いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治の貧困。 indigence of politics

2019-10-31 20:10:58 | 日記
 (1)「身の丈に合った」受験をと「身の程知らず」の政治家、大臣に言われても、実施評価に公平、平等、公正性に疑問のある英語民間検定試験は入試評価に加えない大学も増えて困るが、そうならないように公平、平等、公正な大学受験を目指すべき責任者の萩生田文科相がぬけぬけと言うのをみていると、政治の貧困(indigence of politics)は極まれりだ。

 (2)萩生田文科相はこれまでも安倍側近として「失言」が多く、まるで安倍首相の言いたいことを代弁するかのような「失言」が目につく。
 続いて外相から防衛相に横滑りした河野防衛相は、就任早々に大型3台風上陸に見舞われて会合で自衛隊の災害協力支援にかこつけて「私は雨男」と発言して冗談のつもりが(多分)停電、浸水被害に苦しむ被災者の苦労を無視するような思慮の欠ける発言だった。

 (3)自民党内の派閥力学を考慮しての大臣起用で、就任1か月余りで更迭された菅原経産相、続いての河井法相辞任といい資質には問題があった。野党は敵失に勢いづいているといわれるが、そもそも野党の力量不足が招いた政治の貧困であり、ただ勢いづいている場合ではない堕落だ。

 政治の貧困は台風19号から続く大型巨大台風の上陸で被害拡大を招いた。1か月の雨量が1日で降るという大災害ではあったが、停電バックアップ体制、避難指示の仕方(住宅内、車移動での被害)、避難所不足(満員で収容しきれず続出)と行政の災害対策の不備、不足が被害を増幅させた要因だ。

 (4)河川堤防規格の安全基準が守られていない不安は以前から指摘されており、異常な雨量だったとはいえ決壊、氾濫が相次いだ。危険水域のダム放流の手順、周知も不十分で山林管理の不備、不足も影響したことが考えられる政治の貧困被害だ。

 もちろん日本に限ったことではなく、韓国では元徴用工問題を巡って政権が変われば前政権の合意はホゴにされて問題の蒸し返しで混迷を深めて、英国では国民投票で決めたEU離脱交渉が暗礁に乗り上げてジョンソン首相は今年12月に総選挙を実施して争点は再びEU離脱問題というから3年余りで振り出しに戻っただけだ。

 ブラジルのアマゾン火災延焼は同大統領の環境問題に関心がないことが要因といわれて、自国第一、保護主義のトランプ大統領は世界の秩序と環境を破壊して正当化している。政治の貧困、堕落だ。

 (5)国連難民高等弁務官を長く務めた緒方貞子さんが亡くなった。紛争地に出向いて世界に戦争、紛争被害で苦しむ難民救済に尽力して世界の良識、賢明を代弁してきた人生で、難民、移民拒否のトランプ大統領にはどう映ったのか、政治の質が問われている。

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内閣連帯責任論。 joint resposibility of the cabinet

2019-10-30 20:16:21 | 日記
 (1)大臣就任から1か月を過ぎたところで公選法違反の疑いで辞任、事実上の更迭となれば時間、コンプライアンス(議員資格は公選法規定が基本中の基本)から首相の任命責任は増して大きい。
 菅原前経産相は長年にわたり秘書を通じて有権者に贈答品、香典などを配り公選法違反の疑いでこれ以上は持たないとみた安倍首相が大臣起用から1か月余りで更迭としたものだ。

 (2)菅原議員は今回の内閣改造での初の経産相就任にあたってはこれまで毎日駅頭に立って通勤者に演説する姿が紹介されて、部外者には献身的なまじめな議員という印象を与えるものだったが、議員としての基本的な姿勢、態度は長年にわたって公選法違反を続けてきた重大な問題、欠陥をかかえて議員を続けてきたことになり、毎日を通勤者を前にしての駅頭演説も有権者への贈答品、香典配布と同じ自己保身レベルのものだったと思わせるものだった。

 (3)政治家も当選しての価値(ナンボのもの)であり、当選することに危機感を持ってのパラドックスとしての有権者への贈答品、香典配布という議員の資格にかかわる公選法違反を重ねてきた結果としての大臣更迭であり、議員辞職も避けられない失態だった。

 (4)そこでいつもながら任命責任者の安倍首相はその責任を重く受け止めるものだが、大臣任命1か月余りで長年の公選法違反疑惑の大臣更迭となれば、その責任の大きさ重さは通常とは違うものだ。

 議員がその資格を公選法で定義されていてやってはいけないことは理解しているものを、長年にわたって違反して議員自ら秘書に指示して(報道)きたとなると「確信犯」であり、国民、有権者をあざむく許されない違反行為だ。

 (4)菅原議員には過去にも同疑惑が報道されたことがあり一議員であったことからか問題が発展しなかったが、確信犯は初の大臣就任によって白日の下にさらされることになって大臣就任1か月余りという短期間での辞任、更迭となった。

