映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

来たぜ!北陸②

2015-04-30 | 国内旅行
本日は宇奈月駅から黒部欅平に向かって走るトロッコ列車に乗りました。
残念ながら、冬の間雪で閉鎖されていたので全線開通は5月に入ってから。
いまは3分の一ほど笹平まででした。






突如現れたウィンザー城のような発電所。
黒部ダムは関西電力の所有だということを初めて知りました。お世話になってたんだ~。
宿の方に外国人が多い理由を聞いたところ、黒部立山アルペンルートの人気が高いということでした。立山駅からケーブルカーやロープウェイを乗り継いで黒部ダムまで、機会があれば夏にアルペンルートとトロッコ列車で黒部ダムまで行ってみたいてす。
トロッコ列車の後はセレネ美術館へ。
平山郁夫画伯らの描く黒部を題材にした作品が展示されています。

私は田淵俊夫氏の「放水」に魅せられました。
特別展は「黒部の今昔」と題した冠松次郎氏と志水哲也氏の厳しいダイナミックな黒部の自然を捉えた写真展です。

宇奈月温泉駅から電鉄富山駅までは元•京阪電車のダブルデッカーエキスプレスで。



剱岳など立山の山並み。

富山駅から「あいの風とやま鉄道線+IRいしかわ鉄道線」「JR北陸本線しらさぎ」と乗り継いで加賀温泉駅から山代温泉へ。
古総湯
足湯体験
服部神社の手水舎の像。
ヨーロッパのガーゴイルに似ています。


こんな躍動する馬の像も。

今日も温泉でゆったり~まったり。
明日は金沢へ参ります。

来たぜ!北陸①

2015-04-29 | 国内旅行


北陸新幹線「はくたか」で黒部宇奈月へ。
シャープなボディ

中学校の修学旅行で黒部に来て以来の富山です。
黒部宇奈月駅から富山地方鉄道で宇奈月温泉へ。

ここを走る電車は、
元•京阪電車です。
ボディに時代祭の行列絵の付いた車両もありました。
こんな車両も。

この上流に黒部ダム

トロッコ列車をイメージしたこんな街灯。

地ビールはスッキリとした飲み口。
温泉でまったりした後のビールは最高~!

鄙びた温泉町ですが、中国系や東南アジアからの若い観光客に何人も遭遇。
日本人のわたしが人生初の宇奈月なのに•••。

陽だまりハウスでマラソンを  Sein letztes Rennen

2015-04-27 | 映画 は行
久々のドイツ映画です。
タイトルとポスターから、ほんわか、ほのぼの系の映画かと思ってたいたのですが…。
70歳を超えたおじいちゃん、実はメルボルンオリンピックで金メダルを獲得し
敗戦後疲弊したドイツ国民に希望を与えた伝説のマラソンランナーという設定です。
まるで日本の「フジヤマのトビウオ」古橋廣之進さんのような方です。
ひょっとして実話に基づくストーリー?と思いググってみましたが、メルボルンオリンピック
のマラソンで金メダルを獲得したのはフランスの方でした。
いくら鉄の心臓の持ち主でも、70歳越えでフルマラソン走破は厳しいでしょうっと思いましたが…
何と!今年の東京マラソンの男性最高齢完走者は90歳!女性最高齢完走者は80歳!
ありえない話ではありませんでした。
失礼いたしました。


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      陽 だ ま り ハ ウ ス で マ ラ ソ ン を
  
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 < ストーリー >
最愛の妻マーゴの病気をきっかけに夫婦で老人ホームに入居したパウル。
彼はメルボルンオリンピックで金メダルを獲得した不屈の伝説ランナー。
健康なパウルはホームの「老人向け」プログラムにに退屈し、規則で縛られた運営方針にも
我慢がならない。ある日ベルリンマラソンに出場する為、練習を始める。
昔のように妻と二人三脚で練習を進めるパウルに、雰囲気を壊すなと怒りを露わにする
入居者と施設職員。一方、パウルを応援し元気を取り戻す入居者も現れる。
ところが妻マーゴが倒れ帰らぬ人に。果たしてパウルは出場できるのか?


