映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

フォロー・ミー

2010-02-27 | 映画 は行
TOHOシネマズで今月から始まった「午前10時の映画祭」。
週代わりで50本の懐かしい映画を1年かけて劇場公開しようという試みです。
以前書いた「ある日どこかで」も入っています。
ほとんどDVDが発売されている中、「フォロー・ミー」はDVDが出ていないという事で
これを逃したら見る機会がないかも?と思い、映画館に足を運びました。

何に驚いたかって・・・、
この映画の原題が「FOLLOW ME フォロー・ミー」ではなく「THE PUBLIC EYE 世間の目」だった
ということです。
耳に残るジョン・バリーのテーマ曲♪から「FOLLOW ME」が原題だとばかり思っていました。
どうも英国での題名が「FOLLOW ME」でアメリカでの題名が「THE PUBLIC EYE」だというのですが・・・
そういえば「ある日どこかで」のテーマ曲も、キム・ヨナがショートプログラムで使った007のテーマも
今テレビから流れてきた「OUT OF AFRICA(愛と哀しみの果て)」もジョン・バリー作曲。名曲がい~っぱい!

水曜日の午前中レディースデイで賑わう中、この映画に来る人は少ないかなぁ~という予想に反し
何と!中高年でほぼ満席でした。

            
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    フォロー・ミー    THE PUBLIC EYE 1972

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 < ストーリー >
英国の上流階級出身の会計士チャールズ(マイケル・ジェイスント)は、アメリカ人の新妻ベリンダ(ミア・ファロー)が浮気しているのではないかという疑いを抱き私立探偵に妻の素行調査を依頼する。
風変わりな探偵のクリストフォルー(トポル)は、目立つ格好でメリンダを追いかけ、
メリンダも行く先々で出会うこの男性に興味を引かれる。
言葉を交わすことがないまま、二人の間に不思議な繋がりが生まれる。
果たしてチャールズとメリンダはどうなるのか?


40年近く前の英国事情って、今とは随分違っていたんでしょうね。
典型的英国紳士のチャールズは、帽子をかぶりぴっちり巻いた傘を手に出勤。
一方、カリフォルニアからやって来たベリンダはとってもボヘミア~ン。
堅苦しい上流階級の人達に馴染めず、「妻らしく振舞う」ことを強いるチャールズに、
こんなはずじゃぁなかったのにと孤独を感じ、当ても無くロンドンの街を彷徨う。
水族館に行ったり、映画を見たり。

この時ベリンダが見るのはホラー映画です。ピーター・カッシング主演のドラキュラ。
ほとんどホラー映画を見ない私には、孤独の中ホラーを見るという心理が少々解せなかったのですが、
恐怖によって活性化する脳の部位と快感に反応する部位は共に「小脳扁桃」というところらしいのです。
つまり快感と恐怖という正反対の感情を人は同じ所で感じるらしい。
そして、その恐怖が身に危険を及ぼすかどうかを判断するのが前頭葉皮質で、
現実でない映画の中の疑似体験の場合、前頭葉皮質が「安全だよ~」と判断、
小脳扁桃が活性化してもおびえずに満足感を味わえるということのようです。
ホラー映画を見ない、いえ見たくない私は、
前頭葉皮質の感度が鈍いのか?はたまた単なる怖がりなのか?


そしてベリンダの前に現れたクリストフォルー。
とぼけたオッサンで、白のレインコートにハンチング帽で尾行って・・・目立ち過ぎやん。
数日間ベリンダを観察した彼は、彼女の孤独を感じ取り、無言で「ついておいで~」とはたらきかけ
ロンドンの名所を案内する。
これ、一つ間違うとストーカーとして警察に突き出されるかもですが、演じるトポルさんの優しい眼差しや
人柄でしょうか、孤独なメリンダの心に入り込み彼女の心を癒します。
食べ物の名前がついた通りやハンプトンコートの迷路庭園、彼が連れて行った映画は「ロミオとジュリエット」。1968年版でオリビア・ハッセーとレナード・ホワイティング主演の映画です。

