いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

首相と財務相の駆け引き。 tactics of the premier & minister of finance

2023-11-30 20:35:08 | 日記
 (1)法人税というのは、赤字企業は納めなくてもいいもので不況には強いものだが、40年間法人税を引き上げてこなかった間に日本の企業は自己資産内部留保を555兆円に増大させてきた。世界に類のない政府の国家財政累積赤字1200兆円の半分に相当するもので、安倍政権時代もデフレ脱却の企業の賃上げ財源として内部留保の活用を指摘したこともあった。

 (2)大企業、富裕層優遇政策の自民党政権は法人税を引き下げて金融緩和、低金利策で企業活動を下支えして、消費税増税で国民にはしわ寄せをしてきた結果として長引くデフレ不況(リーマンショックの世界的不況要因はあるが)に見舞われて、政策効果があったとはいえない。
 その結果が破格の国家累積赤字の半分の企業の内部留保555兆円では、昨今の円安大型物価高に苦しむ国民生活との落差も大きく、政府、自民党としても考えざるを得ない状況といえる。

 (3)自民党税調では40年ぶりの法人税引き上げ論が浮上している。岸田首相が防衛費増額、子ども手当拡充を増税で負担する考えを示して、一部にこれがサラリーマン増税(通勤手当の課税など)にまで話が広がると一転して所得税、住民税減税を打ち出して、論理性もない行き当たりばったりの国民には敏感な税問題が関心を集めているが、この対策でもあるのか40年ぶりの法人税引き上げ論の浮上だ。

 (4)岸田首相は円安効果による2年続きの税収増を国民に還元するとして減税を打ち出したが、鈴木財務相は委員会答弁で税収増はすでに社会保障負担、国債償還で使っていると説明して立場(岸田首相の政権運営に批判との意見もある)の違いをみせた。
 近年の政府、与党は100兆円を超える国家予算を国債発行でまかない、累積赤字を積み上げているが、財政を預かる財務省は財政健全化主義で駆け引きが続く。そこに浮上したのが企業の内部留保555兆円の存在だ。

 (5)世界の潮流は大企業、富裕層への課税強化で社会格差の解消に向かい、米英でも法人税増税の動きが主流になっている。これまで政府の国民負担増により落差のある企業経済の好調が支えられてきた不満がある。

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イスラエルとパレスチナの地図の変化。change of a map of Israel & Palestine

2023-11-29 20:26:06 | 日記
 (1)イスラエルとハマスの戦闘は4日間の休戦がさらに2日間延長され双方の人質解放が続く。イスラエル軍のガザ侵攻で攻撃を受けているハマスは休戦には前向きで、イスラエルは軍の戦意が落ちると後ろ向きな発言も聞かれ、当初5日間と報じられた休戦が4日間に短縮された模様だ。それが人質解放が進み、双方2日間の休戦延長となった。

 (2)背景にはイスラエル国民の人質解放の強い支持、意向がある(人質解放を主張する野党党首がネタニヤフ首相の2倍の支持率ー報道)。イスラエルのネタニヤフ首相はこれまで国民の不支持で政権を降りたことがあり、人質解放優先の国民の意向は無視できない事情がある。
 米国や国際社会にはこのまま休戦が延長されて人質解放が進み、停戦につながることを期待する声もある。

 (3)イスラエル国防相は「数日で我々は戦闘に戻る。これまでと同等かそれ以上の力を用いることになる」(報道)と作戦拡大の考えを示している。今後のネタニヤフ首相の決断にはイスラエル国民の強い意向が大きく働く可能性は高い。

 (4)イスラエル軍はガザ地区北部はほぼ掌握したと報じられ、さらに避難民が集中する南部に向けての作戦を展開するとみられているが、ハマスは地下トンネルにいて組織、戦力は温存されているとみられている。
 イスラエル軍も空爆、戦車、地上部隊のハマスに比べて圧倒的な戦力で侵攻しているが、地下トンネルに潜行するハマスを壊滅的に追い詰めているのかどうかわからない。