パウロを演じるディーター・ハラーフォルデンさんはドイツの国民的俳優さんだそうです。
撮影のために9キロ減量し、マラソンにも初挑戦!いや初挑戦とは思えない走りっぷりでした。
表情豊かで、チャーミングな役者さんです。
  

施設スタッフの入居者への対応や入居者の家族との問題は、ドイツでも日本でも同じようです。
人手不足で、ルールに縛られ、パウルのような和を乱す入居者には風あたりが強い。
彼のように元気な入居者には子供だましの作業で時間を潰すような毎日は耐え難い。
入居者の子供たちは自分の生活で手一杯。厳しい現実です。
そんな中、黙々とマラソンの練習に励むパウルとマーゴ。
入居者たちは興味津々。刺激を受け生き生きしだす。
     
パウルにとって長年連れ添い、マラソンのタイムキーパーや体調管理をしてくれるマーゴは
最愛のパートナー。パウルがマラソンを再開すると、病気を押してストップウォッチを手に
「ペースを守って!」とサポートする。ふたりの関係は「風と海」。ラブラブですわ
      
       二人ともいい笑顔だ~!こんなじいちゃんとばあちゃん、理想です。

マーゴ逝き、憔悴するパウル。
ここからのストーリーは予想通りなんだけれど、それでも思わず手に汗握ってパウルを応援
分かっているんだけれど、ゴールにたとり着いたパウルを見て涙・涙・涙が~

主人公パウルは「止まってしまったら、負けだ」と必ず立ち上がり走り続けた伝説のランナー。
年をとっても、あきらめず、ゴールを目指しては要り続ける。
彼の姿に高齢者ホームの入居者たち、スタジアムの観衆、そして見ている私たちまで勇気づけられました。

           
             幾つになっても、生きがいって大事だわぁ。



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 ***** 見た 映画 *****

 4月23日 「女神は二度微笑む」@横浜ジャック&ベティ インドサスペンス映画

       「君が生きた証」@横浜ジャック&ベティ ウィリアム・メイシ―初監督作

リスボンに誘われて Night train to Lisbon

2015-04-20 | 映画 ら行
次に訪れてみたい国・・・それは、ポルトガルです。
だからというわけではないですが「リスボン」に誘われてDVDを鑑賞しました。

世界で400万部を超すベストセラー小説「リスボンへの夜行列車」が原作で、
作者はパスカル・メルシエという哲学者だそうです。
主演がジェレミー・アイアンズ、舞台がリスボンということだけで見たのですが、
冒頭の思いがけない主人公の行動、
舞台がリスボンに移ってからは二つの時代が交錯しサスペンスタッチの展開に
街の佇まいも合い間って、ぐいぐい引き込まれました。
シャーロット・ランプリングにマルティナ・ゲデック、メラニー・ロラン、
クリストファー・リー、ブルーノ・ガンツにレナ・リオンっと
ヨーロッパの有名俳優が次々登場しうれしい驚きでした。


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        リ ス ボ ン に 誘 わ れ て

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 < ストーリー >
スイスの古典文献学教師ライムント・グレゴリウスは、離婚後単調な一人暮らしを送っていた。
ある朝登校途中、橋から飛び降りようとする女性を助ける。何も言わず去った彼女のコートに
入っていた一冊の本に魅かれ、列車に飛び乗り著者アマデウ・デ・プラドを求めリスボンを目指す。
そこでアマデウの家族や友人を訪ね歩き、軍事政権下レジスタンスとして活動する彼の素顔や
人生に触れ、謎に迫ることで、自らの人生と向き合うことになる。

     
                
雨の中真っ赤のコートを羽織った謎の女性を助けたことで、ラインムントの人生が動き出す。
コートのポケットに入っていた「言葉の金細工師」という一冊の本に綴られた言葉に魅了され
著者に会いに、衝動的にリスボン行きの夜行列車に飛び乗るラインムント。
    
      シャーロット・ランプリングはアマデウの妹      
                  
                ドラキュラ俳優クリストファー・リー(現在92歳!)はアマデウの通った学校の教師
著者アマデウの人生を辿るうち、1970年代独裁政権下で自由と理想を求め反政府運動に身を投じた
若者たちの愛と友情と革命に翻弄された青春の日々に触れ、アマデウの死の謎を解き明かすことに
のめり込んでいくラインムント。
ポルトガルにもこんな時代があったとは…知りませんでした。
 年老いたジョルジュを演じるブルーノ・ガンツ                               
      
