徒然なか話

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英雄の選択 「加藤清正・熊本築城~秘められた関ヶ原逆転の戦略~」

2016-07-15 19:18:15 | 歴史
 昨夜の「英雄の選択」(NHK・BSプレミアム)は加藤清正公と熊本城がテーマ。巨大な熊本城築城に秘めた清正公の戦略を読み解いていた。僕は、これまで関ヶ原の際の清正公の立ち位置がいま一つ釈然としなかったのだが、この番組の出演者たちの考え方を聞いて腑に落ちる思いがした。

 番組の最後に、熊本地震からの復興を目指す熊本へ、出演者たちのメッセージが送られたが、中でも印象深かったのは、歴史学者の加来耕三さんの「もし今、清正公が生きていたら、緋毛氈を掛けた大石をみんなに引かせただろう」という話だ。これは、慶長15年(1610)、名古屋城築城で大小天守閣の石垣工事を受け持った清正公は、巨石を修羅(木製の大型そり)に乗せて運ぶ時、自ら石の上に乗り、木遣り音頭を唄って気勢を上げたという故事のこと。この石引きには5、6千人の老若男女が華美な衣装に身を飾り、唄に合わせて綱を引いたという。参加者は食い放題、飲み放題というので、われもわれもと綱にとり付き、手拍子合わせて浮かれながらの一大イベントとなり、熱田から名古屋まで巨石をあっと言う間に運んだという。
 熊本城復興に当たっては一般市民も参画できるような、清正公的な発想が必要なのかもしれない。


司会の渡邊佐和子アナと磯田道史さん


コメンテーターの千田嘉博、中野信子、山田貴司、加来耕三の皆さん


▼加藤清正石引の図(尾張名所図会より)


 この石引で唄われた木遣音頭は、伊勢神宮の御神木を送り出すときの木遣音頭として歌い継がれ、江戸時代、数次のお伊勢詣りブームに乗って、伊勢音頭として日本全国に広まった。

▼伊勢音頭