マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

オカラを使った料理

2011年08月05日 | 豆腐料理
台風が上海に接近しているようで昨日も雷が鳴り大雨が降ったが、今日は朝から快晴でとても暑いが、明日あたりには台風が上陸して天気が荒れるのだろう。

日本では台風に名前を付けることはないが、中国では台風に名前を付けるようで、今回の「台風9号」は中国では「梅花」という名前のようだ。

まア、日本のように台風の多い国で、いちいち台風に名前をつけていても誰も覚えられないだろうが。

さて、今回は「オカラ」を使った料理を紹介しよう。

豆腐を作ると大量の「オカラ」ができるが、オカラは「食物繊維」や「カルシウム」をたっぷり含んで、たんぱく質や炭水化物、カリウムにも富んだ食材だ。

今回は「オカラ」を使った料理を幾つか紹介するが、おからには「卯の花」や「きらず」などの別名がある。

「卯の花」はおからの白い色が初夏に白い花を咲かせる「卯の花」の色から名付けられたようだが、「きらず」は漢字では「雪花菜」と書く。なぜ、「雪花菜」と書くかは分からないが、「きらず」は文字どおり調理のときに包丁を使う必要がないことから付いた名前のようだ。

オカラという名前は、絞りかすの意味の「殻→空(から)」に丁寧語の「御」をつけたようだが、縁起をかついで「卯の花」や「雪花菜」(きらず)と言うようになったようだ。

同じように、「するめ」のことを「あたりめ」と言うが、これは「するめ」の「する」が財産を使い果たすことに通じるので「あたりめ」と言うようになり、また、調理道具の「すり鉢」も「あたり鉢」と言うが、これと同じ心理だ。

さて、また話が長くなってしまったので、早速「オクラ料理」を幾つか紹介しよう。

まずは「オカラの炒り煮」(卯の花)だ。


<材料>
オカラ  300g
玉ねぎ  1/2本
しいたけ 3枚
にんじん 1/2本
ゴボウ  約20㎝
枝豆   少々
ネギ   少々
海老   300g 又は「豚ひき肉」300g

<調味料>
そば用の麺つゆ 適量

<作り方>
①  オカラを乾煎りする。(全体量の2/3位になる程度)
②  玉ねぎはスライス。ニンジン、しいたけは千切り、ゴボウはささがきにする。
   (豚ひき肉の場合にはフライパンで焼で炒める)
③  ③に麺つゆを入れて、1のオカラも加えて煮ていく。
⑤  海老も加えて水気がなくなるまで煮つめる。 
⑥  火を止めてネギの細切りと枝豆を入れて混ぜる。

この料理のポイントはオカラをしっかり「乾煎り」することだ。
「乾煎り」をすることで、味の染みやすくなるのと、オカラのボソボソした食感がなくなり喉越しがよくなる。

さて、次の料理は「オカラのサラダ」だ。ポテサラをオカラで作ったと思えだば簡単だ。

<材料>
オカラ  300g
玉ねぎ  1/2個
キューリ 1/2本
にんじん 1/2本
海老   300g 

<調味料>
マヨネーズ      大3
EXバージンオイル 大2  
酢           大1/2
塩・コショー      少々 

<作り方>
①玉ねぎはスライス、キュウリは小口切りし、軽く塩を振りしばらく置いてからギュ~と水分を絞る。
②ニンジンは茹でてから、いちょう切りにし、海老はボイルする。
③オカラに①と②を加え、調味料も加えてよく混ぜ合わせ、塩・コショーで味を整える。

もう一品、「オカラのコロッケ」だが、「オカラの炒り煮」を具としてそのまま使っても旨い。

オカラとじゃがいものコロッケ
<材料>
オカラ     300g
じゃがいも   3個
合挽き肉   300g
たまねぎ    1個  
バター     適量
塩・コショー  少々

<衣>溶き卵、小麦粉、パン粉

<作り方>
①玉ねぎはみじん切り、じゃがいもは皮をむき一口大に切って電子レンジで加熱し、すりつぶす。
②フライパンを火に掛け、バターで玉ねぎと合挽き肉を炒め塩・コショーで味を整える。
③オカラと①と②を混ぜ合わせバットに広げて冷ます。
④手のひらで小判型まとめ、に小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつける。
⑤170℃~180℃の油で揚げる。付け合わせ野菜は「キャベツの千切り」などお好みで。

オカラを使った料理では「ビスケット」等、他にも手軽にできて美味しい料理がたくさんある。

今回は雨の日に写真を撮ったので、写真がかなりピンボケになってしまった。

今度、写真を取り直そうと思うので、その時に今回とは別の「オカラ料理」も一緒に紹介しよう。


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木綿豆腐と絹ごし豆腐の違い

2011年08月04日 | 豆腐料理
「木綿豆腐」と「絹ごし豆腐」はどう違うの?

