マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

冷やし中華はじめました。

2011年06月20日 | 中華料理
昨日、上海は毎日雨ばかり降っていると書いたら今日は一転朝から快晴で、やっと洗濯物を思いっきり外に干すことができたが、今度は暑さにヘトヘトになって食欲もダウン。

そんな時に食べたくなるのが夏の風物詩「冷やし中華」ではないだろうか。

うちの店も先週から「冷やし中華はじめました」なので、今日は冷やし中華のレシピを紹介しよう。



「冷やし中華」は多くの店で夏限定なのだが、キューリは夏が1年中で一番美味しいし、トマトの赤色とのコントラストがとっても涼しさを感じさせてくれる。また、どちらも体を冷やす食材だから体が自然と「冷やし中華」を欲しがるのかも知れない。

さて、今回は「さっぱり醤油だれ」と「まろやかゴマだれ」の2種類のレシピを紹介しよう。

店ではまとめて大量に作るのだが、下記は少量でも作れるような配合にしてある。


①さっぱり醤油だれ
醤油   1.5
来酢   0.9
砂糖   0.8
昆布出汁 1.0
ゴマ油  0.3
レモン汁 少々
生姜汁  少々
いりごま 少々
練りからし又は粒マスタード 少々(皿に添える)

②まろやかゴマだれ
練りゴマ 1.0
醤油   1.0
ゴマ油  0.2
砂糖   0.7
米酢   1.2
ラー油  少々
あさつき 小口切り 少々

具材
キューリ 斜めに切って千切り
トマト  クシ型に切る
モヤシ  さっと茹でる
錦糸玉子 塩と少量の水と片栗粉を加えて焼く
チャーシュー 肩ロース又はバラ肉
紅生姜

他に「茹で海老」「きくらげ」「メンマ」「かにかま」等、お好みで。

冷やし中華というのは、具材の種類も多く(仕込みに時間が掛る)こともあってか、また、麺は茹でてから水でもみ洗いをして、更に氷水で冷たくしたものをザルにあげて水気をきるなど手間が掛ることから夏限定になったのではないだろうか。冬の寒い時にこれだけの仕込みをして売れ残ることを考えると夏限定は納得できると思う。

尚、「練りゴマ」だがうちの店では洗いゴマをフライパンで焦がさないように炙って、それをすり鉢に入れ、時間を掛けて熱した油を加えながら作っているが、市販の練りゴマを使用するより香がまったく違う。

また、チャーシューだが、ラーメン用には「豚バラ」を使用しているが、冷やし中華には脂っぽいので、別に「豚の肩ロース」を使用した冷やし中華専用のチャーシューを作っている。

自家製チャーシューの作り方
①豚の肩ロース肉に軽く塩を振り、タコ糸でぐるぐると巻きながらかたく縛る
②フライパンを熱して、焦げ色が付く程度に焼く。
③鍋に「チャーシューたれ」を入れ火に掛け②の肉を入れ沸騰したら弱火にして3時間程、鍋に蓋をしないでじっくり煮込む。
(チャーシュータレの配合)
醤油    2000CC
酒     1000CC
みりん   1500CC
ガラスープ 2000CC(顆粒の鶏ガラスープの素+水)
砂糖     300g
おろしにんにく 少々
おろし生姜   少々
④煮込んでいるうちに水が蒸発してつまってきたらお湯を足しながら煮る。3時間程たったら鍋のまま冷やす。

冷やし中華というのは日本で生まれた料理のようで、中国には無い料理だがうちの店に来る中国人客も美味しいそうに食べている。

今から10年程前は、中国でビールを冷やして飲むという習慣がなく、日本料理店以外はどの料理店でもぬるいビールしか置いてなかった。(冷たい飲み物は体を冷やし、体調を崩すとの理由で飲まなかったらしい)

しかし、今は多くの料理店で冷たいビールを注文することができるようになった。

そのうちに中国の中華料理の店でも日本の「冷やし中華あります」と同じように「有冷麺」(ヨウ ロン ミィエン)という貼り紙を見かけるような時代が来るかも知れない。。。






中国の屋台の羊肉串はビールに最高!

2008年05月15日 | 中華料理
今回は中国の屋台の羊肉串(ヤンローチュアン)を紹介しよう。

大連もやっと暖かくなり街のあちこちに屋台が出てきたが、この数日間は雨が降り続き写真を取れなかったが、昨日の夕方にやっと雨がやんだので写真を撮ってきた。 (写真をクリックすると拡大)

この料理はもともとは、ウイグル族(回族)の料理と聞くが、大連をはじめ中国の北の地方では夏になると、長い冬の暮らしからの開放感もあってか屋台で焼かれ、側に置かれたテーブルでビールをラッパ飲みしながら、この羊肉串をほうばる姿が街のあちこちで見られるようになる。

作り方は「孜然ズーラン」の粉(クミン)が手に入れば簡単に作れるので、焼き鳥通の人も、たまには羊肉串を食べてみてはどうだろうか。最初はちょっとくせのある味だと思うかも知れないがハマルと病み付きになる。

材料:
生のラム肉  200g
塩       少々
孜然粉    大匙1
唐辛子    大匙1
醤油      大匙1
あたりごま  大匙1

作り方:
①生のラム肉は脂のある部分と、脂の無い部分を切り分け、さらに小指の先くらいの大きさに小さく切る。(小さく切った方が火が入りやすい)
②少し長めの竹串に①のラム肉を脂のある部分と、脂の無い部分を交互に刺す。
③まず最初に塩を軽く振り焼き始める。
④8分程火が入ったら、刷毛で醤油を塗る。
⑤焼き上がりに近くなったら、孜然粉と唐辛子を振り掛け、火から下ろしてからゴマを振る。

さて、唐辛子だが口にした時に最初は甘いと感じる物を選ぶと良いだろう。辛いだけの唐辛子は美味しくないし、口の中がしびれるだけだ。韓国食材等を取り扱っている店で、少し粗引きの唐辛子を調達するのも良いだろう。

さて、昨年はこの羊肉串にずいぶんと凝って自分で何度も作ってみたのだが、ポイントは、まず肉は新鮮な良い物を入手することだ。鮮度が悪い肉だとクセのある味ではなく悪臭になってしまう。
それから、焼いている途中で醤油を少し塗ると臭いも気にならず美味しくなる。やはり日本人には醤油の味が合うのだろう。

最初は、醤油とにんにくのすり卸しや、生姜おろし、等で下味調味料を作り、それに20分程漬け込んでから焼いたのだが、くどい味になってしまった。また、屋台では油を塗りながら焼いている店を見かけるが、油を塗ると早く火が入るので焼き時間を短縮できるが、これもくどい味になる。

美味しく食べるには、塩を振ってさっと焼いて、醤油を塗ったら孜然粉と唐辛子をお好みで振って食べるのが一番だと思う。



さて、四川省の地震はなかりの被害のようでお気の毒だ。
特にこの数日間、現地では雨が降っているようで、なおさら辛いことだろう。

筆者はプーケットの津波の時に現地にいたが、街中パニック状態だった。

中国のCCTVというテレビ番組を見ると被災者の救出に時間が掛かっているように感じる。

学校が地震で崩れ、多くの子供達がまだ瓦礫の下にいるようで、なんともいたたまれない。

多くの子供達が助かって、早く笑顔を取り戻してもらいたいと願う。。。










麻婆茄子で元気もりもり

2008年05月11日 | 中華料理
一般に「茄子」は体を冷やす食べ物とされる。

よく、『秋茄子は嫁に喰わすな』と言われるが、夏から秋に掛けてが旬で美味しい茄子も、たくさん食べると特に女性はお腹を冷やすので子宝のことを心配するあまりのことわざなのだろう。

