた後、
いよいよリンカーンの実像に迫るという本作が、ダニエル・デイ=ルイスのアカデミー主演男優賞受賞
というおまけ…いえ、金看板付きで満を持しての公開でした。

伝記や歴史の授業で学んだリンカーンって、有名な演説と共に非の打ちどころのない立志伝中人、
その上、戦争終結直後に劇場で暗殺され非業の死を遂げた偉人という揺るぎないイメージがあって、
人となりや家庭人としての姿が想像できない感じ。
本作では息子の従軍を巡って、妻メアリーとの葛藤も描かれます。

妻メアリーを演じるサリー・フィールド

そもそも、南北戦争が起こった理由って何だったのでしょう?
一般的には「奴隷解放をめぐる南北の対立」という人道的美談色が強いけれど…本当にそうなのかな?
勿論、奴隷解放も一つの要因ではあるでしょうが、そのためだけに62万人もの犠牲者を出すまでの
激しい戦いをするでしょうか? 
やはり自由貿易か保護貿易かという南北の産業構造の違いによる対立(TPPの議論と被る?)と
南部連合の独立による国家分裂の危機というのが一番大きな原因なのでしょうね。
 
      

本作では合衆国憲法修正第13条(公式に奴隷制を廃止し、奴隷制の禁止を継続すること)に
焦点を当てているので、どうしても奴隷解放こそが南北戦争の主因という印象を与えてしまいます。
そこにちょっと異議をはさみたくなりました。
それというのも先日NHKで放映された「オリバー・ストーンが語る もう一つのアメリカ史」の
第2回「ルーズベルト、トルーマン、ウォレス」第3回「原爆投下」を見たからです。
「原爆投下」の真の目的はスターリン率いるソ連への牽制だったという事実。
よく言われる「戦争を早期に終結させ多くの命を救う為」だったという理由が表向きという
ことはわかっていたけれど、正式な戦争終結前に連合国同士の間で アメリカ ソ連 の
前哨戦として、ソ連にアメリカの核兵器の威力を見せるために原爆が投下されたというのは
少なからずショックでした。(はい、私はナイーブです)
トルーマンでなくウォレスが大統領になっていれば・・・。
自明の事ではありますが、歴史はその時の為政者の都合で書き換えられるということを
再確認しました。遠い過去のことではなく自分が生まれるちょっと前のことなのに・・・。
そんなショックを引きずっていたので、62万人もの人が犠牲となった南北戦争の歴史も
何が本当なのかしら?と考えこんでなかなか筆が進まなかったのです。
(見てから10日も経ってしまいました。)

とは言いつつも、見応えのある映画でした。
本作のハイライトはリンカーン派の議会工作と下院での票決です。手に汗握ります
賛成・反対の狭間で揺れる議員たち。「裏切り者!」の罵声と対立側の拍手。
「3分の2」と「過半数」って大きな違いがありますよね。
今まさに日本の国会も憲法96条を「3分の2」から「過半数」の改正で揺れています。
「3分の2」という数字は党を超えての賛同がなければ成立しないですものね。
過半数だと、党議拘束をかければ与党で可決しちゃいますよね。


1865年1月31日の採決で119対56で13条は可決され、順次各州が批准しましたが、
最終的にケンタッキー州が批准したのが1976年、ミシシッピー州に至っては1995年って!
リンカーンが可決の為に行った秘策以上にビックリな事実です。
アメリカって・・・不思議な国です。

共和党と民主党の支持基盤が今とは逆になっているのも不思議です。いつからよ?



