マグロチャンピオンの料理道場

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回鍋肉の肉は弱火でじっくり焼こう

2008年02月16日 | 中華料理
今回は「回鍋肉」を作るが、この料理は日本で食べるとがっかりすることが多い。

回鍋肉は日本語では「豚肉のみそ炒め」となるようだが、どの店も甜面醤が多くて甘い味なのでご飯が進まない。

もともと回鍋肉は四川の家庭料理でかなり辛い味だ。
そして、日本のようにキャベツは使わずに葉にんにくを使うのだが、陳建民さんが当時、日本では葉にんにくが入手できなかったので代わりにキャベツを使ったのが始まりと聞く。豚肉とキャベツの組み合わせはとても良いので、陳建民さんのレシピが定着し、日本では回鍋肉と言えば、豚肉とキャベツという組み合わせになったのだろう。実際、春キャベツを使った回鍋肉は本当に美味しいと思う。

また、回鍋肉の名前の由来だが「回」とは中国語では帰るという意味で、豚のバラ肉の塊を茹でるか蒸してから薄くスライスして、鍋でじっくり焼いて、一度鍋から取出し、その後で調味料と野菜を炒めてから、もう一度肉を鍋に帰すので回鍋肉と言われるようだ。

ご飯と一緒に食べる時でも、酒のつまみでも回鍋肉は、やはり辛い方が美味しいと思うので、少し辛めのレシピを紹介するが、泡椒という青唐辛子の酢漬(ピクルス)を加えると酸味も加わり、とてもバランスの取れた味になる。
泡椒が手に入らなければ、唐辛子のみじん切りを少量加えると良いだろう。

今回も酒醸を使うが、唐辛子の辛さを抑え、程よい甘さとコクを与えてくれる。酒醸も日本で入手が難しければ酒で代用しよう。

材料:
豚のバラ肉の塊       200g
キャベツ(一口大にちぎる)200g(芯は叩くかスライス)
白ネギ(廻しながら乱切り) 1/3本
葉にんにく(3㎝に切る)軽くひとつかみ(ニラでも良い)
にんにく みじん切り    小匙1
生姜   みじん切り    小匙1

調味料:
豆板醤           大匙1
酒醸             大匙1
泡椒(粗めのみじん切り) 大匙1
豆鼓(みじん切り)     小匙1
甜面醤            大匙1
紹興酒又は日本酒     大匙1
醤油            小匙1
砂糖             小匙1
塩・コショー          少々        

さて、調理に取り掛かるとしよう。

まず豚のバラ肉を茹でる。

①鍋に湯を沸かし豚のバラ肉の塊と、ネギの青い部分と生姜のスライス1片を入れ30分~40分程煮る。肉は必ず湯から入れるようにしよう。水からだど旨みが全部スープに出てしまう。(竹串を刺してスーっと刺されば、肉を引き上げ冷ます)
②肉が冷めると切りやすくなるので、3㎜位にスライスする。

次にキャベツだが日本の中華料理店では油通しをしているようだが、キャベツの油通しの為だけに、たくさんの油を用意することもないだろう。さっと茹でるのも良いだろうが、うちの店では強火で鍋に大匙1の油を入れ、キャベツは炒めている。途中で酒を振り掛け、塩・コショーを加え、シャキッとしているうちに鍋から取り出して、小皿やバットに移す。

味付けに入ろう。

①鍋を火に掛け、スライスした肉を鍋に並べて弱火で両面をじっくり焼き、肉の表面が硬くなってきたら鍋から取り出して小皿かバットに移そう。(余分な脂をここでしっかり抜くのがポイントだ。)
②鍋はそのままで、サラダ油を少し加えて弱火でニンニクと生姜のみじん切りを炒め、次に豆板醤、甜面醤を加えて炒める。
③酒醸、泡椒、豆鼓を加え更に炒める。
④香りが立ってきたらネギを加えて炒め、炒めておいたキャベツを加えて強火にして更に炒め、肉を鍋に帰してから、紹興酒(酒でも良い)を振り掛け、砂糖、コショー、醤油を加え、味を見て塩で味を整える。
⑤葉にんにく(ニラでも良い)を加えて火から下ろし皿に盛る。

今まで3回に分けて四川料理を紹介してきたが、もう少し続けてみよう。

次回は、渡り蟹の春雨煮を紹介する。。。

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