マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

最近、IRON CHEF で優勝した時の料理の予約がやたらに多くなってきた。

2013年07月15日 | IRON CHEF THAILAND
またまたずいぶんとご無沙汰してしまったが、店の調理スタッフ2名がオートバイの2人乗りで事故に遭い、一人が4か月の重傷、もう一人は10日程で仕事に復帰したが、先月、うちの店のOPEN時から居たスタッフが自分でタイラーメンのお店を始めると言って辞めたばかりなので、とたんに人手不足となってしまい毎日自分でストーブの前に立つような状況になってしまった。

飲食店というのは不思議なもので、急に人手が不足したとたんにお客さんが増えて、てんてこ舞いということになる。

また、4月15日に放映された「IRON CHEF」に出場した時の料理が食べたいという予約の電話が3か月近く後になった今頃に掛かってくるようになってきた。

一週間に何度か、それらの料理を作っているので今回から料理の作り方を紹介しようと思う。

それにしてもバンコクではオートバイの事故がとても多い。

聞くところによると、2012年のバンコクでの交通事故は約3万2千件で、負傷者が約1万5千人、そして399人が事故で亡くなっているそうだ。

単純計算してみると、何と1日に90件近い交通事故があり、その多くがオートバイ絡みの事故とのことだ。

思い起こしてみると、うちの店でもこの1年で今回の2人以外にもあと2人がオートバイの事故に遭っている。

また、交通事故の原因のうち30%以上が飲酒運転だと言うからあきれてしまうが、うちのキッチンスタッフ2名の事故も飲酒運転のようで、お店を継続させる為にはタイでは飲酒運転対策も必要なのかと思ってしまう。

さて、「IRON CHEF」のキハダマグロ対決に出場した時に作った4品のうち、一番予約の多い料理が「マグロとウニのしゃぶしゃぶ」だが、番組では「ゴールデン マグロ 温泉」と紹介されていた。

ちょっと料理のイメージとは違うかな?とも思うのだがタイ人にはこの方が分かりやすいのかも知れない。

それでは早速、作ってみよう。

◆ゴールデン マグロ 温泉の作り方

①ワカメを水にさらす。


②木綿豆腐の水気を切り、ガスバーナーで炙って「焼き豆腐」にする。


③サラマンダーでネギを焼く。


④綺麗に焦げ色を付ける。


⑤鍋に湯を沸かし塩をひとつかみ加える。


⑥白滝を加えて直ぐに火を止める。


⑦ザルに取り流水にさらして水気を取る。


⑧カツオ出汁を濃いめに引く。


⑨焼きネギ、醤油、酒を加えて味を整える。


⑩ウニとマグロを用意する。


⑪マグロの上にウニを乗せ、ウニを中心にマグロで巻く。


⑫盛り付け用の皿を用意する。


⑬皿に盛り付ける。


⑭ポン酢ともみじおろしを添えて出来上がり。


さて、下記で実際に「IRON CHEF」で作った料理も見られるので、参考にしてもらいたい。

このままクリックしても見られないので、面倒だがコピー・ペーストしていただきたい。

http://www.watchlakorn.in/เชฟกระทะเหล็กประเทศไทยวันที่15เมษายน2556-video-30730

尚、先日、中華の鉄人だった「陳 健一」さんもこの番組に出場していた。

http://www.watchlakorn.in/เชฟกระทะเหล็กประเทศไทยวันที่12มิถุนายน2556-video-33548

また、フレンチの鉄人だった「坂井 シェフ」もこの番組に出場していた。

http://www.watchlakorn.in/เชฟกระทะเหล็กประเทศไทยวันที่27มีนาคม2556-video-29779

和食の鉄人だった「道場 六三郎」さんもタイに来るのだろうか...




タイの料理の鉄人(IRON CHEF Thailand)に再出場してみた。

2013年04月27日 | IRON CHEF THAILAND
ここのところ、2号店の準備に追われているとこころに日本からのマグロの解体などに忙殺されていてブログの更新がなかなかできずに、このブログに立ち寄ってくれる方々には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

下の写真はうちの店でマグロを解体した時の写真だが、やはり日本からのマグロは質がいいと思う。









これからはこのマグロが毎週安定して入荷するので、是非、「魚やす」まで食べに来ていただきたいと思う。

さて、先日、タイの料理の鉄人「IRON CHEF」に再出場したことを話したが、番組のスタッフからなかなかDVDが届かなかったのだが、インターネットの動画サイトで見つけたので紹介しよう。

実はこの番組には3月に日本の料理の鉄人だった坂井シェフも出場していた。

http://www.watchlakorn.in/เชฟกระทะเหล็กประเทศไทยวันที่27มีนาคม2556-video-29779

コピペして見てもらいたい。

そして下が自分が再出場した時のもので、これもコピペしてご笑覧いただきたい。

http://www.watchlakorn.in/เชฟกระทะเหล็กประเทศไทยวันที่15เมษายน2556-video-30730

今日はこれから2号店のメニューの仕上げに掛からなければならないので、これで失礼したいと思う。

次回は、タイのちょっと変わったサラダを紹介しよう。。。




HAPPY Sushi Cake(幸せの寿司ケーキ)を作ってみよう。

2012年10月21日 | IRON CHEF THAILAND
IRON CHEFThailandに出場した時には結局「セルクル」を使った寿司を作ったが、本番の直前まで迷っていたのが「セルクル」ではなく「ケーキの型」を使うことだった。