一方のチャールズには、奥さんには立派な紳士の恋人がいると嫉妬心を煽り、メリンダとの馴れ初めから
現在までの関係を話させ、彼女に夢中だった頃を思い出させる。

探偵クリストフォルーは悩める二人にとってまるでセラピストの役割を演じ、
メリンダの孤独を癒し、チャールズには彼女を見つめ直す機会を与える。
何とも粋な終わり方です。

戸田奈津子氏の講演会でうかがった話ですが、戸田さんが始めて通訳をした俳優さんは本作探偵役のトポルさん。
素晴らしい方でイスラエルにお住まいの今も親交があるとのことでした。


1週間交代で順次上映作品が変わっていく「午前十時の映画祭」。
懐かしいあの映画、思い出のあの映画を、もう一度映画館で鑑賞してはいかがでしょう。



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 ***** 見た 映画 *****

 2月23日 「ミレニアム」ドラゴンタトゥーの女」@横浜シネマリン

        「ブルー・ゴールド 狙われた水の真実」@横浜ジャック&ベティ

 2月24日 「フォロー・ミー」@TOHOシネマズ海老名

横浜さんぽ

2010-02-21 | 国内旅行
本日21日日曜日、天気もそこそこ良いので横浜をぶらり散歩。

関内駅から馬車道へ。
「アイスクリーム発祥の碑」やレトロなガス灯を見て海岸通から万国橋へ。
神奈川県立歴史博物館は1904年建設の横浜正金銀行本店の建物。
   

日本郵船歴史博物館前の通りのタイルは船と下駄のデザイン。
       

神奈川県警本部から開港記念会館、県庁あたりは角々に多くの警察官の方が配備され
なんだか物々しい雰囲気。
開港記念館前に佇むコート姿の男性二人。信号が変わっても動かないな?とさり気無く観察すると、
お二人とも耳にはイアホンが。私服警官の方?
日本大通りの角は道路を閉鎖し交通規制。何ごと?VIPの方でもいらっしゃるのかしらと話しながら
開港資料館横の小さな喫茶店でコーヒーブレイク。(映画の話は無しでした)
その後山下公園方面へ足を向け路地を抜けると視界が開け、最初の写真の素晴らしい景色が!
そう、ここは象の鼻パークから「みなとみらい」を臨むベストポイントじゃぁなかろうか?
夜は絶対綺麗だろうねぇ~。

ここから山下公園に向かうはずが・・・
寒さに体が冷えきったので、急遽中華街で麺を食べて暖まることに決定。

しか~し、日曜の中華街ってこんなに混んでたっけ~!?というとんでもない人出。
中国人の団体さんも大勢いて、
日本に旅行で来てまで中華街にくるんかな?とか
帰国したらどこもかしこも中華街やんねぇ、とか
肉まんを手に外で食べる人が多いねぇ、などと話しながらお店に入って昼食。
食べ終わる頃には、なんだかざわざわ騒々しいね~と外に出ると・・・通路脇は三重くらいの人垣!
そうなんです、春節のパレードが賑々しく始まっていたのでした!
だからこの人出、そして皆さん肉まんを手によく見える場所を確保してたんだぁ~。

華やかな皇帝衣装や民族衣装をまとった人々や勇壮な獅子や龍が舞いながら街を練り歩くんですね。
先頭は龍舞。
   
   
  このおっちゃんは?
   
                                        関羽登場!
        
写真を撮るから止まっての声に、「これ急に止まったらころぶのよ。恐いんだから」とひょうきんな関羽さん。
 
         爆竹の音の大きさにビックリ!!! その後には、煙~と火薬の匂い~。
あの音だもの、子供は泣くよねぇ~。
  
    しんがりを務める金色の龍@善隣門
        
          玄武門(北門)を抜けたところで獅子発見
前もって春節パレードを知っていたら、人出を避けておそらく行かなかったでしょうが、
知らずに行って始めてパレードを拝見しました~

横浜に住んで15年ほど経つというのに・・・知らないことばっかりです~。

関内下車、ぐるり4時間のお散歩でした


しかし・・・何であんなに警察の方がたくさん出てたんだろう?
春の交通安全じゃないよね?





