マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

ロール寿司を紹介しよう。

2008年03月30日 | 寿司・お造り
今回は店のロール寿司を紹介しよう。(写真をクリックすると拡大)

中国人も最近は、サーモンの刺身や赤貝などを刺身で食べるようになり、中華料理店でも高級な店には、ほとんど、これらの刺身が置いてあるが、魚を生で食べることに抵抗を感じている中国人も、まだまだたくさん居る。

しかし、海外の文化を取り入れることに抵抗がなく、また、流行に敏感な中国人の若者が寿司が気軽に食べられるようになれば飛びつき、あっという間に寿司ブームが起こるのではないかと思う。

うちの店のロール寿司は、こういう事情もあり、生魚を使ったものより、加熱をした物を巻いた物が多い。

もともと、日本人も中国人もお米を主食としているので、ごはんと一緒に食べて美味しい物なら、何でもロール寿司に合うだろう。

幾つか、簡単に作り方を説明しよう。

①カリフォルニアクランチロール
 海老天ぷら 3本、かにかま 2本、マヨネーズ
 サニーレタス、貝割れ、キューリ、アボガド、
 裏巻きでとびっ子
 上からマヨネーズを細くかける。

②とんかつロール
 トンカツ、キャベツ、からし、トンカツソース、貝割れ
 裏巻きで、白ゴマ
 皿にもトンカツソースを盛る。レモンを添える。

③海老フライロール
 エビフライ2本~3本、キャベツ、からし、タルタルソース
 裏巻きで、黒ゴマ
 皿にもトンカツソースを盛る。レモンを添える。

④カキフライロール
 カキフライ3個~4個、キャベツ、からし、タルタルソース
 裏巻きで白ゴマ
 皿にもトンカツソースを盛る。レモンを添える。

⑤スパイシーツナロール
 マグロの赤身を1cm角に切る。キューリ細切り
 マヨネーズ+豆板醤+ゴマ油+玉葱みじん切り+松の実+とびっこ
 裏巻きで白ゴマ
 皿にも同じソースを盛る。

⑥ドラゴンロール
 たまご、キューリ、たくわんの細切り、アボガドを入れてマヨネーズを
 掛けて最初に細巻きを作る
 ラップにシャリを敷き、細巻きを中心に巻き、外側にウナギの蒲焼を巻く
 蒲焼のタレを塗る。

⑦サーモンスキンロール
 焼き鮭の皮、焼き鮭のほぐし身、キューリ2本
 まず、鮭の皮をゴマ油を塗って、パリパリに焼く。身も一緒に焼いてほぐす。
 マヨネーズと鮭を合える。レモンを添える。
 裏巻きで黒ゴマ

⑧イタリアンロール
 ボイル海老3本、にんじん細切り、キューリ細切り、玉葱細切りを並べて
 マヨネーズを掛ける。
 裏巻きで、外側に生ハムを巻く。レモンを添える。
 上からマヨネーズを細くかける。

⑨フィラデルフィアロール
 アボガド、玉子焼、玉葱、ケッパー、クリームチーズ、貝割れ、マヨネーズ
 裏巻きで、外側にスモークサーモンを巻く。レモンを添える。
 上からマヨネーズを細くかける。

⑩フライドチキンロール
 鶏の唐揚、サニーレタス、玉葱の細切り、スイートチリソース
 裏巻きで白ゴマ。レモンを添える。
 皿にスイートチリソースを盛る。

⑪ダイナマイトツナロール
 まぐろ赤身を1cm角に切る。
 キムチ+ゴマ油+醤油を少々+松の身をマグロと合える。刻みネギを加える。
 裏巻きで白ごま
 キムチの素(ソース)を皿に盛る。

⑫海鮮おぼろ昆布ロール
 ひらめ(白身ならなんでも良い)、ホタテ、にんじん細切り、キューリ細切り。
 山芋、わさびマヨネーズ(わさび+マヨネーズ)
 裏巻きで外側におぼろ昆布を巻く。
 皿に盛り、わさびマヨネーズを細く掛ける。 レモンを添える。

⑬ハムカツロール
 細いハムカツ2枚~3枚。キャベツ、からし、トンカツソース、貝割れ、
 スライスチーズは後から一緒に巻く。
 裏巻きで、白ゴマ
 皿にトンカツソースを盛る。レモンを添える。

⑭フライドフィッシュロール
 魚のフライ、サニーレタス、レタス、からし、タルタルソース。
 裏巻きで白ごま。レモンを添える。
 皿にトンカツソースを盛る。

⑮ツナマヨロール
 ツナ缶詰、コーンをマヨネーズで合える。サニーレタスを敷いて上に乗せる。
 裏巻きで外側は薄焼き玉子。 レモンを添える。
 上からマヨネーズを細くかける。

⑯ソーセージロール
 ソーセージフライ2本、サニーレタス、レタス、タルタルソース、粒からし。
 裏巻きで黒ゴマ。レモンを添える。
 皿にトンカツソースを盛る。

⑰キングクラブロール
 たらば足の身の天ぷら1本(半分に切る)
 サニーレタス、レタス、わさびマヨネーズ。
 裏巻きで、外側は薄焼き玉子。
 上からわさびマヨネーズを細くかける。


先日、3月26日は筆者の誕生日だったのだが、店のスタッフ全員で料理を作って祝ってくれた。
もう、誕生日などは要らないと思う歳になったが、とても嬉しかった。

店の常連さんや、食材業者や、店の料理を仕出ししているクラブのママさん等からたくさんの花が届いた。

たぶん、店のスタッフが連絡をして手配してくれたものだろう。


今から約1年半程前にこの店に来た時には、料理が出来る中国人スタッフは居ないし、ホールも日本語のまったく分からない学生みたいな若いスタッフばかりで、これからどうしようか?と途方に暮れたが、やっとなんとかなってきたなという感じがする。

もしかしたら、自分も中国が好きになってきているのだろう。

今までずいぶん怒鳴ったりもしたが、中国人はこちらが心を開いて真剣に取り組めばちゃんと分かってくれるし、信頼関係も生まれる。

今月は、また店の売上げの新記録が出そうだが、良いスタッフが育たなければ店の発展も無いだろう。

自分でも忘れていた今年の誕生日は、家族とも言える中国人スタッフに囲まれ本当に嬉しかった。。。








若鶏の唐揚(中華風)も二度揚げがポイントだ

2008年03月25日 | 中華料理
中国語では若鶏のことを子鶏(ズージー)と言うが、これに童という字を付けて、童子鶏(トンズージー)とすると童貞という意味になる。

実は知り合いにクラブに行くと、ボトルキープの時に「童子鶏」と名前を書く人がいて、ホステス(小姐)を笑わせている。

今回は中華風の若鶏の唐揚をつくってみよう。中華風と言っても日本の唐揚は、その字から想像すると中国から伝わったようなので、この料理は中国の方がたぶん本場なのだろう。

ポイントは、二度揚げして外側の皮はパリッと、内側はジューシーに仕上げることだ、「酒肴」の鶏の唐揚のところを、もう一度見て欲しい。

材料:
若鶏モモ肉      250g
紹興酒(なければ酒) 大匙1
醤油         大匙1/2
にんにく(おろす)  小匙1
しょうが(おろす)  小匙1
(衣)
片栗粉        大匙2
小麦粉        大匙2
溶き卵        大匙2
ゴマ油        大匙1