対決の料理の素材が「ハマチ」だったのでセルクルを使い、ハマチをバーナーで炙ったが、寿司ケーキも皆さんに紹介したいと思い、前回のブログで「寿司ケーキ」の写真を貼りつけたが、作り方を詳しく紹介して欲しいとの声があったので、今回は実際に「寿司ケーキ」を作ってみることにしよう。



◆「幸せの寿司ケーキ」の作り方。

<材料>(寿司ケーキ)

寿司飯

お好みの魚
マグロ
タイ
ホタテ
イカ
サーモン
タコ
海老
ボタン海老
etc・・・

☆バルサミコ醤油ソース(バルサミコ酢と醤油を同量づつ混ぜる)

<材料>(寿司ケーキの周りのカルパッチョサラダ)
お好みの魚
北寄貝
赤貝
イクラ
etc・・・

お好みの野菜
サニーレタス
プチトマト
エンダイブ
トレビス
アスパラガス
etc・・・

☆和風カルパッチョソース
EXバ-ジンオリーブオイル 大さじ3
レモンの絞り汁        大さじ1
ワサビ              小さじ1
醤油               小さじ1
粗挽き黒コショー・塩     適量  

<作り方>

①お好みの魚を薄くスライスしてケーキの型に並べる。


②寿司飯を詰める。(ギューギュー詰めると固くなるので、中に空気が残るように指先で押すように)


③皿の中央に②をひっくり返して盛る。(型から外れなければ、左右に振ってみよう。)


④寿司ケーキの周りに、小さくちぎったサラダ菜と薄くスライスした赤貝や北寄貝、それに半分に切ったプチトマトなどをならべる。


⑤寿司ケーキの中央にボタン海老を置き、周りのサラダにイクラを散らし、和風カルパッチョソースをサラダの上に掛ける。


⑥バルサミコ醤油ソース(寿司ケーキ用)を添えて出来上がり。


この寿司ケーキはHAPPY Sushi Cake(幸せの寿司ケーキ)と名付けたが、お子様の誕生日や入学式のお祝いや結婚記念日などに、ぜひ、作ってみてもらいたい。

今回はいろいろな魚を使ったが、マグロ(赤)や鯛やイカかホタテなど(白)だけで紅白にしてもいいだろう。

この寿司ケーキはとっても簡単に作れるし、ワサビを使わないので辛くなく、逆にバルサミコ酢の甘さが加わり、お子様にも喜ばれるだろう。

さて、バルサミコ醤油と和風カルパッチョソース(ワサビ添加)を紹介したが、うちの店では「柚子こしょう」を使った「マグロのカルパッチョ」という料理を出していて、お客様にも喜ばれている。

次回は「マグロのカルパッチョ」の話をしよう。




IRON CHEF Thailand で作った料理(ハマチと季節野菜の豆乳しゃぶしゃぶ)

2012年10月19日 | IRON CHEF THAILAND
今回は「IRON CHEF Thailand」で作った「ハマチと季節野菜の豆乳しゃぶしゃぶ」の話しをするが、中国での5年間の生活ではよく豆乳を飲んでいた。

中国では9店舗を展開したが、お店では朝の10時にスタッフ皆で朝食を食べ、夕食は5時からお店を開けるので4時にスタッフ皆で食べることにしていて、これは大連店も上海店も蘇州店もどのお店も同じだった。

また、中国では朝食は「おかゆ」を食べたり、「饅頭」(具は豚肉や野菜)等を少量を食べるのが普通で、その代わり夕方の4時にはボリュームのあるおかず食べていた。

毎日、毎日、朝食に「おかゆ」が続くとさすがに飽きてしまうので、そんな時には「豆乳」と「揚げパン」の朝食となるのだが、この「豆乳」と「揚げパン」の朝食というのは、今まで生活をしたどこの国でも食べたことがなかったのでとても気に入って、店の朝食以外でも豆乳の専門のチェーン店の「永和大王」などにもよく食べに行ったものだ。

なぜ、豆乳が気に入ったのか?だが、実は「牛乳」を飲むと決まってお腹が痛くなってしまうのだ。

だから、19歳で初めてベネズエラに行った頃からほとんど牛乳を飲まなくなった。

今でも、朝から冷たい「牛乳」をごくごく飲んでいる人を見掛けると何で大丈夫なんだろう?と不思議に思ってしまう。

ある時に、自分と同じように牛乳を飲むとお腹をこわして下痢をしてしまうという人が意外と多いことが分かって、なぜ、牛乳を飲むとお腹が痛くなるのかを調べてみたことがある。

その結果、なんと日本人の80%~90%以上が「牛乳を飲むとお腹が痛くなる民族」だということが分かった。

それは、牛乳に含まれている「乳糖」がお腹が痛くなる原因なのだが、この乳糖(ラクトース)を分解するには酵素(ラクターゼ)が必要なのだが、この酵素を体内で作ることのできる日本人は僅か10%~20%しかいないのだ。

逆に欧米人のほとんどが乳糖を分解できるが、それは、酪農民族である彼らの腸が乳糖を分解できるように長い時間をかけて形成されていった為で、日本人は農耕民族だったのでそういう腸になる必要がなかったのだ。

だから、アジアの民族のほとんどが牛乳を飲むとお腹が痛くなったり下痢をして、牛乳を飲める欧米人の方が例外と言ってもいいほどだ。

また、牛乳には「カルシウム」がたくさん含まれていて、骨が強くなるとか言う人がいるが、牛乳1リットルにカルシウムはたったの1gしか含まれていない。

これなら、ゴマやヒジキか昆布を食べた方が、牛乳の何十倍ものカルシウムを簡単に取れてしまうだろう。

お菓子作りや、ソースなどにも牛乳を使うが、牛乳は加熱すると「乳糖」が分解されるのでお腹が痛くなることはなくなるが、そのまま牛乳を飲むなら「豆乳」を飲んだ方が体に吸収もよく、豆乳は植物性でなので胃腸にもやさしく、また良質なタンパク質と脂質をバランスよく含んでいる。

