以下のコンテンツは、NHK:BSドキュメンタリー「史上空前の論文捏造」(最下)を参考にしている。
捏造発覚から2年後、シェーンは出身地ドイツのある地元企業に勤めているという。
NHK取材班は、シェーンの自宅の場所をつきとめるが、彼は家から出てこず取材を拒否。
取材に応じた彼の大学時代の親友は、こう語った。
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「彼はたしかに不正を行ったかもしれない。だが、彼の他はみんな無罪放免でいいんでしょうか?彼に成果を出すよう圧力をかけたベル研や、ジャーナル、スポンサーや企業、そして科学界全体も、そこにある問題をうやむやにしたままだ。スケープゴートを一人作るだけで問題が解決したとは思えない」
シェーンの研究を指導した著名な物理学者バートラム・バトログ博士は、チューリヒにあるスイス連邦工科大学にいた。事件発覚以来、一度もマスコミ取材に応えたことがない彼が、再三のNHK取材班の「これは科学界全体の問題だ」という説得に応じてようやく重い口を開いた。
「通常の習慣に基づいて、やるべきことはやった。しかし、シェーンの不正はシェーン自身がやったこと。研究者を信頼し、“個”を尊重することが共同研究をする上で条件となる」
要するに、共同研究者としては彼を一定立てプライドも尊重する必要があり、「お前の実験はアヤシイから、そこをどいて私にやらせろ」とは言えない…ということだろうか。
番組では、ナレーターがこう問い掛ける。
「研究はますます細分化され、当人しか分からない専門領域が増えていく。誰が事実をチェックするのか…その答えは見えない」
「今、科学の本質がどんどん変わっていることに、私たちは目を向けなければならない」
この捏造問題が、私たちに語りかけていることは何なのだろうか?それを考えないと、現在のような捏造問題が次々と起こってくるということになりかねない。
現在表沙汰になっている論文捏造は、実は氷山の一角なのではないかという気さえしてくる。
次回は、これら捏造問題の共通項を挙げて、その構造に迫ってみたい。
<しつこい、と言われつつ⑤につづく>
現在、27報の論文について研究不正行為を確認している。(調査ご協力お願いします。)