映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

女神は二度微笑む  KAHAANI

2015-05-14 | インド映画
インド発、冒頭から最後まで、緊張を持続した本格サスペンス映画です。
歌も群舞も一切なし。
こんなインド映画を見たことがあったでしょうか? ありません。
謎解きに引き込まれ、喧騒の祭りの中、思いもよらぬ事実に驚愕!
非常に見応えあるお奨め映画です。

インド版フィルムノワールって感じです。フィルムノワールって?なんとなく雰囲気はわかるのですが
うまく説明できません。フランス語で「黒い映画」、虚無的・悲観的・退廃的な指向性を持つ犯罪映画
の総称ってことのようです。映像のトーンがちょっと暗くて、犯罪を追い、インドの街角の喧騒と
祭りの独特の雰囲気、色彩。そして重要な役割を演じる女性(本作では主役です)が登場する。

連休前に見たので、思い出しつつ…

本編が始まる前、オープニングでタバコの害を訴えるメッセージが出たのには
ちょっと驚きました。本編の中では…刑事のおじさんがタバコを吸っていたような?


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        女 神 は 二 度 微 笑 む  

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 < ストーリー >
コルカタの地下鉄で毒ガスによる無差別殺人事件が発生する。
2年後、コルカタの空港に一人の妊婦が降り立つ。彼女はロンドンから連絡の取れなくなった夫を
捜しに来たのだ。地元警察の協力を得て夫を捜すヴィディアだが、宿泊先や勤務先にも夫がいた痕跡は
なく、やがて夫によく似た男が国家情報局に追われていることが判明。ヴィディヤは危険を冒してでも、
夫の行方を捜そうとするが……。

冒頭はオームの地下鉄サリン事件を彷彿とさせるようなシーンから。
2年後、ロンドンからやってきた身重の美しき女は空港から警察署の直行。
一体何が始まるのか?2年前の毒ガス事件との関係は?
彼女の訴えを聞いた警官同様、観客も注意を惹きつけられる。
身重の体で遠路はるばる夫を捜しに来た気の毒に思われた妊婦が、
次第に頼もしく、捜査のプロであるべき警官をリードし大きな陰謀の核心に迫っていく。
彼女の魅力に、警官も観客も魅せられていく。
  
       ヴィディアと彼女を助ける優しい警官。      
タイトルの「女神」とは、終盤に登場する祭りで祝われるヒンドゥー教の戦いの女神ドゥルガー。
ウィキペデイアによると、女神ドゥルガーの名は「近づき難い者」を意味するそうで、
外見は優美で美しいが、実際は恐るべき戦いの女神とのことだそうです。
ヴィディヤ・バラン演じるヒロインのヴィディヤは女神ドゥルガーの如く、
とびっきりの美人で真実を明らかにするため果敢にも悪と戦うのです。
      
          
「二度微笑む」って…何かそんなシーンがありましたっけ?
「007は二度死ぬ」のもじり?
本作は「DEITY」のタイトルでハリウッドでリメイクするらしいですが「DEITY」は「女神」です。

主演のヴィディヤ・バランさん、本当に美人です インドは美人女優の宝庫やねぇ。

カーン警視を演じる鋭いお顔の二枚目ナワーズッディーン・シッディーキー。
    
どっかで見た顔…と思ったら「めぐりあわせのお弁当」で準主役の後任会計士シャイクを演じていた方でした。
全然雰囲気が違うので驚きました。




   
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マッキ― Makkhi

2015-02-03 | インド映画
昨年、劇場公開を見逃したインド映画、DVDで鑑賞しました。
日本で「マッキ―」といえば槙原敬之かゼブラのフェルトペンですが、ヒンディー語では「ハエ」のようです。

「ハエ」で思い出すのは1958年製作の「ハエ男の恐怖 The Fly」。
子供の頃テレビで見て「スター・トレック」の転送~にハエが紛れ込んだらこんなことになるのっと
一つ間違えると科学の進歩には恐ろしいこともあるのね~!とワナワナ。
自ら命を絶った博士の心情、顔が人間のハエを思わず殺してしまう警部に博士の恋人が言い放つ言葉に、子供ながら戦慄を覚えました。この映画は心にしっかりと刻み込まれました。
キワ物っぽいタイトルですが名作です。 詳しくはウィキでどうぞ。

本作はそんなシリアスなハエ話ではなく、ハエが戦うハチャメチャコメディー。
笑えます!
     

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          マ ッ キ ―   Makkhi

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 < ストーリー >
向かいの家の美人慈善活動家ビンドゥに2年越しの思いを寄せるジャニ。
一方、表向きは立派な建設会社の社長で、裏で悪事を働くスディープもビンドゥを見染める。
ある日、ビンドゥに想いを伝えたジャニはまんざらでもない様子のビンドゥに有頂天。
ところが、女はみんな自分に靡くと思っていたスディープは激怒し、ジャニをなぶり殺してしまう。
この世に思いを残したジャニの魂は小さなハエとして転生。恨みを晴らし、ビンドゥを守るため
ハエとなったジャニは果敢にスディープに立ち向かう。

    
        つれない態度だったビンディが実はジャニを愛してたって

前半ジャニが人間の間は、ベタな従来のインド映画っぽくって…
ところが、ハエに変身してからのジャニ(っといってもハエですが)の活躍というか、
敵役のスディープの演技がおかしくって笑っちゃいます。
よりによって、何で「ハエ」に転生するのか?とも思いましたが、「ハエ」だから面白い!

      
         ビンドゥを守るため彼女の元に飛んできたマッキ―・ジャ二。彼女は美人です。

     
       サウナで手足が出せないスディープに狙いつけるマッキ―・ジャニ。
極悪非道のスディープ役の役者さん、ダンディーなハンサムさんなのに…ハエに追っかけられて
キリキリ舞いさせられます。
ちっちゃなハエの姿で大真面目に復讐に燃えるマッキ―・ジャニと迎え撃つスディーブ。
「ハエ」がヒーローの奇想天外なストーリーなのですが、思わずマッキ―に肩入れし
満身創痍で愛する人を守るために戦う勧善懲悪の王道復讐劇にすっかりのせられてしまいました。
GO!GO!マッキー!

