マグロチャンピオンの料理道場

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海老チリの豆板醤は良いものを使おう

2008年02月14日 | 中華料理
中華料理の中でも日本人が大好きな、海老のチリソース煮、麻婆豆腐、それに回鍋肉を順番に作って行こう。

いづれも四川料理だが、陳健民さんが日本で初めて紹介した料理だ。もしかしたら、他の人が先に紹介したのかも知れないが、本場の四川料理に使用する油の量は日本の3倍から4倍位はあるだろうから、日本人にはとても食べられた物ではない。陳建民さんが日本人の口にも合うようにアレンジしてくれたので、こういう美味しい料理を日本で食べることができるのだと思う。

さて、今回は「海老のチリソース煮」だが、豆板醤は良い物を使おう。麻婆豆腐、回鍋肉もそうだが、豆板醤の味が悪いと、どんなに良い素材を使っても料理の出来上がりに大きな違いが出てしまう。

本当は「えんどう豆」を原料に唐辛子を加えて発酵させて、豆板醤も手造りすると良いのだが、1年も寝かせることを考えると、市販でも良い物がたくさんあるので、それを使用した方が手っ取り早い。

日本で販売されている豆板醤では、デパート等には「李錦記」が売られているのでこれを使うのが良いだろう。もし、手に入らないようであれば「ユウキ」の豆板醤でも良いだろう。このどちらかを入手しよう。

うちの店では海老は活きた「車海老」を使用しているが、大連では冷凍の海老の良い物が無いからで、日本ならば冷凍のブラックタイガーを使うと良いだろう。

尚、店では辛味をやわらげ、こくを出す為に「酒醸」という中華風の甘酒を使用しているが、もし無ければ代わりに日本酒でも良い。

今回は「おたま」ではなく、「大匙」を使用するが、「海老のチリソース煮」のポイントは、豆板醤1:トマトケチャップ1:酒醸1の、1:1:1だ。
油が弾けるまで炒めて、香りを引き出そう。

材料:
海老        250g
豆板醤      大匙1
トマトケチャップ 大匙1
酒醸       大匙1
中華スープ   1/2カップ
紹興酒      大匙1
砂糖       小匙1
塩・コショー   少々
白ネギ(みじん) 大匙2
にんにく(みじん)小匙1
生姜(みじん)  小匙2
溶き卵(全卵)  大匙1      
水溶き片栗粉   大匙2~3
酢        大匙1/2

まずは、海老の下ごしらえをしよう。

うちの店では活の海老を使用しているので海老をあまり洗わないが、冷凍物の場合には、よく洗って汚れを取ろう。

①海老の殻を剥き背わたを取り除き、少量の塩で揉む。
②片栗粉と水を加えてさらに揉む。
③よく洗い流し、乾いたタオルかキッチンペーパーで水分を拭き取る。

ここまでが海老の掃除だが、汚れが無ければこの工程は省いても良いだろう。

さて、海老に味をつけて行く。

④ボールに海老を入れ、塩・コショー少々に日本酒大匙2を加えねばりが出るまでよく揉みこむ。

⑤卵白1/2個分を加えて、さらに揉みこむ。

⑥片栗粉大匙1を加えて海老に絡める。

⑦サラダ油大匙1を入れてかき混ぜ、海老に油をコーティングする。

⑧ラップをして、冷蔵庫で30分程休ませる。

さて、本作業に入ろう。

①160℃に熱した油で海老を油通しする。油が動き出した温度が適温だ。
 海老を1本づつ鍋に入れ、全部が表面に上がってきたらザルに上げ、油を切る。

②鍋を熱して油を大匙2入れ、弱火で豆板醤を炒める。
 油が弾け、豆板醤の香りが立ってきたら、トマトケチャップと酒醸を加えて更に 炒める。ブクブクと泡が立ってきたら、白ネギ、ニンニク、生姜を加える。

③この時点でかなりの香りが立ってきているはずだ。香りが立つまでしっかり炒めるのがポイントだ。

④鍋肌から中華スープ(顆粒スープの素とお湯を加えた物で十分)を回し入れて、 強火にして砂糖、紹興酒、コショーを加え塩で味を調える。

⑤再び沸騰したら海老を入れて、水溶き片栗粉を少しずつ加えとろみを付ける。

⑥溶き卵を回し入れ、大きく2回~3回かき混ぜ卵に火を通す。

⑦火を止めて酢を加え、皿に盛る。

化粧油は好みで最後に大匙1程を加えても良いが、油くどくなるので、うちの店では使わないようにしている。

ニンニク、生姜は日本では最初に炒めるが、中国では後から加えるのが普通だ。
その方が香りが引き立つと思う。

最後に加える酢だが、これを入れることによって、まろやかでサッパリした味となる。

今回は、まず「海老のチリソース」を紹介したが、何か質問のある人はメールで送って欲しい。

次回は「麻婆豆腐」を紹介するとしよう。。。


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