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50歳の恋愛白書

2010-02-20 | 映画 か行
先日見た予告編のラインナップは、
「新しい人生の始め方 Last Chance Harvey」ダスティン・ホフマン、エマ・トンプソン
「恋するベーカリー  It's complicated」メリル・ストリープ
「50歳の恋愛白書 The Private Lives of Pippa Lee」ロビン・ライト、キアヌ・リーブス。
これを連続で見ると結構強烈です。う~ん、恋愛は50歳からなの?
あなたの人生まだまだこれから「残り少なし、恋せよ!昔の乙女たち」と言わんばかり。
中高年を煽ったらあか~ん。


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   50歳の恋愛白書  The Private Lives of Pippa Lee

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中年恋愛予告編三連発の中の「新しい人生の始め方」はシャンテシネでしか公開していないので
とりあえず本作を鑑賞~。 何でこんな日本語タイトルになったのやら?
原題は「ピッパ・リーの私生活」。
アメリカ映画は主人公の名前をそのまま映画のタイトルにするパターンが多いけれど
名前そのものに意味があるのでしょうか?
因みにピッパはギリシャ語語源で Philippa(フリィッパ)、男性型はPhilip(フィリップ)で
「馬を愛する人」ってことらしい。映画の内容とは関係ないみたいです。
そういえば最近日本でも「弁護士何たら」とか「監察医なんたら」って名前の入ったドラマありますねぇ。

本作のキャッチフレーズは
人生半分過ぎたら好きなことをやろう」とか「大人たちよ!間違った恋をしよう」です。
キャンペーンに登場した大地真央さんは「女の人生これからよ」と語られたようです。
そんなに中年女性を恋愛に駆り立ててどうすんの?
不況下で、いろんな物の購買決定権を握っている中年女性がマーケッティングのターゲットだから?

 < ストーリー > 
30近く年上のベストセラー作家と結婚し、二人の子供を育て上げ、誰からも理想の妻と賞賛される
ピッパ・リー(ロビン・ライト・ペン)。。
夫の退職を機にマンハッタンからコネチカットの高齢者コミュニティーに越してきたが、退屈な毎日。
しかし、若いころのピッパ・リーの人生は波瀾に富んだものだった。
単調な日々のストレスから睡眠障害を起こす中、ある日夫の浮気を目撃し彼女の生活に変化が・・・。

             
ロビン・ライトは現在43歳。50歳役って・・・いかがなもの?
あんな無茶苦茶な10代を過ごした女性が、ロビン・ライト演じる上品な理想的な妻になるとは
思えない~。
   
原作・脚本・監督のレベッカ・ミラー自身は47歳。
この方は作家アーサー・ミラー(マリリン・モンローと結婚・離婚)の娘にして
アカデミー俳優ダニエル・デイ=ルイスの奥さんですって。


完璧な妻を演じることに飽き飽きし、高齢者コミュニティーで死を待つような生活に
「本当の自分をさらけ出したい」「誰かに必要とされたい」と焦るピッパ。
若かりし頃の荒れた生活から、大いなる代償を払って救い出してくれた夫に対する負い目から、
自分を押し殺しひたすら理想の妻を演じ続けてきた。        

ピッパの母も
夫の前妻(モニカ・ベルッチ)も、
友人の妻で夫の不倫相手になる女性(ウィノナ・ライダー)も
不安を抱えながら孤独を恐れ、薬物に頼ったり、死を選んだり、不倫に走ったり。
高齢者コミュニティで、妻の若さに嫉妬し「死ぬのを待たれている気がした」と
浮気をすることで生を感じでいた夫。
夫の浮気発覚で、前妻への負い目を払拭し、大きな選択をするピッパ。
負い目が彼女を理想の妻にする要因だったとは、ちょっと皮肉です。

自分の意思で選択したとはいえ、果たして彼女の未来は明るいんだろうか?
      
  前妻役のモニカ・ベルッチ         隣人のドラ息子キアヌ・リーブス 
     美しい!              あれっ?なんかカッコ良くないぞ    

この映画に触発されて「間違った恋をしよう」ってコピーに踊らされたら「間違った人生」ってことに
なっちゃうよ~。
なんとも納得いかない展開・結末でありました。

ブラッド・ピットがこの映画の製作に名を連ねているのはちょっと意外。

友人のYさんがテレビ番組で見た「ボケないための7つの習慣」というのを紹介してくれました。
 1、散歩をする
 2、新聞を声に出して読む
 3、料理を作る
 4、社会と交わる
 5、電車・バスで出かける
 6、日記をつける
そして一番効果的らしい7つ目は、恋をするだそうです。

そうか! ってことは、世界一長寿な日本女性をボケさせない為に50歳からの恋愛を
推奨する映画が増えているのかも? 