6月から夜の定食をスタートさせるので、今、料理の写真を撮っているのだが、この料理はご飯が進む。

高温の油で揚げてから煮込む「麻婆茄子」は、にんにくと豆板醤を効かせて、炊きたてのご飯と一緒に食べれば元気もりもりで、体もあったまる。

作り方は、麻婆豆腐と同じなので[挽肉の甜面醤炒め]は麻婆豆腐のところを見て欲しい。

材料: 
茄子               400g
牛挽肉             100g
中華スープ           1カップ
豆板醤             大匙1
豆鼓(みじん切り)       小匙1
山椒を当り鉢で擂った粉   小匙1から好みで増やす
ラー油              大匙1から好みで増やす
唐辛子(粉)          小匙1から好みで増やす
醤油               小匙2
コショウ             少々
紹興酒             大匙1
にんにく(みじん)       小匙1
白ネギ(みじん)        大匙1
葉にんにく(3㎝に切る)軽くひとつかみ(ニラでも良い)
水溶き片栗粉          大匙2
酢                 小匙1

[挽肉の甜面醤炒め用調味料]
甜面醤 小匙1、醤油 小匙1、日本酒小匙1


まず、挽肉の甜面醤炒めをつくるが、「麻婆豆腐」のところを見て欲しい。

作り方:

①茄子はヘタを落としてシマ模様(虎)に皮をむいて3センチ位に乱切りにする。

②鍋に油をたっぷり入れ、170℃~180℃に熱して茄子をカラッと揚げてザルに取る。

③鍋を熱して大匙2の油を入れ弱火で豆板醤を炒める。香りが立ってきたら豆鼓、にんにくを加え中火にして更に炒めて、①の挽肉炒めを加えて唐辛子の粉を振る。

④鍋肌から中華スープ(顆粒のスープの素とお湯で十分)を回し入れ、紹興酒、醤油、コショーを加え味を見る。塩味が足りなければ塩を少しづつ入れて味を調える。

⑤火を強くして鍋のスープを沸騰させ、③の茄子を加え、再度、スープが沸騰したら火を弱くして静かに3~4分程煮込む。

⑥水溶き片栗粉を少しづつ加えとろみが付いたら強火にして、更に煮込み白ネギのみじん切りと、葉にんにくを散らす。

⑦火を止めラー油と酢を小匙1加えれ皿に盛り、好みで山椒の粉を上から振り掛ける。

調理のポイントだが、麻婆豆腐の時と同じで十分に煮込むことだ。

また、最後に入れる酢は油っぽさをまろやかな味にしてくれる。
いくら食べても飽きない味だ。

さて、大連もここのところ暖かくなって、「羊肉」の串刺し(日本の焼き鳥のような物)の屋台が街中のあちこちに出てきている。

去年の夏は、この「羊肉串」にずいぶん凝って、あちこちで食べ比べながら調味料を自分で何度もつくってみた。

次回は「羊肉串」を紹介しよう。。。




若鶏の唐揚(中華風)も二度揚げがポイントだ

2008年03月25日 | 中華料理
中国語では若鶏のことを子鶏(ズージー)と言うが、これに童という字を付けて、童子鶏(トンズージー)とすると童貞という意味になる。

実は知り合いにクラブに行くと、ボトルキープの時に「童子鶏」と名前を書く人がいて、ホステス(小姐)を笑わせている。

今回は中華風の若鶏の唐揚をつくってみよう。中華風と言っても日本の唐揚は、その字から想像すると中国から伝わったようなので、この料理は中国の方がたぶん本場なのだろう。

ポイントは、二度揚げして外側の皮はパリッと、内側はジューシーに仕上げることだ、「酒肴」の鶏の唐揚のところを、もう一度見て欲しい。

材料:
若鶏モモ肉      250g
紹興酒(なければ酒) 大匙1
醤油         大匙1/2
にんにく(おろす)  小匙1
しょうが(おろす)  小匙1
(衣)
片栗粉        大匙2
小麦粉        大匙2
溶き卵        大匙2
ゴマ油        大匙1

作り方:
①鶏のモモ肉は、一口大に切る。
②紹興酒、醤油、にんにく、しょうがをボールに入れ、①の鶏のモモ肉を加え、よく揉んで味を染み込ませる。(そのまま冷蔵庫に30分程入れておく)
③ボールに溶き卵を入れ、②の鶏のモモ肉を入れ、肉に卵を絡ませる。
④片栗粉と小麦粉一緒にし、③にまぶしゴマ油を加えて混ぜ合わせる。
⑥たっぷりの油を熱し油が動き出す160度になったら、④を一つずつ油に入れる。
⑦全部が油の表面に浮かんできたら、鍋から引き揚げる。
⑧強火にして油を熱し、180℃になったら再度油に入れて二度上げする。

油から引き揚げるタイミングは、箸でつまんでみてパリっと感じれば大丈夫だ。
何度かやれば分かるようになると思うが、心配ならば途中で一つを取り出してみて、包丁で切ってみよう。揚げ過ぎると美味しくないので油から引き出して、余熱で中心まで火が通るくらいがベストだ。

器に盛ったら、山椒をすり鉢で擂って塩を加えた花椒塩を添えれば完成だ。

または、以前「たらば蟹のピリ辛炒め」の時に紹介した「黒酢ソース」にしょうがのみじん切りを少し加えて、上から掛けてネギのみじん切りを散らして食べるのもいいだろう。





坦坦麺と坦坦湯麺を紹介しよう。

2008年03月22日 | 中華料理
今回は坦坦麺を紹介するが、担とは「かつぐ」という意味だ。

日本でも江戸時代には「寿司」等は今で言うファーストフードで、簡単な移動屋台のような物を担いで、町を歩き廻り商売をしていたようだが、ちょうど同じ時期に中国の四川でも行商人が天秤棒の片側には材料を、もう一方には食器などを担ぎ、大声で声を掛けながら小吃(軽食)を売っていた。その中には麺類もあったようで、それを坦坦麺と呼ぶようになったようだ。

しかし、日本のラーメンのようにスープが多いタイプではなく、本場の坦坦麺は胡麻の香りが利いたラー油入りの辛い汁を少量、麺に絡めて食べるものだ。

日本の坦坦麺は「陳 建民」氏によって日本に紹介され、また、日本人に合うようにスープを多くし辛さを抑えたものだと聞く。

尚、本場の坦坦麺が汁が少ないものなのであれば、日本のようにスープの多い坦坦麺は、正式には坦坦湯麺ということになるだろう。

今回は両方の作り方を紹介するが、芝麻醤(ジーマージャン)と(ラー油)の作り方も説明するので、時間があれば調味料から作ってみると良いだろう。
日持ちもするので多めに作って置くと、いろいろな料理にも使えて便利だ。

■芝麻醤の作り方

材料:
生胡麻      お玉   1杯
ゴマ油(純正) お玉 1/2杯
サラダ油     お玉 1/2杯

①洗いゴマ(白)を弱火でじっくり炒める。焦げてしまうと美味しくないので、付っきりでフライパンを揺すりながらパチッと弾けてきたら火から外す。
②すり鉢で①のゴマをドロっとするまで根気良く擂り潰す。(つぶつぶが残っているようでは駄目だ)
③ゴマ油とサラダ油を加えてかき混ぜる。

■辣油の作り方

材料:
唐辛子粉    お玉  1/2杯
ごま油(純正)  お玉   2杯 

①唐辛子粉は韓国産等のなるべく辛いものを用意し、水を少しかけて湿らせる。(あらかじめ湿らせることで、焦げないようにする。)
②フライパンにゴマ油を熱し高温にし、①を加えてブクブク泡が立ったら火を止める。
③そのまま、一晩置いて漉す。

さて、芝麻醤と辣油の用意ができたところで、もう一つの主役「挽肉の甜面醤炒め」を作ろう。以前、麻婆豆腐の時にも説明したがおさらいだ。

■「挽肉の甜面醤炒め」の作り方

材料:
牛挽き肉    100g
甜面醤     小匙1
醤油       小匙1
日本酒     小匙1

①鍋を熱して油を大匙1入れて牛挽肉を炒め、肉がパラパラになるまで炒める。
②酒と醤油と甜面醤を加え更に炒める。(甜面醤を焦がさないように注意)