作り方:
①鶏のモモ肉は、一口大に切る。
②紹興酒、醤油、にんにく、しょうがをボールに入れ、①の鶏のモモ肉を加え、よく揉んで味を染み込ませる。(そのまま冷蔵庫に30分程入れておく)
③ボールに溶き卵を入れ、②の鶏のモモ肉を入れ、肉に卵を絡ませる。
④片栗粉と小麦粉一緒にし、③にまぶしゴマ油を加えて混ぜ合わせる。
⑥たっぷりの油を熱し油が動き出す160度になったら、④を一つずつ油に入れる。
⑦全部が油の表面に浮かんできたら、鍋から引き揚げる。
⑧強火にして油を熱し、180℃になったら再度油に入れて二度上げする。

油から引き揚げるタイミングは、箸でつまんでみてパリっと感じれば大丈夫だ。
何度かやれば分かるようになると思うが、心配ならば途中で一つを取り出してみて、包丁で切ってみよう。揚げ過ぎると美味しくないので油から引き出して、余熱で中心まで火が通るくらいがベストだ。

器に盛ったら、山椒をすり鉢で擂って塩を加えた花椒塩を添えれば完成だ。

または、以前「たらば蟹のピリ辛炒め」の時に紹介した「黒酢ソース」にしょうがのみじん切りを少し加えて、上から掛けてネギのみじん切りを散らして食べるのもいいだろう。





坦坦麺と坦坦湯麺を紹介しよう。

2008年03月22日 | 中華料理
今回は坦坦麺を紹介するが、担とは「かつぐ」という意味だ。

日本でも江戸時代には「寿司」等は今で言うファーストフードで、簡単な移動屋台のような物を担いで、町を歩き廻り商売をしていたようだが、ちょうど同じ時期に中国の四川でも行商人が天秤棒の片側には材料を、もう一方には食器などを担ぎ、大声で声を掛けながら小吃(軽食)を売っていた。その中には麺類もあったようで、それを坦坦麺と呼ぶようになったようだ。

しかし、日本のラーメンのようにスープが多いタイプではなく、本場の坦坦麺は胡麻の香りが利いたラー油入りの辛い汁を少量、麺に絡めて食べるものだ。

日本の坦坦麺は「陳 建民」氏によって日本に紹介され、また、日本人に合うようにスープを多くし辛さを抑えたものだと聞く。

尚、本場の坦坦麺が汁が少ないものなのであれば、日本のようにスープの多い坦坦麺は、正式には坦坦湯麺ということになるだろう。

今回は両方の作り方を紹介するが、芝麻醤(ジーマージャン)と(ラー油)の作り方も説明するので、時間があれば調味料から作ってみると良いだろう。
日持ちもするので多めに作って置くと、いろいろな料理にも使えて便利だ。

■芝麻醤の作り方

材料:
生胡麻      お玉   1杯
ゴマ油(純正) お玉 1/2杯
サラダ油     お玉 1/2杯

①洗いゴマ(白)を弱火でじっくり炒める。焦げてしまうと美味しくないので、付っきりでフライパンを揺すりながらパチッと弾けてきたら火から外す。
②すり鉢で①のゴマをドロっとするまで根気良く擂り潰す。(つぶつぶが残っているようでは駄目だ)
③ゴマ油とサラダ油を加えてかき混ぜる。

■辣油の作り方

材料:
唐辛子粉    お玉  1/2杯
ごま油(純正)  お玉   2杯 

①唐辛子粉は韓国産等のなるべく辛いものを用意し、水を少しかけて湿らせる。(あらかじめ湿らせることで、焦げないようにする。)
②フライパンにゴマ油を熱し高温にし、①を加えてブクブク泡が立ったら火を止める。
③そのまま、一晩置いて漉す。

さて、芝麻醤と辣油の用意ができたところで、もう一つの主役「挽肉の甜面醤炒め」を作ろう。以前、麻婆豆腐の時にも説明したがおさらいだ。

■「挽肉の甜面醤炒め」の作り方

材料:
牛挽き肉    100g
甜面醤     小匙1
醤油       小匙1
日本酒     小匙1

①鍋を熱して油を大匙1入れて牛挽肉を炒め、肉がパラパラになるまで炒める。
②酒と醤油と甜面醤を加え更に炒める。(甜面醤を焦がさないように注意)

さて、芝麻醤とラー油と挽肉の甜面醤炒めの用意ができたところで、まずは、スープの多い「坦坦湯麺」から作って行こう。

●坦坦湯麺の作り方

料材:
挽肉の甜麺醤炒め         50g
中華スープ             250cc
芝麻醤               大匙2
ラー油                大匙1
醤油                 大匙1
酢                  小匙1
長ネギ(粗くみじん切り)     大匙1.5
ザーサイ(粗くみじん切り)    大匙1
中華麺                1玉
山椒を挽いた粉           少々

作り方:
①たっふりの湯を沸かし、中華麺を茹でる。
②別の鍋に中華スープ(顆粒のスープの素とお湯で十分)を入れ火に掛け熱する。
③ラーメンの器にお湯を入れて温めてからお湯を切り、芝麻醤、醤油を入れる。
④麺が茹ったら湯切りをして③の器に入れ熱いスープを注ぎ、下から上に大きく混ぜる。
⑤挽き肉の甜麺醤炒めとネギとザーサイの粗みじんをトッピングして、ラー油と酢を加え、好みで山椒粉を散らす。

さて、芝麻醤だが香りが命なので、茹で上がった麺を器に入れスープを注いだら、あまりかき混ぜないようにしよう。

食べる時に、かき混ぜながら食べると芝麻醤の香りが楽しめる。

さて、次は汁の少ない「坦坦麺」だ。

●坦坦麺の作り方

料材:
挽肉の甜麺醤炒め         50g
麺の茹で汁             50cc
芝麻醤               大匙1.5
ラー油                大匙1
醤油                 大匙1/2
酢                  小匙1
長ネギ(粗くみじん切り)     大匙1.5
ザーサイ(粗くみじん切り)    大匙1
中華麺                1玉
山椒を挽いた粉           少々

作り方:
①たっぷりの湯を沸かし麺を茹でる。
②ボールに、芝麻醤油、ラー油、醤油、酢を入れる。(辛いのが好きなら山椒粉も入れておこう)
③麺が茹で揚がったら湯切りする。また、麺の茹で汁50cc(おたま1/2)を②に加えよく混ぜる。
④ボールに麺を加え、混ぜ合わせる。
⑤器に盛り、挽肉の甜面醤炒めと、ネギとザーサイの粗みじんをトッピングする。



熱々の麺にタレを絡ませて食べるのも旨いが、麺が茹で上がったら冷水に取って、冷やし中華のようにして食べるのも旨い。夏の暑い日にはにんにくのみじん切りも加えれば、暑さもぶっ飛ぶだろう。。。












家常豆腐の豆腐は自分で揚げよう。

2008年03月20日 | 中華料理
うちの店は日本料理店なのだが中華料理のメニューもあり、最近では中華料理も数多く出るようになってきて、メニューに載っていない料理の注文も入ってくる。

その一つが、今回紹介する「家常豆腐」だ。

料理の名前のように、家で常につくる家庭料理だ。もともとは四川料理だと思われるが、今では中国のどこへ行っても「家常豆腐」はあるし、味付けもその場所によってさまざまに変化する。