来週はボケ防止のために「恋するベーカリー」でも見に行きますか?





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 ***** 見た 映画 *****

 2月14日 「おっぱいバレー」DVD 綾瀬はるか主演 ブルーリボン主演女優賞受賞!

 2月16日 「ペルセポリス」DVD イラン女性の自伝アニメ

 2月17日 「50歳の恋愛白書」@TOHOシネマズ海老名

インビクタス 負けざる者たち  INVICTUS

2010-02-13 | 映画 あ行
クリント・イーストウッドの新作、今回も「毎日1000円キャンペーン」中のワーナーシネマズ海老名で
見てきました。

しか~し、日本語タイトル「負けざる者たち」って、かなり苦しいタイトルやなぁ~。
調べてみたら「Invictus」とは1888年に発表されたウイリアム・アーネスト・ヘンリーの詩「不屈」で、
ラテン語のようです。
12歳で結核性関節炎、16歳で左下肢を切断、父の死の学業中断など、度重なる不幸に屈することなく
詩集を出版、新聞編集者となり、終生病と闘った方だそうです。
「Invictus」は結核入院中に書かれた詩で、病に屈っすることなく闘う壮絶な詩です。
最後の2行:
  I am the master of my fate. 私がわが運命に支配者
  I am the captain of my soul. 私がわが魂の指揮官   に、心の叫びが溢れています。

27年という気の遠くなるような投獄に耐え、折れそうなマンデラの心を支えたこの詩、
言葉の力ってすごいです。

因みに1995年の米オクラホマシティー連邦政府ビル爆破犯のティモシー・マクベイは
処刑される直前、このヘンリーの詩を書いたメモを刑務所長に手渡したそうです。
欧米では有名な詩なのでしょうね。

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   インビクタス  負けざる者たち

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日本ではラグビーよりサッカーの方がメジャーなスポーツです。
ところが・・・
どうも英国では上流階級がラグビーを、労働者階級はサッカーという住み分けがあるようです。
以前英国かぶれの日本人(女性です)にサッカーの話をしたら
「あぁ、労働者階級のスポーツね。私はラグビーファンですから」っと言われてしまいました
何とタカビーなやっちゃ!英語で言うならスノビッシュですか!

南アではラグビーは白人のスポーツということで、アパルトヘイトの象徴だったようですね。
映画の中でも、マンデラの白人SPが黒人SPに
「サッカーは乱暴者がする紳士のスポーツ、ラグビーは紳士がする乱暴なスポーツ」といった
ジョーク?を言ってました。

オリンピックやサッカーワールドカップ、ワールドベースボールクラシックを見ればわかるように、
スポーツは国威を発揚し、人々の気持ちを一つにする大きな力を持っています。
銃を持たない戦争のようなものです。

卒業式で日の丸・君が代を拒否しても、オリンピックやワールドカップで国旗掲揚や国歌斉唱に
反対する人はいないどころか、旗を振り、顔に日の丸のペインティングまで。
誰もが一時的にせよ愛国者に変わります。スポーツの力もスゴイです。

         
                    <ラグビーで国を一つに>
1990年2月11日のマンデラ氏釈放から、今年はちょうど20年だったのですね。
当時、黒人側には白人に対する積年の恨みつらみがあり、白人側は黒人の仕返しが始まるのではと
戦々恐々。
マンデラ氏はスポーツの力を評価し、分裂しそうな状態の国民を一つにまとめる道具として
ラグビーワールドカップの自国開催を優勝で飾るべく、キャプテンフランソワにリーダーとしての姿勢を示し、
チームメンバーの名前を覚え一人一人に声をかける。
  
しかし、弱小チームから連勝し決勝戦で強豪ニュージーランドに勝利するって・・・、
実話なんだけれどもそんなことは可能なの?
どの程度のダメチームで、どれほどの特訓を積んだかは触れられていないので、何とも言えませんが、
世界で1位2位を争うレベルって「不屈」の精神論で押して成るものなんでしょうか?