さて、芝麻醤とラー油と挽肉の甜面醤炒めの用意ができたところで、まずは、スープの多い「坦坦湯麺」から作って行こう。

●坦坦湯麺の作り方

料材:
挽肉の甜麺醤炒め         50g
中華スープ             250cc
芝麻醤               大匙2
ラー油                大匙1
醤油                 大匙1
酢                  小匙1
長ネギ(粗くみじん切り)     大匙1.5
ザーサイ(粗くみじん切り)    大匙1
中華麺                1玉
山椒を挽いた粉           少々

作り方:
①たっふりの湯を沸かし、中華麺を茹でる。
②別の鍋に中華スープ(顆粒のスープの素とお湯で十分)を入れ火に掛け熱する。
③ラーメンの器にお湯を入れて温めてからお湯を切り、芝麻醤、醤油を入れる。
④麺が茹ったら湯切りをして③の器に入れ熱いスープを注ぎ、下から上に大きく混ぜる。
⑤挽き肉の甜麺醤炒めとネギとザーサイの粗みじんをトッピングして、ラー油と酢を加え、好みで山椒粉を散らす。

さて、芝麻醤だが香りが命なので、茹で上がった麺を器に入れスープを注いだら、あまりかき混ぜないようにしよう。

食べる時に、かき混ぜながら食べると芝麻醤の香りが楽しめる。

さて、次は汁の少ない「坦坦麺」だ。

●坦坦麺の作り方

料材:
挽肉の甜麺醤炒め         50g
麺の茹で汁             50cc
芝麻醤               大匙1.5
ラー油                大匙1
醤油                 大匙1/2
酢                  小匙1
長ネギ(粗くみじん切り)     大匙1.5
ザーサイ(粗くみじん切り)    大匙1
中華麺                1玉
山椒を挽いた粉           少々

作り方:
①たっぷりの湯を沸かし麺を茹でる。
②ボールに、芝麻醤油、ラー油、醤油、酢を入れる。(辛いのが好きなら山椒粉も入れておこう)
③麺が茹で揚がったら湯切りする。また、麺の茹で汁50cc(おたま1/2)を②に加えよく混ぜる。
④ボールに麺を加え、混ぜ合わせる。
⑤器に盛り、挽肉の甜面醤炒めと、ネギとザーサイの粗みじんをトッピングする。



熱々の麺にタレを絡ませて食べるのも旨いが、麺が茹で上がったら冷水に取って、冷やし中華のようにして食べるのも旨い。夏の暑い日にはにんにくのみじん切りも加えれば、暑さもぶっ飛ぶだろう。。。












家常豆腐の豆腐は自分で揚げよう。

2008年03月20日 | 中華料理
うちの店は日本料理店なのだが中華料理のメニューもあり、最近では中華料理も数多く出るようになってきて、メニューに載っていない料理の注文も入ってくる。

その一つが、今回紹介する「家常豆腐」だ。

料理の名前のように、家で常につくる家庭料理だ。もともとは四川料理だと思われるが、今では中国のどこへ行っても「家常豆腐」はあるし、味付けもその場所によってさまざまに変化する。

オイスターソースを使った物もあるが、ご飯のおかずなら、ピリッと辛い方が旨いので、豆板醤と泡椒を使った「家常豆腐」を紹介する。日本では泡椒が手に入らなければ豆板醤だけでも良いだろう。

ポイントは、豆腐は市販の油揚げを使わないで、自分で木綿豆腐を揚げることだ。

市販の油揚げは油がまわっているので仕上がりがくどい味になる。もし、市販の油揚げを使うのであれば、必ず2~3分お湯に浸けて油抜きをしてから使おう。

材料:
木綿豆腐                一丁
豚の薄切り肉(こま切れでも良い) 50g
きくらげ(水で戻す)          10枚
竹の子水煮               50g
にんじん                 20g
生しいたけ               5枚
葉にんにく(なければニラ)       5本
しょうが(みじん切り)         小匙1
にんにく(みじん切り)         小匙1
長ネギ (みじん切り)        大匙2
豆板醤                  大匙2
泡椒(みじん切り)           大匙1
酒醸(なければ酒)           大匙1
醤油                    大匙1
紹興酒                  小匙1
中華スープ                200cc
塩・コショー                少々
水溶き片栗粉              大匙2~3

下準備:
①豆腐は厚さが3㎝角位の一口で食べやすい大きさに切り、キッチンペーパーで水分を拭き取る。
②竹の子水煮、にんじんは、薄くスライスする。
③葉にんにくは、3~4㎝の長さに切る。

さて、それでは調理に取り掛かろう。

①鍋にたっぷりの油を注ぎ、170℃~180℃で豆腐を揚げる。最初のうちは柔らかいので、あまりさわらないようにしよう。
②豆腐が揚がったら、にんじん、竹の子、椎茸も油の中に入れ油通しする。
③鍋を熱し、大匙1の油を入れ弱火で豚肉を炒める。
④豚肉に火が通ったら、火を中火にして豆板醤と泡椒を入れ、にんにく、しょうが、ネギ(大匙1)、酒醸、紹興酒も加え弾けるくらいまで炒めて香りを出す。
⑤鍋肌からスープ(顆粒のスープの素とお湯で十分)を注ぎ、①の豆腐と②のにんじんと椎茸、きくらげを入れて、3~4分程、じっくり煮込み味をしみ込ませる。
⑥醤油とコショーを加え、塩で味を整える。
⑦水溶き片栗粉を少しづつ加え、とろみが付いたら火を止め、葉にんにくと残りのネギのみじん切り(大匙1)を散らして皿に盛る。



辛い味が好きならば、鍋の火を止めてからラー油を少し入れると良いだろう。

豆腐を煮込む時は、麻婆豆腐の時と同じように、3分以上しっかり煮込もう。
煮込みが足りないと水っぽい味になる。

さて、お店の中華メニューに無い商品で、よくオーダーが入る料理が「担担麺」だ。

次回は「担担麺」を作ってみよう。。。





          

チンジャオロース(牛肉と豚肉で2種類の味)

2008年02月25日 | 中華料理
今回は、牛肉と豚肉で2種類の「青椒肉絲」を作ってみよう。

中国語のメニューには、漢字4文字で材料や調理の方法を説明しているものが多いが、この「青椒肉絲」の青椒とはピーマンのことで、絲は細いという意味だ。

つまり、ピーマンと肉を細く切って炒めた料理(炒という字は無いが)ということだ。肉の字の前に猪があれば豚肉で牛の字があれば、牛肉ということなのだが、中国では、あまり牛肉を食べないので、肉と言えば通常は豚肉のことを指す。

今回の2種類の料理は正しくは「青椒牛肉絲」と「椒青猪肉絲」ということになる。

素材との相性から、うちの店では「青椒牛肉絲」はオイスターソースで広東風に、また「青椒猪肉絲」は豆板醤で四川風の味にしてお客様に食べてもらっている。

さて、この料理のポイントだが、野菜と肉を全部、同じ細さ(3㎜幅)に切り揃えることだ。形が違うと火の入り方にバラつきが出て食感も悪くなってしまう。

ピーマンは縦半分に切って、あたまとヘタは切り除いて、まな板に置いたら包丁をまな板に平行にして、内側の白い筋のような部分を綺麗に切り取ろう。

筍の水煮も3㎜の細さに切って、缶詰めの場合には暫らく水にさらしておく。

肉はブロックの物を半冷凍にしてから切ると切り易くなる。肉の繊維に沿って野菜と同じ細さに切ってやろう。

では早速、「青椒牛肉絲」から作って行こう。

材料:
牛ヒレ肉(モモ肉でも良い)  150g
ピーマン(5~6個)       100g
筍 (水煮)             50g
白ネギ (みじん切り)    小匙2
にんにく(みじん切り)     小匙1
生姜  (みじんきり)     小匙1

肉の下味調味料:(水から塩までは混ぜておく)
水                  大匙2
醤油                小匙1
酒                 大匙1
塩                 少々

卵白                大匙1
片栗粉              大匙1
サラダ油             大匙1

調味料:(オイスターソースから紹興酒までは混ぜておく)
オイスターソース(李錦記)  大匙1
醤油                小匙2
砂糖                小匙1
紹興酒(日本酒でも良い)   大匙1