オイスターソースを使った物もあるが、ご飯のおかずなら、ピリッと辛い方が旨いので、豆板醤と泡椒を使った「家常豆腐」を紹介する。日本では泡椒が手に入らなければ豆板醤だけでも良いだろう。

ポイントは、豆腐は市販の油揚げを使わないで、自分で木綿豆腐を揚げることだ。

市販の油揚げは油がまわっているので仕上がりがくどい味になる。もし、市販の油揚げを使うのであれば、必ず2~3分お湯に浸けて油抜きをしてから使おう。

材料:
木綿豆腐                一丁
豚の薄切り肉(こま切れでも良い) 50g
きくらげ(水で戻す)          10枚
竹の子水煮               50g
にんじん                 20g
生しいたけ               5枚
葉にんにく(なければニラ)       5本
しょうが(みじん切り)         小匙1
にんにく(みじん切り)         小匙1
長ネギ (みじん切り)        大匙2
豆板醤                  大匙2
泡椒(みじん切り)           大匙1
酒醸(なければ酒)           大匙1
醤油                    大匙1
紹興酒                  小匙1
中華スープ                200cc
塩・コショー                少々
水溶き片栗粉              大匙2~3

下準備:
①豆腐は厚さが3㎝角位の一口で食べやすい大きさに切り、キッチンペーパーで水分を拭き取る。
②竹の子水煮、にんじんは、薄くスライスする。
③葉にんにくは、3~4㎝の長さに切る。

さて、それでは調理に取り掛かろう。

①鍋にたっぷりの油を注ぎ、170℃~180℃で豆腐を揚げる。最初のうちは柔らかいので、あまりさわらないようにしよう。
②豆腐が揚がったら、にんじん、竹の子、椎茸も油の中に入れ油通しする。
③鍋を熱し、大匙1の油を入れ弱火で豚肉を炒める。
④豚肉に火が通ったら、火を中火にして豆板醤と泡椒を入れ、にんにく、しょうが、ネギ(大匙1)、酒醸、紹興酒も加え弾けるくらいまで炒めて香りを出す。
⑤鍋肌からスープ(顆粒のスープの素とお湯で十分)を注ぎ、①の豆腐と②のにんじんと椎茸、きくらげを入れて、3~4分程、じっくり煮込み味をしみ込ませる。
⑥醤油とコショーを加え、塩で味を整える。
⑦水溶き片栗粉を少しづつ加え、とろみが付いたら火を止め、葉にんにくと残りのネギのみじん切り(大匙1)を散らして皿に盛る。



辛い味が好きならば、鍋の火を止めてからラー油を少し入れると良いだろう。

豆腐を煮込む時は、麻婆豆腐の時と同じように、3分以上しっかり煮込もう。
煮込みが足りないと水っぽい味になる。

さて、お店の中華メニューに無い商品で、よくオーダーが入る料理が「担担麺」だ。

次回は「担担麺」を作ってみよう。。。





          

塩辛ヤム(タイ風塩辛)は刺激的な味

2008年03月19日 | 酒肴
昨日は久しぶりに休暇を取って、大連市内からマイクロバスで1時間半程の旅順の近くにある「老鉄山温泉」に一人で行ってきた。

以前、ベルギーに居た時に、毎日、たくさんのマグロを解体していたのだが、ついに腰を傷めてしまい約1か月の入院生活となってしまったのだが、今でも無理がたたると腰にきてしまう。

一週間程前から、この持病の「腰痛」が始まってしまったが、こういう時は、温泉に浸かり体を温め、マッサージが一番だ。

昨日は朝の10時半に無料の送迎用のマイクロバスで大連市内から「老鉄山温泉」に向かったのだが、温泉は平日ということもあってかお客さんが少なく、ほとんど貸切り状態で久しぶりにのんびりとした一日を過ごすことができた。

この温泉の効能はよく分からないが、とにかくお客が少なく、ゆっくり体を休めるには良い場所ではないかと思う。

さて、今日の料理は「塩辛ヤム」だ。

前のバンコクの店でもこの料理を置いていたのだが、とても人気のメニューでよく出ていた。(ちなみにヤムとはタイ語で「サラダ」の意味だ。)

真イカの新鮮な物が入手できれば塩辛は簡単に作れるので、自分で作ると良いだろう。作り方は、肝を破らないように外し、そのままたっぷりの塩に2日程漬けて、身の方は1日風干ししてから細く切り、薄く塩をして冷蔵庫に入れておく。
2日したら、肝を水洗いしてフキンで拭いてから中身を絞り出し、細く切った身と混ぜるだけだ。

材料:
塩辛           50g
唐辛子         2~3本
にんにく(みじん切り) 大匙1
味の素          少々
キューリ          1本
レモン又はライム    1/2個

作り方:
①にんにくをみじん切りにする。
②唐辛子は種を取り小口切りにする。辛いのが好きな人は種を取らなくても良い。
③キューリに塩をまぶし板づりして、熱湯に通してから氷水の中で冷やし、薄くスライスする。(熱湯に通し、氷水に入れると綺麗な緑色になる。)
④小さなボールに塩辛、①のにんにくと②の唐辛子を入れ、味の素少々を加えて、レモン又はライムを絞って混ぜ合わせる。
⑤小さな器に入れて、皿の中央に置き、キューリのスライスを並べる。

キューリの上に塩辛を乗せて食べるのだが、やみつきになる味だ。

市販の塩辛でも良いので、この刺激的な辛さに一度、挑戦してみて欲しい。。。





寒い時には、鍋で体の芯から温まろう。

2008年03月17日 | お玉で出汁を覚えよう
日本はだいぶ暖かくなってきたようだが、大連では春はもう少し先なのか、まだ暖房が無いと寒くて部屋に居れないような状況だ。

うちの店でも、寒い日には鍋が良く出ている。
しゃぶしゃぶ、すき焼きの他に、活きた魚介類をふんだんに使用した「やん衆鍋」という鍋もあり種類も多いのだが、隠れたヒット商品が今回紹介する「たらば鍋のチゲ風」だ。(写真をクリックすると拡大)

作り方はとても簡単なので、作って食べてみてはどうだろう。

ちょっと贅沢にタラバ蟹を使えば、心も体もポカポカに温まる。



【たらば鍋チゲ風】

材料:
たらば蟹(できればボイルではなく生)250g
白菜                    4~5枚
木綿豆腐                 1/2丁
長ネギ                   1/2本
椎茸                    2枚
えのき茸                  1束
春菊                    1/2束
うどん                    1玉

スープ:
チキンスープ                1.5リットル
味噌                     お玉1
キムチの素                 お玉1
砂糖                     お玉1/2
醤油                     少々

さて、作り方はいたって簡単だ。
野菜は普通の鍋に使う時のように切り揃えよう。
チキンスープ(お湯に顆粒の中華スープの素で十分)に、味噌を加えて薄めの味噌汁を作り、そこにキムチの素と砂糖と醤油をほんの少し加えるだけだ。

後は、たらば蟹をスープに入れたら、火の通リ難い野菜から順番に入れて行き、熱々を食べよう。

たらば蟹はできたら生を使おう。ボイルタラバより生タラバの方が出汁がよく出る。

こってりした味が好きなら、白菜を多めのゴマ油で炒めてから、鍋に入れると良いだろう。白菜キムチを入れても構わないが、生の白菜を使った方が食感が良い。

白菜と蟹はとても相性が良い。白菜の硬い部分を細く切ると食べやすくなる。

この鍋は一度食べたら、必ずやみつきになるだろう。。。






あん肝の酒蒸しと工場での思い出(最終回)

