映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

世界一美しいボルドーの秘密 Red Obsession 2013

2015-07-23 | ドキュメンタリー
     

20代の頃はお酒強かったのですが…
あまり飲まない時期を経て、若かりし頃の勢いで飲んで、初めて二日酔いというものを経験しました。
えっ、この頭痛とムカムカ感はなに?!二日酔いってやつ?
体調が悪かったんだぁ~っと再挑戦し、またまた気持ちが悪くなり、
やっとお酒に弱くなったんだ~っと気が付きました
飲めなくなったのではなく、まぁ普通。強いわけではないというレベルです。
一番好きだった日本酒がいけません。日本酒を飲むと頭痛・ムカムカです。
そんな訳で、ビールとワインを嗜んでます。
これまた不思議なことに、白ワインが好きだったのに、あるときからすっかり赤ワイン派になりました。
何があったわけでもないのに、渋くて苦手だった赤ワインを美味しいと感じ、スッキリ感が好きだった
白ワインがなんだかなぁ~と美味いと思えなくなりました。
何なんでしょうね? 未だ謎。加齢による味覚の変化でしょうか。
お酒好きの年上の女性の友人数人にリサーチするも、そんな変化はないとのこと。ムムム…。
そして私は赤ワインを適量楽しんでいます

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         世 界 一 美 し い ボ ル ド ー の 秘 密
 
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フランス ボルドーワインのビジネスの側面と赤ワインに魅せられた人々を追うドキュメンタリー。
2000年前にボルドーにブドウ峨伝えられ以来何世紀にもわたって育み守り続けられたボルドーワイン。
子供を育てるがごとく、恋人に愛を語るがごとく愛情を持って関わっていると篤く語るシャトーCEOたち。
受け継がれた歴史であり、魂であり、スタイル・DNAなのだと。
自らもワイナリーを持つコッポラは「単なる農産物でなく『奇跡』だ」と語ります。
ワインの味を左右するのは、気温・雨量・日照に風。
ワインの格付けを初めて命じたのは、かのナポレオン3世(1885年)だそうです。
ヴィンテージと言われる物は100年に5回ほどしか出ないそうなのですが、1961年、1982年、
次いで2009年と2010年は連続で当たり年だったそうです。
そして飲み物というより投資対象になり、1982年以降は株や金よりワイン投資の方が分がいいとか。
投資ったって本来飲み物だし、飲んだら終わりでしょ?長く置き過ぎたら品質が変わって酢になるよ
と思うのですが…。
1本500ユーロ、12本入りケースが40000箱→2億4千ユーロ。ざっとこんなもんさと笑いが止まらない
輸出マネージャー。買っても箱を開けずに数年寝かせて転売すれば大儲けさ~。
2010年物の価格は2009年の4割増し!値段の高騰と金融危機で従来の顧客が離れ、代わりに登場
したのは・・・そう、中国人。そして価格は一気に急上昇
中国人にとって、ワインは成功の証。中国人はやっぱり「爆買い」ですわ。
家に飾った大量のボトルを前に、一番高いワインは1本50000ドルと言って高笑いするおっちゃん。
中国人の好みのシャトーは「ラフィット」と「ラトゥール」だそうです。
中国人の縁起担ぎに合わせ、2008年のボトルに縁起の良い漢字「八」の付けて媚びるフランスシャトー。
80ケース(1億5千万円)を即決、キャッシュで支払った人がいるって
香港のオークションで1本150万ドルで落札したわと笑顔で語る女性は一体何者?!
欲しいものは絶対だれにも渡さない、自分の物にするのが目的で飲むかどうかも分からないと。
そして次に起こるのは・・・?    偽造です。
有名シャトーの空瓶が500ドルで売買されるので飲み終わったら瓶を割るか持ち帰るという件の女性。
皮肉なことに偽造品がでるのは価値ある高級品の証と苦笑いするフランスのシャトーオーナー。
模倣は偽造ではなく、素晴らしい作品への尊敬の証だという中国人。
そして…なんと中国にフランスそっくりのシャトーを作る者。(真似ではなく自分のイメージだと胸を張るオーナー)
フランスのシャトーを買い、熟練の職人を雇いフランスで生産したワインを中国で売る者。
中国本土で本格的にワイン生産を行う者。
最大顧客がいつの間にかフランスワインのライバルに。
40年後には巨大マーケットの需要を満たすべく、中国は世界最大のワイン生産国になるだろうと。
実際、西部の砂漠地帯の自治区に巨大プラントができ、2011年中国ワインが国際的な賞を受賞!
一方、2011年ボルドーは気候不順で不作となり価格は大暴落。バブルは弾け中国人のボルドー熱も
陰りを見せる。狂乱の時は過ぎ、祭りの後はなんだか物悲しい。
ボルドーワイン生産者の落胆と長い歴史の中浮き沈みを繰り返し生き残ってきたんだからという矜持で
本作は幕を閉じる。

クリス・パイン主演の「ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡」では1976年のテースティングで
ボルドーワインがカリフォルニアワイン惨敗という事件が描かれています。
今やドイツ、イタリア、スペイン、オーストラリアに加えニュージーランドにチリやアルゼンチン、南アフリカなども存在感を高めているようです。今では中国には2000に迫るワイナリーがあるそうです。
いまアルゼンチンワインがお気に入りなのですが、本作を見て一度中国のワインを試してみたくなりました。

日本語タイトルからボルドーワインの歴史のような展開かと思ったのですが、さに非ず。
原題の「RED OBSESSION 赤い執着」(このREDはワインの赤と中国とかけてあるんでしょう)は
本作にピッタリです。
ワインを通して人間の果てしない欲望が生む価格の暴走と偽造、バブル崩壊という経済の流れと
中国人の逞しさを学んだ気がします。
爆買いは「超過需要」をうみ、様々な混乱を招きます。
中国人の各国での爆買いはいつまで続くのか?その先にあるものは?

日本各地で繰り広げられている炊飯器やウォシュレット、化粧品から医薬品、お菓子などの爆買いは
今後の日本経済にとって吉と出るのか凶と出るのか?
面白いドキュメンタリーでした。

ナレーションはラッセル・クロウです。



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世界の果ての通学路

2015-04-04 | ドキュメンタリー
道なき道を何時間もかけて通学する世界の子どもたちを追ったフランスのドキュメンタリーです。

思い起こせば、わたし小学校に行くのに徒歩+バスで小一時間でした。
大阪市内に住んでいましたが、バス停まで15~20分位だったでしょうか?
そこから朝の混雑したバスで停留所4~5つほど。首から定期券をぶら下げて6年間通学。
4つ年上の姉と一緒だったので心強かったのですが、姉は幼稚園から一人で同じルートを通ったと
大人になってから知り、そんな小さい子供を親はよくもまぁ通わせたもんだと驚きました。
後ろから乗って前から下車するので、乗り過ごさないよう大人をかき分けて運転手さんの横に
陣取っていた記憶があります。帰りは牛舎を覗いたり、ザリガニ釣りなど道草が楽しかったなぁ~。
今では考えられないですよね。平和な時代でしたわね。

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         世 界 の 果 て の 通 学 路

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本編のほぼ9割は4つの国の子供たちが通学する様子を淡々と活写。
最後に、そうまでして学校に行く意味と将来の夢を子供たちが語ります。