         アマデウと親友ジョルジュはエステファニアを巡って恋敵となっってしまう。  
             
                              若き日のエステファニアを演じるメラニー・ロラン
40年の年月に埋もれた事実の断片を集め、当事者たちも知り得なかった真実にたどり着き、
ラインムント自身の第二の人生を歩み出す。
       
マルティナ・ゲデックは「マーサの幸せレシピ」や「善き人のためのソナタ」に主演したドイツの女優さん。

原作者が哲学者だけあって、ちょっと難しい、言葉を大事にした作品です。
原作本を読んでみたい!っと思うのですが、上下2巻。
いまはちょっと余裕がないので…時間ができたら是非読みたい。
非常に見応えのあるストーリーとリスボンの美しい街並みが見れる、お奨めの映画です。
スイスとポルトガルが舞台でドイツ人俳優も多いけれど、全編英語です。


現在と過去が交錯するストーリーで思い出すのは・・・
2002年グイネス・パルトロー、アーロン・エッカート主演の「抱擁 Possession」。
こちらも英国ブッカ―賞受賞の文学作品の映画化で、見応えある謎解きストーリーでした。
       
                    ジェニファー・イーリーとジェレミー・ノーサムは過去の恋人たち
こちらもお奨めです。







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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) Birdman or The Unexpected Virtue of Ignorance

2015-04-18 | 映画 は行
本年度アカデミー賞最多9部門ノミネート。
作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞の4部門で受賞
主演のマイケル・キートンはゴールデングローブ主演男優賞受賞です
前評判もよく、かなり期待して見てきたのですが・・・
非常にユニークで不思議な映画でした。


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       バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡
           Birdman or The Unexpected Virture of Ignorance

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 < ストーリー >
かつてヒーロー映画「バードマン」で人気を博した俳優リーガン・トムソン。
起死回生、再起をかけて、自ら脚本・脚色・主演でブロードウェイの舞台に挑もうとした矢先、
共演者が怪我をして降板。代役に迎えた実力派俳優マイク・シャイナーはトラブルメーカーだ。
資金繰りが苦しい中、トラブル続きでリーガンは、次第に精神的に追い詰められていく。
果たして無事に舞台を務めることができるのか?辛口批評家から高評価を得ることができるのか?

ざっくり言うと、かつての栄光を引きずりどん底にいる男が再起をかけて奮闘する物語。
見応えはある。
ドラムを基調にした音楽も、独特のムードを盛り上げるのに効果的。
劇場の舞台裏、狭い通路や楽屋を長回しで撮る映像は迫力がある。
現実と主人公リーガンの妄想(心の声)が交錯し、かつてのヒーロー「バードマン」が登場し、
ネガティブな言葉をリーガンに吹き込む。
空想の中でリーガンはスーパーヒーローパワーで空を飛ぶ。
リーガンをはじめは登場人物はみんな崖っぷちでキレっキレ。
付き人をやっているリーガンの娘サムも薬中リハビリ中でかなりヤバい。
   
    エマ・ストーンってこんなに目が大きかった?!こぼれそうで怖かった。 
唯一感情を抑え舞台の成功を願って奔走するプロデューサーを演じるのが、いつもキレ役の
ザック・ガリフィアナキスというのが笑える。
       
         マイケル・キートン ナオミ・ワッツ ザック・ガリフィアナキス       
崖っぷちリーガンは楽屋で暴れ、代役マイクも演技はスゴイが自分勝手でリーガンを
利用して目立とうと目論む男。
    
         代役を演じるのはエドワード・ノートン(右) 
新聞の批評家から「あんたは俳優ではなく単なる有名人」と面と向かってこき下ろされ
挙句に初日で酷評して打ち切りよと冷たくあしらわれるリーガン。
つまり…映画に出る人は俳優ではなく有名なだけってこと?厳しいね。