2008年03月14日 | 酒肴
これまで、工場での「あん肝の酒蒸し」の生産について書いてきたが、今回はお店での「あん肝の酒蒸し」の作り方に付いて説明をしよう。

このページに貼り付けてある写真は、中国工場でつくってきた冷凍の「あん肝の酒蒸し」で作った料理の写真で、タイのバンコクの店で撮ったものだ。

さすがにタイでは「あんこう」の水揚げが無いので、中国の工場からバンコクにハンドキャリーで持ってきて使っていた。

半解凍の時に切って盛り付けるだけで、立派な「あん肝の酒蒸し」になる。(写真をクリックすると拡大)

さて、お店での作り方だがとても簡単だ。

蒸し上がりの形が多少ゆがんでいても、盛り付けでカバーできるだろうから、失敗を恐れないで作ってみよう。

できれば、あん肝はなるべく大きなサイズの物を選ぼう。
小さなサイズは脂が少ない。

あん肝の美味しい季節は、10月までは脂が薄く、11月過ぎに脂が乗ってくるが、3月になると嘘のように脂が抜けるので、食べ頃は11月~2月までだ。

早速、作って行こう。

①あん肝はよく水洗いをする。
②強めに塩を振って1時間程置き締める。
③塩を洗い流して、血菅をトゲ抜きで綺麗に取り除く。
④2㎝位の大きめに切って、塩少々と酒少々を加えて混ぜる。
⑤ラップを広げて④を乗せ、4㎝~5cmの円柱になるように巻き、両端を輪ゴムで留めるか糸で縛る。
⑥さらにその上からアルミホイルを巻く。
⑦蒸し器に入れ、20分~30分蒸して蒸し器から取り出し、冷めてから冷蔵庫に保管する。

ポイントだが、血菅を綺麗に取り除くことだ。
血管以外でも血の固まっているところがあれば、もったいないが切り取って捨てよう。

美味しい「あん肝の酒蒸し」を作るには、鮮度の良い材料(鮮度が落ちると緑色に変色する)を選ぶことと、血菅と血のまわっている部分を綺麗に取り除くことだけだ。
臭みの無い最高の味になる。

美味しい「あん肝の酒蒸し」を作ってみよう。。。


あん肝の酒蒸しと工場での思い出(3)

2008年03月14日 | 酒肴
プーケットのマグロ工場に着いても、ケーシングのことが頭から離れない。
どうしたら破れないケーシングを見つけられるのだろう?

豚や羊のケーシングも試したが、動物の腸では破れてしまう。

ビニール素材は熱に弱く、また、あん肝を詰めて外側から針で穴を開けてやっても中に気泡がたくさん出来てしまって、最終商品の品質にバラツキきが出てしまう。

食品の開発をしている友人に片っ端からメールや電話を掛けてみたが、皆も分からないという答えばかりだった。

そんな時、たまたま、携帯の電話のベルが鳴った。日本からの電話で昔からお付き合いのある包材メーカーの水沼さんからだった。

水沼さんは筆者と歳はちょうど2回り上で兄貴のような存在の人だ。たまに日本に帰る時に連絡すると呑みに誘ってくれていろいろと話を聞いてくれる。

以前、まぐろ商社に勤務していた時に冷凍マグロ柵の急速解凍袋「食べころ君」という商品を作って東急ハンズ等に販売したのだが、少ロットでの生産を引き受けてくれて、また「実用新案」を取る時には、データ取りに親身になって協力してくれた。

水沼さんからの電話はいつものように『元気でやってる?今度はいつ日本に帰るの?』というものだった。

そこで近況を報告し、破れない「ケーシング」を探している話をして電話を切ったのだが、それから1時間もしないうちに水沼さんから電話があった。

『ファイバーケーシングを使ってみてはどう?』ということだった。ハムやソーセージを製造する時に使用するかなり強度のある紙のような素材とのことだった。

サンプルを直ぐに送るということで、たまたま中国の工場の社長が日本に居たので、そこに送ってもらい工場に届くようにしてもらった。

しかし、その当時は『ファイバーケーシング』を見たこともなく、とても不安だったのだが、これが非常に優れものだった。

その後、プーケットから中国の工場に飛んで行って早速試してみたところ、あん肝をこのケーシングに入れて、両端からギューギュー絞っても決して破れないし、その状態で高温で蒸しても袋が破裂することも無かった。

さて、ケーシングさえ見つかれば、後は特に問題ない。

あん肝の血菅の掃除も、1~2秒、ブランチングすれば、血菅が浮き出ていとも簡単に取り除けることが分かった。
また、アクティバの結着時間も何度かテストをして冷蔵庫に2時間も入れて置けば良いことも分かった。

そして、2月3月とほとんど工場に居るような状況で2トンの製品を日本に出荷した。

価格は、2,500円/㎏としたが、ちょっと季節外れなのに直ぐに完売となった。

そして、その年の10月からの大手居酒屋チェーンの冬のメニューへの採用も決まり、廻転寿司チェーンへの販売も決まって、結局その年は10月~1月まで、ほとんどその工場で寝泊りしながら、15トン以上の冷凍「あん肝の酒蒸し」を生産して日本に送った。

しかし、孤独な日々だった。朝から晩まで商品を作り、工場の食堂で女工さん達と一緒に食事をするのだが、当時は中国語がまったく駄目で、皆が一生懸命に話し掛けてくれるのだが、ただ、うなずくしかなかった。

結局、この商品は翌年も同じ位の数量を作ったのだが、2年で生産を中止した。

原料となる「あん肝」の入荷が少なくなり、とても採算が合わなくなったからだ。

中国の魚市場に行くと、手のひらサイズの小さな「あんこう」が売られているのを見掛ける。

あんなに小さなサイズまで、底引き縄で根こそぎ獲ってしまったら、「あん肝」が不足するのは当然だろう。

以前にも、「これからは食料の奪い合いの時代になるだろう」と書いたが、「あん肝」に限らず、全ての海洋資源が同じようになっているのだと思う。。。









あん肝の酒蒸しと工場での思い出(2)

2008年03月13日 | 酒肴
新商品の冷凍の「あん肝の酒蒸し」の開発は、工場に試作品を作りに行く前に、以前から付き合いのある大手居酒屋チェーンや、廻転寿司チェーンの仕入れ担当者に話をしたところ、かなり興味を持ってくれた。あとは価格の問題だけだったが、小さいサイズのあん肝原料は二束三文と聞いていたこともあり、なんとかなるだというという思いで上海の工場に飛んだ。

上海の浦東空港には、また「将さん」が迎えに来てくれて、早速、工場に向かった。

工場に着いたら、以前、日本の石巻の水産工場に3年間程、実習生として行っていた「王さん」という女性が出迎えてくれたが、彼女は日本語が少し分かり、とてもまじめな人で「あん肝」作りでは、本当に戦力となって手伝ってくれた。
もし、彼女が居なかったら、冷凍の「あん肝の酒蒸し」は成功しなかっただろう。

例の河豚捌きの上手な工場長は既に居なかったが、酒癖が悪かったので、たぶんそれが原因なのだろう。

工場の社長は大連に行っていて不在だったが、3日後には戻るようだった。

上海に到着したのが既に夕方でもあり、その日は「将さん」「王さん」そして、工場の社長が居ない時の代役の「ガン副経理」と一緒に食事をしながら、生産スケジュールの打ち合わせとなった。