 (5)米軍もかってベトナム戦争で北ベトナム側ゲリラの地下トンネルを使った抵抗に手こずりベトナムから撤退を強いられた経緯があり、その後イラク侵攻では地上攻撃戦で制圧して当時のフセイン大統領を逮捕した。イラクでも地下トンネルを使ったイラクの抵抗があったらどうだったのかわからない。

 (6)イスラエル軍も領域の狭いハマス支配のガザ地区侵攻ではハマスに比べて圧倒的な軍事力を持ちながら、戦闘は優位に進めながら壊滅的な戦況には持ち込めずに人質を多数とられていることもありより慎重な攻撃も求められており、これにイスラエル国民の強い人質解放への支持、意向が働いてようやくに休戦を強いられている。

 (7)今回のイスラエルのガザ侵攻がイスラエル国民、米国、国際社会もからんでどういう結末になるのか、今の段階では予断を許さないが、どういう結果になるにせよイスラエルとパレスチナ(自治政府)との闘いにはこれまでと違う構図、地図ができあがる可能性はある。

 (8)これまではイスラエルの圧倒的な軍事力にパレスチナ側がほとんど無抵抗のまま植民地支配で領域を狭められ、閉じ込められてきたものが、今回ハマスの抵抗が人質解放と引き換えとはいえイスラエル国民、米国、国際社会に支えられた大きさを考えるならばパレスチナ問題に一種の変化のきざしとなる可能性はある。

 (9)ぜひ平和的解決、共存に向けてイスラエル国民、米国、国際社会のつながりを大事にしたいところだ。

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日本の風土病。 an endemic of japan

2023-11-28 20:48:51 | 日記
 (1)IR連携、空飛ぶ車と25年大阪万博のメインテーマが相次いで間に合わないメインがない中で突如として登場してきたのが夏の日よけの会場内歩道上の「大屋根」で、よりによって関係者は世界最大級の木造建築物として「万博の理念を示すシンボル」(自見万博担当相)と強調する。

 (2)「万博の理念を示すシンボル」が当初の計画にはなくて、突如として登場するのもおかしな話で、大阪万博経費2倍増を押し上げるものとなった。20年東京五輪、25年大阪万博に共通する経費の大幅増は日本の「風土病」(an endemic)といえるもので、政府に国費、国民投資(税負担)を使う意識、意義が極めて低く計画性、構想性よりは思いつき、目新しさで最後は国債発行で次世代にツケを回せばなんとでもなるという旧態然とした御上、役所仕事でどんどん増えていく。

 (3)70年大阪万博はシンボルとなるべき建築家の大屋根を貫く芸術家岡本太郎さん発想の「太陽の党」がシンボルとなって社会思想をも代表する万博の象徴となったが、25年大阪万博のシンボルが日よけの木造大屋根というのも皮肉にも今年過去最高の平均気温を記録した世界を象徴するとでもいうのか、世界から日本の環境問題への取り組みが遅れていると指摘されている中で自嘲気味のパラドックス(paradox)なシンボルというべきだろう。

 (4)もっと環境の時代、地球温暖化を意識した「新産業革命」を打ち出す万博であればそれなりの意味、意図、理念があったが、当初の計画になくてメインテーマが間に合わなくて突如として日よけの木材大屋根登場で万博経費倍増のシンボルでは大量投資大量消費の時代遅れの浪費増大産物でしかない。

 (5)これが日本の風土病だ。政府予算は連続して100兆円を超えて過去最高を更新して、国家財政累積赤字は1200兆円となり増加の一途だ。そうした中に20年東京五輪、25年大阪万博の当初経費大幅増の風土病がある。

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東京と大阪のナウ・アンド・ゼン。 now and then of tokyo and osaka

2023-11-27 20:34:53 | 日記
 (1)20年東京五輪(コロナで1年延期)と25年大阪万博は同じような軌跡を歩んでいる。ともに64年東京五輪と70年大阪万博の成功例の再現を目指して、都市の発展、開発につなげたいという目論見がある。

 (2)20年東京五輪は東日本大震災の復興にメド(復興は遅れている)をつけたい政府が、復興五輪として20年東京五輪開催の夢をもう一度に国民の目を向けさせようとした。しかし東北競技開催は東京から離れていることがネックとなって思うように進展せずに、東京に競技が集約されて五輪予算は当初から大幅に増額することになる。