テンパるリーガンを演じるマイケル・キートンは元バットマンで、
対抗するエドワード・ノートンは元超人ハルク。
ふたりの演技はアカデミーノミネート(受賞していたとしても)納得の迫力でした。
二人ともパンツ一丁姿をスクリーンに曝して頑張ったのに…受賞ならずは残念。
昔からノートンのファンなのですが、上手いのに今一つ主演作品に恵まれないなぁ。

ブロードウェイの舞台裏を赤裸々に描く本作。
どの俳優も鬼気迫る演技で圧倒されます。
初日の舞台で何が起こるかは予想範囲内で終了かと思ったら…
予想外の展開によくわからない結末。
サムの表情から悲劇ではなさそうだけれど、あれってどう解釈すればいいの?

私の中ではマイケル・キートンは1989年の「バッドマン」より
1983年の「ミスター・マム Mr.Mom」と1986年の「ガン・ホー Gung Ho」です。 
     
「ガン・ホー」はロン・ハワード監督作でアメリカに進出した日本の自動車企業を舞台に日米摩擦を
描く喜劇でかなり誤解された日本像でしたが最後はめでたしの喜劇で、日本から山村聡さんが出演
されていました。



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 ***** 見た 映画 *****

 4月15日 「バードマン」@TOHOシネマズ海老名

  4月16日 「陽だまりハウスでマラソンを」@ヒューマントラスト有楽町 ドイツ映画

物語る私たち  Stories we tell

2015-04-13 | 映画 ま行
現在30代半ばのサラ・ポーリー。
2003年の「死ぬまでにしたい10のこと」で23歳で余命2カ月と宣告され、事実を隠して
残される夫と娘たちのために10のことをこなしていく若妻を主演。
その後2006年27歳で「アウェイ・フロム・ハー」を監督。
認知症を患い介護施設に入所した妻の変貌に狼狽え苦悩する夫を描く重厚なドラマを、
20代の女優さんが監督するとは!っと驚かされました。
そして本作は、彼女の出生の秘密を探るドキュメンタリー作品です。
全く、才能あふれるサラ・ポーリーには毎回驚かされます。

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         物 語 る 私 た ちStories we tell
 
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「出生の秘密」って、日本ではタブーな話題。一昔前百恵ちゃんの「赤いシリーズ」を思い出します。
ところが、以前アメリカ人の友人に「私は養女なの。どうも実の両親は10代で養子に出したらしいのよ。
でも今の家庭に迎えられ私はとても幸せよ。育ての両親に感謝してるわ」っと笑顔でさらっと言われ、
聞いたわけでもないのに私の方がドギマギしたことを覚えています。
本作を見ても、アメリカやカナダでは、日本ほど「血縁」にこだわっておらず、それほど憚られる話題
というわけではないのかなぁ?

  
    サラ・ポーリー              母ダイアン
サラの母ダイアンは誰からも愛される明るくチャーミングな女優さん。
最初の結婚で2人の子供をもうけるも離婚。
舞台俳優と再婚し3人の子供に恵まれ、サラは末っ子。
サラが11歳の時、母は若くして亡くなり、上ふたりの子供が家を出て、サラは父に育てられた。
そんなポーリー家のお決まりのジョークは「サラだけパパに似ていないね」というもの。
(これ、ジョークにならんでしょう?)
そしてサラは自分の出生を、母ダイアンの人生を探り出す。
母を知る人たちにインタビューするうちにダイアンの秘密の恋が明らかに。 
  
      
           兄2人、姉2人、真ん中のプラチナブロンドがサラ              

知らない方が幸せなこともある。
自分自身傷つくかもしれないし、育ててくれた大好きな父を傷つけることになるかもしれない母の過去。
母の人生を紐解くうちに、本当の父が別にいたことを知る。
見ているこちらまでドキドキしました。
そして本当の父もかつてゴールデングローブ賞を受賞した演劇人であることがわかる。

ともするとシリアスでヘビーになりそうなテーマを、湿っぽくならず軽やかに描く手腕は流石です。
どうもサラ本人は当初描きたくなかったようだけれど、育ての父は手記を書き、
演劇人の実の父はこれこそ描くべきテーマだとやはり経緯を文章で綴る。
だったら私が自分でというふうに見受けられました。
文学でも私小説というジャンルがあるけれど、演劇をする人たちってやはり自分の稀有な経験は
作品にという発想になるのかなぁ~っと思いました。

