ガラクタな部屋

音楽を古いガラクタ製品で聴いています

ELEKIT TU-8730

2019-04-02 | 真空管アンプ

ELEKIT TU-8730
私は真空管アンプ信者ではないのですがオークションで40,500円で購入してみました。
このアンプに使用してあるパワー管は300Bという物で本来は業務用真空管で(このアンプの300Bは違いますが)一般には出回っていませんでした。というかアンプは映画館などにリースされていた物です。補修用にごくわずかに市場に出ることがあったようです。(横流し?)
300BシングルアンプといえばWE91Bなのですが300B信者が言うにはドライバは310Aで整流管は274Bでないといけないといいます。また真空管はWE製品じゃないとだめと言っていました。
ELEKIT TU-8730はキットとして販売されていた物で現代的なアンプでヒーターはDC点火、B電源はFETによるリップルフィルター付きです。
300Bと言えばWE300Bですが今では中国、ロシア、チェコで作られアメリカではWE300Bは2006年まで作られていました。多分日本人の熱狂的なファンがいるからでしょうか。
日本でもWE300Bの忠実なコピー製品岡谷のHF300Bがありました。この300Bは音も良かったように思います。
私も昔は色々な真空管アンプを製作していましたが今は1台も残っていません。人に譲ったり錆が出てきたものは危険物として捨ててしまいました。前置きが長くなりましたがまさか安い300Bが出てきて初心者が最初に製作するキットが300Bアンプという時代が来るとは思いませんでした。それもキットとはいえ69,800円という価格は信じられません。タムラのシングル用出力トランスF2007Aが1個60,000円ぐらいしますし。かなり価格を抑えたキットです。昔からの300Bファンは見向きもしないでしょうし、こういうアンプは認めないでしょうね。
仕様
メーカー:ELEKIT 型番:TU-8730
定格出力:7W+7W 出力
インピーダンス:8オーム,4~6.3オーム
周波数特性:10Hz~70kHz(-3dB)
残留ノイズ:0.4mV(WIDE),0.07mV(IEC WEIGHTING)
SN比:85.4dB(WIDE),100.5dB(IEC WEIGHTING)
入力インピーダンス:65kオーム
定格入力:500mV 電源:AC100V(50/60Hz)
消費電力:75W
寸法:W200×H195×D410(mm)(突起物を含む)
重量:9.6kg
価格:69,800円

Electro-Harmonix社製 6SN7

CHINA製 300B  中華製だと不安になりますがさすがに300Bは作りが違います。どこかの国の技術者が指導監督の基に製作されたものと思います。

焼けもほとんどないのであまり使われていないのかもしれません。

フィラメントもスプリングで張ってあります。

300Bのフィラメントは切れていませんでした。 こういう直熱管は輸送による振動で切れやすいです。

こちらも大丈夫なようです。

上から

フロントパネル 電源SWや入力切替SWは上です。 このVRのツマミはアルミの削り出しです。

リアパネル

カバーを取ったところ

出力トランス。寸法は(87mm-77mm-77mm)ぐらいでタンゴのU-808より一回り小さくノグチのDMF-15WSぐらいでしょうか。昔の自作アンプでしたらオリエントHi-Bを使用したカットコアトランスのタンゴのX-3.5S,2.7SかXE-60-3.5S,2.5Sを使用したアンプが多かったようなきがします。(WE-300B信者はピアレスのトランスじゃないとだめだと言う人もいますが。)

パワートランスは北村機電株式会社のトロイダルタイプで効率がよさそうです。

これを製作したオーナーはハンダ付けも私よりきれいです。300Bのソケットはハンダが少なく感じたので少し盛っておきました。

真空管を刺してSWを入れてみたところ

ファイラメントが赤くなっています。WE-300Bはもう少し暗い感じがします。

ブルー・グローが微かに見えます。

100Hz 方形波 シングルアンプでは頑張っている方だと思います。タンゴのX-2.7Sだともう少し違うかな。

100Hz サイン波

10KHz 方形波 ちょっと暴れがあるかな

10KHz サイン波

出力管の回路図 出力管を刺した状態でヒーター電圧は4.45Vでした。プレート損失も23Wとだいぶ楽な動作のようです。出力トランスが2Kというのがちょっと気になりますね。

基板の裏

電源基板 遅延リレーによるラッシュカレント防止が付いています。

チェック中

完成 電源トランスの取り付けネジにスプリングワッシャーが付いていなかったので付けて取り付け、基板からシャーシへのアースは紙やすりでシャーシを磨いてワッシャーを取り付けて締め付けました。
残留雑音はL=0.25mV R=0.45mV DF=7.3(ON,OFF法)

 

 

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
機材について (拓海)
2019-05-18 14:50:36
初めまして。真空管愛好者です。楽しく拝見してます。6L6GCはシングルでは良い音がでないのでしょうか?
またオシロやジェネレーターなどかなりお持ちのようですが、どうしてもあったほうがいい機材はなんでしょうか?オシロ、発信機、電圧計などは持っています。
Unknown (ガラクタな部屋)
2019-05-19 21:11:10
三種の神器をお持ちのようなのでそれで問題ないと思います。後揃えるとしたら歪率計なのですがWaveSpectraソフトなどはPCがあれば手軽に見ることが出来ます。音の好き嫌いは人によって感じ方が違うので6L6GCが音が良いかは人それぞれとしか言いようがありません。
ありがとうございます (拓海)
2019-05-21 21:20:57
お返事ありがとうございます。ソフトをさがしてみます。

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