と質問すると、「絹ごし豆腐」は豆腐を絹でこし、「木綿豆腐」は木綿でこすので、絹ごし豆腐は木綿豆腐よりなめらかでツルンとしていると答える人がけっこう多いようなので、まずは、「絹ごし豆腐」と「木綿豆腐」の違いを説明しよう。

木綿豆腐はその名のとおり木綿でこすので表面にはザラザラした布目がついていて少しかたくて弾力がある。
木綿豆腐の作り方は、豆乳にニガリを入れて固めた後一旦くずして、木綿布を敷いた穴のあいた型箱に注ぎ、重しをして余分な水分を除き水中に入れる。表面に布目がついているのは、この型箱にこし布(木綿)を敷くからだ。

逆に絹ごし豆腐は豆乳にニガリを入れて固めた後は、穴のない型箱に濃いめの豆乳を入れ、そのまま固めるので布目がつかない。
では、なぜ、「絹ごし豆腐」と言うのかだが、この豆腐のツルリとした舌ざわりからついた名のようだ。

今回は、「木綿豆腐」の作り方について話をするが、一回に作る分量をスーパーのパック豆腐の2~3丁分と少なくしたので、自宅でも作ってみて欲しい。型箱は「東急ハンズ」に行けば入手できるし、「手作り豆腐キット」等でインターネット検索すれば通販などでも購入できるようだ。

<豆腐作りに準備するもの>


◆材料
①大豆 300g   3倍の水にひと晩つけておく
②にがり液    12.5mlをお湯50㏄で溶かす。

◆道具
③ミキサー   
④鍋        寸胴鍋やパスタ用の鍋(深鍋)
⑤ボール      大き目のもの
⑥温度計
⑦計量カップ
⑧型箱
⑨布袋       豆乳を絞る為に使う
⑩穴あきお玉
⑪木べら
⑫ゴムべら

    さあ、大豆からの「豆腐」をつくってみよう。

1)大豆とつけ水ごと3回にわけ、ミキサーに2分かける。このドロドロのペースト状を(生呉 なまご)という。

ミキサーにかけ過ぎると豆腐は大きくできるが柔らかい。かけたりないと豆腐がバラバラになりやすい。

2)寸胴鍋に1300㏄の水を煮たて生呉を入れる

ミキサーの中にゆすぎ水200㏄を加え、残りの生呉も全部鍋に入れる。


3)焦げつかないように木べらでかき混ぜながら沸騰させる。

写真のように沸騰したら一度火をけす。

4)再度、火にかけ鍋底をかきまぜながら焦げないよう弱火で10分間煮る。


5)この煮汁を熱いうちに布袋の中にいれてかたく絞る。


とても熱いのでやけどに注意!さえ箸などを使って絞るとよい。

写真左が豆乳で、袋で絞ったカスが右のオカラ(けっこうたくさんある。)

6)豆乳を鍋に入れ火に掛けて80℃の温度まで温める。


7)80℃まで温度が上がったら火を止め「にがり液」を加える


8)鍋の下の方を1~2回、そして、全体を2~3回、大きくかき混ぜる。

※まぜ過ぎると固い豆腐になるので注意する。

9)フタをして15分程待つ。


15分後の鍋の中の状態(豆乳を固めただけの、この状態が「絹ごし豆腐」だ。)

10)型箱を準備する


11)型箱に穴あきお玉で固まった豆乳をすくい入れる。

(そのまま布を敷いたザルにあげて冷ますと「ザル豆腐」になる。)

12)上方を布の端でおおいかぶせ、約1㎏の重しをして15分おいて水を切る。)


13)木箱のまま水に入れる。



14)30分程 水にさらす。


    これで美味しい「自家製豆腐」の出来上がりだ!おつかれさま

15)早速、うちのスタッフ達が味見(冷や奴)