塩・コショー           少々

さて、肉の下処理から始めよう。

①牛ヒレ肉(モモ肉でも良い)は、3㎜にスライスしてから、繊維に沿って3㎜幅に切り、水を入れたボールの中で洗い、乾いたフキンかキッチンペーパーで水分を拭き取る。

②下味調味料の水から塩までをボールで混ぜ合わせ、①を入れて手で揉みこむ。

③卵白を入れて素早くかき混ぜて、更に片栗粉を入れてかき混ぜる。

④サラダ油を加えて絡ませ、ラップをして冷蔵庫で30分以上休ませる。

⑤てんぷら鍋に1/3程の油を注ぎ火に掛け、120℃位の温度で④を入れ油通しする。箸などを使って肉どうしがくっつかないように注意しよう。

肉の次に、野菜も⑤の油に入れ油通しをする。

さて、これからは一気に炒めるだけだ。

①鍋を熱して油大匙2を加え強火にする。白ネギ、生姜、にんにくのみじん切りを入れて、香りが出たらピーマン、筍、それから肉と順番に加えて炒める。

②火は強火のまま、混ぜ合わせておいた、オイスターソースから紹興酒までの調味料を鍋肌から回し入れ、コショーを振り、塩で味を整え皿に盛る。

さて、次は豚肉を使った「椒青猪肉絲」を作る。調味料以外の分量は「青椒牛肉絲」同じだ。

材料:
豚肉(もも肉)          150g
ピーマン(5~6個)       100g
筍 (水煮)            50g
白ネギ (みじん切り)    小匙2
にんにく(みじん切り)     小匙1
生姜  (みじんきり)     小匙1

肉の下味調味料:(水から塩までは混ぜておく)
水                  大匙2
醤油                小匙1
酒                 大匙1
塩                 少々

卵白                大匙1
片栗粉              大匙1
サラダ油             大匙1

調味料:
豆板醤              大匙1
酒醸(中国甘酒)        大匙1
醤油               小匙1
砂糖               小匙1
紹興酒(日本酒でも良い)   大匙1
塩・コショー            少々
黒酢                小匙1

炒めのところまでは、「椒青牛肉絲」と同じなので、炒めるところからやろう。

①鍋の油大匙2を入れ、弱火で豆板醤と酒醸をじっくり炒める。

②白ネギ、にんにく、生姜を加えて更に炒め、香りが出たら火を強火にして、ピーマン、筍、それからに肉と順番に加えて炒める。

③紹興酒を振り、砂糖、醤油を加えコショーを振り、塩で味を整える。

④火を止め、好みで黒酢を振り掛け皿に盛る。

さて、今回の料理のように野菜を炒める時には強火でさっと炒めよう。

あらかじめ、油通ししているので、弱い火で炒めるとべチャっとした味になってしまい美味しくない。綺麗な色に仕上げれば、香りだけではなく見た目にも食欲をそそられる。

さて、ひょんなことから、うちの店の中華料理ばかりを紹介してきたが、次回からは「まぐろ料理」を紹介するとしよう。

今回の写真だが、料理の写真がどこかに行ってしまったようで、筆者の写真を貼り付けておいたが近いうちに料理の写真を撮って取り替えるとしよう。

中華料理については、古老肉(酢豚)など、また、別の機会に紹介したいと思う。

なぜ、うちの店は日本料理店なのに中華料理を出しているのか不思議に思うだろうが、この店の日本人社長は、日本なら多くの人が知っている、高級中華料理店を経営していることもあり、和食+中華の実験店ということなのだが、実際、日本料理に中華が一品入ると単調な味付けの日本料理にアクセントを付けてくれるようだ。

大連の店と同じメニューの店を日本で出店する計画もあるようなので、店ができたら、是非、行ってみてもらいたいと思う。。。









海老マヨは揚げてからソースと絡める

2008年02月23日 | 中華料理
今回は海老マヨを作ってみよう。

今まで、ずいぶんいろんな国で中華料理を食べたが、昔はこの料理を海外の中華料理店のメニューで見かけたことが無かったので、日本で生まれた日式中華料理だと思っていたのだが、2年程前にインドネシアのジャカルタに行った時に、たまたま入った中華料理店のメニューに海老マヨがあったのでオーダーしたところ、マヨネーズに少しケチャップを混ぜたようなソースで、いまいちの味だった。

最近は中国でも中華料理店で同じようなソースを使った料理によく出くわすが、中華料理もこれからはマヨネーズを使った料理が増えてくるのだろう。

材料:
海老           10匹
じゃがいも(1㎝の角切り) 1/2個
グリーンピース(冷凍)  大匙1
カシュナッツ        大匙1

ソース:(合わせておく)
マヨネーズ        大匙4
コンデンスミルク     大匙1
生クリーム        大匙1
粒マスタード(ディジョン)小匙1
塩・黒コショー       少々
ドライジン(あればで良い) 小匙1/2 

まずは、海老の下ごしらえをするが、海老チリの時と同じだ。

海老は日本ではブラックタイガーが入手しやすいと思うのでそれで良い。大連では冷凍海老の良い物が無いので、うちの店では海老マヨも活の海老を使用しているので海老をあまり洗わないが、冷凍物の場合には、よく洗って汚れを取ろう。

①海老の殻を剥き背わたを取り除き、少量の塩で揉む。
②片栗粉と水を加えてさらに揉む。
③よく洗い流し、乾いたタオルかキッチンペーパーで水分を拭き取る。

ここまでが海老の掃除だが、汚れが無ければこの工程は省いても良いだろう。

さて、海老に味をつけて行く。

④ボールに海老を入れ、塩・コショー少々に日本酒大匙2を加えねばりが出るまでよく揉みこむ。

⑤卵白1/2個分を加えて、さらに揉みこむ。

⑥片栗粉大匙1を加えて海老に絡める。

⑦サラダ油大匙1を入れてかき混ぜ、海老に油をコーティングする。

⑧ラップをして、冷蔵庫で30分程休ませる。

さて、あとは一気に仕上げよう。

①天ぷら鍋に油をたっぷり注ぎ強火に掛け、油が動き出したら160℃近くになっているので、まず、ダイスに切ったジャガイモを入れて揚げる。

②ジャガイモが浮いてきたら、そのまま1~2分程揚げて鍋から引き上げる。

③次に海老を一匹づつ油に入れて、外側がカリッとなるまで揚げて、②のジャガイモを再度、鍋に戻して同じく外側がカリッとするまで揚げ、グリーンピースも加えて、全部を一緒に鍋から引き上げ、油を切る。

④直ぐに、ソースと絡めて皿に盛る。

⑤上から砕いたカシュナッツを散らす。

カシュナッツだが、市販のおつまみ用を袋の上から棒のような物で叩いてやれば簡単だ。

粒マスタードは、なるべくなら「ディジョン」の物を使用しよう。
お店では「MAILLE」(マイユ)を使っているが、マヨネーズとの相性も良い。

さて次回は「チンジャオロースー」を牛肉と豚肉で2種類の味で紹介しよう。。。




ギョーザの具にはゴマ油を入れよう

2008年02月21日 | 中華料理
中国のギョーザ事件があってから、ギョーザを自宅で作っている人も多いようなので、今回はうちの店のギョーザを紹介しよう。

日本ではギョーザと言えば「焼ギョーザ」のことを指すが、中国でギョーザと言えば水ギョーザ(水餃子)を指し、焼ギョーザは(鍋貼)、蒸しギョーザは(湯麺餃)または(蒸餃子)と言われる。

今は中国のギョーザ専門店でも焼ギョーザがメニューにあるが、昔は水ギョーザの残り物を次の日に焼いて食べたとのことで、料理店では焼きギョーザのメニューは無かったようだ。

特に中国でも北の方の人はギョーザをよく食べる。ここ大連でもお正月にギョーザを食べる習慣が古くからあるようで、年末年始(春節)には家族揃ってギョーザを作って食べるようだ。