「スター・ゲイト」のジェームス・スペイダーが共和党議員役で出演していたことに全く気付きませんでした。
TVドラマ「ボストン・リーガル」ですっかり太ってしまっているのは知っていたけれど、
全く気付かないほどっ・・・




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 ***** 見た 映画・TVドラマ *****

 5月13日 「ドクター・フー シーズン4 ①」ヒカリTV

 5月15日 「ドクター・フー シーズン1 ①~④」ヒカリTV

 5月16日 「桃さんのしあわせ」 DVD 香港映画 アンディ―・ラウ主演

        「思秋期」 DVD 英国映画

理想の出産

2013-04-09 | 映画 ら行
最近、出産をテーマにした映画が多いですね。
先日見たキャメロン・ディアス主演の「恋愛だけじゃダメかしら?」も出産ドタバタコメディーでした。

本作は、フランスでベストセラーになった作家エリエット・アベカシス氏の自伝的小説を基に、
出会い、妊娠、出産、育児にまつわる現実をリアルに描くドラマです。
出産を控えている若いカップルの方々に是非見ていただきたい映画です。



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     理 想 の 出 産    Un heureux evenement

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 < ストーリー >
大学院で哲学を学ぶバルバラは、ビデオショップのアルバイターのニコラと恋に落ちる。
間もなく彼女は妊娠し、母になる喜びと同時に予想外の体の変化や将来への不安に戸惑う。
無事に女の子を出産し親子3人の新生活が始まるが、夜泣きや世話に振り回され、
育児に対する意見の違いなどから夫婦の仲は次第に悪化し・・・。

本作はフランス映画なので、結婚という過程については描かれていません。
出会って恋に落ち、出産という流れです。
見終わってから「そういえば、結婚の話はなかったな~」と気が付きました。
また、主人公のお母さん世代の出産・子育てとのギャップはさ~すがフランスです。
母になって分かり合える、母親と娘の関係の描かれ方が素敵です。


ビデオショップでのハートマーク飛びまくりのキュートな出会いからラブラブの日々。
妊娠によるつわりの苦しみ、ホルモンバランスの乱れで訳もなく泣いたり笑ったり、落ち込んだり。
そして出産時のてんやわんや
出産後、睡眠不足、仕事と育児で目一杯。次第に苛立ち、互いを思いやれなくなっていくふたり。
非常にリアルで、あまり描かれてこなかった妊娠、出産、子育ての大変な現実を描いています。

子供が生まれることで、広いアパートに移るため、夢を諦め定職に就く二コラ。
一方のバルバラは予想外の身体の変化に翻弄され「誰もこんなことになるとは教えてくれなかった」と
愚痴をこぼす。
出産後、理想の子育てに囚われ完全母乳や抱っこひもにこだわり疲れ果てるバルバラ。
人口栄養を取り入れ、双方のお婆ちゃんたちに助けてもらったらというニコラに反発し、
尚一層追い詰められる。

OECD諸国の中で、出生率を伸ばしたフランスでは子育て支援に手厚いと聞いていましたが、
出産・育児の現実は日本とさほど変わらないのねぇと思いました。

肩の力を抜いて、頼れるものは頼って、子育ての日々を楽しめたらいいだろうとは思いますが、
残念ながら、そんな風に思えるのは、そんな大変な日々が過ぎ去った後なんだなぁ~。
その時は必至で、自分のこだわりを譲れず、天使のような赤ちゃんが疎ましく思えたりしちゃうのよ

フランスでは別れたカップルの25%が第一子が生まれた直後に別れているらしいです。
出産や育児に疲れ、子育てで意見の対立などパートナーとの関係悪化に悩む女性が多いのですね。
ニコラはかなり優しいパートナーだと思いましたが・・・。

原題の「Un heureux evenement」は「幸せな出来事」という意味のようです。
バルバラとニコラにとっては「雨降って地固まる」幸せな出来事だったようです。
出産がふたりにとって「幸せな出来事」になるよう、本作を見て前もってシミュレーションしておくと
いいんじゃないでしょうか。
         
      ニコラ(ピオ・マルマイ)        バルバラ(ルイーズ・ブルゴワン) 

バルバラ役は「アデル/ファラオと復活の秘薬」のルイーズ・ブルゴワン。
ルイーズは本当に妊娠中?と思えるほど、特殊メイクで妊婦の身体になってます。
裸になっても作り物とは思えないほどの出来栄えです。