だから、朝からお腹が痛くなったり下痢をする牛乳をわざわざ飲む必要はまったくないのだ。

さて、また話が長くなってしまったが、この体にも良い豆乳を使い、今回の「IRON CHEF」の課題の食材(ハマチ)を「しゃぶしゃぶ」にしてみることにした。

肉のしゃぶしゃぶより健康にいいし、また、たっぷりの季節の野菜を添えて一緒に食べれば更に健康にもいいと思う。



◆「ハマチと季節の野菜の豆乳しゃぶしゃぶ」の作り方

<材料> 1人前

ハマチ  120g

(季節の野菜)お好みで
ニンジン 1/2本
大根   1/4本
キューリ 1本
白菜   1枚
椎茸   3個
三つ葉  1/2束

豆乳    200cc
昆布だし 200cc

ポン酢  適量
(薬味)
浅葱の小口切り
もみじおろし

<作り方>

ハマチを薄くスライスする。


「野菜」をそれぞれ千切りにして、さっと(シャキシャキ感が残る程度)ボイルして氷水に取る。


ザルに上げて、キッチンペーパーなどで水気を拭き取る。


小鍋に豆乳と昆布だしを半分づつ合わせて、赤く焼けた炭が入ったコンロの上に乗せる。


ハマチと野菜を皿に盛り、ポン酢と薬味を添える。


ハマチの上にお気に入りの野菜を乗せて巻き、豆乳鍋の中で「しゃぶしゃぶ」して、ポン酢で食べる。

さて、これで「IRON CHEF Thailand」に出場した時に作った4品を紹介したが、前回の「寿司ケーキ」をもう少し詳しく紹介して欲しいという人がいるので、次回は「寿司ケーキ」の話をしよう。




 









IRON CHEF Thailand で作った料理(ハマチのセルクル寿司とカルパッチョ)

2012年10月18日 | IRON CHEF THAILAND
バンコクはここのところ蒸し暑い日が続き、お店のエアコンも全開にしていた為か、とうとう悲鳴を上げてしまったので、昨日、エアコンの業者に電話を掛けて、今日の午前中はエアコンのメンテナンスをすることにした。

朝の10時にその業者が来て11時半には終わるという約束だったが、時間にルーズなタイ人にしては珍しく、今朝はちゃんと10時に5人も来てエアコンのフィルターの洗浄などを始めたのだが、11時半になっても、まだフィールターを外したエアコンがむき出しのままになっているような状況で、結局、12時半過ぎまで掛かるというありさまだった。

今日のランチタイムは、当然、店の営業はできなかったが、夜のお客様からの『暑い!』という苦情のことを考えるとしかたがないだろう。

このような開店休業の状況だったので、キッチンスタッフを集めて来月の「日替わりランチ」を作ってみたりしていたのだが、一昨日から「キンチェー」の「齋食」(菜食)の行事が始まったので、「スパゲッティー・ぺペロンチーノ」を作って、『これだってキンチェー料理だろ?』と言ったところ、『それはキンチェーじゃない』と言われてしまった。

『だって、これは肉も魚も牛乳も使っていないし、野菜だって「にんにく」と「大葉しその刻んだ物」と、それにパスタと塩、コショーと干した唐辛子だけだろう』と言うと、「にんにく」も「大葉しそ」もキンチェー料理には使ってはいけないのだと言う。

うちのスタッフには以前、自分で屋台のタイ料理店を営んでいたのがいるので、彼にも聞いてみたのだが、にんにくのように精のつくもの、また、大葉しそのように香が強いものはダメなのだそうだ。

なんだか頭が混乱してきたので、ホールスタッフの女の子(おばさんかな?)に聞いてみたら、にんにく、生姜は野菜だからOKだと言うし、パクチー(香草)もOKだと言う。でも玉ねぎ、長ネギがダメなのは共通するみたいだ。

でも、おかしいじゃなか!玉ねぎ、長ネギだって野菜だろ?それに、唐辛子はダメなんじゃないのか?と言うと唐辛子は使ってもいいのだと言う。

皆の話をまとめてみようと思って聞いてみたのだが、ますます頭が混乱するばかりなので、それ以上は聞かないことにしたが、結局、皆もよく分かってないみたいだ。

また、日本の「齋食」(菜食)は精進料理に代表されるように、たとえば「おかゆ」と「たくわん」のように味も薄味なのだが、タイの場合には油も多く味も濃く、たくさん食べたら間違いなく太ってしまうのではないかと思う。

さて、また話が長くなってしまったので、今日は「IRON CHEF」に出場した時に作った「ハマチのクルセル寿司とカルパッチョ」の話をしよう。

下の写真がTV番組の時の料理を再現したものだ。



中央が「ハマチのセルクル寿司」でその周りが「ハマチのカルパッチョ」になっている。

この料理の特徴は、それぞれ違うソースで食べることだが、セルクル寿司の方はバルサミコ酢と醤油を混ぜて片栗粉で少し「とろみ」を付けてある。

また、カルパッチョの方のソースはEXバージンオリーブオイルにわさび、レモンの絞り汁、醤油を数滴垂らしてあり、どちらも和風のテイストにした。

それぞれのソースをもう少し詳しく紹介してみよう。

まず、バルサミコ醤油ソースの方だが、下記の「バルサミコ酢」を使用した。



バルサミコ酢は、スーパー等に行くと値段の安い物から高いものまでかなり価格の違いがあり、どれを選んでいいのか分からない人も多いと思うが、ブランデーの「コニャック」がフランスのコニャック地方だけで作られたものを「コニャック」と呼べるように、バルサミコ酢はイタリアのエミリア・ロマーニャ州のモデナという場所で作られるバルサミコ酢だけが本物のバルサミコ酢とされ、最低12年は熟成されている。