   
       ビンディにゴーグルとマスクを作ってもらって、いざ出陣~!

それにしても、ジャニ役の役者さん。この方もハンサムさんなのに出番が短い!




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チェイス! DHOOM3

2014-12-17 | インド映画
昨年ヒットしたインド映画「きっと、うまくいく」でアラフィフィながら高校生役で
主演をつとめたアーミル・カーンの主演作です。
予告編でシカゴが舞台の型破りなアクションを見てこれは見なくっちゃ~と思った作品です。
「きっと、うまくいく」等の記録を抜いて、インド歴代最高の興行成績を記録したらしいです


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           チ  ェ  イ  ス  !

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 < ストーリー >
米国シカゴでサーカス団を率いる看板スターのサーヒルは、マジックとダンスを融合した
ショーで人気を博している。しかし、彼には裏の顔がある。幼い時にインドサーカスの団長だった
父を破滅に追い込んだ銀行へ復讐するため、銀行の金庫破りを繰り返していた。
そこでサーヒルを追うべく、インド本国から検挙率ナンバーワンの刑事ジャイと相棒のアリがシカゴに
やってくる。サーヒルは人生最大のトリックを仕掛け、最後の金庫破りを実行するが・・・。

この1年でドキュ目ンターリー1本を含め10本のインド映画を鑑賞しました。
本作が10本目です。
「踊るマハラジャ」で初めてインド映画を見て以来、その変貌ぶりは驚くべきものです。
歌って踊るインド舞台の映画から、ヨーロッパを舞台にしたり、CGを駆使したロボットもの、
歌と踊りを封印してじっくり見せるドラマ、そして本作はシカゴを舞台に、歌に群舞にタップ、
カーチェイス、バイクチェイス、シルク・ド・ソレイユ張りのサーカスにマジック、
勿論美女も登場する147分のザ・インド映画です。

 
          美しい~! シルク・ド・ソレイユみたいです。
              

本作の見どころのひとつは「チェイス!」というタイトル通り、
逃げるサーヒルインド+シカゴ警察の追っかけですが、スローモーションなどを使って
超現実的というか非現実的というか「ありえな~い!」アクションの連発です。
ビルの間に張ったワイヤーロープの上をバイクで疾走し、
川に落ちると水上バイクにトランスフォーーーーム。
それでいて演じるアーミル・カーンのスーパーマッチョな肉体に「できるかも?」っとすら
思えてしまいます。「きっと、うまくいく」ではこんな筋肉ダルマとは気付かなかった。
アラフィフですよ

     

実は、サーヒルには一つ秘密(トリック)があって、警察のみならず私たち観客をも煙に巻くのです。
後半その秘密をバラしてからは、ストーリーは超人的アクションより恋を絡めたドラマに
移行し、ちょっとほろっとさせられます。
このトリック…2006年クリストファー・ノーラン監督作「プレステージ」を思い出しました。

かつて(今も?)の香港映画同様、インド映画にもお笑い担当の準主役がいるのですね
ポスター右端のバンダナを巻いた方です。




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 ***** 見た 映画 *****

 12月10日 「チェイス!」@TOHOシネマズ海老名

めぐり逢わせのお弁当

2014-10-22 | インド映画
前回の「聖者たちの食卓」鑑賞後、続けて本作を鑑賞。インド祭り~です。
シネスイッチ銀座での公開、見に行きたかったのですがなかなか行けず、やっと横浜にて鑑賞。
公開から随分経っていたのに・・・何と満席。人気ありますねぇ。


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           め ぐ り 逢 わ せ の お 弁 当 

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  < ストーリー >
インドのムンバイでは、各家庭で作られた弁当をオフィスまで届けるダッパーワーラーと呼ばれる
配達人が自転車や電車で慌しく行き来する。
家庭に無関心の夫を振り向かせようと、イラは心を込めて作った弁当を配達人に預ける。
空っぽで戻ってきた弁当に喜ぶイラだったが、夫に変化はなく、どうも別人が食べたようだ。
イラの弁当は、妻に先立たれ早期退社目前のサージャンのもとに届いていた。
不審に思ったイラが弁当に手紙を忍ばせ、返事を書いたサージャンとの間で、毎日手紙が交わされ…。


インド映画に付き物の歌も踊りも全く無し。
       料理に励むイラ

聖者たちの食卓でも感じた「無秩序の中の秩序」とでも
言うべき、インドの驚くべきシステム。
1日20万個のお弁当が5000人の弁当配達人「ダッパーワーラー」によって家庭からオフィスへと
毎日滞りなく届けられるという不思議。
おっちゃんたちが自転車で各家庭を回り、沢山の弁当を回収。それらが駅で集められ電車に乗せられ
オフィスのご主人の席まで届けられる。
映画の中でも「ハーバートの偉い先生が賞賛した素晴らしいシステムで、間違いが起こるなんてことは
ありえない」と胸を張る配達人。 どうしてちゃんと機能するのか?不思議だねぇ~。

そんなありえない間違いによって顔を合わせることも話すこともなく、弁当に忍ばせた手紙(メモ書き)
によって繋がるイラとサージャン。
多くは語られないけれど、日々の生活、言葉の端々、視線などから共に孤独であることがうかがわれる。
携帯電話やeメール、SNSで瞬時に連絡が取れてしまう昨今。1日一回の手紙で思いを伝え合うふたり。
通信手段が手紙のみというのがなんともしっとり。
日本が舞台なら、ありえない!?と思われる設定が、アナログのダッパーワーラーを介してしることで
すんなりと受け入れられてしまいます。

イラや後任の若い会計士との関わりを通して、変わってゆくサージャンだったが、
自分の匂いに老いを感じ、身を引こうとしたというくだりが切ない。
果たしてふたりは出会うことができるのか?
何らかの結末を期待して見ていたので、ちょっとびっくり。
おそらく…出会えたと思いたいなぁ。

「たとえ間違った電車に乗ったとしても、正しい場所に導かれる」
ふたりの正しい場所は?