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 ***** 見た 映画 *****

 4月 4日 「アイアン・スカイ」DVD 
           月の裏側に逃げていたナチス軍が、地球侵略のため舞い戻るトンでも映画

 4月 8日 「私は、ラブ・リーガル シーズン3 ①②」DVD

        「理想の出産」 DVD 
    

リトル・ダンサー  Billy Elliot

2013-03-12 | 映画 ら行
すっかりご無沙汰いたしました

旅から帰って一段落し通常の生活に戻ったものの、期限の迫る懸案事項が気にかかり、
なかなかブログに向かえませんでした。
もともと筆不精なので、一度書くということから遠ざかるとリズムを戻すのに
時間がかかってしまうんです
その上、花粉症が始まりました。例年薬なしでも乗り越えられる程度だったのですが
今年の花粉は多いようで、くしゃみと目のかゆみに悩ませられています。
花粉症のくしゃみはかわいくない
力一杯激しいおっさんくしゃみの連続で、ちょっと恥ずかしいです

昨夜、懸案事項をやっと終え、ようやくブログに向かおうとしたら・・・
NHKBSで2000年製作の絵英国映画「リトル・ダンサー」が始まりました 
大好きな映画の一つです。
横目で見ながらパソコンに向かっていたのですが・・・やっぱりこの映画はスルーできない。
テレビの前に移動し、ティッシュの箱を抱え、ボロボロ泣きながら最後まで見てしまいました。
いい~!
やっぱりこの映画はいいなぁ~!


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         リ ト ル ・ ダ ン サ ー  Billy Elliot

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 < ストーリー >
1984年、英国北部の炭坑町に住む11歳のビリーは炭坑労働者の父と兄、軽度の認知症の祖母と
暮している。母親は亡くなっており、ビリーが祖母の面倒を見ている。父の意向でボクシング教室に
通っていたが、偶然目にしたバレエ教室に惹かれ、女の子に混じって練習するうちに夢中になる。
ビリーの才能に気付いたウィルキンソン先生は熱心に指導するが、父は激怒し止めるよう言い渡す。
炭鉱のストライキが長引き町中が暗く沈むクリスマスの夜、親友の前で踊るビリーの姿を見て、
息子の才能に気づいた父は、ロイヤル・バレエ学校に入学させる費用を稼ぐため、スト破りを決意する。
ロイヤル・バレエ入団のオーディションを受けに、初めてロンドンに行くビリーと父。そして・・・。


1980年代はサッチャー政権のもと、経済立て直しの思い切った改革が吹き荒れた時代。
不採算炭鉱の閉鎖が決定され、全国炭鉱労組はストを繰り返し、政権と全面対立の後敗北。
舞台となった1984年、そんな英国の厳しい社会背景を反映してます。

長く続く不況とストで経済的に苦しい炭鉱労働者たち。
ミドルクラスのバレエの先生の夫もリストラにあい、夫婦関係はぎくしゃくしている。
苛立つ大人たちや暗く沈む町の空気を肌で感じる子供たち。

ひょんなことからバレエに目覚めるビリー。
「バレエなんて女がやるもんだ。男ならボクシング」という保守的な空気の中、
踊りたいという自分の欲求に素直に、密かにレッスンを受け続けるビリー。
心の中に渦巻く色んな気持ちって…大人でもなかなか言葉にならないですよね。
怒りとか悲しみ、やりきれない思い、踊りたいという願望を、身体全体で爆発させる
ビリーの踊りや表情が、いいんだわ~。

未来のない炭鉱にから身を投じるのは長男と自分だけでいいと、悩んだ末にビリーの未来を
切り開こうと、仲間を裏切るスト破りを決行する父の愛。
父の覚悟を知り、カンパをしてくれる炭鉱夫仲間たち。涙が…止まらんわ。

ロンドンのロイヤルバレエ学校の明るく豪華な建物や生徒たちの上品な立ち振る舞いの中で、
戸惑うビリーの行動。あちゃぁ…あかん。
落ちたな…っと思ったところで、審査員の最後の質問に答えたビリーの言葉に、また涙。

結果を待つ家族の落ち着かない様子。
徘徊していた婆ちゃんがすっかりしっかりしちゃったりして。
ロンドンに旅立つビリーに、父や兄、親友マイケルとの別れのシーン。
男ばかりの不器用な家族の愛の表現に、ストーリーを知っているのにも関わらずまたまた涙。

暗く沈んだ炭鉱町で、
未来に向かってロンドンへ旅立つビリーと、
再開された炭鉱のエレベーターで暗い地下に降りていく炭鉱夫たちのコントラストが
うまいなぁ。

        
当時14歳だか15歳だった主演のジェイミー・ベル君も今や26歳。
光陰矢の如しです。
もう踊らないのかな?