さて、翌朝から早速、試作を開始した。あん肝原料は20㎏程、既に工場に届いていて鮮度も良かった。

しかし、小さな「あん肝」なので、ピンセット(後からは大きなトゲ抜きに変更)では、なかなか思うように血管が取れないし、王さんも慣れていないので、1キロのあん肝原料の血菅を取り除く掃除をするのに、1時間以上も掛かってしまう。

仮に居酒屋メニューに採用になった場合には、300店舗以上あるので、季節メニューとしても、13トンから15トンの製品を作らなければならない。

あん肝のシーズンが10月から12月までと考えて、この期間に製品で15トンを作るとすると、1ヶ月に7,500㎏。これを30日で割って、1日で250㎏の生産となる。

仮に1日に250㎏の製品を作るとするとして、歩留まりを60%と考えても420㎏を1日で処理しなければならない。(実際はもっと歩留まりは悪かったのだが、その時は少量作った時のデータしか無かった)

1時間に1キロしかあん肝原料の血菅の掃除ができないと、仮に10時間ぶっ通しでやったとしても、この作業だけで42人もの女工さんが必要となってしまう。

なんとか、王さんと二人で血菅の掃除を終えて、塩と酒を加えてから2つのバットに分けて、日本から持ち込んだ2種類の結着剤(接着剤)を、それぞれのバットにまぶしてから、結着剤のメーカーの指示通リ、冷蔵庫で一晩寝かせることにした。(冷蔵庫の温度は5℃~8℃)

次の朝、冷蔵庫に行ってみると、アクティバを加えた方は前の日はかなり水っぽかったが、今日はカスタードクリームのような硬さになっていた。そのまま舐めてみたが、薬品の味も感じられずイメージ通リだ。

ミートボンドの方は、少しは硬くなっているものの、同じようにそのまま舐めてみて、直ぐに駄目だと思った。独特のエグ味がして、これは肉には良いかも知れないがこの商品には使えない。

さて、いよいよこれをケーシングに詰める作業を始める。

塩蔵の豚の腸を水の中で綺麗に洗った後で、その中にスプーンで詰めるのだが、なかなかうまく入らない。しかたなく、キッチンに行って金属製の「ジョーロ」を見つけてきて、下の方を少し切ってそれを使いなんとかケーシングに積めて、ソーセージのようにして、10㎝程の長さで両箸をたこ糸で縛る。

蒸し機の方はかなり大型で、これなら1回に50㎏以上は処理できそうだ。

台車にトレーを8枚程、水平に並べることができ、台車のまま蒸し機に入れられることができるようになっている。

蒸し機の温度は既に100℃近くになっていたので、ドアを開けて実験用のサンプルをトレーに置いて台車ごと蒸し機に入れて蒸し器のドアを閉める。

それから、時計を見ていたのだが、5分も経たないうちにとても生臭い強烈な臭いが立ち始めたので、直ぐに蒸し機のスイッチを止めてドアを開けると、そこにはケーシングが破れ、中身が飛びだしたあん肝が散乱している状況で、何よりその臭いが強烈で、しばらくは何も食べたくなくなるような、気持ちの悪い臭いだった。

実験は見事に失敗して、しばらくはボーゼンとして頭の中が真っ白になってしまった。

それから、ラップで包んでみたり、雨の日にデパートの入り口に置いてある、傘用のビニール袋に入れてのテストをしてみたが、ラップに巻いたのでは生産効率が悪く、また、均一の商品を作るのが難しく、雨傘は同じように蒸し機の中で爆発してしまった。蒸し機の温度が高いのが原因だが、蒸し器の庫内温度が高くないと一度にたくさん処理できないし、温度が低いと細菌を殺せないだろう。

いったい、どうしたらいいんだ?

結局、どうゆう手立てもなく一度引き揚げることになる。

マグロの仕事でプーケットに行かなければならない用事もあったのだが、試作品だけでも完成させたかった。工場の社長とも会わずに帰るのがとても情け無い。

そして、毎日、頭の中はケーシングのことでいっぱいだった。。。













あん肝の酒蒸しと工場での思い出(1)

2008年03月13日 | 酒肴
今回は「あん肝の酒蒸し」(あんこうの肝臓に酒と塩を振り蒸した料理)の作り方の説明をするが、この商品には食品加工での辛い思い出もあり、まずはその話からしよう。

以前、筆者がプーケットのマグロ工場に居る時に、ひょんなことから上海の浦東空港の近くの中国人経営の水産加工工場を見に行くことになった。

バンコク発、上海行きの am 02:30発のMG(中国東方航空)の飛行機の離陸が2時間も遅れて、また飛行中の大きなの揺れに一睡もできずに眠たい目をこすりながら上海の浦東空港に昼前に着いたら工場の中国人通訳の「将さん」が笑顔で待ってくれていた。

工場は本当に浦東空港からすぐ近くの、車で10分程の距離にあったが、新しい開発区なのか周りには商店も何も無い寂しい場所だった。

工場に着くと早速、中国人社長の出迎えを受け、工場内に案内されたのだが、驚いたことに工場内には何の設備もなくガラガラの状況だった。

その日の昼は、眠くてボ~っとしているところに、近くのレストラン(食堂?)に食事に行くことになり、ぬるいビールの乾杯を受けながら工場のいきさつを聞くことになった。

まず、工場に-60℃の超低温の冷凍庫があるのが不思議だったので聞いてみた。(実は超低温があるのは分かっていたので、この工場を見に来たのだが)

その社長の話では、どこか日本の商社から「中国マーケット向けにマグロの販売を一緒にやらないか?」と持ちかけられたとの事だった。しかし、その日本の商社は自分達で独自に新たに大きな工場を建ててしまって、せっかく建てたこの工場を何とか稼動させなければならないが、何をしたら良いか分からないとの事だった。(日本人だけが騙されているのではなく、中国人も騙されるケースもあることを知った。)

何とかプーケットのマグロを中国向けに販売したいとの思いでここまで来たものの、社長の話を聞くと、中国でのマグロの関税が異常に高い上に、COマグロという質の悪いマグロに一酸化炭素ガスを吹きかけて赤く発色させた安価なマグロが既に中国国内にたくさん流通していて、マグロではとても中国では勝ち目は無さそうだ。

そこで、水産物でどんな原料をたくさん集められるか、明日、工場で原料を見せて欲しいという話を伝え、その日の夜の食事でも乾杯の洗礼を受けたが、早めに帰してもらい工場の2階の一応は客室?で爆睡ということになった。

次の日、工場のスタッフが朝食ができたと呼びにきてくれて、工場の食堂で朝飯を食べた。若布が少し入った水のようなスープと、瓜と卵の炒め物だったが、その時はまだ、これから何度もこの工場に来て、この料理を何度も食べるようになるとは思ってもいなかった。

朝飯が終わってから白衣に着替えて工場に入る。(何も設備が無いのだから白衣を着る必要もないのだが、いつもの習慣だ。


工場に届いていた原料は、河豚、あんこう、あん肝、だった。確か11月頃だったからこれだけしか集まらなかったのだろう。

工場長だという背の高い男が出てきて、まず、この河豚を捌き始めた。
それが、けっこうな包丁さばきだったのだが、解体が終わった後で、日本向けの河豚の加工品の輸出はこの工場では無理なことを社長に伝え、身の方は良く洗えば食べられるが、内臓は天然だと毒があり危険なので庭に埋めてもらうよう話をした。