また、スーパーなどで安売りされるバルサミコ酢の場合には、熟成期間も短く「カラメル色素」で着色されたものがほとんどだ。

バルサミコ酢の原料は「ブドウ」だが、安いバルサミコ酢でも原料が「ブドウ100%」の物を選べば、それを半分まで煮詰めるとモデナのバルサミコ酢に近い味になるので料理に使うなら試してみるといいだろう。

◆「バルサミコ醤油ソース」の作りかた。

<材料>
醤油         大さじ3
バルサミコ酢   大さじ3
塩、コショー    適量
水溶き片栗粉   適量

<作り方>
①醤油とバルサミコ酢を混ぜ合わせる。
②小鍋に①を入れて温めて、水溶き片栗粉少量を加えて「とろみ」を付ける。
③塩・コショーを加えて味を整え冷ます。

さて、もう一種類のカルパッチョソースだが、「EXバージンオリーブオイル」にワサビと、レモンの絞り汁を混ぜたものに醤油を数滴加えるが、醤油とワサビを加えることによりぐっと和風の味になる。

醤油とバルサミコ醤油の相性もいいが、醤油とオリーブオイルの相性もいいので、ぜひ、作って食べてみて欲しい。

カンパチに限らず、マグロ、ホタテ、それに牛肉など、いろいろと試してみるといいだろう。

下記は今回使用した「EXバージンオリーブオイル」の写真だ。



オリーブオイルには「EXバージンオリーブオイル」と「ピュア」と2種類があるが、製法の違いなどは何度かこのブログでも説明したので今回は省略するが、加熱料理には「ピュア」を使い、サラダやカルパッチョ等の非加熱料理でオリーブの香りを楽しみたいならば「EXバージン」を使うといいだろう。

◆「カルパッチョソース」の作りかた。

<材料>
EXオリーブオイル 大さじ4
ワサビ        小さじ1
醤油         小さじ1
レモン汁        大さじ1
塩・コショー      適量

<作り方>
①ボウルにEXオリーブオイル、ワサビ醤油を入れてよく混ぜ合わせる。
②レモン汁を加えながらさらによく混ぜ合わせる。
③塩・コショーで味を整える。

さて、これで2種類のソースが出来上がったので、早速、セルクル寿司を作ってみよう。

「セルクル」って何?という人の為に、下記の写真の「リング」がセルクルと呼ばれている。



中に詰めるものは何を使ってもいいのだが、今回は「IRON CHEF」にて作ったものを再現してみよう。

◆「ハマチのセルクル寿司」の作り方

<材料>
寿司飯      100g
ハマチ       30g
蒸し海老     1尾
薄焼き卵     1/4枚
大葉しそ     1枚
干瓢(寿司用)  1本
いくら       大さじ1/2
浅葱        1本

<作り方>
①皿の中央にセルクルの型を置く。
②寿司飯を3等分して、その一つに干瓢の粗みじん切りを混ぜセルクルに詰める。(厚みは約1㎝)
③大葉しそを千切りにして①の上に散らす。更にその上に素焼き卵の千切りを散らす。
④さらに寿司飯3等分の一つをセルクルに詰める。(厚みは約1㎝)
⑤蒸し海老を5㎜角位に粗みじん切りにして、③の寿司飯の上に散らす。
⑥残りの寿司飯を蒸し海老の上からさらに詰める。
⑦ハマチを5㎜角のサイコロ状に切って、⑤の寿司飯の上に置き、上から指でさっと押さえつける。
⑧セルクルの型を外し、バーナーを使ってハマチをさっと炙る。
⑨天にいくらを盛り、いくらの上に約3㎝の長さに切った浅葱を2~3本飾る。
⑩セルクル寿司の周りに「バルサミコ醤油ソース」をきれいにあしらう。


さて、中央の「ハマチのセルクル」寿司が出来上がったところで、もう一つの「ハマチのカルパッチョ」も続けて作ろう。

◆ハマチのカルパッチョの作り方。

<材料>
ハマチ      50g
ホタテ貝柱   2個
赤貝       2個
プチトマト    2個
野菜(サニーレタス、トレビス、エンダイブなど)  適量
塩・黒コショー  適量

<作り方>
①ハマチは薄くスライスする。
②ホタテ貝柱、赤貝も同じように薄くスライスする。
③プチトマトは半分に切り、野菜を小さく手でちぎる。
④すべての材料を冷蔵庫で冷やしておく。(または冷水に取って、水気をキッチンペーパーで拭く)
⑤皿に綺麗に盛りつけ、軽く、塩と黒コショーを振る。
⑥「カルパッチョソース」を掛ける。