 (3)開閉会式などメイン会場の新国立競技場は日本の豊富で良質な山林文化の木材をふんだんに使った趣のあるトラック、スタンドを覆う「大屋根の日よけ」のある設計で、これが大量の山林伐採につながり問題となり建設にあたっては期限に間に合わせるために「建設労働者の負担、過重労働」が死亡にもつながり問題となった。

 (4)この新国立競技場建設がその後の周辺都市再開発事業につながって、明治神宮外苑の樹木伐採、移設計画が著名人などから批判を受けて、東京都もようやく来年初めの開発事業者からの樹木保全計画の提出を見て結論を出すとした。もめている。

 (5)25年大阪万博は大阪府の大阪都構想が不発に終わりその代替として出てきたもので、円安影響で会場建設費が高騰して参加予定国の辞退が続いて建設計画も大幅な遅れがみられ、岸田首相も政府をあげてのバックアップを指示した。
 万博メインテーマの「IR」との連携もIRの遅れで間に合わずに、「空飛ぶ車」も生産台数が追いつかずに試作車程度に計画縮小となった。

 (6)夏の歩行者の「日よけの大屋根」が追加されて予算は当初の2倍近くに跳ね上がり、国民負担も増えている。20年東京五輪はそれでも全世界からの注目、関心を集めて日本選手、チームの活躍も大きく大会は盛り上がりをみせたが、25年大阪万博は国民の注目、関心は今のところ極めて低い。会場建設の大幅の遅れで「建設労働者の負担、過重労働」が懸念される。もめている。

 (7)20年東京五輪と25年大阪万博はよく似た経過をたどっており、夢をもう一度の箱もの行政の問題点、課題が大きくなっており、環境の時代を迎えて世界から取り組みが遅れていると指摘されてる日本の東京、大阪が共通して抱える発展、再開発事業の時代を先取りした先見性、構想力、理解力のなさが露呈している。

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国家の搾取。 exploitation of a nation

2023-11-25 20:18:35 | 日記
 (1)親の財産を因果関係の子どもが引き継ぐのに何で税金を課せられるのか、純粋な疑問はあるが、子どもにも「収入」になるのでカネに糸目はつけれないということだが、それなら所得税でいいと思うが税率の高い相続税、譲渡税にするのは理屈はあっても合点がいかない。

 (2)労働対価としての収入ではなく、ふってわいたカネということで濡れ手にアワというわけにはいかないということだろう。
 岸田首相は円安で好調な税収増を国民に還元するとして減税を打ち出しているが、その前に防衛費増額、子ども手当拡充の財源を増税でまかなうとして、しかも来年6月1回の定額減税に給付併用ではわかにくく選挙目当てとして国民の期待、評価は低い。

 (3)鈴木財務相は税収増分は社会保障負担、国債償還ですでに充てられていると説明している。国民マイナンバー制度は国民の所得、収入をすべて把握して公平、公正な税制で税収を上げる政策(方法論には問題)だ。宝くじ、懸賞金、臨時収入など自己申告がなければ把握できないものがあり課税対象となる国民所得、収入に公平、公正、妥当性を欠くことから国民ひとりひとりにマイナンバーをつけて所得、収入を一元化する制度だ。

 (4)情報化、IT社会で国民のマイナンバーにひもつけをして各種資格、身分、給付などの一元化をはかろうとして準備不足の登録ミスが続出しており、社会問題化している。

 (5)政治資金収支報告書では安倍元首相死去にともない、妻の昭恵さんに代表交代した政治団体に関係団体から1億8700万円が非課税で移されていた。専門家は政治資金の私物化で、政治家個人の資産を親族などが引き継ぐならば譲渡税や相続税を課すなどルールが必要だと述べている。

 (6)実質、政治家が国を統治している日本だから仕方のないところだろうが、それでは労働者階級の国家なら違うのかといえば経済格差はもっと大きいともいわれている。
 国家の体制、管理には切り込まなくて、国民、人民からはすべて搾取(exploitation of a nation)するというのは共通するところで、それでも国民、人民は矛盾を追及し改善しなければならない。

 

 

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