そして、今度は自分であんこうを解体して、身は小さく一口大にし、あん肝は血菅を取り除き掃除をして工場のキッチンに持ち込み、あんこうの唐揚とあん肝の酒蒸しを作って、それを昨夜と同じ料理店に持ち込んで、工場の社長と工場スタッフ達と一緒に、また宴会となった。

しかし、中国人の「乾杯!」という習慣だけは、きっとこれから何十年経っても変らないのではないだろうか?
こちらが一人で相手がたくさんでは、どう見てもこちらが不利だろう。

あんこうの唐揚とあん肝をつまみに飲みながら社長の話を聞くと、あんこうの冷凍は日照市の友人が経営している工場の冷凍庫に200トンの在庫があるという。

また、あん肝は、中国の舟山など3箇所の漁港から入手でき、社長も既に日本に毎年、60トン以上も空輸していると言うではないか。
また、荷が多い時には相場も急落し、小さいサイズは日本に送っても値が付かないので現地で二束三文で売られるいると言う。

「もし、小さいサイズを結着して製品まで作ったらどうだろうか?」

という考えが浮かび、翌日は工場であん肝の加工に必要な物、設備と工場の作業レイアウト等の図面を書いて、そのまま一度日本に急いで帰ることにした。

念の為、工場にはかなり細かく加工に必要な物のリストを渡した。

あん肝を蒸す為の大型の蒸し器、作業台、真空包装機、それから、あん肝の血管を取り除くピンセットから、必要なプラスティクのトレーの枚数まで細かく指示をして日本に帰ってきたのだが、思った以上に工場側の対応は早かった。

1月初旬には、既に全部用意できたとの連絡が入った。

日本はお正月だが、中国は旧暦なので、1月1日位しか休まないだろうし、中国の突貫工事は仕事は手抜きが多いが本当に早い。

こちらは、まず日本で類似品があるかどいうか調べてみたが「あん肝の缶詰」はあるが、最終商品を冷凍したものは見つからなかった。
また、あん肝は築地市場では高い時には、生のままで1キロが2,000円以上もする時があり、北海道物では4,000円以上もする。ということが、築地の荷受の友達からの情報で分かった。

もし、中国から値が付かないので日本に送らない小さいあん肝を使って、最終商品(カットすれば直ぐに食べられる商品)を作ったら必ず勝算があるはずだ!

当時、とても胸が高鳴っていた。製造フローは、こうだ。

あん肝原料を水洗い後に、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム(次亜)で殺菌して、塩を振り、再度、水洗い後に水切りをし、血菅をピンセットで取り除き、ソーセージを作る時のように豚か羊の腸に積めて、20分間蒸してから冷却し、皮(腸)を取り除いてから、軽量してサランラップに包み冷凍し、その後は真空包装すればよい。

原料には小さいあん肝ばかりを使うので、念の為に結着剤として千葉製粉の「ミートボンド」と、味の素のアクティバも用意することにした。どちらも粉末の結着剤だ。
結着剤とは、くず肉とくず肉を貼り付けてステーキにしたり、魚等の身と身を貼り付ける接着剤のような物だが、以前「骨無し魚」で、太刀魚を半身に卸して中骨を取り、再度、身と身を貼りり付けて元の形にする商品を作っていた時にたくさん使ったことがあるので、メーカーの知り合いの担当者に連絡すると、翌日には直ぐにサンプルが届いた。

ソーセージ用の豚か羊の腸は、東急ハンズにでも行って趣味の「手作りソーセージ」のコーナーに行けば、取りあえず実験用のサンプルが入手できるかも知れないと思ったのだが、その前に工場から既に現地で調達したとの連絡が入った。

直ぐに、旅行会社に電話をして、3日後の上海行きのチケットも準備した。

頭の中では既に製品のイメージも出来上がっていて、後は大量に作る方法を見つけるだけだ!

そういう気持ちで勇んで工場に飛んで行ったのだが、その時は、これから待ち受ける失敗の連続など思ってもいなかった。

続きは次回にしよう。。。












海外の寿司について思うこと

2008年03月11日 | 寿司・お造り
jjkenさんからのコメントもあり、今日は海外の寿司について思うことを書こう。

筆者は今から25年程前に、南米のべネズエラという国の首都カラカスの日本料理店で働いていたのだが、当時はまだアメリカでもそれほど寿司が認知されていない状況で、ましてベネズエラ人が寿司を食べるなど考えられないような状況だった。

お店に来て寿司を食べるお客さんは、ほとんどが日本人の駐在員か、または日本に行って寿司を食べたことのある外国人のエグゼクティブだった。

若いアメリカ人の当時ヤッピーとか呼ばれていた連中が、昼間からビールを飲んで寿司を注文するのだが、日本では商談でも昼間からビールを飲むという習慣は無かった時代で、アメリカ人は凄いなと憧れのように感じたものだ。

ただ、寿司(生魚)は、当時は彼らにも抵抗があったようで、決して美味しそうに食べてはいなかった。「俺はこういう店でいつも寿司を食べているんだ!」と、ちょっと背伸びをしているようにも見えた。

そのアメリカが今は、もの凄い寿司ブームと聞く。

全世界に寿司店なるものが約2万軒あるそうだが、その半分の1万軒がアメリカにあるそうだ。

日本の寿司バーがアメリカに渡り、「カリフォルニアロール」や「ドラゴンロール」それに「スパイシーツナロール」と言ったアメリカ独自のロール寿司も数々生まれ、中にはソフトシェルクラブを唐揚げにして巻いた、「スパイーダーロール」なるロール寿司もあるが、高価な生魚以外の材料も使うことで価格も安くなり、ヘルシーなイメージも加わり、寿司ブームが起こったのだろう。

ただし、ウナギとアボガドをマヨネーズと一緒に巻いた、「ドラゴンロール」のどこがヘルシーなのかと疑問もあるが、いろいろな寿司が世界に広まって行くのは良いことなのではないかと思う。



うちの店では、寿司は写真のように、すべて白い器に持っているが、それは皿を白のキャンパスとしてとらえれば、自分の好きなデザインをすることができるからで、特にマグロの赤色が一番冴えると思う。

ロール寿司も20種類程あるので、別の機会にまとめて紹介したいと思う。

さて、タイのバンコクだが、前の店でも寿司カウンターがあり、寿司のメニューもあったので、あまり他店を食べ歩いたことはないが、OISHIグループというタイ人向けの日本料理店を展開している会社の「SHABUSHI」という廻転寿司の店には勉強の為に何度か行ったことがある。

「SHABUSHI」という店名は、「しゃぶしゃぶ」と「すし」を掛け合わせた造語のようで、店内では文字道理、カウンターに座って廻転寿司のレーンから流れてくる「握り寿司」と「しゃぶしゃぶの具」の皿を選んで、しゃぶしゃぶはカウンターに1席に1個づつ埋め込まれた小鍋で調理するのだが、いつも店内はタイ人と海外からの観光客でいっぱいだ。

もちろん、握り寿司のネタにはマグロなどは無くて、サーモン、とびっこ、カニかま、海老、玉子、イカなどしか廻ってこないし、しゃぶしゃぶの具も、レーンの最初の方に座らないと肉にはありつけない有様なのだが、本当にいつもお客さんで賑わっている。