・ケニヤのジャクソンは11歳。 将来の夢はパイロット。
    野生のゾウやキリンが生息する片道15㎞のサバンナを、妹と早歩きで2時間。
  

・モロッコのザヒラは12歳。  将来の夢は医者。
 女子の教育に理解のないアトラス山脈の村から、片道22㎞を友人と3人徒歩で4時間かけて寄宿舎へ。
   

・アルゼンチンのカルロスは11歳。将来の夢は獣医。 妹の夢は学校の先生。
    岩山やパタゴニア平原を馬に乗って片道18㎞を妹と1.5時間。
     
・インドのサミュエルは13歳。 将来の夢は医者。
    足の悪いサミュエルを車椅子に乗せ、弟ふたりが押して・引っ張って片道4㎞を1時間15分。
     
            

どの子の通学路も危険がいっぱい。
ゾウに襲われないように、足を踏み外さないように、車いすのタイヤを砂地に取られながら、
過酷な道程を学校目指してひた向きに進む。
妹の面倒を見、足の悪い兄のために文句も言わず車椅子を押す弟たち。
みんなとってもいい子たちなのよ。
何がこの子たちを決死の覚悟で学校へ通わせるのか?
それは・・・しっかり勉強して、将来を切り開き、夢をかなえたいから。

なかなか言えることじゃないです。
この子供たちはキラキラ光る瞳で、学ぶ喜びを、将来の夢を、親への感謝を熱く語るのです。
感動しました!
過酷な環境が、子供たちを素直で思いやりのある子に育て、
学習に対するモチベーションを高めるのか?

この映画を日本の子供たちに是非見てもらいたい!
でも…「ありえな~い!」とか「そんな不便な所に住む意味が分からない?」とか言われちゃうかな?
いや、ネットが使える環境にあれば世界のどこからでも大学教育を無料で受けられる昨今、
「通学」なんてこと自体、必要がなくなるのかも?

15年後、20年後、この子たちがどんな大人になっているか? 知りたいなぁ。 


 
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 ***** 見た 映画 *****

 4月 1日 「世界の果ての通学路」DVD

 4月 3日 「ゴーン・ガール」DVD ベン・アフレック、ロザムンド・パイク主演

天空からの招待状 Beyond Beauty

2015-02-05 | ドキュメンタリー
昨年末、久しぶりに会う友人とシネマート六本木で本作を見て、ティム・バートン展へ行くはずが、
残念ながらキャンセルとなり、バートン展もいつの間にか終了してました
六本木は遠いなぁ~と諦めていたところ、横浜で公開しているのを発見!
横浜みなとみらい地区にあるブリリアショートショート劇場です。ここに来るのは初めてです。
短編映画好きの別所哲也氏がショートフィルム専門シアターとして設立したという劇場で、
よく行っていた109シネマズMM横浜から海側へ、高層マンションの立ち並ぶ住宅エリアの中にありました。
109シネマズより海側に行ったことがなかったので迷いました。
住宅エリアだと思うのですが、歩いている人がほとんどいなかったのです

今週末は別所哲也さんとリリコさんのバレンタイン?トークショーがあるようで
チケットは完売とのことでしたが、本作上映のお客さんは疎ら。
7周年ってことでしたが、お客さんがこんなに少なくて大丈夫?っと、ちょっと
心配になりました。
よく通った109MM横浜が先月末で閉館しちゃったからなぁ・・・残念です。

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         天 空 か ら の 贈 り 物

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うん十年前のことですが、私の初の海外旅行は台湾でした。
沖縄から船で台北に着き、故宮博物館、高雄、日月潭、最南端の岬(鵝鑾鼻 がらんび)、花蓮など
ぐるっと一周したのです。戒厳令下で海に向かって写真を撮ってはいけませんっと注意されたのを
覚えています。
台湾全土を空撮する映画を撮ってもオッケーって、時の流れを感じます。

全編空撮で台湾の現在の姿を映し出すドキュメンタリーです。
長年、航空写真家として空から台湾を撮り続けてきたチー・ポーリン監督。
険しい岩山群や穏やかな緑の山々、島国台湾の海岸、田園など美しい自然の風景、
畑で働く人々や台北101に象徴される都市を、上空からダイナミックに、
まるでモーターパラグライダーに乗って飛んでいるような感覚で見せてくれます。

ところが、美しい自然だけではなく、中盤からは工場の煙突から吐き出される煙や、
廃水で赤く染まった河川といった今ここにある現実の危機にも目を向けています。
    
美しい自然に目を奪われ、同時に環境を破壊していく人間の営みを見せつけられます。
そんな中、昔ながらの農法に取り組む人たち、収穫を楽しむ人々の暮らしをみると
とてもホッとしました。
       

日本のテレビ番組で上空から都会の街並みを眺めるってのがありますが
四季折々の山や海岸、美しくも険しい大自然なども合わせて
日本版「天空からの招待状」も見てみたいですね。

高度成長期の開発に沸く国々の空撮映像は自然と破壊のコントラストがより強烈に
写し出されます。日本ならさしずめ60年代~70年代でしょうか。

本作はぜひ大スクリーンで見ていただきたいです。




 
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 ***** 見た 映画 *****

 2月4日「天空からの招待状」@ブリリア ショートショート劇場

     「おみおくりの作法」@横浜ジャック&ベティ

私が靴を愛するワケ God Save My Shoes

2015-01-20 | ドキュメンタリー
久しぶりのアップです。
以前は、頻繁に映画館に足を運び、家ではレンタルしたDVDやひかりTVのオンデマンドで映画やドラマを
楽しんでいたというのに・・・。
昨年末から何やかやとバタバタしたせいで、すっかり生活リズムを崩しています。
そうなると、元々の筆不精が顔を出し、書くこと自体が億劫になってしまってました
いかんなぁ~。
何やかやも一段落。少しずつ元のペースに戻していきます。

そこで久々に見たDVDが本作、ドキュメンタリーです。
靴をこよなく愛する有名人の方々がたくさん登場、靴への思いを篤く語られます。
また、ルネッサンスの時代から現代のハイヒールに至るまでの靴の歴史を心理学・社会学的分析を
交え、実際に靴をデザイン・製作している有名ブランドのデサイナーたちへのインタビューも加え、
靴の魅力、何故女性は靴に魅了されるのか?を解きほぐしていきます。

女性は素敵な靴を履くだけで心が浮立ちます。いや痛くて履けなくても所有することで快感~
感じることができるのです。

私は靴を沢山持っているわけではないし、強い思い入れもありませんが、
たま~にトキメクことがあります。やっぱりおしゃれな靴は履きたい!です。
左足が外反母趾なので、もう先の尖った靴やヒールの高い靴など、痛い靴は履けません
これがトキメイタ靴です。
           
 左のはかかとがピアノの足、紐を結ぶS字の部分はト音記号を表してます。
 右の靴は白い襟にネクタイで、かかとが都会のビルをイメージしたそうです。
 長時間は履けないのでなかなか出番がないのですが、お気に入りです。
 どちらも「チョケチョケ」という日本の若いデザイナーの靴だそうで、ヒールがユニークです。
 トキメキませんか? まぁ、私のトキメキのポイントは本作に登場する女性たちとずれてるようです。
 彼女たちはヒールの高いセクシーな靴にトキメイテいますから。