これで、「IRON CHEF Thailand」で作った「ハマチのセルクル寿司とカルパッチョ」の出来上がりだが、実は本番ギリギリまで迷っていたことがある。

それは、「セルクル」を使わずに製菓用の「ケーキの型」を使おうか?ずいぶんと迷ったものだ。

その型とは下記の写真のようなものだ。


内側の写真


外側の写真

結局、撮影の本番では「セルクル」を使ったのだが、もし、「ケーキの型」を使っていたら下記のような料理になっていたはずだ。



この「寿司ケーキ」は、お誕生日やお祝い事の時に作ってみるといいだろう。

尚、前回のブログで「宝くじ」を3枚買ったことを書いたが、16日に抽選がありみごとに外れていた。

結局、「汗水たらして働く」運命なのだろう・・・

さて、「IRON CHEFThailand」で作った4品のうち、3品を紹介してきたが、次回は最後の一品の「ハマチの豆乳しゃぶしゃぶ」の話をしよう。



 


 








今日から「キンチェー」が始まった。

2012年10月14日 | IRON CHEF THAILAND
今回は「IRON CHEF Thailand」に出場した時に作った「ハマチのセルクル寿司とカルパッチョ」の紹介をする予定だったが、今日から「キンチェー」が始まったのでキンチェーについて話をしよう。

今から7~8年程前の話しだがプーケットのマグロの加工工場で仕事をしていたことがあり、不定期だが1年のうち3分の1くらいはプーケットに滞在していたことがある。

あの2004年12月26日に起きたスマトラ沖大地震で発生した大津波はプーケット島にも甚大な被害と犠牲者を出したが、実はあの時もプーケットのマグロ工場に滞在していた。

プーケットは南の楽園の島で、いつも時間がゆっくり流れていて、まさかあのような大惨事になるとは誰も知る由もなかっただろう。

そのプーケットでも「キンチェー」はとても盛大に行われるが、今の今までお恥ずかしいことに「キンチェー」というのは「プーケットのお祭り」だと思っていた。

このお祭りの期間中は、プーケットでは多くの人が白い衣装を着て、肉や魚を食べずに野菜を食し、またアルコールも飲まないが、7日目に行われるパレードではヒンズー教のお祭りのように顔のほほに大きな釘を刺したりして、とても痛々しい感じを受けたものだ。

中国での5年の歳月を経て今はバンコクで生活をしているが、うちの店のスタッフから10月15日~23日までがキンチェーなので、まかないを食べられないという話を聞いた。

えっ? キンチェーはプーケットのお祭りじゃないの?と不思議な気持ちだったが、今日からお店の近くのトンロー通りにも「齋食」(菜食)のお店が出ているのを見掛けた。


(黄色い三角形の旗のところには「齋」と書いてある。

さて、そもそも、キンチェーとはどういう行事なのか調べてみることにした。

バンコクのフリーペーパー等に載っていた情報の寄せ集めだが、キンチェーというのは中国の明の時代に第9代皇帝が敵に殺害されたことにより、国民が9日間に渡り喪に服したことに由来するらしい。
この期間中は身体を清潔にし、白い服を着て、肉や魚を食べずに齋食(菜食)を食べ、アルコールも飲まず、性交渉も避けて慈善活動をするとのことだ。

主にプーケット等、タイの南部の中華系のタイ人が行っていた行事だが、今ではタイ人でもこの期間中は齋食(菜食)をする人が増えたようだ。

また、キンチェーのことは、「 Vegetarian Festival」 (菜食祭)とも呼ばれるようだ。

さて、このお店で齋食(菜食)の料理の写真を撮らせてくれるか聞いてみたところ、快くOKしてくれたので、写真を貼りつけておく。



尚、写真を撮らせてもらって、そのまま立ち去るのもなんとなく申し訳ないので、何品かその店で買って実際に齋食(菜食)料理を食べてみることにした。



左から竹の子、中央が大根、右が青菜だが、どの料理も炒め煮のようで油の量も多く、味付けもかなり濃いめで、ご飯のおかずににはいいが、ダイエットには向かないと思う。

しかし、1年のうち「キンチェー」の9日間を身を清めて精進料理を食べ、お酒を飲まずに精進するのはとてもよいことだと思う。
(自分にはキンチェーを実行するのはとても無理だと思うが)

「キンチェー」は仏教徒の多いタイだから広まった行事だと思うが、うちの店のような飲食店にとってはこれが何か月も続くようだと商売あがったりになってしまうだろうし、実際にこの期間中はお休みにするタイ料理店もあるようだ。

さて、今日は午後のアイドルタイムに「伊勢丹デパート」に調理器具を見に行ったのだが、エラワンの祠に寄ってきた。



この祠で祈った願い事は必ず叶うと言われていて、どんな願いごとでも叶えてくれる仏様としてタイ人だけではなく、中国や台湾、シンガポールなどの国から参拝にくる人もいるようだ。

そして、この祠のすぐ近くに「宝くじ」を売っているおばさんがいて、にこにこと笑顔を振りまいているのが目にとまった。



見なければいいものの、宝くじの数字を見ていると、不思議と当たりそうな気がしてくるものだ。



結局、3枚(330B)を買ってしまったが、エラワンの仏様の御利益はあるのだろうか。。。


























IRON CHEF Thailand で作った料理(ハマチの塩窯焼き)