価格は確か90分の食べ放題で200バーツ(600円)程だったと記憶しているが、この価格で寿司としゃぶしゃぶが食べられれば、タイの若者も行けるだろう。

このOISHIグループは、今ではペットボトル飲料(お茶)や、お菓子の分野にも進出していて、特にペットボトルのお茶はタイでのシェアの1/3になったと聞く。

タイのお茶を4年ほど前に最初に飲んだ時にはビックリだった。とにかく歯に染みる程甘いのだ。

しばらくして、このOISHIグループが甘いお茶と、甘く無いお茶のペットボトルも商品化してくれたので、今ではタイ人も甘く無いお茶を飲む人が多くなっている。ところが、日本のメーカーがタイで販売しているお茶はあまり好まれていないようだ。やはりマーケティングがへたなのだろう。
日本の味そのままを海外に広めるより、食では現地に合う物に変えることも必要なこともあるだろう。

筆者が大連の今の店に来てから、約1年程で今ではある程度の繁盛店にすることができたが、最近、大連にも日本料理店の出店ラッシュで、わずか4000人程しかいない日本人駐在員と家族で150軒以上の日本料理店はさすがに多過ぎるだろう。

もっと、中国人が普通に来てくれるようなカジュアルな店を来年には出したいと考えている。(その前に、東京の店のOPENが5月中旬になったようなので先だが。)

日本料理の良いところは残し、アメリカで寿司が広まったように、中国人の大好きな日本料理を広めたい。

ただし、無駄なパフォーマンスだけはやりたくないと思っている。

アメリカでは服に電飾を付けて踊りながら寿司を握っている店があると聞く。

少し前まで、うちの店の寿司カウンターのスタッフにも、体をくねって大きなパフォーマンスをしながら寿司を握る中国人スタッフが居たが、何度注意しても直らないので辞めてもらった。

寿司カウンターのスタッフには、『お客様を見て寿司を一口で食べられなかったら次ぎからは、少し小さめに握るように。また、箸で召し上がるお客さんの握りは固めに、手で食べているお客さんの握りは柔らかめにするように』何度も言ってはいるが、やはり大陸的な考えの中国人には、パフォーマンスの方がお客さんも喜ぶし、何よりその方が自分もカッコいいと思う連中が多いようだ。
まだまだ、先が長いと感じてしまう。

今日は、jjkenさんのコメントでタイがとても懐かしく感じた。

ありがとう。。。







豚の角煮にはお酒をたっぷり使おう

2008年03月10日 | 酒肴
今回はうちの店の「豚の角煮」を紹介することにする。

この料理の大好きな常連さんも多く、焼酎などとの相性も良いようだ。

さて、料理のポイントだが、お酒をたくさん入れて煮ると、驚くほど柔らかくなる。沖縄にもラフテーという郷土料理があるが、これも豚のバラ肉をたっぷりの泡盛を入れて煮た沖縄風の豚の角煮だ。

尚、材料の豚バラ肉のブロックだが、できれば皮付きを用意しよう。
出来上がりが飴色で綺麗で、コラーゲンもたっぷりで健康にも良いだろう。

店では1度に5㎏程を仕込むが、今回は1㎏のレシピとした。これでも分量が多ければ、冷凍しておいてラーメンのトッピング等に使うのも良いだろう。

材料:
豚バラ肉 ブロック     1kg
ネギの青い部分・生姜  少々

日本酒         お玉で3杯
醤油           お玉で1杯
砂糖           お玉で1/2

作り方:
①肉の下処理
豚バラ肉のブロックのかたまりを皮を上にして置き、ガスバーナーで皮を炙って、皮全部を真っ黒く炭のようになるまで焦がすようにして焼く。

流水で洗いながら、タワシで焦げた部分を綺麗な飴色になるまで擦る。

②鍋で煮て行く
大きめの鍋に①をかたまりのまま入れ、肉にかぶさる位の水と、ネギの青い部分と生姜のスライスを入れ、たっぷりの日本酒を入れて強火に掛ける。(肉を小さく切ると柔らかく煮るので煮崩れてしまう。)

鍋が沸騰したら、火を弱めて4時間~5時間、じっくり煮て行く。
途中で足し水を加えながらアクをこまめに取り、竹串がス~っと刺さるようになるまで煮て火を止める。

冷めたら肉をスープと一緒にボールかバットに移して冷蔵庫に入れる。

③脂を取り除く
一晩冷蔵庫に入れると、表面に脂の層ができているので、綺麗に取り除く。

④肉を取り出し5cm~7㎝幅に縦に切る(角のブロックにはしない)

⑤味を含めて行く
スープを漉して鍋に入れ④の肉と砂糖、醤油を加えて強火に掛けて、スープが沸騰したら弱火にする。
甘いのが好きな人は砂糖を多くすればよいだろう。醤油は一度に入れずに味を見ながら少しづつ加えるようにしよう。

⑥このまま1時間程じっくり煮詰めて行けば完成だ。

さて、お店では最後の煮詰めは薄めにして、プラスティック容器に入れ、冷蔵庫に保管している。

オーダーが入ってから肉を角切りして、レンジで少し温めから鍋に入れ、タレとお湯も少し足してもう一度煮込んで、味を整えてからお客様に出している。
つやが欲しければ「みりん」を少し加えよう。

付け合せの野菜は「ししとう」があれば相性が良いが「さやえんどう」等でも良いだろう。

ピリっと辛い「和からし」を添えるのを忘れないようにしよう。

尚、この料理の味付けの時に「八角」(ハッカク)や「桂皮」(ケイヒ)等の香辛料を加えると「トンポーロ」になる。

日本酒の代わりに紹興酒を使うとより中華の味に近くなるだろう。

箸で切れるような「豚の角煮」を是非、つくってみて欲しい。。。












マグロの焼肉と、辛味噌を紹介しよう。

2008年03月09日 | マグロ料理
今回はうちの店のマグロ料理の中でも人気メニューの「マグロの焼肉」と「辛味噌」を紹介しよう。

できれば、マグロは刺身で食べない部分を使用するとよいだろう。
うちの店では生食用の鮮度の良い「マグロのホホ肉」を使っているが、血合いの部分をよく水でさらして使ったり、鮮度が落ちて色が変わったマグロの柵などを使うのもよいだろう。

肉と絡めるタレは甘めなので、一緒に辛味噌を付けて食べると味にアクセントが付く。韓国焼肉のように「サンチュー」に、このマグロ焼肉を巻いて食べると格別に旨い。

このタレにはコクを出す為に「豆鼓」(ドウチー)とゴマ油を使っているが「豆鼓」は無ければ入れなくてもよい。

タレの配合はいつものように、お玉が基準だ。

材料:
マグロのホホ肉      2枚
万能ネギ (小口切り)  大匙3
サンチュー         5枚
白胡麻(当たり胡麻)   少々
ゴマ油           少々

タレの配合:
赤味噌           お玉1
砂糖            お玉1
醤油            お玉2
豆鼓 (みじん切り)   お玉1/4
みりん           お玉1/4
豆板醤          少々
ごま油          少々
にんにく(すりおろす)  少々
一味唐辛子       少々

辛味噌の配合:
赤味噌          お玉2
さとう           お玉1
醤油            お玉2
玉ネギ(みじん切り)   少々
一味唐辛子        お玉1/4からお好みで