アメリカ女性は年に7~8足の靴を購入するそうです。
フランスヴォーグ誌の読者の80%は靴中毒で、所有する靴の総額は平均9000ドル。
アメリカの靴業界の市場規模は400億ドルでその60%は婦人靴。
靴がファッションの要になったきっかけは、何と!ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティー」。
ドラマの中で、セックス、キャリア、結婚、子育てなど語ることをタブーとされていたものが
解放され、靴に夢中になることも肯定されたというのです。放映後靴がバカ売れしたらしいです。
そういえばこのドラマで、クリスチャン・ルブタン、マノロ・ブラニク、ジミー・チュウなんて
靴デザイナーの名前を知りました。

本作を見ると靴が奥深いものだという事がわかります。
歴史的に社会的地位の象徴であったこと、昔は男性もハイヒールを履いていたとか、
シンデレラ願望から女性の社会進出、変身願望に、崇拝・欲望の対象。
建築学との共通点やフェティズム、秘めた性的な意味などなど、興味深いです。

実用品なのに、実用からかけ離れたヒールの高さ。
女性にパワーを与え自立の象徴でありながら、男性にアピールするセクシュアルな面も併せ持つ。
やはり靴は一筋縄ではいかないファッションアイテムですね。

まぁ何だかんだ言っても、登場する女性たちが靴中毒であることは間違いなく、
お気に入りの靴を手に語る彼女たちの目は輝き、靴ラブが溢れてます。
まあ、あれだけたくさんの靴を収納できるスペースに、一体家のサイズはどんだけぇ~?
っと思ったのは私だけではないでしょう。
    


気になったのは、登場する靴デザイナーさんたちは皆な男性で
「女性は痛みに強いから痛みに耐えられるはず」とか「その少しの痛みに女性は快感を感じる」
なんてふざけたことをニヤッと笑顔で語ったこと。靴の痛みは耐えられません!
最寄駅から裸足で帰りたいと真面目に思ったことありますもの。
ヒールが高くても足が痛くならない靴を作ってください!お願いしま~す。
        
      ルブタンさん





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 ***** 見た 映画 *****
 
 1月 16日 「私が靴を愛するワケ」 DVD

365日のシンプルライフ

2014-11-15 | ドキュメンタリー
断捨離停滞期に入ってストレスを感じている今日この頃。
今年中にもうちょっとなんとかした~い!と気持ちだけは焦ってます。

8月半ばに渋谷で公開が始まって以来、ずっと気になっていた本作。
やっと横浜で公開になったのに…気が付いたら最終日で一日一回しか無いじゃない!
滑り込みで見てきました@横浜ジャック&ベティ。

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          365日 の シ ン プ ル ラ イ フ

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3年前、フィンランド人の青年ペトリは、彼女と別れた反動でカードを使って買い物をしまくった。
物に囲まれても満たされないと感じ、自分にとって本当に必要なものは何か?と見極める為に
1年間の実験生活を開始する。
決めたルールは次の4つ。
 ・ 持ち物はすべて倉庫に預ける
 ・1日に持ち出せるのは一個だけ
 ・1年間何も購入しない
 ・1年間続けること

映画の冒頭、何も無い部屋で彼は素っ裸です。雪降る冬のフィンランドで!
初日、ゴミ捨て場で拾った新聞紙で前を隠し、深夜誰もいない通りを裸足・裸で通りを走り
荷物をあずけた倉庫に直行。取り出したのは…コートでした。
そりゃ要るわ。
当分の間、パンツも靴下もなし!

1日一個だけっとなると、何にするか?を熟考します。
      
             どちらにするか? 倉庫の前で思案中。

やっと倉庫から洗濯物を戻したら…配管がおかしくて流し台から溢れたり、
自転車を盗まれ、実家のママチャリをもらったり。
何も買わないと決めたのに、修理するより買った方が安いことに困惑したり。

                
                  冷蔵庫もないので要冷蔵は窓の外で保管。

そんな生活の中、彼女ができてデート前にシャツやアイロンなどを倉庫から順次回収。
やっぱりデートの前は小奇麗にしないとねっと、今どきの若者です(26歳だっけ?)。
ちゃんと仕事もしています。

弟に食料を差し入れてもらったり、友人たちに荷物運びを手伝ってもらったりしつつ
頑張り通した365日。よくまぁこんな面白いことを思いついて実行に移したよねぇ。
彼の相談相手のおばあちゃんの言葉が秀逸、説得力がありました。
       
悲壮な感じのスタートから、一つ一つ必要!っとおもわれる物を取り戻し、
後半は彼女もできてエコなデートを楽しんだりしています。
一つ思ったのは、この方、危機に陥ってもキレたりしないんです。淡々と対処していく姿勢がいいです。

龍安寺の知足のつくばい「吾唯知足…吾、ただ足るを知る」
足りないことを不安に思わず、満足する心を持てという教えを思い出しました。

物って、いつの間にか増えています。(買っているのは私ですが…)
増えてしまうと、何が必要か?が見えなくなってしまいます。
何年も使っていない物って一杯ありますよね?
置き場所が無ければ減らすしかないのですが、なまじ場所があると増やしてしまうんですよね。
こんな風に、何も無い状態から(素っ裸からというのは無理ですが)本当に必要な物は何か?を
吟味して暮らすって、ちょっとやってみたい気もしました。
今の私は、必要のない物を溜めこんで、ストレスまで溜めているという悪循環に落ち入って
いる気がします。

エンドロールに彼が戻した365個の一覧がでてきます。
何をどんな順番で戻していったか非常に興味があったのですが、フィンランド語!
残念ながら、全くわかりませんでした(最初の方だけ日本語字幕が出ました)。

11月も半ばに差し掛かり、2015年がすぐそこに。
積年の不要なもの、洗い出して減らさなくっちゃ~とモチベーションが上がりました。



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 ***** 見た 映画 *****
 
 11月12日 「マダム・マロリーの魔法のスパイス」@横浜ブルク13

 11月14日 「365日のシンプルライフ」@横浜ジャック&ベティ

聖者たちの食卓  HIMSELF HE COOKS

2014-10-16 | ドキュメンタリー
ここのところ、ちょっとドキュメンタリーづいています。
気になっていたので横浜ジャック&ベティで鑑賞。


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        聖 者 た ち の 食 卓
                  HIMSELF HE COOKS

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インド北西部、パキスタンとの国境近くパンジャーブ地方にある黄金寺院ハリマンディル・サヒーブ。
四方を白い壁の荘厳な建物と池に囲まれた美しい黄金寺院。
ここはシーク教の総本山なんです。
シーク教徒の男性は頭にターバンを巻いています。(ターバンを巻いている人はシーク教徒です)
    
                 
毎日、巡礼者や旅行者のための10万食の食事が無料で提供されているそうです。
そこでは宗教も人種も階級も職業も関係なく、みなが公平にお腹を満たすことができます。

映画は何の解説もなく、音楽もなく、ただひたすらそこにいる人たちを写し続けます。
寺院を訪れ列をなす、とんでもない数の老若男女。
     
           
寺院に入る前にお清め。手を洗い、靴をあずけ、足を洗う。
(こんな凄い数のひとたちが靴をあずけたら自分の靴は返ってこないんじゃないの?)
畑でジャガイモを収穫する人。
ニンニクと思しき物を剥いている人。
    
大きな鍋に火を入れる人。
玉ねぎを刻む人に食材豆を入れ煮込む人。
ナンの種を作る人、器用にナンの両面を焼く人。
           
食器を配る人。食料を配る人。
汚れた食器や鍋を集める人に洗う人。
大鍋の中に入り、丁寧に洗う人。
食事処や寺院内外の掃除をする人、池で瞑想する人。
      
       
本編より予告編の方が解説があり、何が繰り広げられているのかを理解する助けとなりました。
驚くべきことに!500年以上毎日連綿と続けられている無料の食事。
寺院の職員なのか?と思った人たちはすべて無償のボランティアなんですと。

特に指示を出している人がいたようには思えないのですが、
整然と滞りなく一度に5000人一日10万食の「作る→食べる→片づける」が行われているというのです。
おかわり自由で、残さず食べること。
一体全体、どういうシステムで動いているのか?!
何なんだよこれ~?なんでちゃんと回っていくの?!
みんながせこせこ働いているというのでもなく、ボ~っとしている人もいる。
無秩序の中の秩序」とでも言いましょうか?
500年という長い時間の中で見事に洗練されてきた秩序…なの?



