マキペディア(発行人・牧野紀之)

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生成、das Werden

2011年09月13日 | サ行
  参考

 01、生成は一般にそうなのだが、概念の生成の場合には、移行するという事は自分の根拠に反省するという事である。始めは他者に見える者へと移行するのだが、それは実際は自分の真理〔本当の姿〕なのである。(大論理学第2巻214頁)

 02、存在から本質が、更に本質から概念が生成したという事は、〔普通に考えられる〕生成とは逆の意味を持っている。即ち、生成した結果の方がむしろ無条件的で根源的な者だという事である。(大論理学第2巻240頁)

 感想・この逆説的な真理を発見した事はヘーゲルの大きな功績の1つでしょう。「発展」の項を参照。

 03、生成〔という概念〕が最初の具体的な観念であり、最初の概念です。それに対して、〔純粋〕存在と無〔の2概念〕は空虚な抽象です。(小論理学88節への付録)

 感想・具体的とは「対立物の統一」を含んでいるということすが、一番最初の2概念はそれを含まないからです。