インドでは出勤後、昼どきオフィスに弁当が届く。
送り出した後、一から料理をする奥さんは大変ですね。
作る人に運ぶ人。大変なエネルギーです。
社食や食堂、レストランって選択はないのかしら?

インドでは当たり前の日常に文化に違いを感じました。



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マダム・イン・ニューヨーク ENGLISH VINGLISH

2014-07-05 | インド映画
久々のインド映画です。
シリアスな「パークランド」を見た後、ちょっと銀ブラ(死語?)をしてシネスイッチ銀座へ移動。
「her」同様、本作も神奈川県では公開なし。
2~3か月したら横浜ジャック&ベティで公開するようですが、待ち切れずに鑑賞決定!です。

いやぁ~主演のシュリデビさんの美しいことったら!
ボリウッド映画の至宝、15年のブランクを経て本作でカムバックだそうです。
 
 美しいだけでなく気品がある。来日時の画像。      映画の中のシュリデビさん。
インドの綺麗な人は、彫りが深くて目鼻立ちがハッキリしていて、本当に美しい!


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         マ ダ ム ・ イ ン ・ ニ ュ ー ヨ ー ク 

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 < ストーリー >
専業主婦のシャシは料理上手。2人の子どもと多忙な夫サティシュのために尽くしてきたが、
英語ができないことを夫や娘にからかわれ、傷ついていた。ある日、ニューヨークに暮らす姉から
姪の結婚式の手伝いを頼まれ、家族より先に単身渡米する。コーヒーショップで店員にバカにされ
一念発起。誰にも内緒で「4週間で英語が話せる」と謳う英会話学校に通うことを決める。
各国から来た仲間とともに英語を学ぶうちに、次第に自信を取り戻していくシャシ。
卒業試験と姪の結婚式が重なって…。

インドの人はみんな英語をしゃべるのかと思っていました。
インドにはヒンディー語を含め22の公用語、それに加えて15を超える言語があるらしく、
英語は準公用語という位置付けで、言語が多すぎるため国内のコミュニケーションに
便宜上使われるという事のようです。
地域や世代によって、英語を話さない人もいるという事のようです。

国会や都議会でセクハラ野次が問題になっていますが、まだまだ女性を低く見る男性は多い
ということですね。特に中高年の男性はその傾向が強いようです。
インドでも女性の社会進出をこころよく思わない男性は多く、悲惨な事件の報道を耳にします。

本作の主人公シャシは料理上手でケータリングをやったりしているようですが
夫は全く彼女の能力を認めていません。高度成長期の日本のお父さんのようにワーカフォリック
で、妻は家で家族の面倒をみてればいいんだというタイプです。
娘は娘で母が英語を話せないことを揶揄し、彼女の心を傷つけています。
これは悲しいよね。悪気がないだけにたちが悪い。

そんな時舞い込んだニューヨーク行き!
姪の結婚式の準備のため、家族より早く単身5週間の滞在です。
片言の英語でビクビクしている彼女にアメリカの風当たりはキツイ。
コーヒーショップで英語がわからないと公衆の面前でバカにされるシャシ。
あんな失礼な店員のいる店には行きたくな~い!
アメリカにいるなら英語が喋れて当然でしょと思っている人、結構いましたものね。
(優しく、ゆっくりしゃべってくれる人も勿論大勢いましたが…)
知人は「バニラアイス」を注文したら「バナナアイス」がきたと苦笑いしてました。
そうそう、私はスーパーのレジでビールを取り上げられました。
アメリカでは21歳以上でないとアルコールが買えません。アジア人は若く見えるんです
当時の私は26歳。パスポートを見せても国際免許証を見せても信じてもらえず、アメリカの免許証を
見せろと言うばかり。その日はビールを買えず、友人に教えてもらって翌日VISAカードを見せたら
問題なく買えました。政府お墨付きの日本のパスポートよりVISAカードかい!?と驚きましたが、
パスポートは国によって違うのでレジのお兄ちゃんは偽造と思ったのかも?


娘の電話でひどく傷ついたシャシは英会話学校で学ぶ決心をします。

ここの先生のキャラがいい(右端のめがねさんが先生です) 
先生の指導と、共に英語で苦労しているクラスメイトとの交流、シャシの頑張りが相まって、
次第に自信をつけていく。
       
結婚式でのシャシの英語のスピーチが出色です。
たどたどしいけれど、自分の思いを英語にのせて話すシャシ。
そう、問題は英語ができるできないではなくて、その過程を通して彼女が自分に自信をつけたこと。
           
人は誰かに認められることで自信をつけ、輝くことができるんですね。
認めてくれる人が家族であれば一番うれしい。
    

家族円満の秘訣、それは対等の立場で、互いに尊重しあうこと。
国や文化は違えども共感できる、とてもいい映画です

インド映画のお約束、歌って踊っては控えめです。

この映画も、私の今年ベスト3当確です。



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マイ・ネーム・イズ・ハーン  My Name is Khan 2010

2014-03-08 | インド映画
昨年来インド映画にはまっています。
ほとんどの映画が3時間弱の長さで、歌と踊り(群舞)が3回ぐらい入るのがお約束になっています。
「キング・オブ・ボリウッド」と言われるシャー・ルク・カーンの主演作を4本見た流れで
彼の2010年の主演作「マイ・ネーム・イズ・ハーン」にたどり着きました。
WOWWOWで放送されたようなのですが、非常に評判がよかったのでDVDを購入してみました。
本作は歌を踊りを封印し、差別や偏見、人種・宗教間の対立を描く異色のインド映画です。
最後の30分は涙があふれました。


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           マ イ ・ ネ ー ム ・ イ ズ ・ ハ ー ン

