いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日銀の独立と偏向。 independence and bias of the bank of japan

2023-02-28 19:48:10 | 日記
 (1)日銀は独立性がしばしば問題になる。政府の経済、金融、市場政策を有効に実行するためには日銀の金融、金利政策が重要になるためであり、政治の役割上は安倍元首相が述べた「日銀は政府の子会社」偏向発言が象徴している。

 (2)日銀の独立性がいわれ、問題になるのは、安倍第2次政権でのリフレ派黒田日銀総裁起用によるこれまでの2倍のカネを市場に供給してゼロ金利政策を実施して、日銀が国債を大量に買い支えて政府の借金財政を支えてきた経緯が象徴的だ。
 政府の借金財政を日銀(中央銀行)が支える構図は世界の金融市場からは不安定な国家財政として受け取られて、一旦国債暴落に陥れば国家財政破たんを招く危険性がある。日銀(中央銀行)は国の財政健全化、金利、物価行政、市場経済の監視役として独立性が期待されている。

 (3)企業の代表者は企業内の最高会議で決定されて株主総会で承認されて成立するもので、日銀総裁も独立性がいわれるなら日銀内の最高会議で独自に決定すればいいものだが、こちらは正副総裁を含めて国会での所信聴取による同意を経て内閣が任命する。
 国会の構成上内閣の長の首相の権限で決まることになり、安倍元首相と黒田日銀総裁のようにアベノミクス推進のための大胆な金融緩和策実施という強い関係性が出てくる。

 (4)政治、行政と経済、金融の関係性を考えれば、政府と日銀の方針が対立していては経済、金融効果ははかれないのでやむを得ないところはあるが、国家財政の健全化、金利、物価、市場経済の公正性を考えるなら、政治、政府と日銀には協力関係は必要だが一定の距離感が必要だ。
 日本学術会議も学問の自由から独立性がいわれながら、会員は法制上首相が学術会議の推薦により任命することになっており独立性の真髄はみえずに、菅政権では政府に批判的な学者の任命が拒否された。

 (5)安倍第2次政権の黒田日銀総裁体制は政府内に日銀金融省、日銀局があるようなイビツな存在となっており、大胆な金融緩和策は円安、株高効果を生んでアベノミクスの大企業、富裕層優遇政策を全面的に支える役割を果たしてきた。

 (6)日銀の大胆な金融緩和策はその後高いインフレ率の欧米との金利差から急激な円安、エネルギーなどあらゆる品目の大型物価高を招いて国民生活を圧迫しており、適切に対応できずに副作用が問題となって解決策、出口論が課題となっている。

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反ペレストロイカの世襲政治。 hereditary politics of anti-`perestroika'

2023-02-27 20:19:42 | 日記
 (1)政治の世界は権力術策の世界なので一般的には権力者が引き継がれていくにしたがって、ペレストロイカ(改革)ではなくて権力維持のための強権性が加速していく傾向にある。北朝鮮がそうであるし、中国もそうだし、露もそうだ。

 (2)露はベルリンの壁崩壊によるソ連邦崩壊、解体にかかわったゴルバチョフ書記長(当時の最高権力者)のペレストロイカが進んだかのようにみえたが、現在のプーチン大統領は敵対者を駆逐して権力独占を進めかってのソ連邦時代の粛清体制のレーニン、スターリン時代に戻ったようにロシア暗黒時代史の世界をつくりだして、大ソ連邦復活を目論んでかってのソ連邦国ウクライナを軍事侵攻して米、NATOが支援するウクライナと戦争継続中だ。

 (3)権力者はどうしても前任者時代と比較されるのでより「強い」指導者像を求めてなろうとするので、どうしてもより権力支配的な強権思想を強く持つ。北朝鮮は日本にとって拉致問題、ミサイル発射、核実験で政治的、軍事的威嚇、脅威を与えているが、現在の金正恩総書記の父の金正日前総書記は自ら北朝鮮による日本人拉致犯罪実行を認めて当時の小泉首相電撃訪朝を受けて5人の日本人拉致被害者の帰国が実現した。

 (4)これで日本人拉致被害者の全面解決も期待されたが、金正日総書記が死亡しその子息の若い金正恩総書記が権力を引き継ぎ拉致問題、非核化に向けて北朝鮮が動き出すのではないのかの淡い期待もあったが、政治経験未熟さが逆にカリスマ性、権力集中指導性を高める高圧的な姿勢に反映して日本、韓国を無視した対米接近に活路を求めて、米国の関心を引く方針としてミサイル発射、核実験路線に向かい、ミサイルを日本海に向けて乱発して核実験再開に向けて進行中ともいわれている。