「グラン・トリノ」「チェンジリング」でぐいぐい引き込まれ感動した経験から
ちょっと期待が大きすぎたかも?しれません。
               
「負けざる者」はラグビーワールドカップ南ア代表を指すのではなくマンデラその人。
国のリーダーとはかくあるべきという、マンデラの信念・指導力・人望・不屈の精神に魅せられました。

ただ家族は大変だろうなぁ~。
身内ということで逮捕されたり、息子は事故(おそらく)に見せて殺されたりでは、
いくら反アパルトヘイト運動の意義や新しい国家のためにとはいえ「何故あなたじゃなきゃダメなの?」
とか「子供の身の安全も考えて」となりますよね。
闘士は孤独。 家族の話はタブーというのも無理からぬこと。

危険を覚悟しなければ、指導者の資格は無い
赦しが魂を自由にする。赦しこそ恐れを取り除く最強の武器なのだ
変わるべき時に私自身が変われないなら、人々に変化を求められません
こういう人が出ないと国は変わらへんなぁ~。

「人を呪わば穴二つ」
「憎しみは憎しみの連鎖を生むだけ」
ガンジーにキング牧師、マンデラ、世の中を変えるのは押さえつける力ではなく非暴力による赦しでしょうか。


新興国を示すBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の最後のSを大文字にして
南アフリカを入れようなんて動きがあるほど、20年後の現在南アの経済は好調らしい。
今年の6月はラグビーではなくサッカーのワールドカップ南アフリカ開催が控えてますが
南アは強いんでしょうか? 
サムライブルー(最近はこう呼ぶんですか?)がんばれ!


もう一つヘンリーの名言をご紹介。
人生は、私たちが人生とは何かを知る前にもう半分過ぎている。
厳しい言葉やなぁ。

エンディング曲は一瞬「オーシャンズ」に続いてこれも平原綾香?と思っちゃいました


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 ***** 見た 映画 *****

 2月 8日 「インビクタス 負けざる者たち」@ワーナーマイカルシネマズ海老名

 2月 9日 「マンデラの名もなき看守」DVD 
            

        「クララ・シューマン」DVD  シューマンと妻クララ、そしてブラームスとの物語

 2月11日 「ママ男 MAMA'S BOY」DVD  
          ジョン・へダー、ダイアン・キートン主演 マザコン男の自立話 

        「チャーリー・バレットの男子トイレ相談室 CHARLie BARTLeTT」DVD   
            アントン・イエルチェン、ロバート・ダウニーJr主演

 2月12日 「クォ・ヴァディス QUO VADIS」DVD ネロ皇帝時代のローマ、キリスト教徒迫害を描く
        1951年作品 ロバート・テイラー、デボラ・カー、ピーター・ユスティノフ主演

        「ジャージの二人」DVD 堺雅人主演

 2月13日 「そして、私たちは愛に帰る」DVD ドイツ・トルコを舞台に3組の親子を描く

オーシャンズ

2010-02-11 | ドキュメンタリー
以前、全く期待せずに借りた「WATARIDORI 渡り鳥」のDVDを見て驚きました。
まるで鳥の群れの一羽になったかのような映像に、ブッ飛び~。
一体どうやったらこんな映像が撮れるんだろう?
こんなの初めて。
フランス映画なんだ~っと興味が湧きました。
監督はジャック・ペラン。
「ニューシネマ・パラダイス」で成長したトトを演じた俳優さん。
「幸せはシャンソニア劇場から」のプロデューサーもなさっているんですね。


           

       オーシャンズ

                


海が大好きです。
子供の頃、カリプソ号で世界の海を又に掛けたジャック・クストー氏のドキュメンタリー心躍らせ、
日系女性海洋学者ユージニ・クラーク氏の本「銛を打つ淑女」を読んで密かに海洋学者に憧れました。
クラークさんは本当に美しい方で現在もご活躍のようです。

水族館もあちこち訪れました。
江ノ島水族館の「クラゲ」コーナーとゾウアザラシの美男象(みなぞう)がお気に入りだったのですが、
ミナゾウが亡くなってからはすっかり御無沙汰です。