本作の後、ずっと見たかったインド映画「めぐり逢わせのお弁当」を続けて鑑賞。
こちらの「ダッパーワーラー」といわれるお弁当配達システムも「無秩序の中の秩序」。
自転車で回収し電車で運び、オフィスの席まで、何故間違いなくお弁当が届くのか?!

神秘の国インド・・・恐るべし! 奥が深いわぁ~!




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 ***** 見た 映画 *****

 10月 15日 「聖者たちの食卓」@横浜ジャック&ベティ

         「めぐり逢わせのお弁当」@横浜ジャック&ベティ
 

バックコーラスの歌姫たち  20 feet from stardom

2014-10-15 | ドキュメンタリー
本作を見て思い出したのは「ドリーム・ガールズ」。
彼女たちもバックコーラスからスタートし、スターを夢みて夫々の道を歩むストーリーでした。
「ドリーム…」でアカデミー助演女優賞を受賞したジェニファー・ハドソンは教会の聖歌隊で
ゴスペルを歌い歌手を目指したそうですが、本作に登場するバックコーラスの歌姫たちも
ほとんどが教会でゴスペルに親しんだことがこの世界に進むきっかけだったようです。

今の時代、コール・ポッツさんやスーザン・ボイルさんのように「アメリカンアイドル」や
「ブリテンズ・ゴット・タレント」といった公開オーディション番組から、実力があれば
一躍スターダムに駆けあがるという道も開かれていますが、やはりとても厳しい世界です。

原題は「 20 feet from stardom」。
スポットライトを浴びるスターから6mの距離にいる影の存在。
この6mが、いかに遠く長い道のりであるかということを物語っています。


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      バ ッ ク コ ー ラ ス の 歌 姫 た ち

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ブルース・スプリングスティーン、ミック・ジャガー、スティーヴィー・ワンダーにスティング、
マイケル・ジャクソンらトップスターを陰で支えるバックシンガーたち。
ソロ歌手として一人立ちできる実力ある彼女たち。いつかはスターにと夢見ているが
非常に厳しい世界だ。音楽業界に利用され、一度は諦めるも再起をかけて成功した者。
グラミー賞を受賞するも後が続かずバックで歌い続ける者。夢をあきらめ業界を去った者。
ゴスペルで音楽に目覚め、音楽を愛し、スターを夢見ながら影で歌い続ける歌姫たちの
知られざる成功と挫折にスポットを当て、彼女らの人生を追うドキュメンタリー。
第86回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞です。

         



主な登場人物は…

* ダーレン・ラヴ
プロデューサーに利用され「クリスタルズ」のゴーストとしてレコーディングした曲が
全米No.1ヒットとなった。失意の中、音楽業界を離れ家政婦として働いていた時、
ラジオから流れる自分の曲「Christmas (Baby Please Come Home)」を聞き、再起をかけ
復帰。2011年には、ロックの殿堂入りを果たす。
    

* クラウディア・リニア
ローリングストーンズのツアーに女性ボーカルとして参加。
現在は音楽業界を離れスペイン語の教師をしている。

* リサ・フィッシャー 
92年度グラミー賞受賞しチャンスを掴むも、後が続かずバックコーラスを続けている。
  

* ジュディス・ヒル
09年にロンドンで開催する予定だったマイケル・ジャクソンのコンサート「This is it」で
共演するはずだったが、マイケルの急死で追悼式で歌うことい、10億人が世界から注目を
浴びて華々しくソロデビューを飾った。母親は日本人。映画「This is it」はこちら
        

6m先の場所に立つには・・・
歌が上手いだけじゃだめ、運とか宿命を掴めた人が一流だ。by スティング。
選曲、曲をリリースするタイミング、プロデューサーとの関係、精神の強さ、
自分の才能を信じ価値を理解し前に踏み出す意思、そして心を歌うこと。
歌うことが好きで、自分の才能を信じ、悩み、もがき、戦い続けてきたひとたちの言葉は
深く、重く、ずしっと心に響きます。


最後にダーレン・ラブとリサ・フィッシャー、ジュディス・ヒルらが歌う「Lean on me」が
感動的でした。
映像がないので「glee」で歌われた動画(といっても歌詞のみの静止画)を貼っておきます。
いい曲です。


 ビル・ウィザースの1972年リリースのヒット曲。とってもゴスぺル。




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 ***** 見た 映画 *****

 10月 13日 「バックコーラスの歌姫たち」 DVD

 10月 14日 「ブランカニエベス」DVD スペインのモノクロ無声映画 題名はスペイン語で「白雪姫」

          「変態小説家 A Fantastic Fear of Everything 」DVD サイモン・ペグ主演
             この日本語タイトルはひどい!幼少時のトラウマを克服するコメディーです。 

大いなる沈黙へ

2014-10-03 | ドキュメンタリー
フランス・アルプス地方にあるグランド・シャルトルーズ修道院。
カトリック教会のなかでも厳格な戒律で知られる修道院だそうです。
人里離れた場所で、俗世間との交渉を断ち、自給自足の質素な生活を送る男性修道士たち。
会話が許されるのは週に1回、家族に会えるのは年に1回。
日々、数時間祈りをささげ、つとめに励む日常。

     ******************

         大 い な る 沈 黙 へ

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1984年、ドイツ人のグルーニング監督は、グランド・シャルトルーズ修道院に撮影を申しこんだ。
16年後に許可が下り、監督は半年間修道院の一員としてほかの修道士同様に独房での生活を送り、
修道士たちが粛々と行う日常の姿を、淡々とカメラに収めた。
   自然光での撮影。
             食事風景。みんなネズミ男のようなフードを被ってます。会話はありません。
           
          
音楽も解説もなく、
会話もほとんどなく、修道士らの足音、扉を開閉する音、散髪のバリカンの音、
グレイリオ聖歌とぼそぼそ言う祈りと鐘の音といった生活音と、
鳥のさえずりや川の流れなどの自然の音のみ。
廊下や独房も暗く、自然の光のみ。
(男性修道士のみですが)ここで1ヶ月(1年とは言いません)くらい過ごしたら…人生観が変わるかも?
            

