いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

外交非難の演出。 performance of diplomatic criticism

2021-03-22 20:35:01 | 日記
 (1)米中外交トップ会談はいきなり双方の核心的問題の一方的な長い非難の応酬で始まり、双方ともに冒頭取材が終わり一度は退席しかけた報道陣を呼び戻す形で報道陣の前で双方ともに言いたいことを言い合うという一見白熱の対決ムードを煽(あお)ったようで、普通はあり得ない一度は退席しかけた報道陣を呼び戻すという「演出」(これは想定外、とっさのものだったかもしれないが)で織り込み済みの双方の譲れない「問題点」を確認し合うという対立演出、宣伝合戦の米中外交トップ会談だった。

 (2)報道陣を前にしないと成立しないコミュニケーション、論理思考の低下で、政治が理想主義から現実主義に向かう力量不足の世界の変化をみせつけるものだ。米国は事前にブリンケン国務長官が中国と隣り合う日本と韓国を歴訪して意見交換をして同盟関係強化を確認しており、その後の米中外交トップ会談でも同盟国の中国への懸念を伝えて(報道)中国に問題改善を突き付けたことが伝えられており、バイデン大統領が目指す同盟関係協力、協調姿勢をまずは示すという方針をみせた。

 (3)米国はブリンケン国務長官が中国が譲らないとする核心的問題を取り上げて、それは米国だけでなく中国を取り巻く日本、韓国、同盟国も懸念していることを伝えて日米韓同盟関係の結束の強さを中国に示す狙いがあった。今回の米中外交トップ会談では米国はそれを示すことが目的であり、そのためにわざわざ一度は退席しかけた報道陣を再び招き入れて報道陣の前で展開して見せた。中国がそれに乗った形でこちらも報道陣を再び招き入れての反発、反論という外交会談としては程度の悪い非難の応酬となった。

 (4)2日間予定された米中外交トップ会談は、初日の全面対決の非難合戦でひょっとして米国アラスカまで呼びつけらた中国が会談を切り上げて帰国するのかとも思ったが、そうはならずに2日目も会談は続けられ、ブリンケン国務長官は会談後「幅広い議題について率直な話し合いができた」(報道)と述べ、中国外交トップの楊潔篪政治局員は「率直かつ建設的で有益だった」(同)と述べてわざわざの呼び戻しての報道陣の前での米中外交非難合戦が織り込み済みで、双方言うべきことは言い、広く伝われば目的は達成して演出会談であったことを示している。

 (5)米国は事前にブリンケン国務長官が日本、韓国を訪問しながらすぐそばの中国を訪問せずに米国アラスカに呼び出しての外交会談で同盟国協調を示して十分であり、中国がそれに乗った米中外交会談だった。

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