この映画を基にした舞台「BILLY ELLIOT」は現在もロンドンで上演されていました。




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ライフ・オブ・パイ   トラと漂流した227日

2013-02-19 | 映画 ら行
映画館をチェックしたら3Dは吹き替えが多くて・・・字幕版で時間帯もよかったので
TOHOシネマズMM横浜で鑑賞しました。

今まで、3D映画は109シネマズで観ることが多かったので、マイ3Dメガネを持参したのですが
TOHOシネマズでは専用の重いメガネを着用とのこと。
近視のメガネの上に3Dメガネを付けるので、後半は重さが気になって・・・指で支えました。
その上みぞれ降る寒い日だったからか、後半トイレに行きたくなって…集中力が落ちました


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        ラ イ フ ・ オ ブ ・ パ イ 
                トラと漂流した227日 

    ********************* 

 < ストーリー >
1976年、インドで動物園を経営するパイの一家はカナダへ移住するため動物と共に日本の貨物船で
太平洋上を航行中、嵐に遭遇し船は難破してしまう。唯一生き残ったパイが乗り込んだ小さな救命ボートには、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、そしてベンガルトラが乗っていた。
ほどなく、ボートにはパイとベンガルトラだけが残る。
残り少ない非常食、肉親を失った悲しみと孤独、そのうえ空腹のトラとの危険極まる共存の中
知恵を絞るパイ。彼は助かることができるのか…。


原作はカナダの作家ヤン・マーテル。
英国でブッカ―賞を取った文学作品だったのですね。
吹き替えが多いことから子供向けなのかなぁ?と思いつつ、トラと漂流した少年の冒険譚と思ってみたら・・・
えっ、どういうこと?っと混乱。
見終わってからあれこれ思い出しつつ考え込んでしまいました。

子供の頃の話に随分時間が割かれていて、
彼がπ(パイ)と呼ばれるにいたったストーリーや、彼のユニークな宗教感、
動物園を経営する父から学んだ猛獣との距離感など、
トラとの漂流譚に生きてきます。

 
                
その素晴らしい映像美と、トラとの駆け引きのなかでみせるパイの知恵に、
すっかり魅了されていると・・・ある島にたどり着き上陸。
これで何とかなるのかな?と思ったらミーアキャットが大量に生息する浮き島。
ミーヤキャットって・・・アフリカのサバンナに生息やなかったっけ?
これって、やっぱりファンタジー系?と思った途端に・・・えっ、そんなこと、あり~!?

トラと共に、またまた海へ漕ぎだすパイ。
そしてメキシコにたどり着き救出される。
トラのリチャード・パーカーは何の未練もなく藪へと消え・・・。

メキシコのベッドで日本の保険会社の調査員に信じがたい冒険譚を話し、
信じてもらえないと知るやもう一つの話をするパイ。
これもまた、信じられないような話。
    大人になったパイが彼の人生をカナダ人作家に語る。

本当のところはどうなんだろう?
実話ではないようなので、本当はなんてこと自体ナンセンスなのでしょうが、
無力な人間が自然と対峙し空腹と孤独という極限状態に追い込まれるであろう「漂流」という
シチュエーションの中で、何が起こるのか?
人間の業をファンタジーという形式を持って「sugarcoat」したお話のようです。
sugarcoat・・・オブラートで包むというより、一見ファンタジーに見える「砂糖がけ」。

ファンタジーと思ってみたら・・・何やこれ?
最初からしっかり見ないとわかりません。
もう一回、目をかっほじってしっかり見てみたい映画でした。
美しい映像を楽しむのもいいけれど、美しさに騙されたらあかんねぇ。
なかなか深い、大人向けの映画でした。 


 
  CGを駆使した本物と見まがうベンガルトラ。
シマウマとかハイエナとか・・・あやぁーーーというシーンがありますが、CGですよね?
でないと、動物愛護団体から糾弾されますよね。