中国語の餃子(ジャオズ)という発音が子宝に恵まれるという意味の交子と同じなので縁起が良いのと、また、ギョーザの形が昔の中国の貨幣に良く似ているので、お金が入ってくると考えられているようだ。

実は春節前に、筆者の通っている中国語の学校で、ギョーザを作る会があり、そこに駆り出されてしまったのだが、先生(老師)達が作った餃子の具の中には小さな硬貨が入っているのがあって、それに当たった人は1年間はお金に困らないとうことだったが、こうして縁起をかつぐのだろう。

うちの店の中国人スタッフも、お正月以外にも何かおめでたいことがあると、家族でギョーザをつくるようで、ギョーザを食べに家に来ないか?とよく誘われる。

さて、今回はギョーザの皮も手造りしてみよう。中国では日本のようにギョーザの皮だけ市販されていないので、うちの店でも皮から作っているが、そんなに難しくないので挑戦してみよう。

材料:ギョーザ約30個分
小麦粉(強力粉)      150g
小麦粉(薄力粉)       50g
塩               少々
熱湯              110cc

作り方:
①ボールに強力粉と薄力粉と塩を少々入れ、熱湯を加えてスプーンでかき混ぜて、まるめて、ぬれフキンをかぶせて30分程おいておく。

②30分したら①を打ち粉をしたまな板の上に置き、更に打ち粉をしながら力を入れて練り込み滑らかな生地にする。

③両手の手のひらを広げて、直径2㎝程の棒状にして、1.5㎝の幅で切っていく。

④球形に両方の手のひらで丸め、それをまな板に置き、手のひらで上から押して平たくし、さらに麺棒を使って、直径6㎝程の円形に伸ばす。

麺棒の使い方だが右手に麺棒を持ち、生地を掴んでゆっくり回転させながら生地の中心まで麺棒をころがす。力の入れ加減だが、前方に押す時には力を入れ、手前にひく時には力を抜くとうまく行くだろう。

今度は具材(餡)を作って行く。

材料:ギョーザ約30個分

豚挽肉         100g
牛ひき肉        100g
白菜          250g
キャベツ        250g
ニラ(みじん切り)    10g
白ネギ(みじん切り) 大匙1
生姜(みじん切り)  小匙1
にんにく(みじん切り)小匙1
サラダ油        大匙1

調味料:
醤油          大匙1
ラード          小匙2
ゴマ油         小匙2
酒            小匙2
塩・コショー      少々
うまみ調味料     少々

①白菜とキャベツは細かく切ってかるく塩を振り、水分が出てきたらフキンでよく絞る。
②ボールに豚挽肉と牛ひき肉と野菜を入れてよく練る。

③調味料を合わせ②に加え、粘りが出るまで更に練る。

④ギョーザの皮を左の手のひらに置き、餡を15g程乗せて皮の縁の内側に指で水を付け軽く2つ折に持つ。次に皮の右端を右手の親指と人差し指でつまみ、次からは向こう側のたるみを右の方に順々と指先で摘みながら重ねていく。均等にひだができるように重ねると綺麗に包むことができる。

⑤フライパンを弱火で熱してうすく油を敷き、包んだギョーザを並べて行き、カップ1/2の水に片栗粉小匙1と、小麦粉小匙を溶いた溶き水を入れ、蓋をしたら中火にして蒸し焼きにする。

⑥水分が無くなったら、ギョーザの上からサラダ油大匙1をかけて、綺麗なキツネ色に焼く。天使の羽の部分の色を見れば、焼き上がりの色は分かるはずだ。

ギョーザに付けるタレだが、お店では「醤油」と「黒酢」と李錦記の「ラー油」を混ぜた物を使っているが、好みのタレで食べると良いだろう。

このギョーザのポイントだが、白菜とキャベツを細かく包丁で切ったら、軽く塩を加えて、よく絞って水を切ることだ。塩をすることで野菜の甘さが増すし、水を絞ることで、水っぽい味にならない。ゴマ油は必ず具材(餡)に入れよう。香りが中に閉じ込められ、食べた時の香りが良い。

jjkenから早速、連絡をいただいた。いつもありがとう。

今回の農薬入りギョーザの件では、例の天洋食品の工場では日本の18社の企業の88品目もの商品が作られていたようだが、なぜ、JTフーズの商品だけに農薬が入っていたのかが不思議だ。

かなり田舎の工場で、設備にしても想像が付く。こういう工場で商品を作る理由は人件費が安いからだろう。

その工場に厳しい衛生基準と無理な価格を要求していたのではないかと思う。

工場のワーカーも田舎の人達ばかりで、夏の暑い日には「ハエ」も飛んでいたかも知れず、まな板殺菌用の霧吹きに入ったアルコールと、殺虫剤の見分けも付かなかったのかも知れない。そして、彼らワーカーへの気配りはどうだったのだろうか?

たぶん、jjkenさんも言うように、この事件はうやむやに終わるだろう。

既に犯人は分かっていても、中国は隠し通すだろう。

しかし、こういう事件が起こるのは、中国の責任だけでは無いと思う。

二度とこういう事件が起きないよう、日本側も価格が安いからという理由だけではなくて、ちゃんとした工場への対応とフォローをして欲しいと思う。

中国でも良い物は高いし、安い物程、危険が増すのではないだろうか。。。



 





渡り蟹でプーパッポンカレーを作ってみよう

2008年02月19日 | 中華料理
タイのバンコクに行く日本人が必ず一度は食べに行くのが、ソンブーン(建興酒家)のプーパッポンカレー(蟹のカレー炒め)だろう。

もともとは、蟹とカレーを炒めただけの料理だったようだが、ここの店の社長が卵やココナッツミルクを入れ工夫し、今ではバンコク市内に5店舗を展開している。

実は4年ほど前に、著者はソンブーンのスリウォン店の道路を挟んで右側のPLAZA HOTELに1か月以上滞在していたことがある。(バンコクのお店を手伝う前の頃)

水産加工の仕事で、バンコクから車で1時間程の工場に毎日通っていたのだが、このホテルが1泊1000バーツ(約3000円)と安い割にはセキュリティーもしっかりしていたので常宿としていた。
タニア通リという日本料理店やカラオケ(クラブ)が集まっているところからも近く、お客さんと食事をしたりするのにとても便利な場所ということもある。

最初は10日程の滞在の予定だったのだが、生協向けに作っていた商品の菌数の基準が厳し過ぎ、なかなかクリアーできずに、結局、1か月以上の滞在になってしまった。
この話はまた別の機会に話をするが、加熱をして食べる商品に生食用に近い基準を要求するのはおかしいと思う。
今、中国の餃子の問題で日本はたいへんなようだが、中国の工場側も日本の生協の基準に合わせるのはたいへんな苦労だと思う。今回、その工場の生産品の中では生協向けの商品だけに問題が起こっているが、その辺に問題があるような気がする。

そういう訳で、朝一番で工場に向かい、夕方にはバンコク市内に戻ってくる生活をしていたのだが、夕方からはよく、ソンブーンに食事に行った。
夕方の早い時間から、日本人のおじさん達がカラオケ(クラブ)の女の子を連れて同伴で店に来ていたので恥ずかしい思いもしたが、この店のプーパッポンカレーは本当にうまかった。しかし、何度も食べに行ったのでこの料理は飽きてしまい、バンコクを去る頃にはこの店の「大シャコの唐揚げ」ばかりを食べていた。ニンニクを細かくして揚げた物とたっぷりの味の素と塩を大きなシャコの唐揚げに振りかけた料理だが、これがビールにとても良く合う。ビールはシンハービールに氷を入れて飲むとまた格別にうまい。

さて、前置きが長くなってしまったので、料理に取り掛かろう。

材料:
渡り蟹の足の部分      300g
セロリ 筋を取り5㎝に切る 1本
玉ねぎ くし切り      1/4個
万能ねぎ 4㎝~5㎝に切る  4~5本
赤ピーマン ひし形に切る  1/2個