2012年10月11日 | IRON CHEF THAILAND
今日のバンコクも朝から曇りで、今にも雨が降りそうなうっとうしい天気だ。

雨季なので雨はしかたがないが、毎日、昼の営業時間の12時頃と、夕方の6時半頃から決まったように大雨となり、道路にあふれた水で洪水となり車も大渋滞となる。

昨夜も大雨だったが、夕方6時から予約のお客様6名のうち、最初のお客さん1名がお店に来たのが6時半で、6名全員が揃ったのが8時半で、2時間後というありさまだ。

さて、雨季のことをタイ語で「パンサー」と言い、また、雨季に入ることを「カオパンサー」と言う。

タイ人はほとんどが仏教徒だが、今年の「カオパンサー」は8月2日・3日で、この日はタイでは法令で酒類の販売はできないことになっている。

もちろん飲食店も例外ではなく「酒類」の販売ができない。

また、「酒類」の販売ができない日は他にもあって、たとえば8月10日の王妃の誕生日や選挙の投票日の前日や王様の誕生日等も「酒類」の販売が禁止されている。

飲食店の中では「居酒屋」等の一部で、こっそり「酒類」の販売をしている店もあるようだが、うちの店は開店日にお坊さんに来てもらい、一緒にお店を開店したこともあり、法令はしっかり守っている。

海外で商売をさせてもらっている以上、その国の法令を守るのは当たり前のことだと思う。

さて、「カオパンサー」(入安居/いりあんご)だが、10月30日の「オークパンサー」(出安祭)まで約3か月続くのだが、この間はお坊さんは寺に閉じこもり辛い修行を積まなければならないようで、外出はしてもよいが、夜は必ず寺に戻り外泊は禁止されている。

それを思ってかタイ人の中には、この3か月間はお酒を断つ人が多く、タイ政府も禁酒を促す広報活動を積極的に展開する。

何よりも仏教を大切にしているタイ人らしいと思う。

また、この期間、お坊さんはお寺にこもるがそれには理由があるようだ。

釈迦の教えでは、あらゆる生き物の殺傷を認めなかったが、特に雨の多いこの時期は新しい生命が育まれる時期でもあり、お坊さんは外出して小さな虫や草花を殺してしまわないよう、お寺にこもって極力外出を避けるようだ。

尚、タイでは10月15日から9日間「キンチェ」という「精進料理」しか食べない齋食の行事が行われる。

もともと、タイ南部の中華系の民族のお祭りだったようだが、今ではタイ族にも広まり、この一週間はバンコクでも肉や魚は食べず、野菜しか食べない人が増えている。

ちなみに、この期間にベジタリアン料理を提供するレストランには「齋」という字が掲げられるので気がついた人もいるだろう。

さて、料理の話に入ろう。

今回も「IRON CHEF」に出場した時に作った料理で、「ハマチの塩釜焼き」を紹介しよう。

「塩釜焼き」と言えば「鯛の塩釜焼き」を思い浮かべる人が多いと思うが、鯛は高級魚でもあり、結婚式など祝いの場や宴席などで、鏡開きのように木づちで割って開運を願うようで、「塩釜焼き」は大変喜ばれているようだ。

その塩釜焼きを一人前づつ小さくしたのがこの「ハマチの塩釜焼き」だ。

昆布の上に海老と椎茸を乗せ、軽く塩を降ってから昆布で包むようにし、その上からたっぷりの塩を乗せてから、じっくりと蒸し焼きにするが、昆布〆されたハマチが塩窯で焼き上げることで芯までゆっくりと火が通る為、とってもジューシーに焼き上がる。

簡単に作り方を書いてみよう。

◆ハマチの塩窯焼きの作り方

<材料>塩釜2個分

ハマチの切り身       4切れ   
海老(大きなサイズの物)  2尾 
椎茸              4枚         

塩(塩釜用)           1㎏     
卵白              1個分

昆布               適量
塩(味付け用)今回は伊豆大島の「海の精」を使用。

ライム             1個

<作り方>
①昆布をさっと水で洗う。
②昆布の上にハマチを乗せ、昆布で包み「昆布締め」にし、冷蔵庫でに1時間位入れておく。
③卵白を泡立てる。(ケーキ作り等に使う電動ホイッパーを使うと早い)
④ボウルに塩を入れて、①の卵白を加えて混ぜ合わせる。
⑤冷蔵庫から昆布締めしたハマチを取り出し、海老と椎茸を乗せて、軽く塩(海の精)を振る。
⑥昆布で包むように巻き、上から④の塩をかぶせる。
⑦220℃のオーブンで約40分かけて焼き上げる。
⑧焼き上がったらライムと木づちを添える。

分かりやすいように写真を貼りつけておこう。


ハマチの切り身を昆布〆して、上に海老と椎茸をのせ、塩(海の精)を軽く振る。


焼き上がりの写真(ライム)と木づちを添える。


木づちで塩釜を割る。


塩釜を開く


お好みでライムを絞って食べる。

さて、この「塩釜焼き」という調理方だが、由来を調べてみると戦国時代までさかのぼるらしい。
当時は今のようにチルドの物流などはなく、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際、玄界灘の鯛を大阪城に居る母親に届ける際に、旨みを損なわないように鯛を塩で包んで焼いたのが塩釜焼きの始まりとされている。

また、塩は当時はとても貴重品で、また人間の生命維持にも欠かせないものだが、上杉謙信が武田信玄に塩を送って「義」の精神を後の世に伝えている。

ところで、この「塩釜焼き」によく似た料理が中国にもある。

叫化雞(ジアオホワジー)という料理だが、叫化 (ジアオホワ)は「乞食」、雞(ジー)は鶏という意味なので、日本では一般に「乞食鶏」と呼ばれている料理だ。

この料理は鶏肉を蓮の葉で包んでから、塩の変わりに「泥」でさらに包んで蒸し焼きにするものだが、塩釜焼きと同じように蒸し焼きにすることで、肉が柔らかくなり、また、味が逃げずに濃厚なうまみに蓮の香りも加わって風味豊かな味になる。