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 < ストーリー >
リズワン・ハーンはインド人でイスラム教徒。幼い頃から他の子供と違うことで苦労してきた。
母の死後、アメリカにいる弟を頼って渡米し、サンフランシスコで生活を始める。弟の妻が彼の様子をみて
アスペルガー症候群であることに気が付く。ある日、化粧品を売り込みに行った美容室で、同じインド人で
ヒンズー教徒のシングルマザー、マンディラに出会い、やがて宗教の違いを乗り越えて結婚する。
マンディラと彼女の息子サミールと3人で仲良く暮らしていたが、アメリカ同時多発テロ事件以降、
イスラム教徒に対する強烈な差別や偏見が始まり、状況が一変する。サミールは、ハーンという
イスラム教徒の姓を名乗ることで激しい差別やイジメを受け、命を落とす。
子供を失い絶望したマンディラは自分がイスラム教徒のハーンと結婚したことでサミールが死んで
しまったと激しくハーンを責めたてる。愛するサミールを失い、妻から激しく罵倒されたハーンは、
妻の言った一言から「ある決意」を胸にアメリカ大統領に会い、あることを伝えるために一人旅に出る。


アスペルガーのリズワンは黄色を嫌がり、大きな音に敏感です。
人との距離を上手くとることができず、周りの空気を読むことができません。
しかし、非常に純粋で、優しく、高い知性を備えています。

自閉症やアスペルガーといった障がいを持った子供が社会に受け入れられるのは大変です。
そんなリズワンを優しく、わかり易い言葉で導く母。
世の中には2種類の人間がいる。良いことをする人悪いことをする人。違いはそれだけ。
他に違いはないんだよ」
っと。
「フォレスト・ガンプ」の母がガンプに教えた言葉のように、シンプルでわかり易く、本質を突いてます。
良いことをする人か? 悪いことをする人か?
国も人種も宗教も貧富も関係ないという教え、それを胸にシンプルに、真っ直ぐに生きるリズワン。

ストーリーは、
インドでの子供時代。
母亡き後、アメリカに渡り、理解あるマンディラと結婚し3人で家庭を築く幸せな日々。
        
                        
911同時多発テロ後、イスラム教徒という事で白い目で見られ、それを理由にサミールを亡くし、
ある決意を胸に家を出るまで。
大統領に直接メッセージを伝えるため、苦難の旅を続け、思いを遂げるまで。
の4つのパートで構成されています。

911以降、アメリカに住むイスラム教徒の方々がどれほど大変な思いをしたかは想像に難くありません。
名前を変える人、髭を剃る人、スカーフを被るのをやめた人、目立たずひっそりと暮らす人。
一部の過激派の行動で多くの罪なき人たちが社会から疎外され、時に暴力を受ける。
題名の「My name is Khan.」の後には「I'm not a terrorist. テロリストではありません」という言葉が続くのです。

911後もイスラム教徒であることを隠すことなく真っ直ぐなリズワンに、旅で出会った人たちは
次第に心を動かされ、彼の旅はクライマックスへ。最後の30分は涙でボロボロになってしまいました。
ちょっと出き過ぎという見方もあるようですが、リズワンのひた向きさに心打たれました。
母の教えはシンプルですが、それゆえ力強く、説得力がありました。
私たちはあれこれ考えすぎて事を複雑にしてしまいがちですが、
良いことをする人か?悪いことをする人か?というシンプルな物差しこそが、
偏見や固定観念という曇りを取り去る究極の尺度なのかもしれません。

ハリケーン・カトリーナ(別の名前になっていましたが)やオバマ大統領誕生など、当時の社会情勢を
盛り込んだなかなかの感動作です。
いつもは恋愛ドラマやアクション、歌と踊りで魅せるシャー・ルク・カーンですが、難しい役どころを
しっかりと好演しています。


「スーパー・サイズ・ミー」で有名になったモーガン・スパーロック監督のドキュメンタリー「30 DAYS」で、
白人のクリスチャンの青年がイスラム社会で30日を過ごすエピソードはとても興味深く、
「イスラム=過激=怖い」という誤った刷り込みを正し、普通のイスラム教徒の日常を知る
面白い試みでした。(* 他のエピソードも面白かったですよ。)






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 ***** 見た 映画 *****

 3月5日 「マイ・ネーム・イズ・ハーン」 DVD

命ある限り  JAB TAK HAI JAAN

2014-02-26 | インド映画
インドの注目映画企画「ボリウッド4」の1本です。
冒頭に監督さんのメッセージが入り、こういうのもボリウッドスタイルなのかしら?と思ったら、
監督のヤシュ・チョプラ氏はボリウッドの「切なすぎるメロドラマ」の形を作り上げた伝説の巨匠で
2012年に他界され、本作が氏の最後の作品ということで、エンドロールでも監督への敬意を込めた
ものでした。
175分、ロンドン編、インド編、再度ロンドン編と、10数年にわたる主人公二人の愛のドラマを
コメディーあり、シリアスあり、三角関係あり、事故あり、記憶喪失あり、歌あり、踊りありの
ぎっしりてんこ盛りです。


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           命  あ  る  限  り

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 < ストーリー>
インドから一旗揚げようとロンドンにやってきたサマル。ストリートミュージシャン、市場の売り子に
レストランのウエイターにと複数の仕事をこなす毎日。ある日、裕福な実業家の娘ミラと教会で運命的な
出会いを果たす。ミラにはすでに婚約者がいたが、父の為にインドの歌をプレゼントしたいというミラを
手伝ううち、互いに恋に落ちる。そんな時、サマルが交通事故にあい生死を彷徨う中、ミラは彼の命を
救ってくれるなら2度と会わないという誓いを立てる。
10年後、インド陸軍で防護服を身につけずに爆弾処理に当たる命知らずの寡黙な男サマル。
偶然出会った女性TVディレクターのアキラは、たままた彼の悲しい過去を知り、密着取材をすることに。
次第にサマルに魅かれるアキラ。サマルがロンドンにくることを条件に、アキラ製作のドキュメンタリーが
ナショナルゲオグラフィックに採用される。気が進まないながらアキラの為にロンドンに到着するサマル。
またまた事故にあい、10年間のインドでの記憶を失ったサマル。
彼の記憶は戻るのか?サラとアキラ、どちらの愛を選ぶのか?