自分の所有する物は聖書とブリキの箱のみ。
全てのものを大切に、大切に使います。
彼らの生活をみて、改めて自分の生活を顧みると・・・。
無駄にものを溜めこみ、断捨離~!っと宣言しつつなかなか捨てられないとストレスまで溜めてしまう私。
必要のないものは買わない!買う時は「本当に必要かな?」と自問することにしようっと。
いつまで続くかなぁ

日本の寺院での修行も同じように質素で規則正しい厳しい生活なのでしょうね。
「大峯千日回峰行」なんて鉄人の中の鉄人、1300年で達成したのはたった二人。
高低差1300mの険しい道を1日48キロ、16時間かけて歩く修行を1000日間続ける苦行です。
一体何が彼らを駆り立て、この便利で飽食の時代に、敢えてこのような生活へと導くのでしょう?
そんなことを考えながら、169分を見終えました。

前日寝不足だったので、やっぱりちょっとウトウトしてしまいました

あのネズミ男のような装束、モロッコのおじさんたちも似たようなフード付きの白い服を
着ていました。モロッコはイスラム教だけど…。




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 ***** 見た 映画・ドラマ *****

 10月 3日 「私はラブ・リーガル シーズン4 Vol.6、7」 DVD アメリカTVドラマ


クイーン・オブ・ベルサイユ  大富豪の華麗なる転落

2014-09-18 | ドキュメンタリー
サンダンス映画祭ドキュメンタリー部門監督賞を受賞したドキュメンタリー映画です。
一代で「タイムシェア」というリゾートビジネスで大成功をおさめたデビッド・シーゲルと
彼の3番目の妻で元ミセスフロリダのジャッキー。
          
        デビッド・シーゲルと彼のトロフィーワイフ・ジャッキー 豊胸手術してるよね?

どんどん事業を拡げ、ラスベガスにデッカイタイムシェアリゾートを建設し、飛ぶ鳥を落とす勢い。
大きな声では言えないが…っと大きな声でジョージ・W・ブッシュを当選させたのは俺だ!っと豪語。
各州選出のミス・アメリカ候補51人を自宅に招き、美女に囲まれご満悦。
         
大会主催者にもポ~ンっと大金を寄付。
既に豪邸に住んでいるのに手狭だからっと、総工費100億円でフロリダにベルサイユ宮殿を模した
アメリカ一デッカイとんでもない大きさのスーパー豪邸を建設することに
いやぁ、まさにアメリカンドリームの体現者だねぇ。
何故豪邸を建てるのか?と聞かれ、建てられる十分なお金があるからさと答えるデビッド。
    ホワイトハウスの2倍の広さ!
流石アメリカ。スケールがデカいわぁ~っと呆気にとられました。

本来はこの夢の大豪邸完成までを追うドキュメンタリーのはずが・・・
そう、2008年のリーマンショ~ック
自転車操業だったリゾートの経営が一転。巨額の負債を抱え豪邸計画は頓挫。
デビッドは金策に奔走することに。
ジャッキーはといえば、破産寸前で使用人は激減したけれどいま一つ危機感はなく、
建設半ばで放置された骨組みだけの豪邸で残念そう。クリスマスは車に入りきらないほどの
プレゼントを買いこみ、美を保とうとしわ伸ばしのボトックス治療へ。
ジャッキーのお買い物中毒は止まらない。
普通の家庭出身で貧しい生活も経験したというジャッキーだけれど、金銭感覚とか生活感覚
おかしいでしょ。
ホームレスを経験した後この家に引き取られたジャッキーの姪は、贅沢な生活のなか
「こんな生活おかしいよ」っと言いながらも「でももっと買いたい。止められない」という。

     子沢山です。
この家の子供たちは大人になったらどうなるんだろう?と他人事ながら心配になりました。
お金はあっても、躾や食生活がひどい。

経営の話はよく分からないのですが、借金もスケールが大きすぎると銀行としても
潰すに潰せないんでしょうか?
夫はかなり厳しい顔をしていたけれど、豪邸を追い出されることもなく、ラスベガスのホテルも
なかなか売らずに意地を張ってたみたいだったし(最終的には人手に渡っていました)。
銀行が未完の豪邸をイーベイのオークションにかけても金額が高すぎて売れず。
一体一家はどうなるんだろう?と思っているうちに映画は終了。
なんともいえない話だわぁ~っと思いつつ、気になってその後をググってみました。

その後どうなったのか・・・バラ色の人生は、金と共には去らず。
一代で成り上がったおっちゃんはしぶとい!
フェニクスの如く復活~!し、またまた次の事業を立ち上げて成功しているようです。
ベルサイユ宮殿のような豪邸も建設続行か?なんてことになっているようです。


この映画、リーマンショックがなくてすんなり豪邸を建てるまでだったらバカバカしいだけの
映画で終わり~でしたが、リーマンショックで一転、一家には申し訳ないですが
お金に翻弄されるアメリカの社会の一端を見せてもらいました。

続編で転落からの復活劇をレポートして欲しいもんです。



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ビル・カニングハム&ニューヨーク

2014-04-15 | ドキュメンタリー
ファッションに疎いので、こんな方がいらっしゃるとは存じませんでした。
ビル・カニングハム。1929年生まれなので御年85歳。
「ニューヨーク・タイムズ」でファッションコラムと社交欄を担当する高名な写真家さんだそうです。
パリで買った$20のブルーの清掃員の服を着て、自転車でニューヨークを疾走する。
街角でお洒落さんを見つけると、首からかけたニコンのカメラでスナップを撮る。

      *********************

           ビル・カニングハム & ニューヨーク

      ********************** 

            
カーネーギーホールのスタジオに住むビル。
トイレ・シャワー共有の狭い部屋は写真のネガを保存するキャビネットで一杯。
ドレスアップした女性は好きだが、ご自身の生活もファッションも非常に質素だ。
そして自分の好きなものを撮りたいからと、謝礼は求めない。
もう50年にわたって街でスナップ写真を撮り、慌ただしく社に帰って編集作業に励む。
パーティーに出席しても、豪華な食事や飲み物には眼もくれず、ひたすら他の出席者で
素敵なファッションに身を包んでいる人を撮り続ける。
しかし、たとえ有名人や大女優であっても、高価な服であっても、ファッションがイケてないと
カメラは向けない。
            
ストイックなまでにご自分のスタイルを貫いている。
仕事には頑固だが、ユーモアのセンスに溢れ多くの人から愛されている。
      
「プラダを着た悪魔」でメリル・ストリープ演じる悪魔のような編集長のモデルといわれる
米ヴォーグ誌編集長アナ・ウィンターに「ビルのために服を着る」と言わしめる。

パリコレには40年代オートクチュールの時代から毎年足を運び、毎回学ぶものがあると語る。
過去のデザインと被るものあると何年の誰の作品と被ると二つを並べて記事にする、ファッションの
生き字引だ。

あなたにとって「ファッション」とは?と尋ねられ、
「身体に装いをこらす芸術だ」とも
「毎日を生き抜くための「鎧」だ。手放せば文明を捨てたも同然だ」と答える。

家族のことや恋愛、信仰について尋ねられると、時に考え込みながら丁寧に答えるビル。
彼の誠実で清廉な人柄がうかがえます。

映画半ばまで、何がそんなに彼を惹きつけるのだろう?と不思議な思いで見ていましたが
人生のすべてを好きな仕事に捧げた80数年の人生。
ここまで貫けるって…孤高の人ですね。
今日も青い服を着て、自転車でお洒落さんを探しているんでしょうね?