 こういう菅原議員を大臣に押したのは菅官房長官(報道)ともいわれて、安倍首相としても安倍内閣を支える菅官房長官に配慮しての責任転嫁の菅原議員の起用だったのだろう。
 
 (5)安倍首相としても菅官房長官に配慮、責任転嫁しての選択決定であったのなら(結果としてそういうこと)、その責任は重く受け止めるだけでなく内閣連帯責任(joint responsibility of the cabinet)も自覚、認識しなければならない。

 内閣総辞職、総選挙で国民の審判を受けることも考えなければならないだろう。日本の政治、社会は議員の有権者への贈答品、香典配布に元助役の関電への金品提供という長い悪しき体質が残ってまたまた芽を吹きだした時代錯誤感だ。

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秋の夜長。 a long night in autumn

2019-10-29 20:25:22 | 日記
 (1)秋の夜長はやはり読書ということか、読書週間が始まった。秋の夜長(a long night in autumn)はPC、スマホの時代を象徴するわけでもないが、相変わらず大学生は読書をしない。若い(目も良く、体力もある)うちはいろんな本に出合って多様な教養、価値観を身に着けることは大事で、集約する常識的、良識的考え、判断、能力をつちかって政治、経済、社会の進む方向性について幅広い観点からの選択力に期待できる。

 今年の日本の政治、経済、社会は異常性が目についた。近年の日本を覆う暗い黒い霧ではあるが、大学生(あるいは若者)が読書をしなくなったことと関連性はないのか、考えさせられる。

 (2)かといって本しかなかった時代は政治、経済、社会が良かったかといえば、自信はない。ただしその時代の特徴としてなぜそうなったのかの意味、理由、意図がみえたところが近年日本の意味のない、理解できない、無分別な行動が増えたところと違うところだ。

 かっての大学生は金持ちが政治、経済、社会を支配して自分たちの利益第一主義で物事を進めること、資本主義体制に反発、反抗して権力に反抗して貧困層、社会的弱者、虐(しいた)げられた人の味方として行動することが必要と考える気風があった。

 (3)過激な思想、jデオロギーは成田闘争など学生運動に傾倒して、金持ち支配社会、資本主義だけでない考え、理論、哲学もあることを実践あるいは実現させようともがいたものだ。当時は本しかない時代だったので、世界の広い思想、主義、哲学、理論にふれて資本主義だけでない生産性、社会性、国家体質について意見を述べ合った。

 多くの大学生は常識的、良識的であったが、過激な思想、イデオロギーで社会変革を追求するものはその過激性ゆえに社会で突出して学生の主流的考えのように取り扱われたが、むしろ多様な考えが充満していた。

 (4)右派、保守思想の強い作家三島由紀夫は東大全共闘にひとり乗り込んで(招かれてか)、演壇に立ち討論、対話をしていろんな考え、思想、イデオロギーがあることを実践してみせた。

 お互いが利用し合ったのかはわからないが、立場の違いを乗り越えて多様な考えがあることに知的な興味が存在していた。

 (5)本を読まない今の大学生はパラドックスとしてものわかりがよくて、安定第一主義で強いものにくみしやすい。国民全体がそうで、安倍内閣の重要政策課題に過半数が反対しながら安倍内閣の支持率は40%後半と比較安定するという小市民的パラドックス性(paradoxical)だ。

 企業に入れば個人の権利、身分、賃金よりは将来安定を求めて企業の存続優先でものわかりがよく、ノルマ過重負担の過労死が社会問題化している。

 (6)多様な考え、判断、行動ができない安定志向主義であり、本を読まなくなったことと関連性がないのか心配なところでもある。

 一方で現実社会は高度な情報化時代、社会を迎えて個人、個性、特殊能力が貴重な人材としてとらえられて、社会の連帯性、協調性が薄れて格差社会を増幅させていく。
 
 (7)24時間社会は「秋の夜長」を奪っていくが、しかし24時間社会の無理も顕在化して、ようやく人間社会の見直しが始まっている。

本ブログで書いたが、人間は日にちをまたいでまで働く必要はなく、明るい明日を待てばいい。
 

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反逆のトランプ・自己矛盾の公約。 treasonable trump , a public promise of self-contradiction

2019-10-28 20:11:45 | 日記
 (1)イスラム過激派アルカイダ指導者のオサム・ビンラディンに続いてIS最高指導者バグダディが米軍特殊部隊によって殺害された(報道)とトランプ大統領が発表した。
 これまで死亡説も取り沙汰されていて、5年余り姿を見せずに音声によるテロ指示をくり返してきたが、シリアでの露、トルコ、シリア、クルド組織の協力を受けて米軍特殊部隊がシリア国内に潜伏中のバグダディの居所を突き止めて襲撃し殺害(自爆)したと報じられている。