何せ175分作品なので時間はたっぷり。場所を移して3つのパートに分かれます。
 ・ロンドン編はふたりの出会いと別れ。
         
 ・インド編はキラの愛を試すかのごとく命がけで爆弾処理に励む傷心のサマルと
  アキラの出会いと新たな愛。
 ・ロンドンに戻って、事故→記憶喪失→キラとの再会→記憶を取り戻し、三角関係へ。

ハリウッド映画「ハート・ロッカー」+「冬ソナ」の如く記憶喪失のウェットなラブストーリー、
そこにカレーのスパイスをふりかけて、雪降る教会やミレニアムブリッジのロンドンの街並みと、
インドの美しい自然の風景を背景に「命ある限り」貫くピュアな愛を描きます。
          

サマルが処理した爆弾の数は108個って・・・仏教では人の煩悩の数じゃないですか!
防護服なしで108個の爆弾処理を成功したってことは、煩悩を超越したってことになるの? 
インドってヒンズー教が多数派だけど、キラは教会に行ってるし…ただの偶然?


主演はボリウッドの帝王シャールク・カーン。
コミカルな演技もシリアスも、歌も踊りもこなす上、本作では10年の時の隔たりをも演じ分けます。

ミラ演じるカトリーナ・カイフはインドと英国のハーフで不思議な魅力にあふれる超美人です。
上品だけどセクシーなダンスを踊りまくります。「タイガー 伝説のスパイ」でも主演していました。
     
         カトリーナ・カイフ             アヌシュカ・シャルマ 
アキラ演じるアヌシュカ・シャルマも元気でとってもキュートな美人さんです。




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ラ・ワン

2014-02-10 | インド映画
ボリウッドの大スター「キング・オブ・ボリウッド」と言われるシャー・ルク・カーン主演のSF大作です。
ゲーム空間から飛び出て現実世界で大暴れする悪漢と善玉のバトルを描く。
派手なカーアクション+1対1のバトル+お約束の歌と踊りの156分です。

ロボット」のチッティが登場したのには驚きました。
ラジニカーントさんのインド映画界での大きさ・存在感を感じさせるカメオ出演です。
電車でのアクションは「ロボット」へのオマージュ?


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              ラ  ・  ワ  ン

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 < ストーリー >
デジタル世界のデータを実際に物質化できる技術を開発した英国バロン社。
その技術を使ってバロン社のゲーム製作部門のシェカルたちは「ラ・ワン」というゲームを作り上げた。
完成披露パーティーの日、シェカルの息子プラティクは「ルシファー」の名で悪漢ラ・ワンと闘ったが
途中でゲームをやめて帰宅。するとゲームのキャラ、ラ・ワンがルシファーを抹殺しようと付け狙い、
ゲームの仮想世界から飛び出し…。

前半の舞台は英国。
主人公シェカルは妻と息子をこよなく愛する心優しい家庭人でゲームのクリエイター。
息子を喜ばせようと作った最強の悪漢キャラ、ラ・ワンがゲームの世界から現実の世界に現れ、
息子を守ろうとしたシェカルはラ・ワンに殺されてしまう。
後半はインドのムンバイへ舞台を移し、ゲームのヒーローキャラのG・ワン(生命)としてラ・ワンと
対決する。
前半のクルクルヘアーでコミカルな演技と、後半のゲームキャラの演技、シャー・ルク・カーンの
演じ分けが見どころです。
           
 
     
ワイヤーアクションあり。
「マトリックス」のようなスローモーションあり。
「アイアンマン」のような胸にはめる丸いハートあり。
色んな姿に変身したり、粉々になったパーツが集まってラ・ワンになるシーンは「T2」のよう。
G・ワンと息子プラティクの間に「ターミネーター」と少年ジョン・コナーのような心の交流あり。
そして、ド派手なカーアクションとG・ワンラ・ワンの激しいバトルありっと、
いろんなハリウッド映画を彷彿とさせるシーンあり。パクリ?と言われちゃうかも…。
でも、善と悪とか親子・夫婦の愛情表現とか、アジア的で結構好きです。
勿論、歌と群舞、そしてベタなコミカル演技もあります。
            
       
「スタンド・バイ・ミー」をインド風にアレンジした曲は、唯一メロディーがわかってうれしい。

妻を演じるのは「きっと、うまくいく」のカリーナ・カブール。美人です。
 
悪漢ラ・ワンを演じるのは「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」でも悪役を演じたイケメン、
アルジュン・ラームパール。
今回はスキンヘッドにタトゥー、筋肉ムキムキで別人かと思いました




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スタンリーのお弁当箱

2014-01-15 | インド映画
          
こんなカワイイ子供たちの表情から、楽しいエンターテインメント映画をイメージしていたのですが、
子供たちの日常を通して、インドの児童労働にスポットを当てた映画だったのです。

日本では児童労働といわれてもピンときませんが、アジア、アフリカの発展途上国は勿論のこと、
ヨーロッパや北アメリカの先進国でも存在するそうです。
国際労働機関ILOの発表によると、2013年全世界の児童労働者推計は1億6795万人。
2008年からは6年間で4700万人減少しているそうですがまだまだ大きな数字です。
インドというと、昨今ITを中心とする経済の躍進や、二けたの九九など数学教育のレベルの高さに
注目が集まっていますが、貧富の格差は大きく「インド 児童労働」でググると、沢山の記事がヒット
するのです。

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           ス タ ン リ ー の お 弁 当 箱

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 < ストーリー >
明るい性格で、いつも楽しい物語を創作してクラスメートを笑わせているスタンリーは人気者だ。
ある日、顔にあざを作って登校したが、得意の話で皆を笑わせた。家庭に事情があるらしく、
スタンリーはお弁当を持ってこれないため、昼食の時間が近づくと教室をそっと抜け出し、水道水を飲んで
空腹を紛らせていた。そんな彼を見かねたクラスメイトたちは、自分たちのお弁当分を分けてあげることにする。
しかし、子供たちの弁当をあてにしている国語教師は自分が食べれないと激怒し、弁当を持ってこられないなら
学校に来る資格がないと言い放つ。
スタンリーはその日から学校に来なくなってしまい…。


スタンリーの事情は全く語られず、顔のあざやお弁当を持ってこられないことでなんとなく事情が察せられるも、
子供たちの屈託のない笑顔や、ともだちを思いやり助け合う微笑ましい姿に見ているこちらも微笑んでしまいます。

そんな中、社会情勢が日本とあまりに違うので、国語教師の行動に戸惑いました。
他人の弁当を盗み食いするは、子供の弁当も当然の如く食べ、スタンリーが分けてもらったことに
激しく怒り暴言を吐くのです。
ただでさえ肩身の狭い思いをしているスタンリーに、教師としてこの所業は如何なものか。
因みにかれらがかよう学校はカソリック系で校長先生は神父さん。
スタンリーのような境遇の子供たちになんとか配慮できないものかと胸が痛くなりました。
子供たちの無邪気な日常と、とんでもない国語教師とのストーリーの後語られる衝撃の事実~!