最近、フランスの税金の高さに、ロシア国籍を取得したことで話題になった
ジェラード・ドパリュデューがコック役でワンシーン登場します。



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LOOPER

2013-01-26 | 映画 ら行
公開して間がないというのに、ブルース・ウィリス主演の「ダイ・ハード/ラスト・デイ」の方に
世の注目は集まっているようですが、巷の評判が良いようなので見てきました。

映画館の予告編で、どうも近未来のタイムトラベルものってことだけしか知らなかったので
「ポール・ダノ、カッコよくなったなぁ」「あら、エミリー・ブラントも出演していたのね」とか
「お気に入りの『コバート・アフェア」のパイパー・ペラーゴも出てたんだ」とか、
うれしい発見がありました。
      
    ポール・ダノ            パイパー・ペラーゴ 本作ではこんな明るい表情はなし
パイパー・ペラーゴは「コバート…」とあまりにキャラが違うのでちょっとビックリ。
それ以上に驚いたのが彼女のぺったんこ胸。キーラ・ナイトレーといい勝負というか、
外国人でこれほど胸が無いって…セクシーな役どころで胸も露わなのですが、
あまりのなさにトップレスであるという意識すら起こりませんでしたわ。


   **************************

            L  O  O  P  E  R

   ************************** 

 < ストーリー >
2044年のカンザス州。未来からタイムマシンで送られてきた標的を消す「ルーパー」と呼ばれる
殺し屋ジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)。ある日、ジョーのもとへ送られてきたのは、
30年後の自分(ブルース・ウィリス)だった。未来の自分の殺害をためらい逃がしてしまった
ジョーは必死に追跡。その後、未来の自分から、危険を冒してやって来た理由を明かされ……。


タイムマシンものってちょっと複雑。
でも…現在の自分が未来の自分や過去の自分に出会ったらいけないんじゃなかったですか?
何だか巨大なエネルギーが発生しとんでもないことが起こるとかなんとか?
「バック・トゥー・ザ・フューチャー」でも会わないようにしていた記憶があるのですが…。
本作ではバッチリ出会ってバトルまで。エネルギー爆発は無かったようです
        フランスでなく上海へ
         
宙に浮くバイクなんかも出てくるのですが、ルーパーが標的を射殺する場所が畑だったり、
後半は「フィールド・オブ・ドリームス」のようなコーン畑の横にある農場のシーンで、
時々浮浪者ホーボーが迷い込むとか、「ん?近未来だったよね?」と少々混乱。
そもそも、近未来の暗黒街の話ということや、法律で禁じられているタイム・マシンを
使っているのは犯罪組織で、ルーパーたるジョーが時々点している目薬のようなものは
ドラッグだったということがわかっていないとちょっと辛い。

そういう設定が不思議な雰囲気を醸し出している気はしますが、
未来のジョーが戻ってきた理由あたりから、
「ターミネーター」とTVドラマシリーズの「HEROS」を思い出しました。
そう、近未来は超能力のようなものを獲得している人たちがいるんです。

自分の生い立ちを鑑み、負の連鎖を断ち切るためにジョーが下した決断とは?


  エミリー・ブラントはさしずめサラ・コナー
都会的なイメージだったエミリーですが、ジーンズにTシャツで息子を守る母親役でイメチェンです。

  
  特殊メイクでブルースに似せたジョセフ         素顔のジョセフ
30年後の自分を演じるブルース・ウィリスに似せるためメイクし、仕草や話し方まで研究した
そうですが、この特殊メイクは必要かな?似ていると思えないし、特殊メイクまでして変えなくても…。


タイムトラベルで思い出したのが子供の頃見たTVドラマ「タイムトンネル The Time Tunnel」。
グルグル渦巻きのようなチューブ状のところからいろんな時代にタイムトラベルしましたっけ。
見てみたいな~。






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  ***** 見た 映画 *****

  1月22日 「トータル・リコール」DVD コリン・ファレル主演

 1月23日 「LOOPER」 @TOHOシネマズ海老名

         「TED」 @TOHOシネマズ海老名