海を見たことが無い少年に「海」とは何か?を教えるというストーリー仕立てです。

程なくイワシの大群に、イルカが、魚が、鳥が挑みかかる姿が!壮観です。
鳥はまるで急降下する戦闘機のよう。
次々とイワシ目掛けてダイビング。
そうそう「どうやってこんな映像撮ったんやろ?」という「WATARIDORI」の海洋バージョンを
期待していた私は「これよ、これ」と、海の中でくり広げられる命の競演?饗宴?に
見入りました。

が・・・、
途中から何だかあらら・・・、あらぬ方向へ。
淡々と海の営みを見せるのではなく、人間が仕掛けた網にかかるイルカや海獣。
そしてやっぱり・・・イルカ猟に捕鯨のシーン。
ふかひれだけを切り取ってロープに干し、ひれを切り落とされたサメはそのまま海に投げ捨てられ
泳ぐことができず悶えながら海底に落ちてゆく姿が・・・。

絶滅動物の剥製をずらりと展示した博物館?に監督と件の海を見たことが無い少年が登場し
教育的指導メッセージが流れる。

勿論、生態系や絶滅危惧種の問題を考えることは大切なことだけれど、この映画の流れが
こういう展開になるとは予想だにしていませんでした。

TV番組やその他の映画紹介でも、
構想10年、撮影期間4年、
最新テクノロジーを使っていること、
いかに膨大な映像が撮られたかという苦労話、
中学生以下の子供は500円で見られるということばかりが宣伝され、
後半のこういう展開には触れられていませんでした。

「これはドキュメンタリーではない。野生のオペラだ」
「自然が奏でるシンフォニーをありのままに感じてほしい」とおっしゃるものとは違う気がします。
「言葉は知性にしか訴えないが、映像は感情に訴える」という監督の言葉の裏に、
イルカ猟や捕鯨のシーンを盛り込んだ意図が見え、興ざめしてしまいました。

唯でさえ感情的な議論になりがちなこの問題を、感情に訴えたらまずいでしょう。

「文部科学省選定作品」になっているけれど、選定しちゃっていいのかなぁ?
選定担当の方はご覧になったんでしょうか?

   


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Dr.パルナサスの鏡

2010-02-07 | 映画 た行
よく海老名(神奈川県)に映画を見に行きます。
以前はワーナーマイカル、ポイントカードを作ってからはもっぱらTOHOシネマズ海老名に
足を運ぶようになりましたが・・・
何と!ワーナーマイカル海老名では今年の1月9日から4月9日まで期間限定特別キャンペーンとして
「毎日映画!!1000円」開催中なんです
スタンプを集めて5回行ったら1回無料~もありですよ。
今もってTOHOシネマズのマイレージシステムをよく理解していない私にはわかりやすい。
109シネマズとTOHOシネマズ、加えてワーナーマイカル・・・あぁ~、カードが増える~。

      

                                     

        Dr.パ ル ナ サ ス の 鏡
   THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS

                                

 < ストーリー >
現代のロンドンにパルナサス博士率いる古めかしい旅芸人一座が現れる。
メンバーは娘のヴァレンティナ、奇術師アントンに小人のパーシー。
以前博士は悪魔と取引きし、若さと引き換えに娘が16歳になったら差し出すことになっていた。
そんな時、トニーという若者を助けた一行。記憶喪失の彼は一座に加わり、ヴァレンティナは恋心を抱く。
娘の誕生日を数日後にひかえ、悪魔は新たな提案を持ちかけ、娘を助ける為に応じる博士。
果たして娘を助けることができるのか?

      
 
そもそも「パルナサス」とは何ぞや?
パルナッソス Parnassusはギリシャ神話に登場する英雄でデルフォイの神託所を開いたとされる人物。
デルフォイのあるギリシャ中部の山は、彼の名にちなんでパルナッソス山といい、
ギリシア神話ではアポロンやミューズの住む場所とされることから
詩や音楽、その他、創造活動の中心地とされるらしい。

博士率いる一行の出し物「イマジナリウム」は人間が心に隠し持つ欲望をむき出しにする装置。
子供が入ればお菓子の国が現れ、
中年女性が入ると靴や宝石が溢れ、ハンサムな男性がエスコートし鏡には若かりしスリムな姿が映る。  
   