育ての父も、実の父も、兄弟たち、母の友人たち、みんなが語る母の人生。
奔放なところのあった母だけれど、みんなが母を愛していたこと、
そしてみんながサラを、家族を愛していることが伝わってくる素敵なドキュメンタリーなのでした。

     
           サラと育ての父…このお父さんが良い方です。

でもまぁ…サラ自身30歳を超え、お母さんが亡くなって久しいからできたことだよね。
お母さんが生きていたら…、サラが20歳前後だったら…こんな風にはならなかったよね。


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 ***** 見た 映画 *****

 4月13日 「不機嫌なママにメルシィ!」 DVD フランス映画

ゴーン・ガール

2015-04-09 | 映画 か行
昨年の話題作にして、主演女優ロザムンド・パイクがアカデミー主演女優賞ノミネート。
何だかタイミングが合わず見損ねた本作、やっとDVDで鑑賞しました。

妻の失踪というサスペンス映画が、中盤からホラー映画へと変貌!
まさかこんなストーリーだったとは!
すっかり、してやられました。
3部構成の本作、「えっ、えぇ―――!」次は?どうなるのよー?!と予想外の展開に、
2時間30分という長さは感じられませんでした。
この結末に、唯々唖然。そして脱力。
監督はデビッド・フィンチャー。
予想外のストーリー展開を悟られないように、予告編では「妻の失踪で窮地に陥る夫」という
冒頭三分の一の部分のみを使うよう頑張ったとか。
確かに、予告編で中盤以降の映像を見ていたら、面白さは半減だったでしょう。
ネタバレなしで書くのは難しい。

「セブン」「ファイト・クラブ」「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」「ソーシャル・ネットワーク
「ゾディアック」「ドラゴン・タトゥーの女」TVドラマ「ハウス・オブ・カーズ」と、フィンチャー監督は独特の
ダークな雰囲気を醸した作品が多いです。


    *******************

          ゴ ー ン ・ ガ ー ル

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 < ストーリー >
ニックとエイミーは傍目には理想のカップルと思われていた。
5周年の結婚記念日にエイミーが突然失踪し、キッチンには争った痕跡を隠ぺいする工作が
あった。警察から聴取を受け、メディアに追われるベン。妻の行方を心配する気の毒な夫という
立場が一転、彼の態度や言動、証拠物件から、次第にエイミー殺害疑惑の目を向かられ
追い詰められていくベン。実は・・・。

    
      連日、家の前にはメディアや野次馬が押し寄せる。

3部構成の第一幕。
妻失踪で窮地に陥る何とも頼りない夫を演じるのはベン・アフレック。
次から次へと不利な証言や証拠、事実の発覚に「夫が妻を殺したのでは?!」っと
同情的だった世間の空気は一変!非難の的となる。
果たして夫が殺したのか?
妻エイミーの母は「アメイジング・エイミー」という娘と同名のキャラのベストセラー本を
執筆する作家だったことでエイミーも有名人。
(「アメイジング」はスパイダーマンではなくて「素晴らしい」という意味)
マスコミも事件に注目、連日レポーターが家を取り囲み、テレビ番組では
「夫が犯人!」と決めつける女性キャスターまで登場。このあたりの過熱ぶりは流石アメリカ!
いや、そこまで言っちゃっていいんですか?と言いたくなるほど、夫は袋叩きです。
実際、この手の事件は第一発見者や通報者が疑われるケースが多いようです。



ところが・・・・!
ネタバレしてしまうので、ご覧になっていない方は、先に映画をご覧くださいませ。



第二幕は一転、失踪した妻の驚愕の計画が明らかに
いやぁ、ロザムンド・パイクの清楚な美しさにすっかり騙されました。
   笑顔の下は…般若だね。
           
ここまでやるかい?!
確かに「アメイジング」だ!
可愛さ余って憎さ100倍…いえ10000倍くらいか。
このあたりで妻にしてやられた夫の間抜けっぷりが際立ちます。
また過去にエイミーに関わった男性が人生を狂わされていたことも発覚!
恐ろしい女です。
周到な計画に圧倒されますが・・・悪事千里を走る。
つまらぬことからつまらぬ奴に計画を狂わされ、増々荒れ狂うエイミー。