 (5)金正恩体制では拉致問題は解決済みとしてまったく関心を示してもいない。金正恩総書記は若い指導者として海外での留学経験もあり、北朝鮮に何らかのあたらしい風、権力構造を持ち込むのではないかの淡い期待もあったが、今や父の金正日前総書記も及びもつかない排他的な横暴権力、恐怖政治を進めている。

 (6)権力継承、世襲政治(hereditary politics)体制を決して甘く見てはならずに、ペレストロイカの内に目的を早く実現しなければならない教訓だ。後に続く権力者の方が無分別、不条理に走る。

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自由主義と少子化。 liberalism and declining birthrate

2023-02-25 20:40:32 | 日記
 (1)少子化(declining birthrate)はどこが問題か、国民には納税の義務があり、国民投資(税負担)で国家財政が基本的に成り立ち、少子化で国民投資(税負担)が減ればこれまでの国レベルの国政、行政を行おうとすれば借金財政がかさみ、デフォルト(債務不履行)に追い込まれることになり行政サービスが低下し、少子化により国民投資(税負担)が減ってそれに見合った国政、行政しかできないとなると国家は衰退していく。

 (2)それを社会資本として支える経済もIT時代といってもそれを動かし活用するのは「人」であり、人手不足になれば経済活動は縮小して、社会資本、インフラが衰退して世界経済から見放されてあるいは侵攻されて国が亡びるというわかりきったシナリオを書いたが、世界に類を見ない少子高令化社会を加速させている日本の向かっている道だ。

 (3)そこで岸田首相は「異次元」の少子化対策として人への投資、子ども手当の充実を掲げて資産所得倍増プラン、賃上げ、成長と分配の好循環社会の実現を目指している。自民党萩生田政調会長は新婚世帯に住宅支援の必要性に言及して「最初に困るのは新居だ。全国の公営住宅に20万戸の空きがある。若い人たちに貸してあげたらいい」(報道)と言っている。

 (4)公営住宅に20万戸も空きがあるのは少子化の影響なのか、運営問題、住宅形態が時代社会様式にズレ、合っていないためなのかわからないが、岸田首相が急に方針変更を考えている子ども手当の所得制限撤廃をすれば新たに1500億円必要で「1500億円あれば(公営住宅の)風呂やトイレを新しくしてあげたい」(萩生田談)というから公営住宅様式が時代社会に合っていないことを示している。少子化対策なのか空き家対策なのかわからない発言だ。

 (5)少子化対策は冒頭述べたようにわかりきった必要性から急務であるが、本来国民、個人の自由、自主、自立の権利、生活にかかわる基本的人権の問題であり、政治、政府があまり事細かく介入、管制管理するのも国民、個人の自由な権利、生活、社会をあまりに統制、規律して向かう方向性を決めていくのも民主主義、自由主義(liberalism)社会のあるべき姿ではない。

 (6)自由主義、民主主義が後退して、権威主義、専制国家体制、極右勢力の台頭がみられる社会思想が日本の少子化対策、社会保障政策に強調されている懸念はある。企業は人材確保のために賃上げが必要と考えており、賃上げをしない企業には人材が集まらないという考えを示しており、政府は円安、大型物価高抑制対策を進め民間活力を活かした成長と分配の好循環社会を実現することが求められて大事だ。

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ウクライナ軍事侵攻・後。 after Ukraine war

2023-02-24 20:18:51 | 日記
 (1)露によるウクライナ軍事侵攻は2月24日で1年を迎えた。両国とも戦争継続に不退転の危険な姿勢を示しているが、この戦争が未来永劫(えいごう)続くものではない。5年、10年と続くことも考えにくく(対立はあっても)、今年一杯が将来のウクライナ戦争の結末、行く末を決める正念場を迎えることになるだろう。

 (2)露プーチン大統領はウクライナ軍事侵攻1年で制圧したのは、あるいは戦況有利とみられるのはこれまで親露派勢力が支配していたウクライナ南部の露国境沿いの州、地域で、広いウクライナ国土の多くは露からのロケット弾攻撃でインフラ、国民生活に破壊をみせつけているが侵攻制圧にはいたっていない。

 (3)ウクライナへの米、NATOなどの武器供与、財政支援は拡大をみせており、今後ウクライナ軍が供与された武器を習熟して使いこなすことになれば反転攻勢の可能性は高く、戦況はこう着状態になる可能性は大きい。
 戦争がこう着状態になれば侵略、侵攻した側の軍事力、軍事費、補給維持に負担も大きくなり、こうした段階で停戦、休戦を模索する判断も考えられて出てくる。