笑顔の優しい方でした。




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 ***** 見た 映画 *****

 4月15日 「ビル・カニングハム&ニューヨーク」 DVD

二郎は鮨の夢を見る  JIRO DREAMS OF SUSHI

2013-11-28 | ドキュメンタリー
大阪新阪急ホテルのメニュー虚偽表示問題から始まり、各ホテルや老舗をも巻き込んだ
一連の騒動。「偽装」ではなくて「誤表示/虚偽表示」だとの釈然としない会見が続いています。
芝エビがバナメイエビやブラックタイガーだったり、
フレッシュジュースが紙パックの100%フルーツジュースやハーフ&ハーフだったり、
「ステーキ」と表示した肉が牛脂を注入した加工肉だったり。 
これほど沢山のホテルや飲食店が同じ手法を使っていたというのはどういうことなんでしょう?
申し合わせたのか?はたまた、コスト削減の手段として考えることはみな同じということなの?
5年連続ミシュラン三ツ星獲得の京都吉兆まで…

銀座のビルの地下。
「すきやばし次郎」はカウンター10席ほどで共同のトイレを使う小さなお店。
店主の小野二郎さんは、大正14年生まれのすし職人。
7歳から修業を始め80年、87歳の今もカウンターの向こうで鮨を握る。
「ミシュランガイド東京」に5年連続で最高の三つ星の評価を受けた、
世界最高齢の三ツ星料理人を追ったドキュメンタリーです。


    ***************************

         二 郎 は 鮨 の 夢 を 見 る
                         JIRO DREAMS OF SUSHI

       ***************************


    
87歳の今もツケ場に立ち鮨を握る二郎さん。
フランス料理最高シェフのジョエル・ロブションさんを始め、食通たちをうならせてきた
そうです。
ミシュランの星を獲得した店なんてご縁がなくて…とんと存じませんでした。

本作は彼の鮨の味に魅せられ、職人堅気の二郎さんの芸術的な技や生き様に魅了されたアメリカ人
監督デヴィッド・ゲルブさんが東京と静岡で密着取材を敢行して製作したドキュメンタリーです。

料理評論家の山本益博さんをして「100軒食べ歩いて断トツに上手い店」「何度行っても緊張する」
と言わしめる「すきやばし 二郎」。
世界最高齢の三ツ星料理人としてギネスブックに載る現在でも、留まることなく常に上を目指している
という二郎さんの仕事に対する真摯な姿勢。
音楽の如く起伏のある仕事を追求した結果が、おまかせコースに現れているとか。
3楽章の「コンチェルト」の様っと、件の山本さんの弁。
マグロなど定番のネタが第一楽章で、次に、その日に獲れたもの。季節の物や即興が入るのだそうです。
「シンプルを極めてピュアになった」と表現されています。

う~ん、いくら解説を聞いても食べたことないからなんともねぇ~。
ここで一番気になるのは…正直なところ、やはり予算でしょう。
はい。お一人3万円から(からって…)…おまかせ20貫。食べるのが早い人なら15分で終了だとか。
う~ん、行ってみたい…でも敷居が高そう。どんな感じ?と「すきやばし二郎」で検索をかけたら
「食べログ」に出ているのを発見!
え~、総合評価3.95。もっと驚くのは口コミが175件。皆さん結構お行きになるのですね。
でも、評価が3.95ってどうなの?
満点の5を付けて絶賛しておられる方も沢山いらっしゃるし、半数以上の方が4以上なのですが、
コストパフォーマンスという点で、ポイントが足を引っ張っているようです。
う~ん、やっぱり食してみたい!!
    
映画では、米屋さん、築地の仲卸の方々、二郎を支える方たちにもフォーカス。
美味しい食材をより美味しくするための工夫とこだわり。
修行中の若い方々にも、二郎さんの仕事への姿勢がちゃんと受け継がれています。
二人の息子さんも偉大なる父に鍛えられ、同じ道を歩み、長男さんは父と本店を、
次男さんは六本木店を任されておられます。
偉大な父を持つと大変だわ~。二郎さんはカリスマだから。
父への敬意と共に、複雑な葛藤があるようです。


二郎さん曰く。
 自分がやろうと思った仕事に没頭しなくてはダメです。
 自分の仕事に惚れなきゃダメ。
 これと決めた道を必死で続けることが成功につながり、立派な人間になれると思う、っと。

職人魂・・・これやねぇ。

 ryokoも、二郎の鮨を夢に見る 



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 ***** 見た 映画 *****

 11月23日 「ムーンライズ・キングダム」DVD ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン出演

I AM   You have the power to change the world

2013-06-05 | ドキュメンタリー
ビデオショップでDVDのパッケージ解説を読んで鑑賞しました。

監督はトム・シャドヤック。
              
ジム・キャリーと組んだ「エース・ベンチュラ」「ライアー・ライアー」「ブルース・オールマイティ」
エディー・マーフィー主演の「ナッティ・プロフェッサー」シリーズ
ロビン・ウイリアムズ主演の「パッチ・アダムス」
スティーヴ・カレル。モーガン・フリーマン主演の「エヴァン・オールマイティー」など
コメディー映画を中心にヒットを飛ばしてきた映画監督です。
      
ハリウッドで成功をおさめ、ビバリーヒルズに豪邸を構えていたシャドヤックですが、
2007年自転車事故による脳震とう後症候群で激しい頭痛やめまいに何年も悩まされた後
今までの人生を見直し全く異なる価値観を持つようになり豪邸を売却。
「死ぬ前に何を伝えたいか?」と自問し、作家、ジャーナリスト、環境運動家、生物学者、
言語学者、心理学者、写真家に詩人、宗教家、会社のCEO、進化論生物学者、歴史家の方々に、
 ・What’s wrong with our world? 世の中の何がいけないのか?
 ・What can we do about it?    世の中を変える為に、一体何ができるのか?
という根本的な質問を投げかけ、対話の中から答えを求めるドキュメンタリーです。

世の中の何がいけないのか?
先進国といわれる国々はどこも行き詰まり、安い労働力と未開の市場を求めて
中国→東南アジア…ミャンマー、そしてアフリカへ。
実体経済と乖離した投資や為替相場に踊らされ、一喜一憂。
テレビやネットなどメディアは「買って、買って、買って!」とばかりに消費を煽る。
もう、無くて困る物、どうしても欲しい物なんてないのに…。
食欲は衰えないけれど、物欲って減ってきています。断捨離なんて始めちゃったら、
「本当に要るのかな?」と自問自答し買わなくなりました。経済を考えたらまずいですね。
アフリカの成長が行きつくところまでいって、世界中の生活レベルが左程変わらなくなったら…
その後は、どうなるの?
もう資本主義経済は行き着くところまでいってしまったんじゃないのかな?
WIN/WINなんて耳触りのよい言葉をよく聞くけれど、限られたものを奪い合うという厳しい現実。

本作の中でトム・シャドヤック氏は、経済という怪物に支配され、消費を礼讃し
自己の利益と物質主義を重んじてきた西洋型社会のあり様に疑問を投げかけます。
人間の本質を成すのは「協力」か「支配」か?
インタビューに登場する方々からも、彼の疑問を裏付け「協力」こそが人間の本質であるという
説得力のあるメッセージが寄せられています。
そしてハートマス(HeartMath)研究所で「人間を司るのは脳ではなく心臓である」という研究に
驚かされます。
「We are all connected. すべてのことは繋がっている」
「考え方や物の見方を変えるだけで世界は変わる」
「小さな行いが大きな運動へと広がっていく」というようなことを
きれいごとじゃないかと批判するのはたやすいけれど、
見ているうちにそうだなぁ~とか、そうであって欲しいなぁ~という気がしてきます。
宗教色は全くないですし、スピリチュアルというのとも違う。
各界の識者のお話に、うなずき、優しい気持ちになれる映画です。

「世界を変えるために」小さなことからコツコツと、世界に広がっていくといいね

以前アップした「セヴァンの地球のなおし方」のセヴァン・スズキのお父さん、
生物学者で環境活動家の日系カナダ人デヴィッド・スズキさんや、
ノーベル平和賞受賞者である南アフリカのツツ大司教、
言語学者のチョムスキー氏も登場します。

西洋的弱肉強食の論理を説く、懐かしい「ウォール街」のゲッコーの名台詞シーンもあります。
マイケル・ダグラスが若くてクール!