鏡の世界のトニーを演じるイケメン3人組     中年女性の欲望の世界はこれ

鏡には想像力をかき立てる不思議なものを感じます。
鏡を向かい合わせると奥へ奥へと果てしなく続く連続に、別世界への入り口となるような恐しさと誘惑。
そっと覗くとそのまま吸い込まれ、別世界に閉じ込められ出て来られないような恐さを感じるのですが、
同時に見てみたいという強い誘惑にも駆られます。

現実と欲望の世界、
鏡の向こうの世界では、中に入った人間の理性と欲望がせめぎあう。
理性が勝つのか、欲望に負けるのか?
パルナサス博士と悪魔のニックは、その結果で娘の魂を賭ける。
ファンタジーの形態をとりながら、現実と虚構の世界を行き来し、人間の本質を暴き出す。
高僧だったパルナサスは、結局悪魔ニックに取り付かれ次々と賭けを吹っかけられ「不死の命」と
「若さ」を得て1000年、これからも孤独な二人の腐れ縁は続くのか?

この映画は一回見ただけでは難しいかも?もう一回見たほうがよさそうです。   
私があの鏡の中に入ったら一体どんな世界が見えるのかしら?


         

たまたまギリアム監督とは知らず前から見たかった「バロン」を本作鑑賞後見ました。
1988年の作品で原題は「The Adventures of Baron Munchausen ミュンヒハウゼン男爵の冒険」。
監督はヨーロッパの見世物小屋とか劇場がお気に入りのようで、本作とよく似た不思議な世界が繰り広げられます。
オープニングで「18世紀 理性の時代」と表記しながら、こちらでも現実と虚構の世界が交錯する。
「嘘や戯言ででっち上げた現実なら、そんな現実などわからない方がいい」とほら話をするミュンヒハウゼン男爵。
本作にも通じる、現実と非現実の差なんて大したこっちゃないという監督のメッセージでしょうか?

映画を見るというのも、暗い映画館に入ったところで現実ではない虚構の世界が繰り広げられるという意味で
非現実の鏡の世界に入るようなものですねぇ。

昨年末行ったシルク・ド・ソレイユ「コルテオ」の雰囲気は、まさにDr.パルナサス率いる
旅芸人一座のそれと重なりました。

パルナサス博士を演じるクリストファー・プラマーは何と80歳!
「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐は今も渋い二枚目でイケメン3人組に負けてません。

本作のヴァネッサを演じたリリー・コールと「バロン」に出演している若い頃のウマ・サーマンって
従来の美形のイメージから外れた美形という点で似ていませんか?
ギリアム監督はこういうお顔立ちがお好みですね。
      

バロンと旅を共にする少女サりーを演じているのが現在監督としても活躍中のサラ・ポーリーであることに
驚くと共に20年の時の流れを感じました。
     




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 ***** 見た 映画 *****

 2月 2日 「オーシャンズ」@ワーナーマイカルシネマズ海老名

       「Dr.パルナサスの鏡」@ワーナーマイカルシネマズ海老名

 2月 6日 「バロン」DVD

ずっとあなたを愛してる

2010-02-01 | 映画 さ行
「ゴールデンスランバー」の試写会に行く前、どうせ東京まで出るならその前にもう1本見ようと、
有楽町駅から徒歩10分弱のテアトル銀座で本作を見ました。
「イングリッシュ・ペイシャント」以来、
大人の女性の雰囲気を漂わせたクリスティン・スコット・トーマスのカッコ良さに注目しています。

ところが・・・、今回なかなか経験することがないでろうことに遭遇しました。
午後1時20分の回、定刻どおり始まり、予告編を見て、いよいよ本編開始。
クリスティンの化粧っ気のないアップのお顔。
空港で妹と出会うも会話は無く・・・さぁこれからと思った時、
画面が消え、館内の電気が点き明るくなりました。
「えっ???」
館内がざわつき始めた時、スタッフさんが登場。
「機械の調子が悪く、今しばらくお待ち下さい」と。
そのうち、「調整に30分はかかります。その後再開するかどうかを決めます」。
「え、えっ~?!」こんなこと珍しいなぁ~、参ったなぁ~と思っていたら、
近くにお座りの女性が、不満をぶっちゃけ~。