・・・ ネタバレあります ・・・・・

      ↓

      ↓
  
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      ↓      

実はスタンリーは、両親が亡くなり叔父に引き取られたのですが厄介者扱いされ、学校から帰ると
毎日夜遅くまで飲食店の厨房で働かされていたのでした。厨房の隅で寝起きし、身支度をして
学校へ通っていたのでした。
何と健気な・・・
事情を聴いた飲食店の料理人の優しいお兄さんが弁当を作ってくれるようになるのですが、
それをお母さんが作ってくれたとクラスメートたちと分け合うスタンリーにまたまた胸が痛くなりました。
ええ子やねぇ~。

最後に「インドの就労児童は1200万人、家業も含むと5000万人…」のテロップが出ます。
無邪気な子供たちの日常を描きつつ、自国の児童労働を見つめた社会派映画でした。

本作の監督は、件の非常識な国語教師を演じるアモール・グプテ氏。
そしてスタンリーを演じるのは監督の息子パルソー君なのでした。

本作の前売り特典は映画に出てくるスチール製3段重ねのインド式のお弁当箱だったらしいのです
特典のレベルをこえてるでしょう?!
欲しかったなぁ~!




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タイガー 伝説のスパイ

2013-12-31 | インド映画
ここのところインド映画に魅かれています。
本作は2012年インド映画界でナンバーワンヒットした作品だそうです。

主演のサルマーン・カーンはインドを代表するスターの一人。
この方、田宮二郎のような端正な甘いマスクからは想像できないほどのめっちゃマッチョです。
 
   甘~いマスク                  2013年アジアで最もセクシーな女優No.1             
ところが、例によってサルマーン・カーンも47歳。
やっぱり・・・インドでは若い男優さんは出番がないのか?
お相手のカトリーナ・カイフは2013年アジアで最もセクシーな女優No.1に選ばれた美人女優です。
美しくてセクシー、その上ダンスがスゴ~イ!!っと3拍子揃っています。(1984年生まれ)
アクションに歌に踊りにと、インドのスターさんは大変です。


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          タ イ ガ ー 伝説のスパイ  

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 < ストーリー >
インド諜報局RAWの敏腕エージェントのタイガーに新たなミッションが下された。
敵国パキスタンとの接触が疑われるミサイル技術の権威、キドワイ博士の監視だ。
博士の住むアイルランドへ飛んだタイガーは、博士の家政婦をしながらダンスを学ぶ
インド系イギリス人の学生ゾヤと出会う。素性を隠して何度か会ううち、次第にゾヤに
魅かれていくタイガー。ところが彼女が敵国パキスタンISIのエージェントであることが判明し…。

アイルランド、トルコ、キューバなどでのロケ敢行!
ロードムービー的な要素もあり、各地でやっぱり歌って踊ります
          
ロミオとジュリエットの如く、敵対する二つの組織出身のふたりが、図らずも恋に落ち、
逃避行と相成ります。
如何にして敵を、味方を欺いて脱出するか。ハラハラドキドキ派手なアクションにサスペンス。
逃避行先のトルコやキューバでは、二人の甘い蜜月の日々。
ところがひょんなことから居場所が発覚!両組織が威信をかけてふたりを追います。
果たして二人の運命は?
           

いやぁ~インド映画は総合エンターテインメントです。楽しい~
他の映画も是非見たいなぁ~!




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きっと、うまくいく  3 idiots

2013-12-13 | インド映画
見たかったインド映画、やっとDVD発売です。
インドの歴代興行収入ナンバーワンの偉業を達成し、世界各国でも大ヒット!
ハリウッドでリメイクも決定しているらしいです。

途中休憩が入る170分の長丁場。
青春あり、謎あり、友情あり、恋愛あり、事件あり、事故あり、苦悩あり、もちろん歌あり踊りあり。
その上、現在IT分野で台頭著しいインドの社会問題有りで、飽きさせません。
楽しくて、悲しくて、痛快で、ドキドキハラハラ、てんこ盛り。
インド映画、面白いです!
ハリウッドのリメイク…ただのおバカ映画になりそうで心配です。


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         き っ と 、う ま く い く
                   3idiots

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< ストーリー >
行方不明だったランチョーが戻ってくると聞き、ファルハーンとラージューは母校に向かう。
10年前、3人は名門工科大学の同級生でルームメイト。ランチョーは真っ直ぐな性格で、
異議があれば学長にさえ物申す。工学が大好きで、友人が困っていると放っておけない熱血漢。
卒業後、忽然と姿を消したランチョ―の秘密は?そして、3人は再会することができるのか?

高度成長期にあるインド、大勢の優秀なITエンジニア抱えIT大国と呼ばれているが、
良い面ばかりではなく、同時に、大きな社会問題も潜んでいる。
男の子が笑まれるとエンジニアになることを期待され、親の期待の大きさに萎縮したり
好きな道を断念したり。期待に添えなかったことを苦に、自ら命を絶つ者は少なくないようです。

熾烈な競争社会で勝つことだけが大切だと学生たちを鼓舞する学長。
同級生の死に接し、行き過ぎた競争やプレッシャーに疑問を呈し「All is well きっとうまくいく」
を口癖に、難局を切り抜けるランチョ―。
自分にとって本当に大切なことは何なのか?人生をかけてしたいことは何なのか?
出世や成功のためでなく、学識を求めれば、成功は自ずと付いてくると。