喜多郎さんの音楽が使われているそうです。




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 ***** 見た 映画 *****

 6月3日 「I AM You have the power to change the world」DVD

 6月5日 「あの日 あの時 愛の記憶」DVD ドイツ映画

ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!

2013-02-13 | ドキュメンタリー
やっと横浜の映画館で公開になったので、雪の予報にひるむことなく行ってきました。
時折みぞれにはなりましたが、雪にならず。ただ寒かった~。

スクリーンの中では、プロダンサーを目指して辛く苦しい練習に励む子供たちの
熱い戦いが繰り広げられ、圧倒されました。


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     フ ァ ー ス ト ・ ポ ジ シ ョ ン
                       夢に向かって踊れ!

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 < ストーリー >
毎年ニューヨークで開催される世界最大のバレエコンクール、ユース・アメリカ・グランプリ。
名門バレエスクールの奨学金やバレエ団の入門を目指し、9歳から19歳の若者たち5000人が
世界中から応募する登竜門。
最終選考に残った6人の子供たちを追うドキュメンタリーです。
・アラン(11歳) イタリア在住 父は米軍軍医で片道2時間かけレッスンに通う。
・ミコ(12歳) 母は日本人。IT企業の経営者の父は彼女のレッスンのため会社を移転。
        バレエに打ち込むため学校へは行かず自宅学習。
・ジュールズ(10歳) ミコの弟。姉と共にレッスンに通うが、コンクール後バレエを止める。
・ジョアン(16歳) コロンビア出身。バレエの為に家族と離れアメリカに住む。
・ミケーラ (14歳) シエラレオネ出身。内戦で孤児となり4歳の時アメリカ人夫婦の養女になった。
・レベッカ(17歳) メリーランド在住の高校生。遊びで始めたバレエだがプロを目指している。
・ガヤ(11歳) イスラエル在住。アランに触発され練習に励む。
        
            


バレエで思い出すのは2000年の英国映画「リトル・ダンサー」。
14歳のジェイミー・ベルがエネルギッシュに踊る姿と家族愛のストーリーに感動しましたが、
「男ならボクシングを。バレエなんて女がするもんだ」と父親から強制され、
友人からも揶揄されるシーンがありました。
ドキュメンタリーの本作でも「学校ではからかわれるからバレエをやっていることは言わない」という
少年の発言から、世間一般の認識としてやはり華麗な衣装のバレエは女性的というイメージがあるって
ことですね。

最近ロシアのボリショイバレエ団で起きた芸術監督硫酸襲撃事件。
まるで少女漫画で読んだ筋書きそのもので、やっぱりバレエ界って恐ろしいわぁ~なんて
これまた刷り込まれたバレエのイメージに基づく反応ですね。
本作はそんなドロドロ話は全くなく、少年・少女たちがプロを目指して真摯に稽古の励む姿を
追っています。

バレエの華麗で華やかな舞台からは想像もつかない過酷なレッスン。
子供らしい遊びとは無縁のバレエ漬けの生活。
練習時間を増やすため学校にも行かず自宅学習をしている子もいます。
好きじゃないとできないなぁ。

10歳やそこらで将来の目標をこれほど明確に決め、一直線に突き進めるって…、
只々凄いなぁ~という思いと、何がそうさせるのかなぁ?という純粋な疑問。
自分の才能に早くに気付き、その才能を伸ばせる環境にあるということは非常に幸せなことですが。

家族や先生の期待を背負い、緊張の中舞台で踊るプレッシャー。
怪我をしても痛みに耐えながら年に1度の数分の舞台に全てを賭ける。
見ているこちらまでピリピリした空気が伝わってきました。

親のスタンスが洋の東西で違うんだなぁということもうかがえました。
西洋の母たちも、夜なべで衣装作りに励んだり、レッスンの送り迎えなど、バレエ中心の生活に変わりは
無いのですが、バレエそのものについてはコーチに一任し見守っているという印象をうけました。
一方、ミコとジュールズのお母さんは日本人。
一番ステージママ色が強く、コーチからも口を出すなとたしなめられるほど。
姉のミコは自らの意志でバレエの道を進んでいるけれど、弟のジュールズは姉に付いてやってみたら
結構できるので通っているという感じで、バレエ以外のことにも興味津々。
コーチも彼の子供らしい姿を認め、そんな姿を楽しんでいる感じ。
彼がバレエを止めると言った時のお母さんの狼狽えぶりと、立ち直りの速さと方向転換には
驚きました。やはり教育熱心なアジアの母は「タイガーママ」ですねぇ。
そんな母のプレッシャーに動じることなく笑っているジュールズはなかなかの大物です。

本作に登場する子供たちは、みな才能にあふれ、バレエが好きな子供たち。
放っておいても上手くなりたいと自ら厳しいレッスンを求める子供たちです。
「才能+好きであること」その上にたゆまぬ努力。
それでもユース・アメリカ・グランプリで受賞することは難しい。世界の層の厚さを感じました。

そんな中、昨年ローザンヌ国際バレエコンクールで優勝したのは神奈川県の高校生、菅井円加さん
最近は各国から集まるコンクールで多くの日本人が決勝に残り入賞を果たしているそうで、
今年も石川県の男子高校生山本雅也さんが3位入賞です
スゴイね~!

厳しい練習とプレッシャーはバレエに限らず、
スポーツや音楽に勉学、何かを身に付ける過程には欠かせないもの。
性格も才能も、環境も個性も、一人一人違う子供たちの能力を伸ばすには、どうすればいいのでしょう?
まずは、好きなことから…かな?



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イブ・サンローラン

2012-08-04 | ドキュメンタリー
すっかり夏~! 暑いですねぇ~。
休みに入って、時間が出来たら断捨離に励もうと思っていたのですが・・・なかなか進みません。

本作はファッション界で「モードの帝王」と呼ばれたイブ・サンローラン氏のドキュメンタリーです。
数年前、サンローランの死後行われたオークションに出品されたネズミとウサギの銅像が
第二次アヘン戦争で略奪された十二支像だとして「所有権は中国政府にあり」と抗議する動きの
報道がありました。
結局、出品された銅像は出品され落札されたのですが、その金額!それぞれ1400万ユーロ
今なら14億円ほどですが、落札時は約17億4000万円!!
20年ほど前はたったの1500ドル(約15万円)ほどだったらしいです・・・。
とんでもない高騰ぶり。
ところが落札したのが中国人の活動家で、元々中国から持ち去られたものだからと支払いを拒否し
ゴネたとか。
結局はどうなったんでしょう?
本作のオークションシーンでコレクションの中にこの2作品、登場していましたよ。
あれが10数億円って・・・ありえない。