この料理の「乞食鶏」という名前がとても面白いが、乞食が偶然(盗んだという説もある。)に鶏肉を手に入れたが鍋など何も調理器具がなかったので、しかたなく土の中に埋めてその上でたき火をして、後で土を掘って食べてみたところ驚くほど美味しかったという話だが、この話はなんとなくインチキっぽいような気もする。

この「乞食鶏」という料理は「杭州」で実際に食べたことがあるが、小さなサイズの鶏肉を使った「叫化童鶏」で、蒸し焼きにすることで脂分が適度に抜けて、また、蓮の葉の香と八角の香がしてとても美味しく、杭州料理にはあっさり味が多いので日本人にも合うのではないかと思う。

さて、次回は「ハマチのセルクル寿司とカルパッチョ」を紹介しよう。

























IRON CHEF Thailand で作った料理(ハマチの笹焼きとエスプーマ酢味噌)

2012年10月10日 | IRON CHEF THAILAND
バンコクは今、雨季の真っただ中で、毎日、毎日、大雨の日ばかりだが、この雨では道路が洪水になってしまいお客様も少ないので、お客さんが少ない日には早くアパートに戻り、IRON CHEF Thailand に出場した時に作った料理を紹介して行こう。

今回は「ハマチの笹焼き」を紹介するが、「笹焼き」という料理では鮎を使った「鮎の笹焼き」がよく知られている。

まず、鮎に少量の塩を振って炭火焼きにしてから、乾燥させた笹に真っ赤に焼けた炭を入れ、煙りを立たせて軽く燻製にするのだが、笹の煙が香り立ち、とっても清々しい香が立ち込める。

笹の葉には殺菌作用もあるので、笹の葉は水で洗ってから乾燥させておけば、安心して食品に使うことも可能だ。

下の写真が今回「IRON CHEF」の為に考えて、実際にキッチンスタジアムで作った料理を再現したものだが、籠の中の笹の中央部にはコンロが置いてあり、真っ赤に焼けた炭が入っている。



◆ハマチの笹焼きの作り方。
<材料>
ハマチ
季節の野菜(エリンギ、椎茸、パプリカ、しし唐)など
オリーブオイル、塩、コショー

<作り方>
①ハマチとお好みの野菜を一口大に切り串に刺し、軽く塩、コショーを振る。
②オリーブオイルを塗りながらサラマンダーで焼く。(フライパンでもいいだろう。)
③笹の中に赤く焼けた炭を入れて煙りが出てきたら、②のハマチと野菜をのせる。

さて、この料理をどんなタレ(ソース)で食べるのか、ずいずんといろいろなタレを作ってみた。
ポン酢ともみじおろしに浅葱の小口切りはもちろん相性がいい。

意外なところではトマトを使った少し辛めの味付けの「サルサソース」もピッタリだが、今回は「エスプーマ」を使ったソースを幾つも試してみた。

和食にエスプーマ?と思う人も多いと思うが、自分でも今回の試作はとっても勉強になった。

ここで、「エスプーマ」のことをよく知らない人もいると思うので、「エスプーマ」と世界一予約のとれないレストランとして最近では映画にもなった、スペインの「エル・ブリ」とこの店のシェフのフェラン・アドリア氏の話を少ししよう。


(写真はエスプーマと、中に充填する亜酸化窒素ガス(N2O)のボンベ)

世界一予約の取れないとレストランとして知られている「エル・ブリ」はスペインのバルセロナから車で約2時間も掛かる「ロセス」という海辺の町にあり、しかも春から夏にかけて1年の半分しか営業しないレストランで、全45席しかないのに年間200万件の予約申し込みがあるそうだ。

では、冬場の休みの間は何をしているのかといえば、新しい料理の研究に多くの時間を費やしているようで、この店のシェフのフェラン・アドリア氏は100年に一人の天才シェフとも言われている。

そして、彼が食品に亜酸化窒素ガス(N2O)を添加し空気のように軽い泡の料理を生み出したことから世界中のシェフがこの料理を取り入れるようになった。

エスプーマ(ESPUMA)とはスペイン語で「泡」という意味だが、この料理に使用される調理器具(ボンベ)や調理法もエスプーマと呼ばれることが多い。

また、フェラン・アドリア氏の料理には伝統的な料理を新しい素材や調理技法で独創的にアレンジしたものが多く、ヌエバ・コシーナ(新スペイン料理)又はアルタ・コシーナとも呼ばれている。

今回、このエスプーマを使って、幾つもの「泡のソース」を試作したが、食材に絡みやすく、また泡の食感がやさしい味となり、たとえば、「天つゆ」等をエスプーマで泡にしても楽しいだろうし、日本料理にも今後はエスプーマ料理が増えるのではないかと思う。

ただし、今回は泡のソースを作るのにエスプーマを使ったが、最近流行のヌエバ・コシーナ(新スペイン料理)のような化学実験みたいな料理には自分は否定的だ。

以前、とても変わった料理を見掛けたことがあるが、「鯛」を蒸してからペースト状にしてエスプーマで(泡状)にして、同じく 「ウニ」をペースト状にしてからエスプーマで(泡状)にして、目玉焼きそっくりの料理に仕立ててあったが、白身の部分が「鯛」で黄身の部分が「ウニ」でできていた。

でも、高級な「鯛」と「ウニ」という食材を使用して、「目玉焼き」そっくりの料理を作ることに何の意味があるのだろうか。

前にも書いたと思うが「魚は骨付き」のまま料理した方が旨いし、鶏肉も皮と一緒に食べるから旨いのだ。

さて、また話が長くなってしまったので、「エスプーマ」の話に戻すが、今回は幾つもの泡のタレを試作して、最終的に「エスプーマ酢味噌」を「ハマチの笹焼き」のソースにすることにした。