さて、「豆腐作りのポイント」をまとめておこう。

豆腐作りのポイントは豆乳の濃度とにがりを入れる時の温度管理と、にがり液を入れたらあまりかき混ぜないことだ。

①大豆の量と水の量を正確に計ること。
②にがりを溶かすときはぬるま湯で溶かす。(冷たいと豆乳の温度が下がって固まらない)
③豆乳の温度は75℃~80℃の範囲でにがりを入れる。
④ニガリを入れたらあまりかき混ぜずフタをしてじっと放置する。

豆腐は出来たてが一番美味しい。

そして、豆腐は大豆とにがりと水の3つがあれば、手順を間違わなければ簡単に自宅でも作ることができる。

ぜひ、豆腐作りに挑戦してみてほしい。

尚、豆腐を作ると豆腐と同じ位の量のオカラが残ってしまうが、捨ててしまうのはもったいないし栄養価も高く、健康にも良いので、次回は「オカラ」料理のレシピを幾つか紹介しよう。


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冷や奴と蒸し奴(今出川豆腐)

2011年06月28日 | 豆腐料理
今日の上海も朝から蒸し暑いが、暑い日によくお客様が注文するのは「とりあえずビールに枝豆」に、それから「冷や奴」も夏には必ず売れる商品だ。

聞くところによると、「冷や奴」がなぜ奴なのかと言うと、昔、大名行列の先頭の方で槍を持っていた人を「奴」と呼んでいたようで、彼らの着物に描かれていた「紋」が四角くて豆腐に似ていたので、豆腐を奴と呼ぶようになったらしい。冷やした奴だから「冷奴」となるわけだ。

さて、東洋医学では、食品を「陰性」「陽性」「平性」の3種類に分類していて、「陰性」の食品には、火照った体の熱を取る作用があり、エアコンなど無かった時代は、暑い日にはそれら「陰性」の食品を冷やして食べることで涼をとっていた。

「陰性」の食品には夏の定番の「冷や奴」、「ざるそば」などがあり、そして夏が旬の野菜では、トマトやキューリ、枝豆、、なす、スイカ、、ゴーヤなどがある。

ただ、あまり体を冷やす食べ物を摂ると夏バテしてしまうので、体を温める作用のある、生姜、ネギ、胡麻、山椒、わさび、辛し等や、刻んだミョウガや大葉シソ等の薬味をたっぷり添えてあげるといいだろう。

さて、今回は「冷奴」の他に、「蒸し奴」(今出川豆腐)のレシピを紹介しよう。

1)冷奴

良く冷やした豆腐に、同じ良く冷やした麺つゆに薬味をたくさん添えて
作り方:
①小鉢にの中によく冷やした「絹ごし豆腐」を小鉢に入る大きさに切って置く。
②豆腐の上面いっぱいに白ゴマと、おろし生姜を盛る。
③天かす(天ぷらを揚げた時の揚げ玉)を②の上に盛る。
④かつおぶし、千切りにした大葉を③の上に盛り、天(トップ)に刻み海苔を盛る。
⑤器の下の方から、よく冷やした「麺つゆ」をそそぐ。

この冷や奴はたくさんの薬味の香りと、揚げ玉のカリっとした食感がアクセントになっている。
他にミョウガ等があれば加えてあげてもよいだろう。
「麺つゆ」の味が薄い場合には、醤油を少量加え調節すればよい。

2)蒸し奴[今出川豆腐](イマデガワドウフ)

今から200年以上前の天明2年(1782年)刊行されたに『豆腐百珍』(とうふひゃくちん)という100種類以上の豆腐料理の調理法を紹介した料理本があり、その39番目がこの今出川豆腐という豆腐料理で、酒を加えた出し汁で豆腐を煮たものに醤油で味付けをし、葛でとじて仕上げたものに、砕いた胡桃を振りかけた、非常にシンプルな調理法だ。
うちの店では茹でるのではなく蒸しているのだが、その方が豆腐の甘さが引きだされ、やさしい味になる。
作り方:
①深めの皿に昆布を敷き、一口大に切った豆腐を並べる。
②出汁と酒を注ぎ、蒸し器で5分~7分程蒸す。
③わさびを豆腐の上に盛り、濃口醤油を上から掛ける。
④薬味(小口切りのネギ、刻み海苔、かつおぶし)等を小皿に盛り③に添える。

『豆腐百珍』(とうふひゃくちん)の豆腐料理については、また別の機会に紹介していこう。