さて、まずはタレだが豆鼓はあらかじめ包丁でみじん切りにしておく。当たり鉢を用意し赤味噌と砂糖と豆鼓を入れ、醤油とみりんを加えながら伸ばして行く。
最後に、豆板醤とにんにくと一味唐辛子を好みで加える。

次に辛味噌だが、鍋に配合の材料を全部入れて、弱火でじっくり煮て行こう。一味唐辛子を多めに入れるとピリっとした辛味噌になる。

さて、調理に取り掛かるとする。

①マグロのホホ肉を一口大に切り、流水にさらしてよく洗い、フキンやテイッシュペーパーで水分を拭き取る。
②フライパンを熱し、ゴマ油小匙1~2を敷き香りが出たら①を入れて炒める。
③肉に火が通ったら、タレをお玉で1/2から1杯分加えて更に炒める。(タレが焦げないように注意)
④皿の後ろ側にサンチューを並べ、手前側に③を盛り上からネギと当たりゴマを散らす。
⑤辛味噌を大匙1程、皿に添える。

タレと辛味噌だが、1回に使用する分量より多いが冷蔵庫に入れておけば日持ちがする。マグロ以外にも豚のスペアリブなどをこのタレで焼いて食べると旨い。

また、サンチューだが大連の市場では見掛けないので、サニーレタスで代用しているが、サラダ菜などでも良いだろう。

今回はフライパンで焼いたが、魚焼きを使い直火で焼けば更に旨くなる。ただし、タレの糖分が多いので焦げないように注意しよう。

この料理は以前居たタイでもタイ人に好評だったし、中国人にも好評だ。

マグロの刺身以外の食べ方を外国人に紹介して、皆が喜んで食べてくれる顔を見るのはやはり嬉しいものだ。。。






酢〆のポイントについて説明しよう

2008年03月08日 | 寿司・お造り
今回は酢〆に付いて話をしよう。

うちの店では、サバのバッテラの他に写真のように「サバの棒寿司」も出しているが、食べ応えもあるしお土産用としても人気の商品だ。

サバの新鮮な物が大連では入手できないので、ノルウエー産の冷凍のサバを使っているので脂が多いが、この味もなかなか行けるのではないかと思う。

この〆サバを使い、つまみとして「炙り〆サバ」という商品もメニューに加えてある。

〆サバの薄皮を剥いて、バーナーでさっと炙ってから刺身にするのだが、〆サバをそのまま食べるのとはまた別の味わいがあり、焼酎に合うようで、よく出ている商品だ、

今回はサバとコハダを酢〆にするが、大連で入手できるコハダはやや大きめで、コノシロのサイズに近いものだ。

さて、まずはサバから行こう。

①サバを3枚におろす。(腹骨は取らない)
②サバをザルに並べて両面にたっぷりの塩(強塩)をして皮の方を下にして3時間程置く。(夏場の暑い時には冷蔵庫の中に入れよう)
③バットに(米酢7:3水)をたっぷり入れる。
④3時間経ったら②で塩をしたサバを流水でよく塩を洗い落としてから、水切りをして③に60分程漬け込む。
⑤サバを取り出し、フキンやキッチンペーパーで表面の水分を拭き取る。
⑥腹骨を包丁ですき、骨抜きで中骨を取り除いて、薄皮を剥く。

さて、ポイントだが、米酢を水で割ってやることだ。

または、水を入れる代わりに「氷」を浮かべてやってもいいだろう。

米酢100%に浸けるより、酢の角が取れてまろやかな味になる。

尚、生の新鮮なサバを使う場合には、塩を当てる時間は1時間もあれば十分だ。酢で〆る時間も20分~30分でよいだろう。血合いの色を綺麗に残そう。

次は「コハダ」だ。

①コハダを腹開きにして腹骨をすき取る。
②コハダをザルに並べて両面にうっすらとまんべんなく塩をして、皮の方を下にして30分程置く。(夏場の暑い時には冷蔵庫の中に入れよう)
③バットに(米酢7:3水)をたっぷり入れる。
④30分経ったら②で塩をしたコハダを流水でよく塩を洗い落としてから、水切りをして③に15分漬け込む。
⑤コハダを取り出し、フキンやキッチンペーパーで表面の水分を拭き取る。

コハダの場合にも、〆サバの時と同じように米酢を水で割ってやろう。

ポイントは、その日に使わずに一晩冷蔵庫で寝かしてから使おう。
塩と酢がなじんで甘みのある味になる。

さて、次回は何をつくろうか?

マグロ料理?中華?酒肴?

何かリクエストがあったら連絡をして欲しい。。。




穴子をふっくら煮てみよう

2008年03月07日 | 寿司・お造り
今回は「穴子」を煮てみよう。

大連では今は一年中活けの穴子があるので、毎日仕入れて店内の生簀に移し、いろいろな料理に使っている。

煮穴子はあらかじめ仕込みをしておくが、穴子の刺身や穴子の天ぷら、白焼き等はオーダーが入ってから活の穴子を捌いて調理をしている。

実は大連に来て生まれて初めて穴子の刺身を食べた。

大きなサイズの穴子があったので薄造りにしてみたのだが、河豚に引けをとらない味でビックリした。プリプリした食感がなかなかいける。

ポン酢と刺身醤油で試してみたが、わさびを少し乗せて刺身醤油がだんぜん旨い。

ぜひ、穴子の刺身を食べてみると良いだろう。

さて、それでは穴子を煮て行こう。

調味料の配合だが、いつも通リ「お玉」が基準だ。

材料:
活け穴子 2㎏
穴子だし 2,300cc(頭と骨を焼いて出しを取る)
酒     お玉で1杯
砂糖   お玉で2杯
醤油   お玉で4杯
みりん  お玉で2杯

①まずは活きた穴子を割いてしっかり洗う。背びれと腹びれも取り除こう。
②まな板の上に①の穴子を皮を上にして並べ、上から熱湯を掛けて皮が白くなったら、直ぐに冷水に取る。
③穴子の皮についている「ぬめり」を包丁の背などでしっかり取り除く。
④頭と中骨をよく洗い血を取り除いて、カリッとなるまで焼いてから出汁を取る。
⑤鍋に④の穴子出汁、酒、砂糖、みりんを入れて火に掛ける。注:醤油を入れない
⑥穴子を一本づつ鍋に入れて行き、まずは醤油を入れないで10分煮る。
⑦次に醤油を加えて更に10分煮る。
⑧火を止めて、穴子が取り出せる温度になったら、身を崩さないように注意しながら引き揚げて、ザルに並べてつゆ切りする。

さて、このタレだが2度めに使用する時には、酒をお玉で4杯加える。一度目の時の穴子のエキスが出ているので、頭や骨を入れる必要は無い。

2度目のタレだが、これを半分まで煮詰め「中づめ」とする。このタレを温めて、鍋から引き揚げた穴子をさっとくぐらせて使うのも良いし、穴子丼にしても旨い。

そして、このタレを更に煮詰めて醤油と砂糖を足すと「本づめ」となる。
最後にタレの表面に紙を置いて、余分な脂とアクを取り除くと艶のある「ツメ」になる。

尚、煮上げた穴子だが、冷めてから1本づつラップに包んで冷蔵庫で保管しよう。できれば2日~3日で使い切ってしまうのが良い。

さて、次回はコハダとサバの酢〆の仕方について説明しよう。。。