12億を超える人口を抱える中国やインドでは、競争も熾烈を極めるのでしょうね。
舞台になる工科大学では、40万人の受験者に合格者は200人って…2000人に1人の合格率!
合格し晴れて大学生になってもプレッシャーにさらされ続ける学生たち。

      
      主演のアーミル・カーン
ランチョ―の口癖「All is well…すべてうまくいく」。
これを聞いた時、赤塚不二夫氏の「これでいいのだ」と志村けんの「だいじょうぶだ~」という言葉
を思い出しました。子供の頃「これで いいのだぁ~」っと歌っていましたっけ。
赤塚不二夫さんのお葬式でタモリさんが読まれた弔辞を聞いた時、「天才バカボン」のパパが言う
「それでいいのだ」はテキトーな言葉ではなく、意味深い暖かい言葉であることに気付かされました。

 *弔辞の一部を引用します。
   あなたは生活すべてがギャグでした。ギャグによってものごとを無化していったのです。
   あなたの考えは、すべてのできごとを前向きに肯定し受け入れることです。それによって、
   人間は重苦しい意味の世界から解放され、軽やかになり、また、時間は前後の関係を断ち放たれ
   て、そのとき、その場が異様に明るく感じられます。それをあなたは見事にひとことで
   言い表しました。すなわち「これでいいのだ」と。

「これでいいのだ」「だいじょうぶだぁ~」も本作の「All is well すべてうまくいく」も、
すべてのできごとを肯定し受け入れる言葉です。
受け入れられることで、心穏やかに、気持ちを明るくするいい言葉です。

お目目クリクリでキュートな主演のアーミル・カーンさんは何と、48歳!(撮影当時は44歳)
大学生を演じていてもそれほど違和感がなかったのですが、ボリウッド界のスーパースターさん
らしいです。アメリカのアカデミー外国語映画賞にノミネートされた2作品に主演しておられます。
脚本を読んで「是非やりたい。やらせてくれるなら若く見えるように体を絞る」と頑張られたそうで、
歌や踊りの激しい動きもキレがあります
恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」のシャー・ルク・カーンさんといい、
インド映画界では若い役者さんに出番はあるのかしらん?

今年見た、映画ベスト3に入る作品、お薦めです。



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 ***** 見た 映画 *****

 12月11日 「もう一人の息子」@横浜ジャック&ベティ

         「47 RONIN」@横浜ブルク13


恋する輪廻  オーム・シャンティ・オーム

2013-11-11 | インド映画
                       千手観音のようなチラシ。

久しぶりのインドの映画です。
2時間49分…豪華絢爛~のミュージカルエンターテインメントです。
長いわぁ~。

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      恋 す る 輪 廻
              オーム・シャンティ・オーム

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 < ストーリー >
オームと友人のパップーはボンベイで活動している脇役俳優。
ある日、憧れのスター女優のシャンティプリヤをオームが助けたことで二人は友人となる。
シャンティに夢中のオームだったが、彼女は映画プロデューサー・ムケーシュと秘密裏に結婚しており
公表を迫るが、ムケーシュは事実を隠すためシャンティを事故に見せかけて焼き殺そうとする。
その場に居合わせたオームは彼女を助けようとしたが共に命を落としてしまう。
30年後、オームの生まれ変わりオーム・カプールという2世俳優が大人気スターとなっていた。
前世に気付いたオームは新作映画のプロデュースにアメリカから帰国したムケ―シュに復讐する為
一計を案じる。


主役のオームを演じるシャー・ルク・カーンさんは「キング・オブ・ボリウッド」の異名を持つインドの
スーパースターさんらしいです。ハンサムな上に鍛え上げたマッチョなボディの持ち主です。
        若い時、かわいい~!
最近立て続けに公開されたマフィア物@ヨーロッパの「闇の帝王DON」、ラブロマンスの「命ある限り」、
SFアクション「ラ・ワン」の主演を務めておられます。見逃したのでDVDのリリースを待っています。
筋肉ムキムキ、歌ってキビキビした踊り、おいくつなのかな?とググったら…
何と、47歳(撮影当時41歳)!若く見えるわぁ~。
一方、恋のお相手ディーピカー・パードゥコーンさんは撮影当時21歳。
ロボット」のラジニカーンさんは63歳でもロマンス物の主役をつとめていらっしゃるから
アラフォーはまだまだ若造なのね?
女性は若い綺麗どころが登場するのに、男優はなかなか若手の出番がないのかしら?
まぁ、イーストウッドが「マディソン郡の橋」で主演したのも65歳、相手役のメリル・ストリープは
46歳くらいだからねぇ。こちらも20歳違いなのね。
ハリウッドもボリウッドも、女優は若い方がいいってことなの?・・・ちょっと不満。

微笑ましい呑気な恋物語から一転、サスペンスドラマになって一気に緊張感を増し、
30年の時を経て、輪廻転生・生まれ変わりによる復讐劇へとめまぐるしい展開!
もっちろん、歌と踊り・群舞が満載です。
あぁ、今も主題歌「オーム・シャンティ・オーム」が頭の中でリフレイ~ン

相手役の女優ディーピカー・パードゥコーンさんがキュートで超美人。
その上、激しい踊りもバッチリです。
  
        ヒロイン演じるディーピカー・パードゥコーンと悪役のアルジュン・ラームパール

悪役のアルジュン・ラームパールさんが、これまためっちゃハンサム~
こちらが主役じゃないのか?と言いたくなるほどのイケメンです。
どうも主役の頃はヒットせず、悪役に転向してブレイクしたらしいです。
イケメンが過ぎると反感をかうのかも? 超イケメンは主役より悪漢の方が受けるのね。
      

   
カラフルで豪華絢爛 てんこ盛りのストーリー + 歌に踊りで、テンションあがります
インド映画は、盛り沢山で楽し~い






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ボス その男シヴァ―ジ

2013-04-28 | インド映画
3時間越えのインド映画です。
以前映画館で「ロボット」を見ましたが、
本作もインドのスーパースターラジニカーントさん主演です。
現在64歳のラジニカーントさん、増々パワーアップして、
歌に!踊りに!アクションに!と、八面六臂の活躍です。

お相手の女優さんは若くお美しいのですが、
いつまでラジニカーントさんは頑張り続けるのか?
どうして若くハンサムな男優さんが主役を務めないのか?・・・不思議です。
ラジニカーントさんはお父さん役の俳優さんより年上なのではなかろうか?