 (4)プーチン大統領はウクライナの親露派勢力支配下の州、地域を露に編入する宣言、承認をしており、完全制圧することでこの成果をもって何らかの停戦に向けた戦略に出ることも考えられる。
 そのためには露国内からのロケット弾攻撃によるウクライナ破壊にそして核攻撃を示唆して露に有利な戦況をつくりだして交渉を有利に運びたいところだろう。

 (5)露によるウクライナ軍事侵攻は1年を経過して露の軍事侵攻に表立ってはっきりと有利な状況が見られない中で、欧米首脳のキーウ訪問が相次いでウクライナ支援、結束を表明して露プーチン大統領の暴挙に対して対抗、抗戦する不退転の姿勢を示している。
 ウクライナが欧米などの支援を受けて軍事、経済で持ちこたえることが予想される中で、プーチン大統領としてもこのままズルズルと戦争こう着状態を続ければ露国内での評価、支持にも影響が出ることも考えられて、プーチン大統領が侵攻国としてどういう打開策を示すのか、取るのかが今年1年の行く末の分かれ道になるだろう。

 (6)プーチン大統領としてはまずはウクライナ親露派勢力支配下の州、地域の制圧を確実なものにしてウクライナ軍事侵攻の第1ラウンドの手打ちをして、今後さらに軍事侵攻の立て直し、機会をうかがうのが生きる道だ。
 第2ラウンドなどあってはならないが、米、NATO、ウクライナが戦略的結束でどう対応するのか重要な局面になるだろう。

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キーウから愛をこめて。 not from russia , from kyiv with love

2023-02-23 20:03:43 | 日記
 (1)発表されていたバイデン米大統領のポーランド訪問にあわせて厳しい情報管制の中でバイデン大統領が露のウクライナ軍事侵攻から1年を迎えて電撃的に警報の鳴る(報道)隣国のキーウ(kyiv)を訪問して、ゼレンスキー大統領と会談してウクライナを今後も支援する姿勢を示した。

 (2)米国内ではウクライナへの武器供与に「賛成」は昨年5月の60%から今年1月には48%に減少し、財政支援に関しても反対38%と賛成37%をわずかに上回った。ウクライナへの武器供与、財政支援が増大する中で共和党議員中心にウクライナへの「米国は支援を削るべきだ」(報道)との声の高まりは強い。

 (3)21日にはイタリアのメローニ首相もキーウを訪問してG7国がウクライナ支援で結束を示す狙い(報道)があるとみられる。これでG7国の首脳でキーウを訪問していないのは日本の岸田首相だけとなった。
 岸田首相は今年5月のG7広島サミットの議長国としてゼレンスキー大統領からキーウ訪問の招待があり(報道)、昨年末からキーウ訪問を検討してきていたといわれるが、G7国中ウクライナから遠く、露空域を回避して向かう安全上の問題もあり、通常国会が開催されて来年度予算案の成立に向けて傾注する必要性に迫られてなかなかキーウ訪問のタイミングの見通しがたたないでいる。

 (4)日本は戦争状態の国への武器輸出は禁止されており、財政支援に限定して多額のウクライナ財政支援を続けており、G7広島サミット議長国としてその前にせめて岸田首相のキーウ訪問を実現してG7国議長国としての結束、対面を保ちたいところなのだろうが、情勢はなかなか見通せない。

 (5)通常国会開催中であり、円安、大型物価高により国民生活も苦しんでいる中で経済対策の有効な打つ手もなく、このような中で国民にも無理をして岸田首相がキーウを訪問する意味に賛成、理解は少ないのではないか。
 むしろウクライナ戦争の停戦、休戦、終結に向けて外交努力を模索する姿勢を示すことが日本の取り得る方法論だろう。

 (6)ウクライナ戦争はかってのイラン、イラク戦争のように日本はカネは出すが人(軍事力)はださないとの批判ではなく、ウクライナのNATO加盟意向に端を発してプーチン大統領が反発してのNATO対立問題として日本が関与できる範囲は限られている。
 
 (7)前述のように米国内でも共和党議員からのウクライナへの「米国の支援を削るべきだ」との声が聞かれ、国民にえん戦気分の高まりがみられて、日本が無理に深入りする問題でもなく、G7広島サミット議長国として岸田首相がG7国をまとめて露に強い停戦、終結、軍縮のメッセージを送りつける大きな役割がある。

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