第三幕は完全に狂気の域。
とばっちりで巻き込まれた人が気の毒です。
エイミーは「ソシオパス」を越えて「サイコパス」です。
(「ソシオパス」については「ビッグ・アイス」で書いた「良心をもたない人」です。)

         
         右端のふたりがエイミーの両親。ここでもエイミーのアメイジングぶりを強調する。         
エイミーをここまで狂気に駆り立てたのは?
まずエイミーの両親(特に母親)がおかしい。
自分の本の主人公と娘を重ね合わせ、「アメイジング」であれと圧力をかけ続けたことが
エイミーの人格に大きく影響を及ぼしているようです。これでおかしくならない方が怖いです。
そして、自尊心を傷つけられると狂気に走るエイミー。
凡人の夫のある行為が彼女の自尊心をズタズタにし
とんでもない結末へ。

夫は蜘蛛の巣に絡め取られた昆虫の如し。
「○○ってそんなものよ」って

エイミーの恐ろしさもさることながら、メディアや大衆の正義を振りかざした精神的暴力や
手のひらを返したような行動の怖さも際立たせています。

    
    夫をサポートする弁護士はO・J・シンプソン事件のコクラン弁護士のよう。
    マスコミ対応準備で夫を鍛えるシーンは非常にアメリカ的。
    如何に大衆を味方に付けるか?パフォーマンス学を学ばないと勝てないね。

色んな意味でエンターテインメント、見応えある作品でした。



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 ***** 見た 映画 *****

 4月5日 「ゴーン・ガール」DVD

 4月6日 「物語る私たち」DVD サラ・ポーリーの出生の秘密ドキュメンタリー

 4月7日 「リスボンに誘われて」DVD ジェレミー・アイアンズ主演

 4月8日 「記憶探偵と鍵のかかった少女」DVD マーク・ストロング主演のサイコ・スリラー

        「少女は自転車にのって」DVD サウジアラビア映画

世界の果ての通学路

2015-04-04 | ドキュメンタリー
道なき道を何時間もかけて通学する世界の子どもたちを追ったフランスのドキュメンタリーです。

思い起こせば、わたし小学校に行くのに徒歩+バスで小一時間でした。
大阪市内に住んでいましたが、バス停まで15~20分位だったでしょうか?
そこから朝の混雑したバスで停留所4~5つほど。首から定期券をぶら下げて6年間通学。
4つ年上の姉と一緒だったので心強かったのですが、姉は幼稚園から一人で同じルートを通ったと
大人になってから知り、そんな小さい子供を親はよくもまぁ通わせたもんだと驚きました。
後ろから乗って前から下車するので、乗り過ごさないよう大人をかき分けて運転手さんの横に
陣取っていた記憶があります。帰りは牛舎を覗いたり、ザリガニ釣りなど道草が楽しかったなぁ~。
今では考えられないですよね。平和な時代でしたわね。

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         世 界 の 果 て の 通 学 路

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本編のほぼ9割は4つの国の子供たちが通学する様子を淡々と活写。
最後に、そうまでして学校に行く意味と将来の夢を子供たちが語ります。

・ケニヤのジャクソンは11歳。 将来の夢はパイロット。
    野生のゾウやキリンが生息する片道15㎞のサバンナを、妹と早歩きで2時間。
  

・モロッコのザヒラは12歳。  将来の夢は医者。
 女子の教育に理解のないアトラス山脈の村から、片道22㎞を友人と3人徒歩で4時間かけて寄宿舎へ。
   

・アルゼンチンのカルロスは11歳。将来の夢は獣医。 妹の夢は学校の先生。
    岩山やパタゴニア平原を馬に乗って片道18㎞を妹と1.5時間。
     
・インドのサミュエルは13歳。 将来の夢は医者。
    足の悪いサミュエルを車椅子に乗せ、弟ふたりが押して・引っ張って片道4㎞を1時間15分。
     
            