調味料:
カレー粉(S&B)       小匙1
ニンニク みじん切り    大匙1
生姜   千切り      大匙1
オイスターソース      小匙2
シューカオ又は(醤油)   大匙1
酒             大匙1
豆板醤           小匙1
中華スープ         150cc
砂糖            小匙1
塩              少々
サラダ油          大匙2

シーズニングオイル     大匙5
ココナッツミルク      150cc
卵(全卵)         2個


まずは渡り蟹の仕込みだが、ボールに熱湯を入れ、そこにブツ切りにした渡り蟹の足を5分程入れておく。蟹の殻が赤くなり、中心まで温まったら取り出しザルに上げる。渡り蟹をあらかじめ茹でておくことによって、食べた時の食感がとても柔らかくなる。

卵は冷蔵庫から取り出したら必ず常温に戻してからよく溶いて、ココナッツミルクとシーズニングオイルと一緒に混ぜておく。

さて、調理料と合わせて行く。

①鍋を熱しサラダ油大匙2を入れ、豆板醤、ニンニク、生姜の千切りを入れ、香りが出たら強火にして、途中で酒を加えながら玉ねぎ、長ネギを炒める。

②鍋肌から中華スープ(顆粒の素とお湯で十分)をそそぎ、カレー粉、オイスターソース、シューカオ(醤油)、砂糖を加え塩で味を整え、渡り蟹、ピーマン、セロリも加えて汁気がなくなるまで炒める。

③卵、ココナッツミルク、チリインオイルの混合を少しずつ加え、卵が硬くならないうちに火から下ろし皿に盛る。

この料理(プーパッポンカレー)のプーとは、タイ語で蟹の意味だ。
ソンブーンはマッドクラブ(泥蟹)を使っているが、殻がとても固くて活きている時はとても凶暴な蟹だ。

うちの店では、渡り蟹の他に、タバラ蟹を使ったメニューも出しているが、日本で手軽に入手できる蟹なら何でも良いだろう。できれば、ボイルしていない物の方が蟹の旨みが出て旨い。

さて、シーズニングオイルだが、ピーナッツオイル等に、いろいろな香辛料を加えたものだ。タイ語では「ナンマン・ナンプリック・パオ」と言い、あらかじめ蟹の香りのするものや、にんにくの入った物など種類もさまざまだ。

日本では入手が難しかったらチリインオイルの上澄みの透明な部分を使っても良いだろう。

うちの店では豆板醤も使っているが、かなり辛くなるので、辛いのが好きでなければ入れなければ良い。

難しい料理に思えるだろうが、あっという間にできてしまうので挑戦してみて欲しい。

尚、jjkenさんに質問なのだが、今回の中国の餃子事件に付いての意見を聞かせて欲しい。

生協の衛生基準に付いて先にも書いたが、水産加工品で加熱して食べる物でも刺身で食べられる基準を要求される。ましてや、刺身商品となると無菌に近い基準となる。
今回の中国の工場も同じように厳しい衛生基準を要求されていると思うが、菌数の検査に最低は2日~3日は掛かるが、1つの検体に少しでも多くの菌数が出ると、そのロットはすべて日本には出荷できないということになってしまう。

日本側は、原料原価から従業員の給料まで分かっていて、値決めをしてくるから薄利多売ということになることは想像が付く。
しかし、中国のことなので工場は政府関係のいろいろな連中に袖の下も払わなければならないだろう。

筆者の場合には「あん肝の酒蒸し」や「上海蟹」等、利益が多く取れて工場側にメリットのある物しか作らなかったというか、量の問題もあり作れなかった。

今、日本では中国商品の不買運動など起こっているようだが、日本にとってプラスになるのだろうか?

別に中国の肩を持つつもりではないが、これからは食料の奪い合いの時代になるだろう。いつまでも安定的に食料を供給してくれる相手先はとても大切だと思う。

日本の将来が心配に思えてしかたがない。。。










タラバ蟹のピリ辛炒めを紹介しよう

2008年02月17日 | 中華料理
今回は豆板醤を使わない「タラバ蟹のピリ唐炒め」を紹介するが、この料理はうちの店のオリジナル料理だ。

タラバ蟹の甘さとピリ辛のソースの味がとても合うと思う。実際、お店の人気メニューにもなっている。

合わせ調味料だが、いつものように「おたま」が基準になっているので、量が多く数回分の分量だが、冷蔵庫で長期保存もできるのでつくっておくと良いだろう。

このソースで豚肉や鶏肉の野菜炒めを作っても美味しい。ピリ辛味なのでご飯も進むだろう。

材料:
ボイルタラバ蟹の足(殻付き) 200g
ピーナッツ          大匙2
白ネギ 廻し切りして三角形  1/2本
ニンニク みじん切り     小匙1
生姜   みじん切り     小匙1

唐辛子(鷹の爪)       2本
中国山椒           大匙1

合わせ調味料: 「おたま」が基準 
酒     1
醤油    1
砂糖    1
黒酢    1
一味唐辛子 少々(好みで量を加減しよう)
塩     少々
味の素   少々

さて、調理に入ろう。

①タラバ蟹の足は冷凍の場合は大きめのボールに熱湯を入れ、その中で解凍する。
解凍できたら、4cm~5cmに切り殻の両端にハサミを入れ食べやすくし、乾いたフキンかペーパータオルで水分を拭き取り、タラバ蟹の表面に片栗粉をまぶす。

②天ぷら鍋にたっぷりの油を入れ、弱火からピーナッツをじっくりと揚げる。焦がさないように注意しよう。

③ピーナッツが揚がったら鍋から取り出してザルに上げる。次に①のたらば蟹を入れて強火にしカリッと揚げる。

さて、調味料と合わせて行く。

①鍋に大匙3程の油を入れ、そこに中国山椒を加えて弱火でじっくり山椒の香りを油に移してから、てんぷら網で山椒だけを取り出し、次に鷹の爪とニンニク、生姜を加えて油に香りを移す。

②白ネギのブツ切り、タラバ蟹、ピーナッツも加え強火にして更に炒める。

③鍋肌からお玉1杯~1杯半の合わせ調味料を加えて絡ませ火から下ろし皿に盛る。

ピーナッツは皮付きの生を使用しているが、入手できなければ落花生を使おう。また、日本では中国の山椒(花椒)も入手できないかも知れないが、最近ではデパートや大きなスーパーマーケットのスパイスの売り場に、花椒を粉にした物(花椒粉)が売られていることがあるので探してみよう。花山椒粉の場合には料理を皿に盛ってから少量を振りかけよう。もし、入手できなければ入れなくても良いだろう。

jjkenさんから、またコメントをいただいた。いつもありがとう。

タイの中華料理だが、高級店は広東料理が多いようだ。味もそこそこだと思う。前にも書いたが華僑は世界中でその国の政治、経済と大きく関わっているので、どの国に行っても中華料理のお店は多い。

インドネシアのジャカルタのホテルの中華料理店で、今までに食べたことのないような美味しい「飲茶点心」に出会ったこともあるし、香港が中国に返還される前に、香港の大きな中華料理店が海外に店を移したこともあり、香港からベルギーにお店を移した中華料理店の特級調理師の作る料理は本当に素晴らしかった。

タイ料理というのは、東北のイサン料理など、タイらしい辛い料理は別として、かなり中華料理の影響を受けていると思う。

プーパッポンカレーなども、どちらかと言うと中華料理に近いと思う。シーズ二ングオイルと蟹と卵の組み合わせが絶妙だ。

実はうちの店でもタラバ蟹や渡り蟹を使った「プーパッポンカレー」のメニューがある。

次回は「プーパッポンカレー」を紹介するとしよう。。。



渡り蟹の春雨煮には、緑豆春雨を使おう

2008年02月17日 | 中華料理
豆板醤を使った料理を3つ程続けてきたが、今回は渡り蟹の春雨煮を作ってみよう。
この料理のポイントは緑豆春雨を使用することだ。

中国産の、できれば山東省の「龍口春雨」が良い。

日本の春雨は馬鈴薯でんぷんを原料としている物が多いが腰が弱く、長い時間煮るとプツプツと切れてしまうが、中国の春雨は緑豆でんぷんを使用している物がほとんどなので煮物向きだ。