脂が乗ったハマチに泡の酢味噌はとても相性がよく、また、焼いたハマチや野菜に絡みやすくとても優しい味のソースになったと思う。

尚、エスプーマ酢味噌には、泡にする為に粘度を上げねばならず、最初は「粉ゼラチン」を試してみたが、「板ゼラチン」の方が透明度があるので、「板ゼラチン」(下の写真)をお勧めする。



<エスプーマ酢味噌の材料>
白みそ  200g
卵の黄身 3個分
酒    100CC
砂糖    100g
酢    100CC
出汁   200CC
ゼラチン   7g

<作り方>
①白みそ、卵の黄身、酒、砂糖を鍋に入れ弱火に掛けて5分程練り合わせ冷めたら酢を加える。
②出汁を鍋に入れ弱火に掛けてゼラチンを溶かして冷ます。
③全部を混ぜ合わせ、冷めて固まってきたらエスプーマのボトルに入れる。

さて、こうして「エスプーマ酢味噌」も出来上がり、「ハマチの笹焼き」に添えてみよう。



「エスプーマ」という調理法を考案した「エル・ブリ」のフェラン・アドリア氏は素晴らしい料理人だと思うし、頭の下がる思いだ。

ただし、残念ながら「エル・ブリ」は昨年の7月で閉店してしまったようだ。

今後のフェラン・アドリア氏は財団を設立して「料理の研究と料理の発展」に力を入れていくそうだが、料理人にとってお店とお客さんは掛け替えのないものなので、少し残念なような気もする。

さて、次回は「ハマチの塩窯焼き」を紹介することにしよう。。。







IRON CHEF Thailand(タイ版 料理の鉄人)の勝敗

2012年10月10日 | IRON CHEF THAILAND
IRON CHEF Thailand に出場して、マグロの解体やキッチンスタジアムでの和食の鉄人との料理での勝負は、自分自身でもとても勉強になったと思う。

僅か60分という制限時間内に2名の助手と一緒に4品を7皿づつ作るのだが、1品でも制限時間内に間に合わなければ大きく減点されてしまう。

改めて料理というのはチームワークが大切だというこを実感させられた。

今回、キッチンスタジアムに連れて行った2名の助手だが、まだ「魚やす」で仕事を初めて3か月ばかりだが、本当によく頑張ったと思う。

さて、勝負のゆくえだが、「YOU TUBE」にUPされているので、ご笑覧いただきたい。

http://www.youtube.com/watch?v=hJe6A5cGUTg

http://tv.thlike.com/rerun-132




IRON CHEF Thailand(タイ版 料理の鉄人)に出場

2012年10月09日 | IRON CHEF THAILAND
皆さん ご無沙汰です。

バンコク「魚やす」がOPENしてから早くも3か月以上が経ったが、朝の9時半にお店に行き、夜は11時半過ぎにアパートに戻るという生活で、厨房で自ら鍋を振っていることもあり、なかなかブログを更新することができず、このブログに立ち寄ってくれている方々には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

中国の時には店数が多く、また、毎月必ず大連、上海、蘇州を廻らなくてはならなかったが、今は小さな店とはいえ、もう一度自ら料理と向き合える時間がたっぷり取れて、休みは無いが充実した毎日を送っている。

「魚やす」のバンコクでの知名度が上がっているのか、タイの「IRON CHEF」というTV番組に出てみないかとの誘いがあり、うちの店の資料を送ったところ、直ぐに番組スタッフが来て、とんとん拍子に話が進み、9月16日、17日と「キッチンスタジアム」で収録が行われ、10月3日に放映となった。

この番組は日本で以前放映されていた「料理の鉄人」の版権をタイのTV局がライセンス契約した番組で、日本から番組制作のノウハウも教えてもらっているようで、後で詳しく話すが直前まで「料理の素材」を教えてくれなかったり、なかなか厳しい番組で、久しぶりに料理のレシピを何十も考えたりと頭の中は料理のことでいっぱいだったが、無事に収録を終えた時には正直ながらホッとした。



さて、キッチンスタジアムでの収録の直前に「料理の素材」が「ハマチ」と分かり、作った料理が下記の4品だ。

作り方(レシピは特徴)は後で詳しく説明することにしよう。

まず、最初の料理が「ハマチの寿司サラダ」で、中央の寿司は「セルクル」を使用した。


次の料理は「ハマチの笹焼き」で、煙が立っているのが見えるだろうか。


その次の料理が、「ハマチの塩窯焼き」だ。


そして、最後の一品が「ハマチの豆乳鍋」で、これで4品となる。


キッチンスタジアムには助手を2名連れていけるのだが、ちょっとしたアクシデントが起こってしまった。

当日、連れていくはずだったうちの店の「寿司場」担当が、収録の前日にお店にお客様がいっぱいでトイレに行く時間もなく、やっと一息ついたところでダッシュでトイレに行ったら、階段で足を滑らせて転倒してしまい、とてもキッチンスタジアムアムに行けるような状態ではなくなってしまったのだ。

急きょ、他のキッチンスタッフを連れて行くことになったが、彼も含め60分以内に4品を7人分、よく作れたものだと、本当に彼らもよく頑張ってくれた。


左が急に参加することになった「ギアン」と右が揚げ場担当の「トー」で二人とも若いが真面目ないい連中だ。

また、この番組では「マグロの解体」もやったのだが、そのことも後でゆっくり話をするとしよう。



尚、番組の収録の様子(写真)を幾つか貼りつけておこう。