どの子の通学路も危険がいっぱい。
ゾウに襲われないように、足を踏み外さないように、車いすのタイヤを砂地に取られながら、
過酷な道程を学校目指してひた向きに進む。
妹の面倒を見、足の悪い兄のために文句も言わず車椅子を押す弟たち。
みんなとってもいい子たちなのよ。
何がこの子たちを決死の覚悟で学校へ通わせるのか?
それは・・・しっかり勉強して、将来を切り開き、夢をかなえたいから。

なかなか言えることじゃないです。
この子供たちはキラキラ光る瞳で、学ぶ喜びを、将来の夢を、親への感謝を熱く語るのです。
感動しました!
過酷な環境が、子供たちを素直で思いやりのある子に育て、
学習に対するモチベーションを高めるのか?

この映画を日本の子供たちに是非見てもらいたい!
でも…「ありえな~い!」とか「そんな不便な所に住む意味が分からない?」とか言われちゃうかな?
いや、ネットが使える環境にあれば世界のどこからでも大学教育を無料で受けられる昨今、
「通学」なんてこと自体、必要がなくなるのかも?

15年後、20年後、この子たちがどんな大人になっているか? 知りたいなぁ。 


 
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 ***** 見た 映画 *****

 4月 1日 「世界の果ての通学路」DVD

 4月 3日 「ゴーン・ガール」DVD ベン・アフレック、ロザムンド・パイク主演

ナイトミュージアム /エジプト王の秘密

2015-04-01 | 映画 な行
シリーズ3作目。
今回は「ダウントン・アビー」のマシューことダン・スティーブンスがランスロット卿で登場!
というので早速鑑賞してきました。
前作スミソニアンを舞台にした「ナイトニュージアム2」はこちら        

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        ナ イ ト ミ ュ ー ジ ア ム
                  エ ジ プ ト 王 の 秘密 

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 < ストーリー >
アメリカ自然史博物館で展示物たちに命を吹き込んできたエジプト王の石版に異常が起こり
博物館の仲間たちが動けなる危機にみまわれる。石板の謎を解く鍵が大英博物館にあると知った
ラリーたち一行はロンドンへと向かう。
石板を作ったエジプト王、アーサー王伝説の騎士ランスロットに出会い、ロンドンの街に飛び出す
ことに。石板の魔力をとりもどすことはできるのか?


          
           ちっちゃなカーボーイとオクタビアヌスのコンビは今回も活躍。
 
3作目ともなると、観客の大きな期待の応えるのも難しい。
残念ながら1作目の奇抜な発想のインパクトを超えることはできず。
18歳になった息子とラリーの自立ストーリーもいま一つ。
面白くないわけではないけれど、期待が大き過ぎたかも。

秀逸はエッシャーのだまし絵の中でのチェイス。
これは面白い!前作でも絵画や写真の中に出たり入ったりというシーンはありましたが
絵画から絵画を渡って時代と場所をトリップする映画をつくって欲しいなぁ。

ダン・スティーブンスが大真面目で演じるランスロット卿とアーサー王を演じるヒュー(どっちのヒューでしょうか?)の登場にビックリ!
自然史博物館のネアンデルタール人に大英博物館の女性警備員、
等々、新しいキャラもユニークで、笑わせます。
    
              
                    
一作目の警備員じいちゃん3人組がご健在(ミッキー・ルーニーは撮影後昨年93歳で永眠)だったのは
嬉しかったです。ディック・バン・ダイク(89歳!「メリー・ポピンズ」のバート)は軽妙な足取り健在。

ロビン・ウイリアムズ演じるセオドア・ルーズベルトがジョン・F・ケネディとフランクリン・ルーズベルトの
有名な名言を語っていたような。
 * Ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country.
    国が何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を成すことができるのかを問うて
    欲しい。
 * The only thing we have to fear is fear itself.
    私たちが恐れるべきものは恐れそのものだ。
ラリーの台詞の中に反捕鯨映画「コーブ」の名前が出ていたのにはちょっとショック。
これだけしか気が付かなかったけれど、台詞がちゃんと聞き取れたらもっと楽しめるんだろうなぁ~。

エジプト王の秘密・・・そんな大層な秘密、あったっけ?

昨年亡くなったミッキー・ルーニーとロビン・ウイリアムズのご冥福をお祈りします。




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