筆者は以前、三東省の烟台の水産加工の協力工場で日本向けの商品を作っていたことがあり、春雨の工場を何箇所か視察したことがあるが、それらの工場の商品はほとんどが日本向けだったので、そうとうの数量が日本に送られているようだ。中には日本の有名な100円ショップ向けの商品もあったので、日本でも「緑豆春雨」は簡単に手に入ると思う。

尚、春雨の戻し方だが、一般にはお湯で戻すが、時間があれば水の中に1時間程(できれば一昼夜)入れて戻してから、熱湯の中で20秒~30秒茹でて、冷水にさらした方が良い。

春雨の透明感がぜんぜん違う。

ちょっとしたことだが、料理には手を掛けるポイントという物がある。

材料:
春雨         100g(乾燥の状態)
渡り蟹         1尾
万能ネギ        2本
白菜の硬いところ    1枚
ニンニク みじん切り 小匙1
生姜   みじん切り 小匙1

調味料:
豆板醤        大匙1
酒醸         大匙1
中華スープ      300cc
紹興酒        大匙1
醤油         小匙1
砂糖         小匙1
塩・コショー     少々
ゴマ油        小匙1
水溶き片栗粉    大匙2~3
香草        好みで少量  

まずは、渡り蟹の下処理をしよう。

①渡り蟹は腹の三角のところを取り除き、そこに親指を入れて、甲羅を剥がすようにして取る。卵や味噌が入っていたら、取り出して小皿やボールに移しておく。

②ガニの部分は切り取り捨てて、まず、縦に半分に切り分ける。次に足の付け根から胴体と切り離し、ハサミや足の太い部分には味が染み込みやすいように包丁を入れ、胴体は食べやすいように一口大に切る。

野菜だが、白菜は硬い部分だけを横に3cm程に切り、更に5㎜幅に切る。万能ネギは青い部分を3㎝に切り、白い部分は薄く小口切りにする。

さて、調理に入るとしよう。

①鍋を熱し、油を大匙2入れて弱火にし豆板醤を炒める。
②豆板醤をしっかり炒めてから、酒醸、ニンニクみじん、生姜みじん、ネギの小口切りを加える。
③渡り蟹を加え、渡り蟹に火が通リ色が赤くなるまで更に炒める。
④鍋肌から中華スープ(顆粒の素とお湯で十分)を注ぎ、強火にしてから春雨を加え、再び沸騰したら火を弱火にして紹興酒、砂糖、コショー、醤油を加えて塩で味を整える。(蟹味噌や卵があれば、それも加えよう)
⑤3分~4分しっかり煮て、春雨にスープのエキスをたっぷり吸わせ、白菜とネギの青い部分を加えて更に煮込みむ。
⑥水溶き片栗粉を少しづつ加えてとろみを付ける。
⑦仕上げにゴマ油を掛けて火から下ろし皿に盛る。
⑧好みで香草を添える。

蟹のうまみがたっぷりで、むしゃぶり付くように食べるのが良いだろう。

次回は豆板醤は使わないが、今、うちの店でとても評判の「タラバ蟹のピリ辛炒め」を紹介することにしよう。。。





          








回鍋肉の肉は弱火でじっくり焼こう

2008年02月16日 | 中華料理
今回は「回鍋肉」を作るが、この料理は日本で食べるとがっかりすることが多い。

回鍋肉は日本語では「豚肉のみそ炒め」となるようだが、どの店も甜面醤が多くて甘い味なのでご飯が進まない。

もともと回鍋肉は四川の家庭料理でかなり辛い味だ。
そして、日本のようにキャベツは使わずに葉にんにくを使うのだが、陳建民さんが当時、日本では葉にんにくが入手できなかったので代わりにキャベツを使ったのが始まりと聞く。豚肉とキャベツの組み合わせはとても良いので、陳建民さんのレシピが定着し、日本では回鍋肉と言えば、豚肉とキャベツという組み合わせになったのだろう。実際、春キャベツを使った回鍋肉は本当に美味しいと思う。

また、回鍋肉の名前の由来だが「回」とは中国語では帰るという意味で、豚のバラ肉の塊を茹でるか蒸してから薄くスライスして、鍋でじっくり焼いて、一度鍋から取出し、その後で調味料と野菜を炒めてから、もう一度肉を鍋に帰すので回鍋肉と言われるようだ。

ご飯と一緒に食べる時でも、酒のつまみでも回鍋肉は、やはり辛い方が美味しいと思うので、少し辛めのレシピを紹介するが、泡椒という青唐辛子の酢漬(ピクルス)を加えると酸味も加わり、とてもバランスの取れた味になる。
泡椒が手に入らなければ、唐辛子のみじん切りを少量加えると良いだろう。

今回も酒醸を使うが、唐辛子の辛さを抑え、程よい甘さとコクを与えてくれる。酒醸も日本で入手が難しければ酒で代用しよう。

材料:
豚のバラ肉の塊       200g
キャベツ(一口大にちぎる)200g(芯は叩くかスライス)
白ネギ(廻しながら乱切り) 1/3本
葉にんにく(3㎝に切る)軽くひとつかみ(ニラでも良い)
にんにく みじん切り    小匙1
生姜   みじん切り    小匙1

調味料:
豆板醤           大匙1
酒醸             大匙1
泡椒(粗めのみじん切り) 大匙1
豆鼓(みじん切り)     小匙1
甜面醤            大匙1
紹興酒又は日本酒     大匙1
醤油            小匙1
砂糖             小匙1
塩・コショー          少々        

さて、調理に取り掛かるとしよう。

まず豚のバラ肉を茹でる。

①鍋に湯を沸かし豚のバラ肉の塊と、ネギの青い部分と生姜のスライス1片を入れ30分~40分程煮る。肉は必ず湯から入れるようにしよう。水からだど旨みが全部スープに出てしまう。(竹串を刺してスーっと刺されば、肉を引き上げ冷ます)
②肉が冷めると切りやすくなるので、3㎜位にスライスする。

次にキャベツだが日本の中華料理店では油通しをしているようだが、キャベツの油通しの為だけに、たくさんの油を用意することもないだろう。さっと茹でるのも良いだろうが、うちの店では強火で鍋に大匙1の油を入れ、キャベツは炒めている。途中で酒を振り掛け、塩・コショーを加え、シャキッとしているうちに鍋から取り出して、小皿やバットに移す。

味付けに入ろう。

①鍋を火に掛け、スライスした肉を鍋に並べて弱火で両面をじっくり焼き、肉の表面が硬くなってきたら鍋から取り出して小皿かバットに移そう。(余分な脂をここでしっかり抜くのがポイントだ。)
②鍋はそのままで、サラダ油を少し加えて弱火でニンニクと生姜のみじん切りを炒め、次に豆板醤、甜面醤を加えて炒める。
③酒醸、泡椒、豆鼓を加え更に炒める。
④香りが立ってきたらネギを加えて炒め、炒めておいたキャベツを加えて強火にして更に炒め、肉を鍋に帰してから、紹興酒(酒でも良い)を振り掛け、砂糖、コショー、醤油を加え、味を見て塩で味を整える。
⑤葉にんにく(ニラでも良い)を加えて火から下ろし皿に盛る。

今まで3回に分けて四川料理を紹介してきたが、もう少し続けてみよう。

次回は、渡り蟹の春雨煮を紹介する。。。

麻婆豆腐は豆腐が決め手

2008年02月15日 | 中華料理
今回は麻婆豆腐だが、豆板醤の良い物を使うことと、もう一つ大切なことがある。

美味しい豆腐を使うことだ。

日本では麻婆豆腐に絹ごし豆腐を使うこともあるが、大連では絹ごし豆腐はパック入りの物しかなく、味が悪いので店では木綿豆腐を使っているが、朝一番で作られた豆腐が、毎日、9時前にはお店に届く。