 (2)トランプ大統領としては大統領就任時の「公約」のシリアからの米軍の撤退を実行して、それに乗じて隣国トルコがクルド組織支配地域に攻撃、軍事介入して均衡が崩れて、米軍のシリア撤退に身内の共和党からも批判を受けて、目先を変えるためのIS最高指導者バグダディの殺害情報だったのではないのかと思わせる。

 来年の米大統領選を1年後に控えて、専門家からはトランプ大統領再選に有利に働く追い風との解説もあり、トランプ大統領としてはシリアからの米軍撤退の公約の代償としてシリアに展開する露さらにトルコ、クルド組織にシリアの協力を受けて米軍特殊部隊によるバグダディ殺害のようにみえる。

 (3)トルコから攻撃、軍事介入されたクルド組織は別にして(シリアと和解か)、シリアに展開する露、トルコそしてシリアにとっては願ったり叶ったりの米軍の撤退であり、IS最高指導者バグダディ殺害だった。

 露もシリアもトルコもシリア潜伏のバクダディ殺害は可能で考えられないことでもなかっただろうが、アフリカ、西アジアにあらたに展開、拠点を移すIS組織から報復テロの標的になることを考えれば米軍に協力して米軍主導でバグダディ殺害を実行することは安全利益になることと判断できる。

 (4)これでISが直ちに衰退することはなく、テロ組織細胞として次から次と新指導者が湧き出てきて、脅威は消え去ることはない。トランプ大統領としては「公約」のシリアからの米軍撤退を進めて(秩序不安定を招いて批判は受けた)IS最高指導者バグダディ殺害でテロ封じ込めに貢献しているとして成果を強調して、来年の大統領再選を目指すシナリオだ。

 トランプ大統領の政策の善し悪しは別にして、選挙戦中、就任時の「公約」を実行することで固い岩盤支持層の取り込みをはかり再選へのシナリオを確かなものにする戦術の目論見がみえる。

 (5)その「公約」を選挙結果として支持したのも米国民であり、公約(public promise)どおり実行していることに批判、反対を受けることはトランプ大統領にとっては心外、不満、不平であることだ。

 米国としては前回大統領選で結果として国民が選択した大統領の「公約」に今更ながら脅かされこれに批判、反対をするハメに陥っている自己矛盾(self-contradiction)だ。

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大連立の夢。dream of a large coalition cabinet

2019-10-26 20:06:18 | 日記
 (1)玉木国民民主党代表が「政治は一寸先は闇であり、光だ」(報道)と言ったといわれる。今夏の参院選後に安倍政権幹部が国民民主党を加えた大連立(a large coalition cabinet)構想を玉木代表に打診していたことがあきらかになった。

 そのことを問われての冒頭の玉木代表の言葉だ。参院選で改憲勢力の3分の2を割ったことに対する安倍首相、安倍政権のなんとしても20年改憲実現に向けての安倍首相が国民民主党には改憲に前向きな議員もいる発言のとおり国民民主党の取り込みだった。

 (2)玉木代表が述べた言葉は従来から権謀術数の政治の世界で述べられてきた言葉だが、玉木代表にとってこれが「闇」なのか、「光」なのか意味深な感想ではある。
 結果は立憲民主党と国民民主党などによる院内統一会派を結成して安倍内閣に対峙していく姿勢、方針を示した。

 (3)国民民主党は09年民主党政権を支えた議員で構成されて、民主党から民進党に改名してその後前原誠司代表になって小池東京都知事代表の希望の党との合流話で一部議員が枝野幸男代表が立ち上げた立憲民主党に移行して分離して、その合流後希望の党が選挙で大敗してほとんどがあらたに国民民主党を結成して移行するという方向性の定まらないめまぐるしい変遷をくり返してきた。

 (4)現在の国民民主党は政党支持率が1%ですっかり存在感を失った状態だ。今でも09年民主党政権を閣僚として支えた議員も多く、国民からは09年民主党政権への不信のトラウマから抜け切れずに党勢は沈滞したままが続く。

 09年民主党政権は発足時は自民党にはない革新的な政策を打ち出して政策通、理論派議員も多いが、政権として財源裏付けのない実効性のない政策があきらかとなって未熟さを露呈して、政権自滅となり国民の信頼を一気に失う結果となった。

 (5)その流れをくむ国民民主党を合わせた安倍政権の大連立構想ではあったが、国民民主党としてはかっては民主党として政権を担いながら現在は政党支持率1%で国民の信頼を失ったままで政権の一翼を担うことなど考えられない屈辱の中で、やせても枯れても安倍政権を支えることなどできるはずもない相談だった。

 (6)安倍政権、自民党からすれば改名、合流、分離、離党をくり返してきた政党アイディンティティ(identity)のない国民民主党を狙っての改憲勢力3分の2確保の筋書き、取り組みだったのだろうが、さすがに一度は民主党として本格的政権交代を果した自負心、経験からも安倍政権の大連立構想には乗れる話ではなかったのだろう。

 それにしても冒頭の玉木代表の「闇」、「光」発言はまだまだ政治の足が地についていない不安定さをあらわすものだ。

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