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       ボ ス  その男シヴァ―ジ

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 < ストーリー >
アメリカでビジネスに成功し、インドへと戻ってきた実業家シヴァージ。
ビジネスで蓄えたお金を、貧困にあえぐ人々のために使おうと無料の病院や大学を建てようとする。
しかし、悪徳企業家アーディセーシャンが賄賂で手懐けた政治家に圧力をかけ、計画を潰し、
シヴァージは全財産を奪われる。正攻法では善行を行えないと感じたシヴァ―ジは、
悪徳政治家や企業家の裏金をマネーロンダリングし、建設費用に充てるが・・・。

今回も、極彩色の豪華な衣装・舞台装置で、突然!踊る踊る・歌う歌う!
それもインド風あり、ヒップホップ風あり、ロック調ありで、豪華絢爛です。
相手役の女性も、美しいく艶めかしいだけでなく、激しい踊りもバッチリです。
    艶っぽい微笑み。

          
      ラジニカーント氏のバックのおじさんたちの体型が…見事な太鼓腹を活かしたペインティング。

ストーリーは、
賄賂天国インドの政治家の腐敗ぶりと企業家の強欲ぶりをこれでもかと描き、
ヒーロー・シヴァ―ジが悪に悪で対抗し困っている人たちを助ける
インド版鼠小僧次郎吉のような、
ミッション・インポッシブル?のようなトリックありの、勧善懲悪・拍手喝采物語です。
インドの映画館はやんややんやの盛り上がり~なんでしょうね。
庶民の日頃のうっぷんを晴らし、溜飲を下げるストーリー。 絶対受けるよね~。

しかし・・・、
「この国の裏金をすべて集めて分配したら、貧困なんてなくなるはず。インドは貧しい国ではない」なんて言っちゃって、ラジニカーントさん大丈夫かなぁ~?

ラジニカーントさん自身、庶民層から苦労して今のスーパースターの地位を築かれた方で、
学校や病院の建設や、被災地援助、貧困者・被差別女性を支援する社会活動などを行って
おられるようで、まさにシヴァ―ジそのものね。 →ウィキペディア

ラジニカーントさんのウィキペディアにも「肌の色」について書かれていますが、
本作の中でも「肌の色」を白くしようとシヴァ―ジがあれこれ頑張るシーンがあるのですが、
インドで「肌の色」の濃さが問題になるというのを初めて知りました。






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 ***** 見た 映画 *****

 4月26日 「ゴスフォード・パーク 2001」TV アカデミー脚本賞受賞
          マギー・スミス、ヘレン・ミレン他、英国俳優総出演のミステリー
          クライブ・オーウェンが若い!

ロボット

2012-05-20 | インド映画
インド映画を見るのは久しぶりです。
初めて見たインド映画は「ムトゥ 踊るマハラジャ」。
1998年に公開され、一大ブームになったので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか?
        
そして本作の主演がその「踊るマハラジャ」のラジニカーンさんなんです。
98年当時でも決してお若くはなかったような・・・。
現在は63歳ですが、超美人女優さんを相手に歌って踊って恋をして、大活躍です。


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            ロ  ボ  ッ  ト

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 < ストーリー >
バシーガラン博士は研究に没頭し、ついにチッティという高性能のロボットを作り上げた。
ところが、ロボットゆえ融通が利かずミスを犯し非難を浴びる。
そこで博士はチッティに人間の感情を理解するよう改良するが、博士の恋人・サナに恋をする。
サナに振られ、博士に廃棄処分にされたチッティは、博士をライバル視するボーラ博士によって
回収され、強力な殺人兵器としてよみがえる。自分のレプリカを大量に作り、サナを振り向かせようと
暴走するチッティの運命は?

ラジニカーンさん、お若い!

ラジオでジョン・カビラがメッチャクチャ面白いと紹介しておられたのを聞き見てきました。
映画館の予告でも見たことが無かったのですが、一度だけテレビでCMを見ました。

確かに、なんだかハチャメチャなんだけれど、面白~い!!

大阪大学の石黒浩教授が自分そっくりのアンドロイドを作って話題になりましたが、あんな感じ。
バシーガラン博士は人の役に立つようにと自分そっくりのロボットチッティを作ったのだけれど
なかなかうまくいかない。

アシモフのロボット工学三原則
・ロボットは人間に危害を加えてはならない
・ロボットは人間の命令に服従しなければならない
・上記2項目に反する恐れのない限り、自己を守らなければならない
に則って作ったロボットが人間を攻撃するというのは「アイ,ロボット」と同じなのですが、
本作では、ロボット工学研究者の開発をめぐる嫉妬と陰謀、
そして感情を持ったロボットが自分を作った博士の恋人に横恋慕という
非常に人間臭い展開です。

勿論、インド映画のお約束、歌って踊るシーンがこれでもか~っと満載です。
博士の恋人サナ役の女優さんの美しいこと!美人だ~!
美人なだけじゃなくって踊りも上手い!
博士役の還暦越えラジニカーンさんもお年を感じさせない風貌とダンス

後半、大量のロボットが様々なフォーメーションを組んで戦う怒涛のシーンは爆笑です。

博士をコピーしたロボットが整列している姿を見て「チャーリーとチョコレート工場」の
ウンパルンパを思い出しました。
ロボットの不死身な感じは「ターミネーター」を彷彿とします。
VFXやアニマトロニクスの技術を駆使した映像は、流石IT大国インドだなぁと思ったら
担当したのはアメリカの会社のようですね。

歌と踊りに、爆笑の展開だけでなく、
最後には人間の愚かさをチクリと突くなかなかいいメッセージも台詞の中にあって、
唯のお祭り映画というわけではないですよ 


元々、3時間くらいあるインド版を日本では139分に編集しているそうなのですが
ノーカット版が見てみたいもんだ。



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 ***** 見た 映画 *****

 5月19日 「幸せの教室」@横浜ブルク13 トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ主演