もともと、中国の食卓では、朝一番に作られた豆腐の料理が朝の食卓に並ぶことが多いが、むかしの日本も同じだったと思う。子供の頃に近くの豆腐屋に鍋を持たされ豆腐を買いに行った記憶がある。

大連の豆腐でも店によって味が違うので、いろいろな豆腐を食べてみたが、木綿豆腐でも値段は少し高いが、食感がなめらかな物を使用している。高いと言っても10cm角で1個が1元(15円)と、日本に比べればかなり安い。

絹ごし豆腐を使うか木綿豆腐を使うかは好みで選べばよいが、豆腐だけを食べてみて美味しいと感じる物を使用しよう。

紹介するレシピは、かなり本格的な四川料理だが油の量は抑えてある。

麻(痺れる)が苦手な人は山椒を少なくし、辣(辛い)が苦手な人はラー油を少なくすれば良いだろう。

材料: 
木綿豆腐または絹ごし豆腐  300g
牛挽肉           100g
中華スープ         1カップ
豆板醤           大匙1
豆鼓(みじん切り)     小匙1
山椒を当り鉢で擂った粉   小匙1から好みで増やす
ラー油           大匙1から好みで増やす
唐辛子(粉)        小匙1から好みで増やす
醤油            小匙2
コショウ          少々
紹興酒           大匙1
にんにく(みじん)     小匙1
白ネギ(みじん)      大匙1
葉にんにく(3㎝に切る)軽くひとつかみ(ニラでも良い)
水溶き片栗粉        大匙2

[挽肉の甜面醤炒め用調味料]
甜面醤 小匙1、醤油 小匙1、日本酒小匙1

さて、調理に掛かるとしよう。

まず、挽肉の甜面醤炒めをつくる。

①鍋を熱して油を大匙1入れて牛挽肉を炒め、肉がバラバラになってきたら、酒と醤油と甜面醤を加え更に炒め小皿に移す(甜面醤を焦がさないように注意)

②豆腐は1.5cm角に切り、熱湯を入れたボールに入れ温めておく。

③鍋を熱して大匙2の油を入れ弱火で豆板醤を炒める。香りが立ってきたら豆鼓、にんにくを加え中火にして更に炒めて、①の挽肉炒めを加えて唐辛子の粉を振る。

④鍋肌から中華スープ(顆粒のスープの素とお湯で十分)を回し入れ、紹興酒、醤油、コショーを加え味を見る。塩味が足りなければ塩を少しづつ入れて味を調える。

⑤火を強くして鍋のスープを沸騰させ、湯切りした豆腐を加え、再度、スープが沸騰したら火を弱くして静かに2~3分程煮込む。豆腐がくずれないように、あまりさわらないように注意しよう。豆腐がスープに浸かっていない部分があれば、鍋を軽く揺すれば良い。

⑥水溶き片栗粉を少しづつ加えとろみが付いたら強火にして、更に煮込み白ネギのみじん切りと、葉にんにくを散らす。

⑦火を止めラー油を加えて皿に盛り、好みで山椒の粉を上から振り掛ける。

さて、調理のポイントだが、十分に煮込むことだ。

煮込み時間が足りないと、水っぽくてボケた味になってしまう。

もうちょっとで焦げてしまうのではないか?と思うまでじっくり煮込むと奥の深い味になる。

さて、次回は回鍋肉を紹介する。。。




海老チリの豆板醤は良いものを使おう

2008年02月14日 | 中華料理
中華料理の中でも日本人が大好きな、海老のチリソース煮、麻婆豆腐、それに回鍋肉を順番に作って行こう。

いづれも四川料理だが、陳健民さんが日本で初めて紹介した料理だ。もしかしたら、他の人が先に紹介したのかも知れないが、本場の四川料理に使用する油の量は日本の3倍から4倍位はあるだろうから、日本人にはとても食べられた物ではない。陳建民さんが日本人の口にも合うようにアレンジしてくれたので、こういう美味しい料理を日本で食べることができるのだと思う。

さて、今回は「海老のチリソース煮」だが、豆板醤は良い物を使おう。麻婆豆腐、回鍋肉もそうだが、豆板醤の味が悪いと、どんなに良い素材を使っても料理の出来上がりに大きな違いが出てしまう。

本当は「えんどう豆」を原料に唐辛子を加えて発酵させて、豆板醤も手造りすると良いのだが、1年も寝かせることを考えると、市販でも良い物がたくさんあるので、それを使用した方が手っ取り早い。

日本で販売されている豆板醤では、デパート等には「李錦記」が売られているのでこれを使うのが良いだろう。もし、手に入らないようであれば「ユウキ」の豆板醤でも良いだろう。このどちらかを入手しよう。

うちの店では海老は活きた「車海老」を使用しているが、大連では冷凍の海老の良い物が無いからで、日本ならば冷凍のブラックタイガーを使うと良いだろう。

尚、店では辛味をやわらげ、こくを出す為に「酒醸」という中華風の甘酒を使用しているが、もし無ければ代わりに日本酒でも良い。

今回は「おたま」ではなく、「大匙」を使用するが、「海老のチリソース煮」のポイントは、豆板醤1:トマトケチャップ1:酒醸1の、1:1:1だ。
油が弾けるまで炒めて、香りを引き出そう。

材料:
海老        250g
豆板醤      大匙1
トマトケチャップ 大匙1
酒醸       大匙1
中華スープ   1/2カップ
紹興酒      大匙1
砂糖       小匙1
塩・コショー   少々
白ネギ(みじん) 大匙2
にんにく(みじん)小匙1
生姜(みじん)  小匙2
溶き卵(全卵)  大匙1      
水溶き片栗粉   大匙2~3
酢        大匙1/2

まずは、海老の下ごしらえをしよう。

うちの店では活の海老を使用しているので海老をあまり洗わないが、冷凍物の場合には、よく洗って汚れを取ろう。

①海老の殻を剥き背わたを取り除き、少量の塩で揉む。
②片栗粉と水を加えてさらに揉む。
③よく洗い流し、乾いたタオルかキッチンペーパーで水分を拭き取る。

ここまでが海老の掃除だが、汚れが無ければこの工程は省いても良いだろう。

さて、海老に味をつけて行く。

④ボールに海老を入れ、塩・コショー少々に日本酒大匙2を加えねばりが出るまでよく揉みこむ。

⑤卵白1/2個分を加えて、さらに揉みこむ。

⑥片栗粉大匙1を加えて海老に絡める。

⑦サラダ油大匙1を入れてかき混ぜ、海老に油をコーティングする。

⑧ラップをして、冷蔵庫で30分程休ませる。

さて、本作業に入ろう。

①160℃に熱した油で海老を油通しする。油が動き出した温度が適温だ。
 海老を1本づつ鍋に入れ、全部が表面に上がってきたらザルに上げ、油を切る。

②鍋を熱して油を大匙2入れ、弱火で豆板醤を炒める。
 油が弾け、豆板醤の香りが立ってきたら、トマトケチャップと酒醸を加えて更に 炒める。ブクブクと泡が立ってきたら、白ネギ、ニンニク、生姜を加える。

③この時点でかなりの香りが立ってきているはずだ。香りが立つまでしっかり炒めるのがポイントだ。

④鍋肌から中華スープ(顆粒スープの素とお湯を加えた物で十分)を回し入れて、 強火にして砂糖、紹興酒、コショーを加え塩で味を調える。

⑤再び沸騰したら海老を入れて、水溶き片栗粉を少しずつ加えとろみを付ける。

⑥溶き卵を回し入れ、大きく2回~3回かき混ぜ卵に火を通す。

⑦火を止めて酢を加え、皿に盛る。

化粧油は好みで最後に大匙1程を加えても良いが、油くどくなるので、うちの店では使わないようにしている。

ニンニク、生姜は日本では最初に炒めるが、中国では後から加えるのが普通だ。
その方が香りが引き立つと思う。

最後に加える酢だが、これを入れることによって、まろやかでサッパリした味となる。

今回は、まず「海老のチリソース」を紹介したが、何か質問のある人はメールで送って欲しい。

次回は「麻婆豆腐」を紹介するとしよう。。。