さっさと諦めて帰る人、静かに成り行きを見守る人、見ず知らずの近くに居合わせた人と困り顔で話す人。
そんな中、件の女性は、すっくと立ち上がり
「チケット代を返金します」というスタッフに、
「チケットだけじゃない。交通費もかかっているし、ランチも食べたのよ~。
 いったい何が原因なの?61年生きてきてこんなこと初めてよ!(あっ、年齢言っちゃった)
 ちゃんと説明しなさい!担当者が居眠りしてたんじゃないの?」などなど矢継ぎ早に詰問。
その後、近くに座った同年輩の女性と、映画館への不満に始まり、最近の世の中はおかしいと、
事件・社会問題から政治問題に至るまで話の翼は広がっておりました。

何とか30分後「お待たせし御迷惑をおかけしました。再開します」と謝罪するスタッフに、
「何が問題だったのか説明しなさ~い」と再度詰問されましたが程なく上映再開。
無事に、滞りなく終了。
帰りに、謝罪と共にテアトル系映画館で1年間有効のチケット1回分をいただきました。
いやぁ~、なかなかこんな経験できへんよ~。その上チケットまで頂いて・・・


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  ずっとあなたを愛してる  IL Y A LONTEMPS QUE JE TAIME

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 < ストーリー >
刑期を終え出所したジュリエット(クリスティン)は、妹レア一家に身を寄せるも、15年を経て再会した二人は言葉少なでぎこちない。
大学で文学を教える妹は、夫と夫の父、二人のアジア人養女と暮らしている。
ジュリエットは6歳の息子を手にかけ、殺人罪で服役していた。
献身的な妹、無垢なベトナム人の姪、無口な義弟の父、妹夫婦の友人達に接するうち、
徐々に慣れ、仕事を見つけ、居場所を見つけるジュリエット。
何故愛する息子を手にかけたのか?

鑑賞前一騒動あった後に、この静かで切ないストーリー。 

すみませんが、今回はネタバレします。
これからご覧になる方は、ここで
     
        
           
             

      
          リアとジュリエット
ジュリエットが6歳の自分の息子を殺した罪で15年服役していたことは程なくわかるのですが
何故か?という理由は最後まで伏せられています。
あぁ、やはり・・・だったら理由を言えばよかったのに・・・。

母親にとって子どもの病気ほど辛いものはありません。
代われるものなら代わってやりたい。
ましてや、ジュリエットは医者。
不治の病で苦しむ姿を見ていられなくなった彼女は、罪を犯す。
辛いなぁ~
誰も責められへんよなぁ。
頑なに口を閉ざし続けたジュリエット。
誰も「何故彼女が我が子を手にかけたのか」を知ることなく、別れた夫には裁判で不利な証言をされ、
15年の刑に服す。
年の離れた妹リアは、大好きな姉が突然消え、親からは姉などいなかったかのように育てられる。

口を閉ざし、心を閉ざし、孤独の中、自分を責め続けたであろう15年。
理由を明らかにすれば減刑されたかもしれないけれど・・・、
たとえ法が許しても、自分の行為を自分で許せず、沈黙することで自らを罰していたような気がします。
リアに迷惑をかけまいと社会復帰を試みるジュリエットだが、世間の風は冷たく厳しい。

そんな彼女の心を溶かすのは、
戸惑いながらも献身的に見守り受け入れる妹リア、
幼く無邪気な姪たち(姉の事件で自ら子どもを産むことをやめ、養子を取っている)、
言葉を交わさず、そっと優しいまなざしで時間を共にする義弟の父、
リアの同僚ミシェル、
そして幼かった妹との穏やかな楽しい記憶。

周りの控えめな優しさに包まれ次第に心を開くジュリエットと、
ジュリエットの人となりに触れ、信頼を寄せていく人たち。

刑務所で教員経験のあるミシェルの、
「罪を犯し刑に服している人間と塀のこちらにいる人間、違いは紙一重だ」という言葉がズシリと重い。

映画館では泣かなかったのに・・・、あれこれ思い出しながら書いているうちに
何故か涙がこみ上げてしまいました



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 ***** 見た 映画 *****

 2月1日 「ラブリーボーン」@TOHOシネマズ海老名