いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

直接民主主義とSNS。 girect democracy and SNS

2021-03-01 19:58:40 | 日記
 (1)香港、ミャンマーなどで独裁政治、軍事政権に対決する市民デモはSNSを通じてデモ参加者を集め大きな対抗勢力となっているが、日本でも森前会長べっ視発言を巡ってSNS批判が拡散して森前会長の発言撤回、謝罪でホコを収めようとしたIOC、JOCは、内外からの批判、ボランティア辞退続出の中で一転立場を変えて当時の森会長は辞任に追い込まれた。

 (2)民主主義の後退が言われている中で台頭しているのが市民、国民が直接意思、意見を述べ賛同して大きな勢力となり権力を動かす直接民主主義(direct democracy)だ。SNSのやり取りで深い理論や背景、分析はなく「結果論」で意見が一致する、賛同する言論主義だ。

 へい害もないわけではない。愛知県、名古屋市で大村知事リコール運動で使われた市民、県民のリコール署名は80%以上が届け出を受けた県選管で筆跡が類似性があると判断されて、市民告発によりリコール不正の刑事事件となっている。数の暴力信奉ともいえる。

 (3)首長リコールそのものは正当なものであってもそれだけで首長を解任できるものではなく、強制力はなく、市民、県民の意思、意見を集めて辞職に圧力をかけるものであり、反対する首長に対するダメージ戦略の強い性質のものだ。

 ある意味いくら何でも80%以上が不正署名では問題外だが、変な話だが話題にでもなればイメージ戦略にはなって数の暴力という誤ったリコール精神性もないではない。

 (4)リコール運動は街頭署名運動で広く賛同者を集める方式で現在は署名者本人の自署、捺印を求めるものだが、国、政府は印かん廃止運動を進めており、今後リコールなど署名活動は本人署名以外に本人確認事項をどう整備するのか個人情報保護との関係もあり本人マイナンバーも容易には利用できない事情もあり、今回の不正署名事件の真相解明も合わせて市民、県民署名要件の不正防止対策の整備が必要だ。

 (5)直接民主主義は大きな勢力となれば国民、市民の意思、意見が直接政治に伝わる、反映する効果はあり、大きいが、一方で本来「少数意見」の立場、意見をも尊重する、理解する、聞く度量も民主主義の理論、理念、本質であり、言論力バランスをも考えなければ大事なものを見失うことになる。

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