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       イ ブ ・ サ ン ロ ー ラ ン

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ファッションに疎くても「イブ・サンローラン」の名前を知らない人はいないでしょう。
でもどんな人物だったのか? 私、全然知りませんでした。

アルジェリアで生まれ、17歳でファッションデザイン学校に入学、コンクールのドレス部門で
最優秀賞を取り19歳でクリスチャン・ディオールに認められアシスタントに。
そして21歳でディオール亡き後ブランドの主任デザイナーになり、初のコレクションで大成功をおさめた。
19歳で認められ、21歳でブランドを背負って立つって・・・とてつもない才能です。

しかし、アルジェリア独立戦争に徴兵され、神経衰弱となり専門治療を受けるって、
ファッション界の若き寵児を戦線へって、フランスも罪なことするなぁ。

26歳で独立し自身のメゾンを立ち上げ、2002年の引退まで40年にわたってファッション界に君臨。
っと書くと、何とも剛毅な人をイメージしますが、非常に繊細なお方です。

映画は、2002年引退の会見から、サルコジ元大統領も出席した彼の葬儀、
生涯を東したパートナーのピエール・ベルジュ氏による回想、そして二人のコレクションを
オークションにかけるところまでが描かれています。


イブサンローランの人生を振り返り語るのは、長年のパートナーだったピエール・ベルジュ氏。
彼のサポートによりサンローランはメゾン「YSL」を立ち上げ、YSLは独立経営を貫きました。
輝かしいファッション界での成功の裏で、神経を病みふさぐサンローラン。
ベルジュ氏は「名声とは、幸福の輝かしい葬列」と表現します。
輝かしくても葬列なのだと。サンローランが幸せそうな姿を見せたのは年に2回。
コレクションの後ランウェイを歩く時だけ。すぐに深い悲しみと孤独の奥に籠ったと。

ファッションや音楽など、自らの才能だけで何かを創作する仕事って、キツイです。
認められても次にそれ以上のものを期待され続け、失敗すると「彼(彼女)の時代は終わった」な~んて
言われちゃったりする。心の休まる暇がないよね。
サンローランもお酒や薬におぼれたこともあると自らの引退会見で仰ってました。
精神を擦り減らしながら発表し続けたコレクションの数々。

サンローランが語ります。「ファッションは女性を美しく見せるだけでなく、女性の不安を取り除き
自信と自分を主張する強さを与えるものだ」と。
代わりに、彼が不安を抱き、自信を失っていったというのは皮肉な話です。

また、「人は生きるため、捕えがたい美を追い求める」とも語っています。美を追い求め続けた50年。
ベルジュ氏は「良い時代だった」「時代は変わり、ファッションは商売人の手に落ちた」と語ります。
今は才能ではなくお金とマーケティングの話ばかりだとして、サンローランの死後YSLから身を引き
イヴ・サンローラン社は、1999年グッチの傘下となりブランド名は残っています。
別人がやっているのにブランド名がそのままっていうのはどうなんでしょうね?

サンローランとベルジュ氏の膨大なコレクション。
思い出がいっぱい詰まったアートの数々、売らなくてもベルジュさんがお持ちになったらと思ったのですが
自分に何かあった時、散りじりになってしまうことを恐れての決断だったようです。
彼の死は、一つの時代の終わりだったのでしょうね。
サンローランとベルジュ氏、良い時も悪い時も二人で歩んだ愛と苦悩が伝わってくる
ドキュメンタリーでした。
サンローランのファッションの変遷も楽しめます。


この夏、モロッコに行きたい!とパンフレットなどあれこれ見ていた私。
サンローラン氏がマラケシュをこよなく愛していたと知り、
やっぱりモロッコだぁ~との思いを強くしましたが、夏は軽く40℃を超すと聞き、断念しました。
いつか行ってみたいな~ 




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 ***** 見た 映画 *****

 8月 3日「善き人  GOOD」DVD ヴィゴ・モーテッセン主演

NHK 「知られざる 大英博物館」

2012-07-03 | ドキュメンタリー
NHKで先週から放送している「知られざる 大英博物館」ご覧になってますか?
堺雅人さんがナビゲーターで、タイトル通り「知られざる」内容です。

大英博物館では、所有する品々のわずか1%しか展示されていないのだとか。
その所蔵品の多さには驚かされます。
そもそも、英国がエジプトやギリシャを始め、
力に任せて略奪してきた戦利品を展示してるんじゃないか?
各国からの返還要求に応えるべきなんじゃないの? と私は思っておりました。
しかし、大英博物館にあるからこそ行方知れずになることなく、文化や時代・地域ごとに分類され
今に至るまできちんと管理されてきたんだと言われれば納得せざるをえません。


一昨日放送された第2集は「古代ギリシャ」。
これにはビックリ!
常識を覆す驚愕の事実!に、釘づけでした。

ギリシャと言えば、青い海に白い建物。
誰しも、古代のギリシャ遺跡から出土するのは白い大理石の彫像というイメージをもってますよね。
と、ところが・・・

番組ホームページより。 →NHKスペシャル
   紀元前7世紀に、突如エーゲ海で花開いた古代ギリシャ文明。
   真っ白い大理石の彫刻や白亜の神殿に象徴されるように「白い」文明とされてきました。
  しかし、大英博物館の調査により、その常識が覆りつつあります。
   真っ白だと思われていた彫刻や神殿は、鮮やかに彩られていたことが分かってきたのです。
   さらに、解明されつつあるギリシャ文明誕生の謎。そして大英博物館で起きた衝撃の大事件。
   白い文明、古代ギリシャの真実をひもといていきます。

大理石には鮮やかに色付けされていたっていうんです!
   
 まぁこのデザインのポップなこと!色合いといい、幾何学模様といい…オッシャレ~!!
 こんなお洒落な服を着ていたなんて、俄かには信じられません。
 男性も女性も白いドレープの服かと思ってました。

なんでも250年前まで色付けされていたというのは常識だったそうで、
古代ギリシャをヨーロッパ文明のルーツとして意図的に崇高なる「白の文化」にしようという風潮があり、
博物館で残った色を落とすクリーニング作業が行われ、以降間違った認識が広まってしまったというのです。
ここにあれば大切に保管されると思ったのに・・・。何すんねん!
話されることのない「古代ギリシャ語」をヨーロッパの学校で教えるのも、
偉大な自分たちのルーツとしてこの頃から行われているそうです。

ところが、新しい科学技術により、特殊な光を照射することで色付けされていたことがわかったのです。
現在ギリシャでもこの技術により本来の色を調査中とのこと。

そもそも、突如紀元前7世紀に起こったギリシャ文明。
それ以前に多くのギリシャ人がエジプトや中央アジアの国に傭兵として出向き、
様々な技術を持ち帰ったことで花開いた文化だとか。
エジプトの「アブ・シンベル神殿」のラムセス2世の巨大な像に、ギリシャ語で落書きが
書かれていたことも、傭兵がエジプト南部のヌビアとの戦いに駆り出されていた証拠だとか。
ラムセス2世の像に落書きがあったのにもビックリ!
ギリシャの彫像に色付けられた「青」は「エジプシャンブルー」と呼ばれるエジプトでしか
出土しない原料で作った色ですって。

これって大発見じゃないですか?!
いやぁ~歴史って面白~い! 興奮を覚えました。
ロマンやねぇ。

大英博物館・・・行ってみたいな~。




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