いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

鋼のスーチーと国民。 Suu kyi and nation like steel

2021-03-04 20:37:03 | 日記
 (1)中国共産主義革命を主導した毛沢東は、政権は銃口からしか生まれないと言ったといわれる。詳しい理論はわからないが、中国は89年には民主化を要求する学生運動の高まりを天安門広場で武力弾圧して、戦車の行く手にひとり立ち向かう若者をひき殺すというショッキングな場面も映し出された。

 (2)ミャンマーでは軍部がクーデターを起こして、当時民主政権のアウンサンスーチー最高顧問兼外相などを拘束して自宅軟禁にして実権を握り、これに抗議する武装しないミャンマー国民デモに対して軍事政権軍部は銃による無差別攻撃に出て、現在までにデモ参加者50人以上が亡くなる(報道)惨劇になっている。

 ミャンマーのヤンゴン大司教は「この国の主要都市は、まるで天安門広場のようになっている」(同)とツイッターに書き込んでいる。

 (3)軍事政権でも「国軍」が(守るべき)「国民」に銃など向けられないという高い理想理念を聞いたことがあるが、ミャンマーでは武装しない国民デモに対して容赦ない軍事政権側の無差別銃撃を浴びせる映像が送られてくる。

 隣国ミャンマーに強い影響力を持つ中国は内政不干渉の立場から表立った論評を控えて、米国などの懸念に対して報道会見では冷静な対応を求める声明をだしている。

 (4)中国は香港デモでも直接的な関与はしていないが国家安全法制定で香港の反体制派、民主活動家を規制、排除する強権性を示しており、ミャンマー事変の調停はできにくい問題を抱えている。
 ミャンマーでは軍事政権への国民抗議活動として社会経済活動停止のゼネストを呼びかけており、軍事政権と国民抗議デモの全面対立はおさまりそうにもない。

 (5)中国は香港デモ民主化事情について外国勢力からの不正関与による政権転覆を企てていることを理由に強権規制、排除に乗り出しているが、ミャンマー事情は軍部とアウンサンスーチー国民民主連盟派の主導権争いであり、まさに内政問題だ。

 アウンサンスーチーさんについては、民主選挙で圧倒的な国民支持(80%以上支持といわれている)で民主政権につきながら、軍部影響力のある一定議席が保障される特別な議会制度で軍部との力関係歩み寄りが必要な中で必ずしも民主的な政治的立場に問題がなかったわけでもなく、ロヒンギャ迫害問題対応でも国際的な批判を浴びることがあり、それでもスーチー政権の憲法改正による民主化への軍部の不利益警戒感が一線を越えてのクーデターとみる。

 (6)ゼネストで対抗する民主政治支持の無防備な国民抗議デモの、そして数十年の長い自宅軟禁にも意欲を失わないアウンサンスーチーさんの強い民主化への「鋼」の意志を軍部が支配することは容易ではない。

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